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ECサイトの決済方法から代行会社の選び方まで徹底解説!

ランサーズ株式会社|2021年12月30日
KNOWHOW

ECサイトにはキャッシュレス決済をはじめ、コンビニ決済や外部ID決済などさまざまな決済方法があります。導入する決済方法によっては、ユーザーのニーズに合わず離脱されてしまうかもしれません。

そこで本記事では、ECサイトの利用状況や決済方法別の特徴やメリットについて詳しく解説します。EC初心者におすすめな決済代行会社についてもご紹介しますので、自店に適した決済方法を探している方はぜひ参考にしてください。

ECサイトのユーザー層に利用されている決済方法

ECサイトの物販系分野はどれくらいの市場規模なのか、利用しているユーザー層や利用している決済方法について抑えておきましょう。

ECサイトの市場規模は拡大傾向

経済産業省が2021年7月に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、国内の消費者向け物販系分野におけるEC市場は、2020年の実績が12兆2,333億円にのぼり、伸長率21.71%と拡大していることがわかりました。

カテゴリーを詳しく見ていくと、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」が2兆3,489億円と最も大きく、「衣類・服装雑貨等」の2兆2,203億円が続きます。さらに、「食品、飲料、酒類」が2兆2,086億円、「生活雑貨、家具、インテリア」は2兆1,322億円と、4つのカテゴリーで物販分野の73%を占める結果となりました。

また、総務省が2021年6月に発表した「令和2年通信利用動向調査の結果」では、デジタルコンテンツを除く「商品・サービスの購入・取引」について年齢階層別の利用率を調査しています。最も高いのは20~29歳で、30~39歳、40~49歳の順に続く結果となりました。

ECサイトで利用されている決済方法

総務省の「令和2年通信利用動向調査報告書(世帯編)」によると、ユーザーがインターネットを使って商品を購入する際に最も多く利用されているのは、クレジットカード払い(75.0%)です。次点のコンビニエンスストアでの支払い(36.5%)を大きく引き離す結果となりました。3番目に多いのは代金引換(24.6%)で、銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替(22.5%)が続きます。

インターネットバンキング・ モバイルバンキングによる振込(16.7%)と、通信料金・プロバイダ利用料金への上乗せによる支払い(15.9%)は、前年から横ばいの状況です。また、電子マネーによる支払いは15.7%に留まっていますが、2019年は9.1%、2020年は14.7%と徐々に増加しています。

ECサイトの決済方法の種類

ECサイトで利用されている主な決済方法をご紹介します。

決済方法 決済方法の特徴
クレジットカード 消費者の信用によって商品を購入する後払い決済
電子マネー 電子データのやり取りによる決済サービス
キャリア決済 大手携帯電話キャリアの携帯電話利用料金と合算して支払う
コンビニ払い 消費者が商品の購入手続き後にコンビニで代金を支払う
代金引換(代引き) 消費者が商品を受け取った際に代金を支払う
後払い 商品を先に発送し、消費者が内容確認後に代金を支払う
PayPal(ペイパル) PayPalが販売事業者と消費者の間に入って決済を行う
銀行振込 指定した銀行口座に消費者が代金を入金する
郵便振替 郵便局の窓口やATM、オンラインを利用して消費者が代金を支払う

ECサイトの決済方法を選ぶ3つのポイント

自社/自店のECサイトに決済方法を導入する際は、次のようなポイントをチェックして選びましょう。

1. 運用コストに合わせて決済方法を選ぶ

決済方法によって運用コストは異なります。例えば、決済代行サービスの運用には、初期費用のほかに、月額固定費用や決済手数料、決済サービス利用料、決済処理にかかるトランザクション費用が必要です。決済代行会社によって設定が異なるので、運用コストに見合うサービスを選びましょう。

2. ターゲットに適した決済方法を選ぶ

ターゲットとするユーザーが利用しやすい決済方法を選ぶのも重要なポイントです。例えば、20代以上の幅広い年代をターゲットにするECサイトでは、クレジットカードの利用率が高いと考えられます。

一方で、若い年齢層はクレジットカードを所持していないユーザーが多いため、現金購入が可能なコンビニ決済やスマートフォンのキャリア決済などを選ぶようにしましょう。

3. 取り扱う商材に適した決済方法を選ぶ

ECサイトの商材に適しているかも選び方のポイントです。例えばクレジットカードは、利用可能額の上限が高く未払いのリスクも低いため、取り扱う商材が多いECサイトに適しています。

