あらかじめ決めたコスト内で期限内にプロジェクトを完了させ、想定した結果を出すのは困難を伴います。プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトマネジメントのプロに依頼するのがおすすめです。今回は、プロジェクトを成功させる難しさやマネジメントを依頼するメリット、依頼先の選び方についてご紹介します。

プロジェクト成功はなぜ難しいのか
プロジェクトでは、定めた目標を達成すること以外に、期限内に完了させることや決められたコスト内に収めることが求められます。会社のプロジェクトチーム内にプロジェクトマネージャーを用意したとしても、成功体験やノウハウがなければなかなか難しいものです。
なぜ、プロジェクトは成功させることは難しいのでしょうか。以下では、プロジェクトの中でも特に失敗しやすいといわれているソフトウェア開発を例にその理由をご紹介します。
完成形を共有しにくい
プロジェクトにおいては、プロジェクトメンバーが完成形を正しく共有することが大切です。しかし、ソフトウェア開発の場合は成果物がプログラムであり、形ある製品ではありません。反対に、例えば「新しい車を作る」といったプロジェクトであれば成果物が形として想像しやすいといえます。
ソフトウェア開発は、専門的な知識がなければ完成形を想像しにくく、メンバー間で共通の認識を持ちにくいという特徴があります。ある調査によれば、ソフトウェア開発は44%が失敗し、24%が中止に終わり、成功するのはわずか32%とのことです。
完成形を共有しにくいのはソフトウェア開発の特徴ですが、完成形をメンバーで共有できなければ失敗の可能性が高まるのはどのプロジェクトにおいてもいえることです。
途中で変更できてしまう
形のある製品を開発する場合、仕様の変更には慎重になる必要があります。一方、ソフトウェアは変更が容易であり、完成間近でも修正を加えることができます。ミスがあったときにすぐに直せるメリットがある一方、工数の増大やソースコードの複雑化を招く可能性もあり、これもソフトウェア開発が失敗しやすい原因のひとつです。
その他のプロジェクトにおいても、プロジェクトマネージャーなどが変更のコントロールを握れていなかった場合、思わぬ遅延やトラブルにつながる可能性があります。
プロジェクトマネジメントを依頼するメリット
会社内に、あるいはプロジェクトチーム内にプロジェクトマネジメントのノウハウを持った人がいなければ、プロジェクトをコスト内・期限内に完了させることは難しいといえます。そこで頼りになるのが、プロジェクトマネジメントを専門に行なっている会社です。外部の会社に管理を依頼することには、以下のようなメリットがあります。
各種マネジメントに長けている
プロジェクト成功のためのさまざまな要素から成り立っているのがプロジェクトマネジメントです。国際的なプロジェクトマネジメントの資格であるPMPにおいては、コストやスケジュール、リソース、品質、コミュニケーション、リスクなど多くの領域の管理スキルが求められます。
プロジェクトマネジメントの専門会社であれば、PMP取得者などのプロフェッショナルが在籍しており、各種マネジメントに長けています。依頼すれば、プロジェクトに必要な管理をスムーズに行なってもらうことが可能です。
成功事例や成功体験を持っている
プロジェクトを成功させるためには、マネジメントの知識だけでなく、実際に成功した例を知っていることが重要です。特に中小企業であれば、そのような事例を持っている従業員はなかなかいないものです。
その点、プロジェクトマネジメントの専門会社には多くの成功事例が蓄積されています。また、それぞれのコンサルタント自身も成功体験を持っており、その実績を自社のプロジェクトにも活かしてもらえるのは大きなメリットです。
社内に良質なノウハウを蓄積できる
プロフェッショナルにマネジメントを依頼し、プロジェクトを成功させることができれば、社内に成功体験とノウハウが蓄積されます。次のプロジェクトからは専門会社に依頼することなく、社内でプロジェクトマネジメントを回せるようになるかもしれません。
プロジェクトマネジメントの会社に依頼できること
プロジェクトマネジメントの専門会社には、具体的にどのようなことを依頼できるのでしょうか。
立ち上げ支援
プロジェクトで重要な工程のひとつが、要件整理を行なってすべての計画を策定する立ち上げです。ここが上手くいかないと、後々のスケジュールに大きく影響する可能性もあります。プロジェクトマネジメントの専門会社には立ち上げの段階から入ってもらうことが可能です。
実行支援
立ち上げから完了までの各工程において、実行支援を依頼することができます。プロジェクトマネジメントの専門会社はコスト、スケジュール、品質、リスクなどさまざまなマネジメントに長けているため、プロジェクトをスムーズに進めるための的確なサポートが期待できます。
また、プロジェクトを成功させるために必要なプロジェクト管理システムについても支援を受けることができます。どのプロジェクト管理システムを使うかによっても成功率が変わるため、システム選びも重要な要素です。
プロジェクトマネジメントの研修
社内にプロジェクトマネジメントのノウハウを蓄積するための研修も依頼できます。例えば、プロジェクトマネジメントの資格であるPMPの取得に向けた研修などです。専門会社によってさまざまなプログラムを設けているため、自社に合った内容を選択することができます。
プロジェクトマネジメントの会社の選び方
プロジェクトマネジメントを専門にしている会社は多くあります。大切なパートナーを選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてみてください。
公正で中立な判断ができるか見極める
外部の会社に管理を依頼するので、公正で中立な判断が下せるかどうかは重要です。例えば、自社製のプロジェクト管理システムを持っている会社であれば、自社のシステムを使ってもらうことありきで話を進める場合がないとはいえません。中立な立場でプロジェクトの内容を判断し、アドバイスをくれる会社を見極めることが大切です。
得意分野や成功事例を確認する
プロジェクトマネジメントと一口にいっても、実に多くのタイプのプロジェクトがあります。プロジェクトマネジメントの専門会社でもどのような案件に取り組んできたかは変わるため、どの領域のプロジェクトに強いのか、あるいはどんなプロジェクトを成功させてきたのかをよく確認することが大切です。
プロジェクトマネジメント会社はあくまでガイドだと考える
どの会社にプロジェクトマネジメントを依頼するにしても、意識しなければならないのは「プロに依頼するのだからもう安心」とは思わないことです。外部のプロジェクトマネージャーは道筋を示し、ときにはある程度の負担を背負いますが、目的地までは自身の足で向かわなければなりません。実行するのはプロジェクトメンバーであり、プロジェクトマネジメント会社はあくまでガイドだと考えましょう。
まとめ
時間もコストも限られているプロジェクトを成功させるためには、そのノウハウや成功事例を多く持っている専門会社に依頼するのがおすすめです。プロジェクトマネジメントをプロに依頼することで、成功の確率を上げ、そのノウハウを社内に残すこともできます。依頼する際には、その会社の得意分野を確認するなどのポイントを意識してみてください。
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