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求人広告の書き方のコツ!母集団が増える魅力的な求人広告とは?

求人広告媒体の多様化と共に手軽に求人広告を出稿できるようになり、採用担当者が自ら求人広告を書く機会が増えてきました。

優秀な人材を採用するためにまず多くの母集団が必要ですが、採用候補者との最初の接点である求人広告は、募集団集めに重要なポイント。魅力的な求人広告であればあるほど、母集団を多く集めることができます。

魅力的な求人広告原稿を作成するコツを、ご紹介していきましょう。

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応募者が魅力を感じる求人広告のポイント

求人広告
応募者とのファーストコンタクトの場である求人広告。求人広告次第は応募者がその企業へ応募するかどうかを左右する、大切な採用ツールです。
応募者が魅力に感じる、求人広告のポイントについてみていきましょう。

求める人材が明確

求める人材が明確な広告は、応募者が求める人材に当てはまっている場合「この求人に応募してみよう!」と思う大きなきっかけになります。今回募集に至った背景や必要なスキルなどさまざまな条件から求める人材の条件を、具体的・明確に記載しましょう。欠員募集の場合は、前任者が「求める人材のモデル」になるケースもあります。

【求める人材の例】

  • 笑顔が素敵な方
  • 未経験者も歓迎!
  • 経理経験3年以上の方
  • 社会人経験1年以上の方
  • 海外駐在経験がある方

ここで注意をしておきたいのが、欲張りすぎないこと
「海外駐在経験あり・TOEIC800点以上・コミュニケーションに長けている方」など、複数の条件を求める人材に設定することで該当者が限定され、応募数が減ってしまう原因になってしまいます。応募者本人と面接をしないことにはその人がどんな人かわかりませんが、応募に至らなければ当然面接もできません。

求人広告で優秀な応募者を逃さないためにも、求める人材には「マスト要素だけ」を記載するようにしましょう。また具体的に書くといっても、男女雇用機会均等法など法律で記載が禁止されているような性別や年齢を記載するのはNGです。

ターゲット(求める人材)を意識した広告

募集広告に限りませんが、広告は訴求したい「ターゲット」を考えて作成することが鉄則です。なぜならターゲットによって、考え方や好み・価値観が異なるからです。求人広告の場合ターゲットは「求める人材」もしくは「求める人材がいそうな年齢・性別・志向層」となり、求人広告はそれらのターゲットを意識した内容が重要です。

求人広告には性別や年齢は記載ができませんが、たいていの場合企業の本音として「クライアントの特性を考えると、営業職は若手男性が望ましい」「マネジメント経験のある女性が必要」など、採用したい人物イメージがあります。

例えば「営業職の若手男性」をターゲットとした場合、求人広告に「飛び込み営業なし!自分のスタイルで成果を出せる若手営業が活躍中」「平均年齢29歳の若い職場です」などと書くことで、広告にターゲットの目が止まりやすくなります。

性別・職種・年齢層など企業側が「本当に欲しい人材」であるターゲットを意識し、広告を作成するようにしましょう

会社や仕事内容にオンリーワンの魅力がある

自社や仕事内容について、「ターゲットにとってのオンリーワン」の魅力を打ち出しましょう。知名度や売り上げ・企業規模、給与などの待遇などが原因で競合などに負けてしまうことはありますが、同じ土俵で勝負してもひっくり返すことは困難です。

オンリーワンの魅力を見つけるためには、マーケティング手法である「3C分析」が有効です。3C分析の3Cとは、「Costomer(市場・顧客)」「Company(会社)」「Cometitor(競合相手)」を指し、採用におけるCostomerは応募者のことを指します。それぞれの強み・弱みを分析し、「他社にはないが自社や仕事内容にあるもの」「今マーケット(求職者)が求めている要素で自社や仕事内容にあるもの」など、成功要因を見つけましょう。

【オンリーワンの魅力となる例】

  • 同業の同じ職種には残業がつきものだが、自社には残業がない。
  • 自社にはどの会社にも真似できない「ユニークなサービスや製品」がある。
  • 部署メンバーの半数は子育て中のため、育児に理解がある職場である。
  • 若手でも裁量を持って仕事ができるので、成長スピードが早い。

また取引先や外注先など、取り引きのある外部担当者にヒアリングをすることも有効です。自社では当たり前と思っていることから、思わぬオンリーワンが見つかるかもしれません。

