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ネットショップ開業を成功させる条件とは?手順や注意点を徹底解説

ネットショップの開業を検討する際には、事前準備の進め方や利用するサービスについての悩みを抱えるケースは少なくありません。

適切な手順と重視すべきポイントを明確にすることは、ネットショップの開業やその後の運用を成功させるための必須条件です。

本記事では、ネットショップと実店舗の違い、具体的な準備・開業手順、開業を支援するサービスの種類など、ネットショップの開業に役立つさまざまな情報を取り上げます。

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ネットショップとは?実店舗と比較した主な特徴

ハイタッチする人たち

まず、ネットショップの持つ特徴を、実店舗と比較しながら説明します。

ネットショップと実店舗の比較

実店舗の経営とネットショップの運営には、多くの違いがあります。両者の主な相違点をまとめたのが、下記の表です。

実店舗ネットショップ
販売エリア店舗にアクセス可能な地域全国・全世界での販売が可能
購入者の安心感直接商品を確認できるので、ギャップが少なく安心感がある直接商品を見ていないため、写真と実物が違うなどの不安がある
集客方法店の前を通った、看板が目に入ったなどの自然集客が期待できる自然集客が見込めないため、集客対策が必要
商品の配送基本的に不要商品に合わせた配送方法が必要
営業時間開店時のみ販売が可能基本的に年中無休・24時間営業
商品の説明やアピール方法顧客自身が実際に手にとって判断でき、店員から声をかけることも可能商品写真や説明文、購入者のレビューなどから判断する
商品への質問店員に直接質問できる電話やメールなどで問い合わせ
開業費用外装・内装費、店舗賃貸時の初期費用などまとまった資金が必要ネットショップ作成費用のみでコストを抑えて開業できる

ネットショップのメリット

ネットショップが実店舗よりも優れている主なメリットは、下記の4点です。

メリット詳細
365日24時間営業できる基本的に休業する時間や曜日を設ける必要はありません。
国内外問わずどこにいる顧客にも販売できる物理的な立地に関係なく商品を販売できます。
開業予算を抑えられる実店舗とは比較にならないほどの低予算で開業可能です。
扱う商品数を増やしやすい実店舗のように商品の陳列スペースを考慮する必要がありません。

ネットショップのデメリット

実店舗との比較で、ネットショップのデメリットとして挙げられるのは主に下記の3点です。

デメリット詳細
顧客との接点作りに工夫を要するネットショップでは、顧客と対面して販売するわけではありません。商品画像や説明文によって顧客の疑問を解消し、購入意欲を高める必要があります。電話やメールでのサポートも顧客の立場に立った気配りが重要です。
価格競争が起こりやすいネットショップは多店舗との価格比較が容易にできるため、価格競争になりやすい傾向があります。
集客活動が必要になる競合が多数存在するため、ショップを認知してもらう集客活動が不可欠です。

ネットショップ開業で行なう9つの手順

ミーティングする人たち

ネットショップを開業する手順を、下記の9つのステップに沿って説明します。

  1. ネットショップで販売する商品を決定
  2. ネットショップのコンセプトを決める
  3. 商品の仕入れ・作成準備
  4. ネットショップサービスの選定
  5. ネットショップを開業する
  6. 決済方法の決定
  7. 商品情報や配送方法の登録
  8. 集客方法を決める
  9. 運用サポートの外部委託を検討

1. ネットショップで販売する商品を決定

ネットショップを開設する際に最初に決めるのは、販売する商品です。取り扱う商品によって当然、仕入れや制作の方法や集客方法も変わります。商品を決めることは、ネットショップ開設の出発点となる重要項目です。

2. ネットショップのコンセプトを決める

販売する商品を決定したら、次にネットショップのコンセプトを明確にします。コンセプトとは、誰に対して何を売り、どんな価値を提供するショップなのかということです。

コンセプトを明確にした上で、ショップ名を決定します。ショップのコンセプトに合った名称で、覚えやすいようにシンプルで短いものにすべきです。

3. 商品の仕入れ・作成準備

仕入れ販売をするのか、オリジナルの商品を作成するのかを決め、準備を進めます。商品の仕入れ方法には、卸し会社からの仕入れ、展示会での仕入れなど多様な方法があります。