また、高額品を販売するECサイトでは、多額の現金を用意する必要がある決済方法以外が適しているといえるでしょう。定期販売を手がけるECサイトには、販売業社とユーザーのどちらにとっても手間がかからない決済方法が適しています。

ECサイトで多く利用されているキャッシュレス決済

ECサイトを利用するユーザーにとって便利なのが、現金のやり取りが発生しないキャッシュレス決済です。導入実態やキャッシュレス決済の種類について詳しく見ていきましょう。

キャッシュレス決済方法の導入実態

2021年に経済産業省が発表した「キャッシュレス決済 実態調査アンケート 集計結果」によると、中小事業者におけるキャッシュレス導入率はおよそ70%です。クレジットカードやコード決済の導入率は55%と、半数以上の事業者が導入しています。

一方で、電子マネーの導入はおよそ1/4に留まっていることがわかりました。しかし、総務省統計局の「家計消費状況調査年報(令和元年)結果の概況」によると、電子マネーを所持している家族がいる世帯の割合は62.4%を超えています。2019年の利用金額は1ヶ月平均20,567円で前年より12.7%増加していることから、決済方法の需要があるといえるでしょう。

ECサイトで利用されている3種類のキャッシュレス決済

よく使われるキャッシュレス決済として、下記の3つの決済方法を紹介します。

  1. クレジットカード決済
  2. 電子マネー
  3. スマートフォン決済

1. クレジットカード決済

キャッシュレス決済の中でも、最も普及率が高い決済方法です。消費者が商品やサービスを受け取ってから後払い式で決済します。ユーザーにとっては、ポイントをためられる、セキュリティ対策が徹底されているなどのメリットがあります。

一方で、クレジットカードによっては年会費がかかったり、支払い方法によって手数料が発生する点はデメリットです。

2. 電子マネー

事前に金額をチャージをして、商品・サービスの購入時にチャージ金額から支払う決済手段です。交通系や流通系、QR決済系など、クレジットカードを持っていないユーザーでも利用できます。利便性が高く、ポイント還元を受けられるのもメリットです。

電子マネーによっては、オートチャージが利用できない、チャージ残高が不足していると使えないといったデメリットがあります。

3. スマートフォン決済

スマートフォンにクレジットカードを紐付けたり、電子マネーのアプリを入れたりして支払う方法です。銀行口座の情報を登録しておけば、スマートフォン決済のアプリにチャージできます。

決済時に支払い方法を選択するとアプリが起動する仕組みで、手軽に利用できるのが大きなメリットです。スマートフォンのバッテリー残量や通信環境の影響を受ける点がデメリットにあげられます。

ECサイトのクレジット決済システム

ECサイトのクレジット決済方式の概要を下表にまとめました。

決済方式 決済手続きの概要
リンク(画面遷移)方式 消費者が支払いページに移行する際に決済代行会社の決済システムに遷移し、決済手続きを行います。
トークン(JavaScript)方式 消費者が入力したクレジットカード情報を「JavaScript」で変換(トークン)して、高セキュリティの決済手続きを行います。
データ伝送(API)方式 ECサイト事業者と決済代行会社の間でクレジットカード情報を通信して、決済手続きを行います。
メールリンク方式 決済代行会社から消費者に決済URLをメールで案内し、決済代行会社の決済フォームで手続きを行います。
ウィジェット方式 決済代行会社が指定するタグを決済ページに設置し、消費者がブラウザから決済手続きを行います。

ECサイトで利用されている主な決済方法6選

ここからはECサイトの主な決済方法の概要、EC事業者とユーザーにとってのメリット・デメリットを一覧表でご紹介します。

1. コンビニ決済

概要 消費者がコンビニの店頭で代金を支払う
メリット ・365日24時間、支払いが可能
・全国の主要コンビニが利用できるので支払い環境が整っている
・クレジットカードを持っていない消費者の利便性が高い
デメリット ・払込票を使用する場合、消費者が紛失するリスクがある
・消費者が支払いを忘れるとキャンセル扱いになる

2. 代金引換(代引き)