会社や仕事内容に求職者が求める具体的な条件が含まれている

求人広告の条件や仕事内容は、求職者が不安に感じる要素を排除し、入社後の仕事がイメージできるよう分かりやすく具体的に書くことが大切です。

総合求人情報サイトを運営するディップ株式会社の「仕事探しに関するインターネット調査(2019年1月)」によると、求職者が応募時に気になる情報は次の通りです。

応募検討時に気になる「仕事内容」に関する情報(複数回答)

1位1日の業務の流れ68.9%
2位本当に自分でもできる仕事かがわかる具体的な仕事内容68.3%

応募検討時に気になる「給与」に関する情報(複数回答)

1位休日出勤・深夜勤務・残業のときの時給60.8%
2位給与に含まれている一律の手当名と金額54.9%

応募検討時に気になる「社風」に関する情報(複数回答)

1位職場の年齢層70.9%
2位同僚の雰囲気57.1%

例えば仕事内容を「自動車部品・パーツの法人営業(ルート営業)」とした場合、それだけの情報では実際の仕事の様子を想像するは困難です。

この場合、例えば

「自社製の自動車用ベアリングを、既存クライアントの自動車メーカー・自動車整備会社へ営業販売していただきます。弊社では人間関係が営業する上で大切だと考えているので、2週間に1回は1時間程度クライアントと電話・訪問・オンラインなどメール以外の営業活動をしていただきます。それ以外の日は、午前中は社内関係者とのミーティング、午後はクラアントとの打ち合わせ準備などをおこないます。飛び込み営業はありません」

など求職者がどんな情報を知りたいのかを想定して具体的に書いていくことで、実際の仕事内容を理解することができる求人広告になります。

【会社や仕事内容の書き方の例】

  • 米国現地のスーパーチェーン店のバイヤーに、日本製の○○をオンライン営業していただきます。営業先のバイヤーは、現地のビジネスマッチング会社から紹介されます。
  • 20代社員が45%・30代社員が35%で、若手が力を発揮できる職場です。
  • 営業社員が取った契約の書類準備・作成をし、お客様に送付する仕事です。1日に20件ほど処理をします。緊急性はないので、残業はありません。17:30には退社します。

文章量・表現が適度

広告文章は、平易で分かりやすい表現を心がけましょう。専門用語やカタカナ英語のオンパレードはNGです

例えば銀行の営業職の求人広告で、

未経験者歓迎!法人RMとしてお客さまの事業戦略を踏まえ、フルラインの金融ソリューションを提供します

と書かれているのと、

顧客企業の担当営業として、お客さまの事業戦略を踏まえた融資などの金融サービスを提案し、顧客の経営をサポートします。未経験でも丁寧にサポートするので問題ありません。

では、どちらの求人広告が分かりやすいでしょうか。

職種や部門によっては専門用語による説明が必要なケースもありますが、「何だか難しそう」「よくわからない」と求職者に敬遠されてしまっては、せっかくの広告の意味がありません。

また文章量にも注意が必要です。思い入れがあるあまり仕事内容や会社の情報を長々と描きすぎると、求職者に読んでもらえません。逆に短い文章にしすぎても書いてある内容を理解するための情報が不足し、何を言いたいのか分からない文章になってしまいます。

どう伝えるか」ではなく「何を伝えるか」という観点で、求職者の立場に立った表現・文章量に仕上げましょう

【実践編】魅力的な求人広告の書き方

求人広告の書き方
それでは魅力的な求人広告のポイントを踏まえた、求人広告の具体的な書き方について説明していきましょう。

キャッチ、タイトル

キャッチやタイトルは「この会社の情報は読まなきゃ!」と思わせることを意識しましょう。「キャッチ」とは、その名の通りターゲットをキャッチするためのコピーで、短い文章でもターゲットに伝わるキャッチを作成するためにはコンセプトメイキングが有効です。

「求める人材」「自社オンリーワンの強み」など募集背景や仕事内容、自社の魅力など求人のさまざまな要素を言語化してコンセプトを作成し、そこからキャッチをつくっていきましょう。

キャッチ作成は必ずしも最初である必要はありません。一通り求人広告を書いた後に作成すると「言いたいのはコレ!」と頭も整理されていることもあります。

また一人で作成すると主観的になってしまう可能性もあるので、複数人でブレストしながら作成したり、ほかの社員に複数案のなかから選んでもらう方法も有効です。

【キャッチ作成のポイント】

  • シンプルな表現を心がける
  • コンセプトに沿ったものにする
  • 思いつくものをどんどん書いてみる
  • まずは書いてみて、そこから削っていく
  • 「読ませるきっかけ」となるもの

