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ECサイトのカゴ落ち対策13選!10個の原因やポイントを徹底解説

ショッピングカートに入った商品がなかなか売れない「カゴ落ち」が発生してお困りではないでしょうか。カゴ落ちは一種の機会損失ともいえますので、できるだけ発生しないように予防したいものです。具体的にどのような対策をすれば、カゴ落ちを防止できるのでしょうか。

本記事では、ECサイトを運営する方向けに、業界内でのカゴ落ちの発生状況や主な原因について解説します。カゴ落ちを防止する方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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カゴ落ちとは

オンラインショッピングする人

カゴ落ちとは、ユーザーが商品をショッピングカートに入れたままサイトから離脱することです。商品をカートに入れたまま放置することから、カート放棄とも呼ばれています。カゴ落ちはカートに入った商品が購入されない状態ですので、ECサイトにおける機会損失のひとつといえます。放置してもよいことはありませんので、できるだけ防止しましょう。

カゴ落ちの計算方法

カゴ落ちは以下の式で計算できます。

  • カゴ落ちの発生数 = 「カートに商品を入れた人の数」 − 「実際に商品を購入した人の数」
  • カゴ落ちの発生率 = 「カゴ落ちの発生数」 ÷「カートに商品を入れた人の数」 × 100

カートに商品を入れた人の数が5,000人で、実際の商品を購入した人の数が2,000人なら、カゴ落ちの発生数は3,000人で、カゴ落ちの発生率は60%です。

カゴ落ちは7割近くのECサイトで発生している

カートとクレジットカード

カゴ落ちは、ECサイトにおいてポピュラーな現象です。オンラインユーザーエクスペリエンスの調査会社Baymard Instituteが発行する「44 Cart Abandonment Rate Statistics」によると、69.80%ものECサイトがカゴ落ちを経験しているといわれています。

ECサイトのカゴ落ちはさまざまな要因で発生しますので、サイトごとに原因を特定して改善策を実施する必要があります。まずはGoogle Analyticsなどのツールを活用して、自社ECサイトのカゴ落ちがどれだけ発生しているのか確認しましょう。カゴ落ちが発生する主な原因については以下で解説します。

ECサイトのカゴ落ちが発生する主な10個の原因

オンラインショッピングする人

ECサイトのカゴ落ちが発生する主な原因を10個ご紹介します。

1. 送料などの手数料が思ったよりも高額

決済画面に移動した後に送料などの各種手数料が思いのほか高いと感じると、カートに商品を入れたままサイトを離脱するユーザーも多くなります。手数料の高さを起因としたカゴ落ちは全体の5割近くを占めますので優先して対策しましょう。

2. 購入するのにアカウント登録が必要

商品を購入する際に会員登録が必要になると、個人情報の入力に手間を感じてサイトから離脱するユーザーが多くなります。全体の2割弱の人が会員登録に否定的な感情を持っていますので、ゲストユーザーでも購入できるような仕組みを構築することが重要です。

ユーザーの個人情報を取得したいという運営側の気持ちも理解できますが、ECサイト運営では自社のやりたいことよりもユーザーニーズを優先させましょう。

3. 支払いするまでのプロセスが複雑

ショッピングカートに商品を入れてから支払いまでのプロセスが複雑なのも、カゴ落ちが発生する要因のひとつです。住所や名前などの入力に手間がかかったり、入力フォームが見づらかったりすると、ユーザーがサイトから離脱する可能性が高くなります。

また、最近はスマートフォンからのアクセスが増えていますので、モバイルページの視認性や操作性もカゴ落ちの発生要因になります。

4. 個人情報をしっかり守ってくれるか心配

「ECサイトにクレジットカード番号などの個人情報を教えるのが不安」というユーザーも多いです。セキュリティ面の信頼性が低いECサイトは、住所や氏名、支払い方法などを入力するページでの離脱率が高くなります。ECサイトはユーザーの大事な個人情報を取り扱いますので、セキュリティ面を充実させましょう。