概要 消費者が商品を受け取る際に、配達員に代金を支払う
メリット ・クレジットカードや電子マネーによる支払いができる(配達会社によって異なる)
・クレジットカードやスマートフォン決済に抵抗がある消費者も利用しやすい
・商品の引き渡しと同時に決済が完了するため未回収のリスクが低い
デメリット ・消費者に代引き手数料が発生する
・消費者が自宅で待機しなければならない
・配達時に不在で保管期限が過ぎると返送処理され売上につながらない

3. 後払い決済

概要 消費者が商品を確認してから、コンビニや銀行、電子マネーなどで代金を支払う
メリット ・クレジットカードを持っていない消費者も利用しやすい
・決済代行会社を経由すると消費者から直接代金を徴収する必要がない
・未払い保証がついた決済代行会社を経由すると、立替払いされるため未回収のリスクが低い
デメリット ・消費者に後払い手数料がかかる
・消費者は指定期日内に支払わなければならない

4. PayPal(ペイパル)

概要 PayPalに登録したクレジットカードや銀行口座から代金を支払う
メリット ・登録情報をPayPalが保護するため消費者の情報が守られる
・アカウント開設日や初期設定費用、月額手数料が無料(ウェブペイメントプラスを除く)
・EC事業者の銀行口座に最短で3日後に入金される
デメリット ・クレジットカードは一括払いの設定しかできない
・クレジットカードの支払い回数を変更する際は消費者からクレジットカード会社への変更手続きが必要

5. 銀行振込

概要 銀行の窓口やATM、コンビニATM、インターネットバンキングから代金を振込む、Pay-easy(ペイジー)で代金を支払う
メリット ・消費者がインターネットを使って商品を購入する際の利用率が高い
・クレジットカードを持っていない消費者も利用できる
・Pay-easy(ペイジー)は金融機関のATMを利用でき、振込先の金融機関名・支店名・口座番号や振込金額の入力が不要
デメリット ・コンビニATMからは現金の振込ができず、キャッシュカードが必要
・振込先や振込方法によって消費者に手数料がかかる

6. 郵便振替

概要 振込用紙を利用してEC事業者の振替口座に現金で代金を支払う通常払込みや、オンラインでEC事業者の振替口座または総合口座に代金を支払う電信振替がある
メリット ・消費者がインターネットを使って商品を購入する際の利用率が高い
・オンラインを利用する電信振替は瞬時に振替処理される
・振込用紙は払込み機能があるゆうちょ銀行のATMで利用できる
デメリット ・消費者が期限内に支払わなければならない
・払込み手数料がかかる

ECサイトで利用数が増加している外部ID決済6選

2021年2月にSBペイメントサービス株式会社が発表した「2020年のECサイトにおける決済手段の利用実態調査結果」によると、PayPay(オンライン決済)をはじめとしたID決済の利用される割合が増加していることがわかりました。主なID決済の概要やメリット、デメリットを表にまとめましたので、確認してみましょう。

1. Amazon Pay

概要 消費者が「Amazon.co.jp」のアカウントに登録している住所とクレジットカード情報を利用して支払う
メリット ・Amazon Payに対応しているサイトなら、住所とクレジットカード情報を再度入力する必要がない
・消費者に追加の費用がかからない
・Amazon Payを使い慣れているAmazonユーザーを取り込みやすい
・初期費用、月額費用、トランザクション料、振込手数料がかからない
デメリット ・自社で導入するにはシステム開発がかかる
・EC事業者に決済手数料がかかる

2. PayPay

概要 消費者がスマートフォンやパソコンからPayPayで代金を支払う
メリット ・消費者は銀行口座やヤフーカードからPayPay残高をチャージできる
・ECサイト独自のクーポンを発行できる
・手数料がリーズナブルでコストを抑えられる
デメリット ・ネットサービスの支払いに利用できるのはPayPay残高のみ
・消費者のアカウント情報を搾取しようとするフィッシングメールが送信されている

3. d払い

概要 ドコモのスマホ決済サービスで、電話料金合算払い、d払い残高払い、クレジットカード払いなどで代金を支払う
メリット ・ドコモユーザーは4桁のパスワードだけではじめられる
・ドコモ回線を持っていないユーザーも利用でき、dポイントがたまる
・決済時にクレジットカード情報を必要としない
デメリット ・未成年が登録している場合は電話料金合算払いの利用限度額が最大1万円/月(税込)
・ドコモユーザー以外はdアカウントの発行が必要