事業内容

コーポレートサイトと同じにしてしまいがちな事業内容ですが、 求人広告の事業情報はターゲットを意識して書きましょう

例えば、コーポレートサイトの事業内容が「自動車部品の製造・販売」だったとします。求人広告で求める人材が「海外営業担当者」である場合、事業内容を「自動車部品の製造・販売。売り上げの7割はアメリカ・ヨーロッパを中心とした海外企業です」とすることで、ターゲットはより事業内容に魅力的に感じます。

また事業内容でも、「専門用語を極力平易にする」「具体的な数値を使う」ことを心がけましょう。

【事業内容作成のポイント】

  • コーポレートサイトのコピペでなく、ターゲットを意識して書く
  • 専門用語などがあった場合、分かりやすく書き換える
  • 数字などを使って具体的に

仕事内容

求人広告の一番のポイントとなるのが仕事内容です。前述した求職者が知りたいポイントは何か」「求職者が働くイメージを持てるか」を踏まえ、数値も取り入れながら具体的に作成していきましょう。

配属される部門と担当する仕事の関係性を明確にしておくことも大切です。
「国際営業部で、おもに北米地域を担当していただきます。毎月一回、担当エリアの状況報告を国際営業部に共有していただきます」など、部門内で担当する仕事がどんな役割を担うのか、明確に記載しましょう。

【仕事内容作成のポイント】

  • ターゲットを意識し、「求職者が知りたいポイントは何か」を念頭に作成
  • 求職者が入社後の1日の流れ・1週間の流れを想像できるかどうかを意識して作成
  • 数字などを使って具体的に作成
  • 担当する仕事が、配属先の部門でどのような役割なのかを説明

仕事内容に誤解や相違があると、ミスマッチとなり早期退職などの原因になりかねないほか、求人広告の内容と実際の仕事内容に相違があった場合は労使間のトラブルを引き起こす可能性もあります。

例えば仕事には、人から嫌がられる内容もあります。それを求人広告にあえて書かなかったとしても、結局入社後「知らなかった」「聞いていた話と違う」と離職する原因になってしまいます。 仕事の良い部分だけを書くのではなく、それ以外の面も含めて事実と相違がないように作成しましょう。

応募条件

応募条件は企業側が求めない人物との接触を避け、無駄な採用活動をしないためにも大切な条件です。応募条件は、キャッチを作成する段階で立てた採用コンセプトのターゲティングから作成しましょう。

ターゲットを定め、その上で「MUST(絶対必要)」「WANT(あると良い)」要件に分けて書いていきます。募集するポジションと同じ仕事をしている社員がいれば、その人をロールモデルとして要件をわけてもよいでしょう。

【応募条件作成のポイント】

  • ターゲットを想像しながら「MUST」「WANT」要件を整理
  • 同職の社員がいたら、その人をロールモデルに

待遇・雇用条件

求職者にとって重要な待遇や雇用条件。正確に記載しないと後でトラブルを生じる原因となりますので、事実を丁寧に記載していきます。

待遇や雇用条件について求職者は詳しく知りたいと思いながらも面接では聞きにくい部分なので、求職者の立場に立って先ほど紹介した「応募検討時に気になる『給与』に関する情報」も参照し、具体的に記載しましょう。

待遇・雇用条件は、入社時だけでなく入社5年後、10年後などのモデル給与などを併記しておくといいでしょう。多くの優秀な求職者は就職を中長期的に考えており、5年後や10年後の自分の姿を想像して就職活動をしています。

また勤務時間は正確に記載します。残業が見込まれる場合は、「月○時間程度の残業があります」「月末の数日は2時間程度の残業があります」と、残業時間やいつ残業があるのか、具体的に書きましょう。

【待遇・雇用条件作成のポイント】

  • 事実を具体的に書く
  • 入社後の中長期的なモデル給与も書く
  • 残業など求職者にとって歓迎されない内容も、具体的に事実を書く

そのほか求人広告の作成で試したい施策

PDCA
求人広告をより効果的なものにするために、そのほかに試しておきたいさまざまな施策をご紹介します。

ターゲットと同条件の社員が作成する

採用ターゲットと同条件の社員に、求人広告記事の作成を依頼してみましょう。例えば20代後半男性・営業職がターゲットであれば、それに当てはまる社員が広告を作成することで、ターゲットの視点で広告を作成することができます。

人事部に適任者がいない場合他部署のメンバーに依頼ができればいいですが、実際に依頼するのは難しい場合もあります。そんな時は「校正だけ」依頼するという方法もあります。
「求人広告、○○さんのような人を採用したいんだけど、魅力的に見えるか確認してもらえませんか?」など、それほど作業時間もとらせないことをしっかり伝えましょう。