5. 支払いの途中でシステムエラーが発生

支払い手続きを進めている途中でシステムエラーが発生すると、ページにアクセスできなくなり、カゴ落ちも発生しやすくなります。システムの復旧に時間がかかりすぎると、二度とサイトに戻ってこなくなるユーザーも多いです。

特にどこでも購入できる汎用的な商品を取り扱っている場合は、「別のサイトで購入すればいいや」という意識が生まれやすく、カゴ落ちが発生する原因になります。

6. いつも利用している決済手段がない

ECサイトには特定の決済手段でしか購入しないというユーザーも多いです。中には商品価格よりも決済手段を重視しているユーザーがいることを考慮して、できるだけ多くの支払い方法を用意してあげましょう。

7. 商品到着までに日数がかかる

ユーザーの多くは送料無料を重視する傾向がありますが、「多少料金がかかっても商品を早く受け取りたい」という人も一定数います。全体の約2割が配送日数の遅さを理由としてカゴ落ちを発生させています。できるだけ多様な配送オプションを用意してあげましょう。

8. 分からないことを質問する場所がない

商品やサービスに関する疑問が生じたときに質問できる環境がないと、カゴ落ちが発生する原因になります。疑問や不安を抱えたまま商品を購入するユーザーはほとんどいませんので、誰でも簡単に問い合わせできる環境を用意してあげましょう。

FAQページを用意していても、ページの場所が分かりにくかったり、該当の質問を見つけにくかったりするとカゴ落ちの原因になります。

9. 商品に興味を持っているだけで購入する気がなかった

元々商品を購入する気がなくサイト内のページを興味本位で覗いていただけというケースもあります。実店舗で商品を眺めるだけで購入しない「ウィンドウショッピング」と同じような感覚です。「商品を買う気はないけどお気に入りの商品があったのでとりあえずカートに入れてみた」という人が一定数います。

10.「あといくらで送料無料」という条件をみて嫌になった

送料無料になる条件を満たす商品がみつからなくてサイトから離脱するユーザーもいます。条件付きの送料無料サービスは、商品の追加購入を促す効果が期待できますが、場合によってはカゴ落ちの発生要因にもなりますので注意しましょう。

ECサイトのカゴ落ちを防止対策13選

カートと電卓

ECサイトのカゴ落ちを防止する方法を13個ご紹介します。

1. 各種手数料の金額をみなおす

商品代金以外の各種手数料は、0にするかできるだけ減らすことをおすすめします。ただし減らし過ぎるとショップの運営が困難になります。最初から送料分を加算した料金を提示して送料無料にするなどして、自社サイトの信頼を落とさないような工夫をしましょう。

2. 会員登録なしでも購入できるようにする

会員登録せずに商品を購入したい人向けに、ゲストユーザーでも購入できるシステムを導入しましょう。例えばAmazonが提供する「Amazon Pay」は、Amazonアカウントに登録されている支払い方法や配送先が利用できます。会員登録ページでの離脱率が多いECサイトは、このようなシステムを積極的に導入しましょう。

3. カートに入れてから支払いまでをスムーズにする

入力項目を減らしたり、入力フォームにアシスト機能を導入したりするなどして、商品をショッピングカートに入れてから支払いが終わるまでのスパンをできるだけシンプルにしましょう。入力フォームの幅やデザインを統一させ、モバイル向けページを最適化することも重要です。どの年代でも使いやすいECサイトを目指しましょう。

4. 決済前にすべての商品代金を表示する

カートに入れる段階で商品代金の総額を提示することで、決済画面に進んだときの違和感が少なくなりカゴ落ちも発生しづらくなります。商品ページに記載されている価格のすぐそばに送料や手数料を表示して、商品総額を簡単に計算できるようにしましょう。事前に商品の総額を知らせることで、ユーザーにとって親切なECサイトになります。

