(更新:2020年7月7日)議事録を作成するのに欠かせないテープ起こし。社内で行なうとなると、これがなかなか骨の折れる作業。そこで外注を検討されている担当者の方も多いはずです。ところが、いざテープ起こしを外注しようとしても、業者の選び方や依頼の仕方などわからないことばかりで戸惑ってしまいます。そこで、テープ起こし業者と出会うための方法について、テープ起こしを外注するメリットと合わせてご紹介します。

議事録のテープ起こしを外注するメリットとは?
議事録のテープ起こしを外注しようかどうか迷っている方に向けて、まずはテープ起こしを外注するメリットと注意点についてご紹介します。依頼の是非を決定するうえでの参考にしてください。
手間がかからない
コストを考えるなら、自身で内製するより議事録のテープ起こしは外注するほうが効率的な場合もあります。テープ起こしは、ただ音声を聞いてタイプしてくだけと思われがちですが、実際にやってみると想像以上に大変。地味な作業であるうえ、時間がかかる作業です。社内の人材がテープ起こしをする場合、通常の業務をこなしながらとなりますから、残業時間もしくは業務の合間に行っているはずです。本来、より重要で生産性の高い仕事に充てるはず、もしくは英気を養うはずの時間がテープ起こしに侵食されているとするなら、重大なリソースの損失があることになります。
なかには自宅に持ち帰って作業している場合もあるでしょう。そうであれば、ノンコアな業務が多い労働環境を作り出すだけでなく、社内の人材のモチベーションにも関わる問題です。議事録のテープ起こしを内製する理由の多くは費用の面にあるはず。
内製することは経費を節約しているつもりが、かえってコストがかかっている可能性もあるのです。
ニーズに合わせた仕上げの仕様を選択可能
一口にテープ起こしといっても、仕上げにはさまざまな仕様があり、ニーズに合わせた議事録作成を依頼することが可能です。テープ起こしの主な仕上げとして、次のものが挙げられます。
- 素起こし
- ケバ取り
- 整文
「素起こし」とは、ICレコーダーなどで録音した議事録の会話音声を業者に渡し、聞こえる音声を一語一句残さず文字に書き起こす方法のことをいいます。例えば、「あのぉ」とか、「えっと」といった、意味がないように思える言葉もいっさい省略しないので、臨場感のある会話を再現したい場合に向いている方法です。主に、裁判証拠や面談の記録の際に使われます。「逐語記録」ともいわれます。
「ケバ取り」とは、「あのぉ」「えっと」といった無意味な言葉や、あいづちなど、議事録の内容に関係ない音声を削除したり、補正したりする方法のこと。「〜はね」「〜だとね」など、意味を示すのに不要な語尾も省かれます。ときに実際には発されていない音声(助詞など)を加えて、読みやすく仕上げるのが特徴です。インタビューや会議などの記録の際に使われます。
「整文」とは、整った文章に仕上げる方法のことをいいます。いったんケバ取りをしたあと、話し言葉を書き言葉に換えたり、不揃いな印象の語尾はすべて「ですます調」に。会話を印刷物にする際などに使われます。高度な技術が求められるため、一部のプロにしかできない仕様です。
テープ起こしの費用相場は?短い日数で文字起こしを安く発注する方法
議事録のテープ起こしを外注するときの注意点とは?
話者の特定が難しいため、工夫や手間が必要
テープ起こしを外注することには、もちろんデメリットもあります。例えば、会議のように複数の人が会話をしているところを録音する場合、テープ起こしの担当者は、会議の参加者のことを知らないため、話者の特定が困難なケースがあるようです。とりわけ、同世代の男性同士、女性同士の声を聞き分けるのが難しいとされます。
上記のような懸念がある場合、発言する前に話者が名前を述べたり、会議の参加者の一人がメモ(時間や話者、話し始めの言葉、座席表などを記入)をとったりなどの対策が必要になります。テープ起こし業者の担当者が会議に参加し、録音作業ごと任せられるサービスを提供している業者もあります。
業者によって精度の高さに違いがある
業者によって、テープ起こしの精度の高さがまちまちであることにも注意が必要です。例えば、聞き取れなかった用語や、専門用語を判別できないことはどうしてもあるものですが、聞き取れた範囲で起こしたうえで、該当する時刻を添えてくれる業者もあれば、丸ごと放棄する業者もあります。
聞き取れなかった言葉を、あとで依頼主がチェックしやすいようはっきり区別してくれたり、事前に提供した資料を参照して、該当する用語を探し当ててくれたりする業者があります。
一方、雑なケバ取りがしてあるために手直しがかなり必要になる業者などもいます。
料金を安く設定している業者は粗さがある可能性もあるため、実際に議事録のテープ起こしを発注する際には注意したいポイントといえるでしょう。
依頼やりとりとクラウドソーシングという選択肢
実際にテープ起こしを依頼した場合、どのような段取りで進めることになるのでしょうか。テープ起こしを依頼したあとの流れについて簡単に説明し、クラウドソーシングという選択肢があることについても触れておきます。
依頼後の流れ
出張が必要でない限り、テープ起こしの依頼はネット上のやり取りだけで完結します。依頼後の具体的な流れは以下の通りです。
- 見積もり
- 音声データを送信
- 作業開始
- 納品
- 請求
ホームページの自動見積もりフォームなどから申し込みを行ったのち、実際に音声データをアップロードすると詳細な見積もりが得られます。音声データは「データ便」などのデータ送信サービスを使って送るのが一般的です。
そのあと、見積もりと合わせて納期が提案され、了解した時点で作業開始となります。通常であれば、6営業日から8営業日後に納品。Wordファイルがメールに添付されるケースが多いようです。
納品から数日後に請求書が郵送で到着。支払いを済ませると、領収書がやはり郵送されてきます。
クラウドソーシングで依頼するメリット
一般的な業者に依頼する方法のほかに、議事録のテープ起こしをクラウドソーシングで依頼するという手もあります。クラウドソーシングには、専門知識とテープ起こしの技術を兼ね備えた人材が多数在籍。医療や法律など、案件ごとにそれぞれ得意な人材に任せることができます。
料金も依頼主が設定できるため、予算に応じて、気軽に依頼できるのも大きなメリットです。短納期で業者に議事録のテープ起こしを依頼する場合、高額な特急料金がかかってしまうのが普通です。クラウドソーシングなら、フリーランサーのリソース次第では、通常納期水準の料金で短納期に対応可能な場合もあります。
テープ起こしの費用相場は?短い日数で文字起こしを安く発注する方法
テープ起こしの依頼にクラウドソーシングを活用しよう
テープ起こしを初めて依頼する場合は、料金や品質、納期など、なにかと不安がつきないもの。自由な料金設定で、案件ごとに最適な人材に対して気軽に依頼ができるクラウドソーシングも、ぜひ選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