4. 楽天ペイ

概要 楽天以外のECサイトでも、楽天会員の消費者がIDとパスワードを使って支払いができる
メリット ・消費者が楽天IDに登録したクレジットカード情報を利用できる
・消費者は楽天ポイントの獲得および利用ができる
・日本国内で1億を超える楽天会員にアピールできる
デメリット ・消費者はクレジットカードが必要
・データ処理手数料、決済手数料がかかる

5. Apple Pay

概要 消費者がiPhoneやiPadなどにクレジットカードなどを設定して代金を支払う
メリット ・ECサイトで対応可能なiPhoneやiPad、Macのデバイスが使える
・消費者はTouch ID 、Face ID、パスコードによる認証でスピーディーに支払いができる
・消費者がクレジットカードなどで支払いした際に決済情報が保存されない
デメリット ・一部、設定できないクレジットカードがある
・古い機種はECサイトに対応していない

6. LINE Pay

概要 LINEが提供するウォレットサービスで、チャージ残高や登録したクレジットカードで代金を支払う
メリット ・消費者は銀行口座やコンビニ、ATMでチャージできる
・LINE Payユーザーは、EC決済時にクレジットカード情報などの入力が不要
・LINEユーザーは誰でも登録でき、LINEログインによってシームレスな決済が可能
デメリット ・ECサイトのシステム接続開発、決済代行事業者を通じた接続が必要
・導入費用や決済手数料がかかる

ECサイト初心者は決済代行会社を利用するのがおすすめ

ECサイトの決済方法にはさまざまな種類があり、ユーザーが利用しやすいように複数の決済方法を取り入れるのが一般的です。ECサイトを立ち上げたばかりで運用が難しい場合は、決済代行会社の利用を検討してみましょう。

決済代行会社の業務内容

決済代行会社では、ECサイトのオンライン決済を一括して行うサービスを提供しています。クレジットカードをはじめ、コンビニ決済やペイジーのATM決済、キャリア決済、電子マネー、IDなどビジネスモデルに合わせてさまざまな決済手段の一括導入が可能です。

消費者が商品を購入すると、ECサイトは決済代行会社へ決済を依頼します。決済代行会社から決済を行うクレジットカード会社や収入代行会社に決済データが送信され、認証されると決済が完了する仕組みです。決済代行会社が売上処理や返金処理、入金処理なども行います。

決済代行会社を利用するメリット

オンライン決済サービスを自社で導入するには、クレジットカード会社やコンビニ決済の経営会社など各社と契約を結ばなければなりません。時間や手間がかかる上に、会社ごとの入金管理が必要です。決済代行会社を利用すると、各社との契約は不要で一括導入できるだけでなく、管理ツールや売上の一元管理もできます。

また、自社で決済機関と直接契約するとシステムを開発しなければならず、初期導入の負担がかかりますが、決済代行会社を利用すると個別でシステムを開発する必要がありません。決済代行会社ではリンク方式やデータ伝送(API)方式などさまざまな接続方式を提供しているので、自社のECサイトに適した決済サービスを導入できます。

決済代行会社を選ぶポイント

決済代行会社を選ぶ際は、判断基準となるポイントを抑えるのが失敗しないコツです。例えば、ターゲットを基準にすると、利用率が高い決済方法に対応した決済代行会社が適しています。クレジットカードを利用する20歳以上のユーザーが多いECサイトは、多くのクレジットカード会社と提携している決済代行会社を選ぶといいでしょう。

信頼できる決済代行会社を選ぶためには、セキュリティ面や財務面もチェックしておきたいポイントです。サポート面を確認する際は、導入実績や導入事例、利用者の声などが参考になります。特に決済トラブルが発生したときの対応については必ず確認しておきましょう。

複数の決済代行会社で迷ったときは、サービス内容とコストが見合っているかを検討し、運用コストをシミュレーションするのがおすすめです。

自店に適したECサイトの決済方法を導入して売上アップにつなげよう

ECサイトの決済方法は種類が多いため、それぞれの概要やメリット、デメリットを比較して、自社のユーザーや商材に適した決済方法を導入しましょう。

例えば、クレジットカード決済を避けたいユーザーに対しては、キャッシュレス決済の導入によって利便性が高まりニーズを満たせる可能性があります。

ECサイトの運用初心者で複数の決済方法を運用するのが難しいと悩んでいる場合は、決済代行会社を利用するのがおすすめです。自社に適した決済代行会社を選んで売上アップにつなげましょう。