自社ECサイトを構築したりECモールへ出店したりしても、それだけでは売り上げが伸び悩んでしまうことがあります。ネットショップで商品が売れない場合は理由がありますので、原因を見付けることが重要です。
本記事では、売れないネットショップに共通する原因、売れゆきがいいネットショップの共通点、取るべき対策などを紹介します。自社のネットショップで商品の売れ行きが伸び悩んでいる経営者の方は、ぜひご一読ください。

目次
ネットショップが売れない11個の原因
なかなか商品が売れないネットショップには、下記のような共通点があります。
- 集客ができていない
- 訪問者数は多いが購入されない
- ターゲット層が好む商品が少ない
- 商品情報が少ない
- 欲しいと思っていた商品にたどり着けない
- 商品画像に問題がある
- スマートフォン対策が不十分
- 口コミが少ない
- 決済の選択肢が少ない
- 信頼できるネットショップなのか不安を与えている
- リピーター獲得につながっていない
それぞれの原因について、詳しく紹介します。
1. 集客ができていない
ネットショップの運営経験が浅いと、ネットショップを開設するだけで、自然に顧客が増えるだろうと安易に考えてしまうことがあります。しかし、集客を行わないと顧客は増えず、なかなか売り上げに結びつきません。
ネットショップの売り上げは、下記のような式で表されます。
売り上げ = 訪問者数 × 購入率 × 平均単価
Amazonや楽天などの大規模なECモールにショップを開設した場合はECモール自体に集客力があり、ある程度の訪問者数が見込めます。しかし自社でネットショップを構築・開設した場合は、集客にも力を入れないと、商品が売れないことも多いです。
2. 訪問者数は多いが購入されない
ネットショップへの訪問者数は多くても、購入に至らない場合も売り上げには結びつきません。主な理由には以下が挙げられます。
- 魅力的な商品がない
- 購入しようと思えるような商品ページを作成できていない
- カートに商品を入れていても、購入せずにサイトから離脱してしまう(カゴ落ち率が高い)
ネットショップの商品がなかなか売れない、つまり購入率が低いのであれば、購入率を上げるための対策が必要です。
3. ターゲット層が好む商品が少ない
ネットショップに十分な商品数があっても、ターゲット層が購入したいと思えるような商品でなければ、なかなか購入には結びつきません。例えばターゲット層が「20代〜30代前半で1人暮らしの女性」なのに、数万円もするような衣類ばかり置いていても、なかなか売り上げには結びつきません。
商品とターゲット層が合っていないことが理由で商品が売れない場合には、取り扱う商品やターゲット層の見直しの検討が必要です。
4. 商品情報が少ない
顧客がお目当ての商品ページにたどり着けても、商品情報の記載が不足していると、購入に至らないことも少なくありません。大きさや用途、成分など、商品を選ぶのに必要となる情報が、商品ページに十分掲載されているかを再確認してください。
5. 欲しいと思っていた商品にたどり着けない
ネットショップ内でお目当ての商品ページにたどり着けなければ、顧客が商品の購入には至りません。カテゴリや注目商品の設定、ページ内検索でスムーズに顧客が商品を見つけられる動線設計が行われているか、改めて確認してみましょう。
自社のネットショップに初めて訪れた人でも、わかりやすいページ作りを意識してください。
6. 商品画像に問題がある
ネットショップでは実店舗のように、商品を手に取って確認できません。そのため、画像や動画を使って商品の外観や使用イメージを伝えることは必要不可欠です。画質の低さや商品の詳細画像(例:バッグの内部ポケット画像)の不足など、画像が不十分だと商品の魅力は顧客に伝わりません。
必要な撮影方法や画像パターンがイメージできなければ、よく売れている競合サイトを参考にして見直してください。
7. スマートフォン対策が不十分
BtoCのネットショップでは、スマートフォンからアクセスする人の方が多いです。PCページにばかり注力してスマートフォン対応ページの作成や、スマートフォンユーザー用のUI/UXデザインが不十分だと、売れる機会を逃してしまうこともあります。
自社ネットショップがスマートフォンでのページ表示にうまく対応できているか、再確認してください。
8. 口コミが少ない
顧客が商品購入に至らないのは、商品の信頼性や配送の速さなどに不安を感じているからです。顧客は販売業者の提供するサービスや商品に不安があるときには、他の購入者が書き込んだ口コミを参考にします。口コミがないと必ず購入されない訳ではありませんが、口コミが多いと購入しやすいという顧客は多いです。
9. 決済の選択肢が少ない