オリジナル商品を作成する場合でも、全て自身で行う方法だけでなく、OEMと呼ばれる商品製造のノウハウを持つ会社に商品企画や制作を委託する方法もあります。

4. ネットショップサービスの選定

ネットショップを開設するために利用するサービスを選びます。ネットショップを開業するためのサービスには大きく分けて下記の3つの種類があります。

  • パッケージソフト
  • ECプラットフォーム
  • ECモール

それぞれのサービスの特徴については、後述する「ネットショップ開業支援サービスの種類と特徴」内で説明します。

5. ネットショップを開業する

利用する開設支援サービスを決めたら、いよいよネットショップを構築します。ショップ構築では、デザインから利用する機能の選択、決済方法や配送方法の設定といった作業が必要です。

ECプラットフォームやECサイトでは、そうした作業を簡単にできるようシンプルでわかりやすい操作画面を提供しています。ショップに適したものを選択するだけで基本的なデザインが完了する、テンプレートを用意しているサービスも数多くあります。

6. 決済方法の決定

決済方法の選択も重要な項目です。クレジットカードやコンビニ支払い、代金引換、銀行振り込みなどから受け付ける決済方法を決めます。複数の決済方法を一括して提供してくれる決済サービスを利用する方法もあります。

7. 商品情報や配送方法の登録

商品販売に向けた主な準備項目は、下記の通りです。

  • 商品撮影
  • 商品登録・説明文の作成
  • 価格設定
  • 梱包
  • 配送
  • 在庫管理

ネットショップを訪問した人々に商品をアピールするには、魅力的な商品画像とわかりやすく正確な説明文を用意する必要があります。

商品価格も重要なアピール材料です。市場相場を調べた上で、競争力のある価格を設定すべきです。梱包や配送、在庫管理などについても、顧客が不満を感じることのないよう十分に検討し、最適な方法を選択します。

8. 集客方法を決める

ネットショップの開業時に特に重要となるのが、集客対策です。集客には多種多様な手法がありますが、まず低コストで実施できるSNSを活用した情報発信と、基本的なSEO対策から取り組むことをおすすめします。

9. 運用サポートの外部委託を検討

ネットショップの規模や運営方法によっては、ショップ構築や運用の外部委託が必要かどうかを検討します。Web制作会社などにサポートを依頼する際は、まずインターネットで有力な候補となる制作会社を複数ピックアップします。

次に選定した候補に、メールや電話で見積もりやスケジュールなどについて問い合わせをします。有力な委託先が複数ある場合は、見積もりや提案書の提示を依頼してコンペによって選定する方法も検討すべきです。

ネットショップ開業支援サービスの種類と特徴

ECサイトを運営する人

ネットショップ開業を支援するサービスには、大きく分けて次の3つの種類があります。それぞれについて以下に紹介します。

パッケージソフト

パッケージソフトとは、ネットショップ構築に必要な機能を備えたソフトです。レンタルサーバーなどを利用し、インターネット上にネットショップを開設する際に利用します。

「ホームページ・ビルダー22」などの代表的なパッケージソフトは、家電量販店や通販サイトで購入できます。

パッケージソフトの主な機能は、下記の通りです。

機能名詳細
ショップページの自動生成商品を登録し、ページを増やすことができる
ショッピングカート機能商品購入から決済、配送までを受け付ける
受注管理機能注文や顧客の情報管理を行う

パッケージソフトは、ネットショップの開業方法としては比較的安価なことが魅力です。反面、ある程度プログラミングに関する知識が求められることや、スマートフォンやパソコンのバージョンアップへの対応を自身で行う必要があるなどのデメリットもあります。

ECプラットフォーム

ネットショップを構築・運営に必要な受注管理やショッピングカートの機能を提供するサービスを、ECプラットフォーム(レンタルショッピングカート、ASP)と呼びます。ECプラットフォームが提供する基本的な機能は、主に下記のようなものです。

  1. サーバー
  2. ページの自動生成機能
  3. ショッピングカート
  4. 受注管理機能

ECプラットフォームの特徴は、ネットショップを初めて開設する人でも導入しやすいことです。利用プランなどによって費用はさまざまですが、ECモールに比べて比較的低コストで利用できます。

国内で代表的な下記の5つのECプラットフォームの特徴を紹介します。

  1. Shopify
  2. MakeShop
  3. カラーミーショップ
  4. BASE
  5. STORES

1.Shopify

Shopifyの画面

Shopifyは、世界175か国で170万のネットショップが利用する、世界最大級のECプラットフォームです。初期費用が不要、越境EC向けの機能が充実している点が主な特徴として挙げられます。電話とチャットでのサポートが日本語に対応していない(メールでのサポートは日本語に対応)点には注意が必要です。