ターゲットと同条件の社員のチェックが入ることで、「こんな会社だったら、自分もぜひ応募したい」という視点の求人広告に仕上げることができます。

プロのライターや代行サービスに作成を依頼する

ライティングのスキルが高いプロのライターや求人広告代行サービスなどを利用するのも効果的です。

求人広告とひとくちに言っても、新卒・キャリア・パート・アルバイトなど、採用チャネルによってもマーケットやターゲットはバラバラです。原稿だけでなくそれぞれのチャネルのターゲティング・コンセプトメイキングをすることは一筋縄ではいきません。

プロのライターでれば、ライティングのほかにコンセプトメイキングも任せられます。また同業他社の情報や採用マーケットのトレンドも熟知しているので、「自社をどう差別化し、ターゲットに魅力的に見せるか」という視点で、効果的なキャッチ・採用広告が仕上がります。

そのほかにも求人広告を外部委託することで、時間的余裕が生まれ別の業務に取り組めるとうメリットもあります。

リアルな写真を掲載する

求人広告は求職者が実際働くイメージを持てることがポイントですが、そのためにも「実際の社員」の写真は、求人広告の効果をあげるために大切
です。できれば社風を感じることができるような「社員同士が話しているもの」「複数人の仕事風景」を掲載しましょう。

「あまり社内がきれいではない」「若手がいない」などの理由でイメージ写真などを使うケースも見受けられますが、これでは実際に働くイメージがわかなだけでなく、実際に入社に至ったとしても、イメージと違うと早期離職の原因になってしまいます。

また写真には「明るさ」が大切。
同じ社員・執務スペースを撮影しても光の入り方で印象が大きく左右されますので、撮影はできるだけ昼間の明るい時間におこないましょう。SNS慣れしている人は写真の撮り方も心得ているので、そういったメンバーに撮影を依頼するのも有効です。

検証・分析・改善

求人広告を出したら、必ず効果測定をおこないましょう

求人広告の反応が悪かった場合、「求人広告の内容」「競合」「採用マーケット」などさまざまな原因が考えられます。また応募者自体は多かったものの、その後選考で離脱する人が多ければ、求人広告と実際の仕事のイメージが乖離していたことが考えられます。原因を追求し改善策を練ることは、求人広告の効果をあげていくためにも重要です。

そのほかABテストのような仮説に基づく施策を2パターンおこない、「どちらがより求める人材が集まりやすいか」など、さまざまな方法から検証してみましょう。

大切なことは求人広告そのものだけでなく、内定に至るまでの採用プロセス全体の検証・改善を行うことです。

一般的に採用広告は「できるだけ多くの母集団を集める目的」がありますが、ゴールは「求める質・量を満たす採用」です。「母集団はかなり集まったが、質がイマイチ」「母集団は少ないが、全員ハイレベル」「良い質の求職者が集まったが、面接での離脱が多い」など、採用全体の検証をおこなうことで、どのような採用広告・プロセスがゴールへの最短距離なのかを知り、採用広告をブラッシュアップしていけるようになります。

【検証の例:採用プロセス】
エントリーは100名、実際面接を受けたのは10名。
もう少し実際の面接への動員をはかりたいが、求職者が面接に足を運ばない理由を検証し、改善策を練る。

求人広告

↓ 応募 100名

面接1

↓ 10名

面接2

↓ 5名

内定

↓ 2名 うち1名辞退

【検証2:求人広告内容】
AB広告。どちらのコンセプトが、効率よくゴールを達成できるかを検証する。
A コンセプト「若手が活躍でき、ワークライフバランスもバッチリ」
・応募数 30名
・面接者数 15名

Bコンセプト「営業事務の仕事、さまざまなキャリアを選べる」
・応募数 20名
・面接者数 18名

求人広告の書き方のコツをつかんで、応募者を増やそう

応募者
求人広告を効果的なものにするためには、「明確なターゲティング」「コンセプトづくり」「仕事をする具体的なイメージを持てるか」の3つがポイントです。また求人広告に専門的なスキルや知識があれば、より効果的なものが作成できます。

専門的な知識やスキルを身につけるためには時間が必要です。求人広告作成の勉強がてら、一度そのようなスキルを持ったプロに依頼してみるのもひとつの手。ランサーズには求人広告の専門スキル・知識を持ったランサーが多数登録していますので、相談するところかはじめてみてはいかがでしょうか。

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