希望する決済方法がないと、顧客の中には購入を諦めてしまう人もいます。顧客が商品を気に入ってカートに商品を入れても、希望通りの決済方法がないと、最終的には購入に至りません。
クレジットカード払いや代金引換、銀行振込、コンビニ決済など、最低限の支払い方法は必要不可欠です。その上でネットモールのアカウントで支払いできる方法やキャリア決済なども導入すると、選択肢が広がります。
10. 信頼できるネットショップなのか不安を与えている
あまり知名度がないネットショップで初めて商品を購入する時には、顧客はショップの信頼性に不安を感じます。会社情報が掲載されていない場合や発送・返品に関する情報など、必要な情報がページ内に明記されていないと、信頼性が高いショップと言えるのかを顧客は判断できません。
信頼性の欠如はネットショップからの離脱原因にもなります。お店に対する信頼感を構築するべく、ネットショップとして必要な情報は必ず掲載してください。
11. リピーター獲得につながっていない
一度ネットショップのファンになると、繰り返し購入してくれる顧客は多いものです。また、リピーターは広告などを経由せずに商品を購入してくれることが場合が多く、新規ユーザーに比べてSEO対策などの手間や広告コストがかかりません。リピーターを増やせば、効率良く収益を上げられます。
商品がなかなか売れないネットショップは、リピーターの獲得に失敗している可能性が考えられます。リピーターを獲得するための対策を行いましょう。
売れるネットショップの5つの共通点
商品がよく売れているネットショップには、下記のような共通点があります。
- SEO対策に力を入れている
- レスポンスが早い
- ブランド力が高い
- SNSやブログなどで発信している
- 知りたい情報がわかりやすい
それぞれの共通点について、詳しく見ていきましょう。
1. SEO対策に力を入れている
SEOとは「Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマゼーション)」の省略形です。ネットショップに初めてアクセスする人は、GoogleやYahooなどの検索エンジンを経由している人が多いです。そのため、検索結果上位にネットショップが表示されるようにするための、SEO対策は欠かせません。
2. レスポンスが早い
顧客から商品に関する問い合わせをした時に、ネットショップからの返事が遅れると購入率は下がってしまいます。
売れているネットショップはそのことを理解しているために、レスポンスまでの期間が短いです。問い合わせに対して素早く対応するべく、チャットサポートを導入することも検討しましょう。また、注文から商品が届くまでの日数も顧客満足度を左右します。注文を受けたらできるだけ早く発送してください。
3. ブランド力が高い
ネットショップにおけるブランド力とは、ネットショップ自身や販売商品への魅力や安心感のことです。
商品がよく売れているネットショップは、ブランド力が高いことが多いです。競合他社に比べて商品が高く売れますし、少ない広告コストで集客も行えます。また、ネットショップでのブランド力の高さはドメイン名がショップ名またはショップ名に近いものになっている点も重要です。
なお、他社を模倣したようなショップ名はブランド力を損ねてしまいますので気を付けましょう。
4. SNSやブログなどで発信している
商品がよく売れているショップは、情報発信が上手です。
ショップブログやInstagram・Twitter・FacebookなどのSNSで情報発信しつつ、フォロワーやファンを増やしています。すぐに売り上げにつながる方法ではありませんが、コツコツ情報発信することで、徐々に集客に結びつくのです。
5. 知りたい情報がわかりやすい
商品がよく売れているネットショップでは、顧客が購入を決断するのに十分な情報が掲載されていて、不明点があってもすぐに解決できるようなサイトデザインになっています。
商品到着日数の目安や商品情報、カード決済時のセキュリティの信頼性や支払い方法など、顧客が知りたい情報が簡単にアクセスできるショップが多いです。
また、商品や購入に関しての不明点が出ても、解決策に簡単にたどり着けるようになっています。そのため、顧客が不安を感じて商品の購入を踏みとどまることが少ないために、よく売れているネットショップは自然と購入率が高くなります。
ネットショップで売り上げを伸ばすために取るべき6つの対策
商品がなかなか売れないネットショップで売り上げを伸ばしていくためには、下記のような対策を取っていくのがおすすめです。
- コンセプトやターゲットをはっきりさせる
- ページやデザインについて見直す
- SEO対策を行う
- 広告を活用する
- レビューを書いてもらえるよう対策する
- 納期を明確にする
それぞれの点について、詳しく見ていきましょう。
1. コンセプトやターゲットをはっきりさせる
