校正は、質の高い印刷物やWEBページに仕上げるのに欠かすことができない工程です。原稿(デザイン原稿を含む)とゲラとを突き合わせながら、誤字や脱字などがないか一字一句確認していく地道な作業です。もしも校正をおざなりにしてしまうと、ミスがある状態の印刷物やWEBページになりそのままの形で世に出されてしまうことに。結果的に、文章の作成者・読者の双方に大きな被害をもたらす可能性があります。あとでトラブルにならないためにも、決しておそろかにできない工程といえるでしょう。校正を依頼する方法には大きく分けて、業務委託とアウトソーシングとがあります。それぞれ二つの方法のメリットとデメリットについて解説します。

目次
校正を業務委託する場合のメリットと注意点
校正を業務委託する場合、校正者が自社内など、作業するスペースに常駐して作業してもらうことになります。いわゆる「出張校正」と呼ばれる校正の形態です。
校正結果をすぐに得られる
校正を業務委託する場合、上がった原稿にその場で校正者が目を通すことができるため、校正の結果がすぐに得られるというメリットがあります。作業をスピーディーに進めたいときに便利です。
校正者が業務に深く参画し機密情報の漏洩を防ぐことが可能
自社内に常駐してもらうことで、校正者は、企画や打ち合わせの段階から参画することができます。校正者は、校正の作業だけでなく、プロジェクトの大枠や作業体系などについても把握できるため、より作業がしやすくなります。
校正者が常にそばにいるため、直接対話することが可能に。コミュニケーションがスムーズに行えるため、作業指示が正しく実行でき、ミスの軽減につながります。
機密情報などを扱う場合、原稿を会社の外部へと持ち出すのに抵抗を感じる場合もあるでしょう。そんなとき、校正を業務委託し、担当者に常駐してもらうことで、大切な情報を社外に持ち出すことなく安全に作業することが可能です。
料金は割高になる傾向
校正を委託する場合、校正にかかる料金は、日単価ないしは時間単価で計算されるのがほとんどです。加えて、校正者が常駐する日数分の交通費も必要になりますし、自社内に校正者のための作業場所を確保しなくてはなりません。
原稿がない状態、すなわち校正者が何の作業もしていなくても、校正者を自社内に拘束している以上、校正料金が発生してしまいします。待ち時間が長引く分、ロスも発生しますから、校正料金がかなり高額となる場合がある点にも注意したいところです。
偽装請負には注意が必要
他社の人材を自社内で就労させる場合、偽装請負と判断される可能性があることにも注意が必要です。偽装請負とは、形式上は委託契約であるにもかかわらず、実際には労働者派遣の形態になってしまっているケースのことを指します。常駐する他社員に対して、自社の指揮・命令のもとで業務を行わせると、労働者派遣に該当し、雇用形態を偽装しているとみなされ、労働者派遣法に抵触します。
適切な委託業務だと判断されるためには、校正者の業務指示・管理を委託された業者が行なっていること、委託された業務を発注業者から独立して処理することなどが求められます。
アウトソーシングで校正を業務委託する場合のメリットと注意点
校正を依頼するもう一つの方法がアウトソーシングです。これは、原稿を外部の業者もしくは校正者へと直接送付し、校正作業をしてもらうというもの。
社内の資源をコアな業務に集中投入できる
日単価ないしは時間単価で校正を委託する場合、ちょっとした作業であれば、外部校正に依頼せずに、自社内の人材が校正を担当する場面があるもの。ところが、校正を的確に行うためには、文法をはじめとするさまざまな分野に精通し、専門的な知識を備えていることが必要です。作業に膨大な時間がかかるため、社内の資源をいたずらに消費してしまうことにつながります。
社外に校正を丸ごとアウトソーシングすることで、自社内の人材は本来の仕事に専念することが可能です。
予算が立てやすく不要なコストが発生しにくい
校正をアウトソーシングする場合、業務委託するときのように日単価ないしは時間単価ではなく、文字の量などによって校正料金が決定されます。校正者に原稿が仕上がるのを待ってもらう必要も、校正者のために物理的なスペースを確保する必要もありません。
あらゆるロスが軽減できることから、業務委託に比べて安価となる傾向があります。事前に校正料金の予算を立てやすいことも、アウトソーシングの大きなメリットといえるでしょう。
原稿をいったん完全に社外に出すことで、外部の目を入れていることをアピールすることにもなります。品質管理の面で、クライアントの信頼感を得ることにもつながるでしょう。
意思の疎通が難しく、作業指示を誤りやすい
ただし、注意点もあります。校正をアウトソーシングする場合、校正者は離れた場所で作業することになります。そのため、意思の疎通が難しく、作業指示に誤りが生じたり、互いの認識にすれ違いが生じたりする場合が少なくありません。校正の結果を得るまでにある程度の時間も要します。
最近では、作業の依頼から納品にいたるまで、一度も校正者と面会することなく業務を依頼することも可能になってきました。安価で、ロスが少ない反面、こちらが想定していたものとは異なる成果となって仕上がってくるリスクがあることを心得ましょう。
クラウドソーシングで校正を業務委託する場合のメリット
業務委託とアウトソーシング、いずれもメリット・デメリットがあり、どちらを選択すべきか判断に困るケースもあることでしょう。そんな場合は、クラウドソーシングを活用するという手もあります。
スキルの高いフリーランスが多数在籍
クラウドソーシングには、実績のあるフリーランスが多数在籍。質・量ともに安定したフリーランスプールの確保を実現しています。医療や法律、システム工学に人工知能など、あらゆる専門分野に精通する校正者が在籍していますから、フリーランスそれぞれのスキルを把握した上で、適任者に業務を依頼することが可能です。
単発での依頼や長期的なプロジェクトなど、案件に合わせた自由な発注が可能。自社内に校正者が常駐する形で業務を依頼することもできます。
ディレクションリソースが豊富でフリーランスの管理が容易
自社内にディレクションのための資源がないという場合も問題ありません。クラウドソーシングでは、豊富なディレクションリソースと蓄積したノウハウで、クライアントを丁寧にサポート。完全なアウトソーシングによる校正にも対応しています。
予算に応じて発注ができ、急な納期にも対応可能な場合も
校正を請け負う一般的な校正会社(校正プロダクション)では、文字の分量や作業時間などによって校正料金が決まります。クラウドソーシングでは、予算に応じて、校正料金を自ら提案することも可能です。
一般的な校正会社は自社内の資源が限定的。業務委託・アウトソーシングいずれの形態でも、作業時間を十分に確保しなくてはならないのが一般的です。そのため、納期を短縮する特急校正に対応するのは難しい場合が多く、可能だとしても通常よりも高額な校正料金が設定されています。クラウドソーシングなら、短納期に対応可能なフリーランスとのマッチングも比較的容易です。
校正の業務委託ならクラウドソーシングもおすすめ
校正は、要求する精度や、出版物であれば発行部数に応じて作業内容が変わってきます。とくに校正を初めて社外に依頼する際は、どの程度の仕事が期待できるのか、いったいどのくらい校正料金がかかるのかなど、不安が尽きません。品質・費用・納期のバランスを重視するのであれば、一般的な校正会社だけでなく、クラウドソーシングを選択肢の一つに加えるのもよいでしょう。
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