5. 高レベルのセキュリティであることをユーザーに提示する

クレジットカード番号などの個人情報を入力するページで、SSLサーバ証明書や常時SSL対応といったセキュリティ面の充実性をしっかりとアピールしましょう。自身でセキュリティ情報を調べるユーザーは多くありませんので、運営側がしっかりとECサイトの堅牢性を説明する必要があります。

6. 一定期間後にフォローアップメールを送信する

カートに商品を入れてから一定期間経過したユーザーには、フォローアップメールを送信して商品の購入を促しましょう。カート内の商品は多少なりともユーザーが興味を持っている商品でもありますので、メールによる訴求で購入される可能性が高くなります。

フォローアップメールは、手動よりもツールを利用した方がタイミングよく送信できます。現在利用しているカードシステムと互換性のあるメール配信システムを導入しましょう。

7. ECサイトのシステムを安定させる

支払い手続きの途中でエラーが発生しないようにサーバを強化するなどして、ECサイトのシステムを安定させましょう。カートページから決済ページへ移動するのに時間がかかるとカゴ落ちが発生しますので、ページの遷移速度を向上させることも重要です。

8. FAQやチャットボットを導入する

FAQページやチャットボットを導入し、ユーザーの問い合わせに対して柔軟に回答できるようにしましょう。商品やサイトに関する疑問や不安はカゴ落ちの発生要因になりますので、できるだけ早く解決してあげることが大切です。

FAQページ内によくある質問をカテゴリ別にまとめるなどして、誰でも簡単に悩みを解決できる環境を整えてください。

9. 多様な支払い方法を用意する

ECサイトにはさまざまな決済手段を持つユーザーがアクセスしてきますので、クレジットカードやコンビニ支払い、電子マネーなど、多様な支払い方法を用意してあげましょう。できるだけ多くの決済手段を用意した方が、カゴ落ちを防止できる可能性も高くなります。

ただし決済手段によっては導入するのに手数料がかかったり手続きに時間がかかったりしますので、ターゲットの年代にあわせて必要な分だけ導入することをおすすめします。最初は人気の決済手段であるクレジットカードや後払い、代引き決済などを選ぶとよいでしょう。

10. 配送のオプションを増やす

送料無料はもっとも効果的な配送オプションです。配送日指定やお急ぎ便なども、配送スピードを重視するユーザーの購入を後押しする効果があります。自社ECサイトにアクセスしてくるユーザーの属性をしっかりと把握して最適な配送方法を用意しましょう。

配送料金の金額は、配送業者によってさまざまです。交渉次第で格安にできる可能性もありますので、複数の事業者に見積もりを依頼して比較検討することをおすすめします。

11. 返品・交換の条件をユーザー有利にする

返品や交換は、実際に商品を手にとって状態を確認できないECサイトのデメリットを払拭する効果があります。ユーザー有利の条件にすることで、気軽に商品を購入するユーザーも多くなるでしょう。実際、日本語版アマゾンは、返品・交換の条件を緩やかにすることで人気を集めています。

12. カゴ落ちを心理的に思いとどまらせる工夫をする

サイト離脱時に確認メッセージをポップアップ表示したり、期間限定のクーポンを配布したりするなど、カゴ落ちを心理的に思いとどまらせる工夫が重要です。他サイトに移動した後すぐに、カート内にある商品を表示する「リマーケティング広告」を活用する方法もあります。

13. 送料無料の条件に合う価格帯の商品を掲載する

「あといくらで送料無料」というメッセージを面倒くさく感じるユーザーには、商品ページやカートページで送料無料の条件を達成できる価格帯の商品を紹介してあげましょう。価格帯別の商品カテゴリをサイドメニューに設置して、いつでも目的の商品を購入できるようにする方法もあります。

カゴ落ちを改善してECサイトの売上をあげよう

カゴ落ちは、7割近くのECサイトで発生するポピュラーな現象です。カート内に商品を入れたままサイトから離脱するユーザーはある程度でてきますので、どれだけ発生率を抑えるかが重要になります。

自社に合った方法でカゴ落ちを改善して、ECサイトの売上をあげてください。

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