セールを企画したり、広告を出稿したり、SNSを運用したりと対策は行っていても、なかなかアクセス数につながらないことがあります。そのような結果になるのは、ネットショップのコンセプトが明確でない、商品とターゲット層と合っていないことが原因として考えられます。
まずは、お店のコンセプトやターゲットを見直しましょう。その上で広告などの戦略も検討し直すことが必要です。
2. ページやデザインについて見直す
商品ページが見にくかったり、見やすい画像や商品説明が掲載されていなかったりすると、商品購入に至らないこともよくあります。下記の点を考慮しながらページやデザインなどを見直しましょう。
- 商品説明は適切か
- 画像は十分な枚数や掲載されているか
- 購入までの動線で顧客にストレスを与えていないか
- スマートフォンページは見やすいか
とくにネットショップを作成したばかりの頃は、PCページばかりを作り込みがちですので、スマートフォンページも忘れないようにしましょう。また、商品自体の画像だけでなく、使用感・使用状況などがわかる写真も掲載すると購入につながりやすいです。
3. SEO対策を行う
検索エンジンなどを経由して、ネットショップに訪問する人は多いです。まだSEO対策を行っていないのであれば、これからでもSEO対策を始めましょう。
SEO対策では、ユーザーに検索されやすいサイト作りを行います。よく行われるのは検索上位キーワードに関するページを設置したり、コンテンツの質を上げたりする方法です。
また、ECサイト内に商品に関連するコラムを掲載してアクセスを集める方法も、売れているネットショップではよく行われています。
4. 広告を活用する
SEO対策による集客は、短期間で結果を得られるものではありません。SEO対策と同時進行で、短期間での集客が見込める施策として広告の出稿を検討してみましょう。広告には下記のように、いくつかの種類があります。
広告の種類 | 広告の特徴 |
Google ショッピング広告 | 検索結果に商品画像や商品情報などが表示される広告 |
リスティング広告 | 検索結果に表示されるテキスト広告 |
リターゲティング広告 | 大手媒体の閲覧時に商品画像や商品情報などが表示される広告 |
広告の種類や媒体などによって費用が異なりますので、予算とともに検討してみてください。
5. レビューを書いてもらえるよう対策する
ネットショップを開設したばかりの頃は、レビューはなかなか集められません。レビュー獲得するには、レビューを書いた人限定で、下記のような特典を付けるのが有効です。
- クーポンを付与
- 次回の値引き
- ポイントを付与
- アイテムをプレゼント
- 抽選で商品をプレゼント
商品ページへのレビュー掲載だけでなく、SNSにハッシュタグとともに投稿してもらう方法もあります。レビュー集積はショップの信頼性を高める上で重要ですので、ぜひ対策していきましょう。
6. 納期を明確にする
ネットショップで見つけた商品は、できるだけ早く手に入れたいと感じる顧客は多いものです。大手ECサイトを中心に当日や翌日に配送を行っているサービスも増えていて、時間をかけずに届けられることが当たり前になっています。
配送までに時間がかかるのであれば、どのような配送方法でいつ頃商品を届けられるのかを明記するのは必須です。配送方法や納期・送料などを、ネットショップに義務付けられている「特定商取引法に基づく表記」に掲載するのはもちろん、商品説明にも組み込みましょう。
ランサーズにはネットショップの売り上げ対策に強いフリーランスも在籍
自社のネットショップで商品がなかなか売れない場合、自社で対策しようとしてもどこから手を付ければいいのかよくわからないこともあります。しかし、専門の会社に依頼する場合、思った以上にコストや時間がかかることも多く、発注しようか決めかねてしまうこともあるでしょう。
そこで、ネットショップ作成や売り上げ対策に関する経験が豊富なフリーランスが在籍している、ランサーズへの依頼を検討してみるのもおすすめです。オンラインで手続きできますし、最短即日でお仕事を依頼できます。また、規模が大きい会社のように、中間に複数の会社を挟むことがなく、コストパフォーマンスが高いです。
ネットショップが売れない時には原因に合う対策を取りましょう
本記事ではネットショップでなかなか商品が売れない時の対策についてお話ししました。再度、ポイントをまとめます。
- ネットショップで商品が売れない場合には、集客力や購入率などの何らかの原因がある
- 商品がよく売れるネットショップには共通点がある
- ネットショップで売り上げを伸ばすためには、原因に応じた対策が必要である
まずは、自社のネットショップで商品が売れない原因を探ることが必要です。自社のネットショップの売り上げが伸びない理由に合わせて、対策していきましょう。