Shopifyの公式サイト

2.MakeShop

MakeShopの画面

MakeShopには月額11,000円と55,000円の2つの利用プランがあり、いずれも初期費用が発生しますが、取引手数料無料でクレジットカード決済手数料も割安となっています。

MakeShopの公式サイト

3.カラーミーショップ

カラーミーショップの画面

カラーミーショップには、初期費用と月額費用ともに無料のフリープランのほか、より高機能な月額3,300円と7,945円の有料プランも用意されています。まずフリープランでショップを開業し、売上の伸びに応じて有料プランに移行すれば、コスト面のリスクを最小限に抑えられます。

カラーミーショップの公式サイト

4.BASE

BASEの画面

BASEは、初心者の方をメインターゲットとして作られたECプラットフォームで、160万のネットショップが利用しています。ショップ構築が簡単なこと、利用料金が無料で1回の注文ごとに決済手数料とサービス手数料が発生するという料金システムが、主な特徴です。

BASEの公式サイト

5.STORES

STORESの画面

STORESは、月額2,178円の有料プランに加え、無料プランも提供しています。利用できる機能や決済方法が有料プランよりも少なくなりますが、基本的な機能・サービスは同一で、コストを抑えてネットショップが開業できます。

STORESの公式サイト

ECモール

ECモールは、多数のネットショップを集めた大規模通販サイトです。ショップや商品数が多いため、アクセスするユーザーも非常に多いことが大きな特徴です。ネットショップ開業や運用に必要な機能を提供しています。

知名度の高い主要ECモールにショップを開設する最大のメリットは、集客のしやすさです。ECモール自体に集客力があるため、開業直後でもある程度の集客が見込めます。ネットショップ開業に必要な機能が用意されているので、ECプラットフォームと同様、開業に専門知識は必要ありません。

ECモールのデメリットには、出店数が非常に多いために類似商品を販売するショップ間で値下げ競争になりやすい、ショップの独自性が出しにくい、といった点があります。また、販売数ごとに手数料が発生するので、ECプラットフォームと比べると、利益率が低くなる傾向があります。

国内で代表的なECモールである下記の3つの特徴をご紹介します。

  1. 楽天市場
  2. Yahoo!ショッピング
  3. Amazon

の特徴をご紹介します。

1.楽天市場

楽天市場の画面

楽天市場は、国内ECサイトの流通規模ランキングトップで、高い集客力を持つ大規模ECモールです。初期費用や毎月の出店費用などのコストは、他のECモールと比べてやや高めの傾向があります。

楽天市場の公式サイト

2.Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングの画面

Yahoo!ショッピングの最大の特徴は、初期費用が無料だということです。システム利用料、売り上げ手数料、メルマガ配信費用も無料で、低コストで出店できるECモールとして人気を集めています。しかし初期費用などを無料化した影響で店舗数が急増し、モール内の競争が激しくなっている点には注意が必要です。

Yahoo!ショッピングの公式サイト

3.Amazon

Amazonの画面

Amazonのメリットは、国際的なECモールとしての抜群の知名度と、商品ひとつから販売できる開業の簡単さです。デメリットとしてはモール内の価格競争が激しく、手数料が他の主要ECモールよりも比較的高めであることが挙げられます。

Amazonの公式サイト

各サービスの導入費用

サービスの種類ごとの初期費用、月額費用の目安は、下記のようになります。

サービスの種類初期費用月額費用
パッケージソフト無料~数百万円数万円~
レンタルショッピングカート無料~数十万円数千円~5万円前後
モール無料~数万円数万円~数百万円

ネットショップ開業を成功させる5つの条件

2台のノートパソコン

開業後、順調に売上を伸ばしてるネットショップに共通する、成功のための5つの条件について解説します。

信頼される情報を掲載する

ネットショップにアクセスした利用者に商品を購入してもらうためには、信頼や安心を感じる情報をショップページに掲載することが大切です。

ショップを訪問した人々に提供すべき情報は、主に下記の3つです。

提示すべき情報メリット
電話番号商品に関する不明点などをすぐに尋ねることができる手段があれば、訪問者は安心して商品を購入できます。電話での問い合わせをできるだけ減らしたい場合は、FAQ(よくある質問)を掲載する方法が効果的です。
ショッピングご利用ガイド(規約の要約情報)トップページや商品ページにショッピング時の利用ガイド(規約の要約情報)を表示することも重要です。梱包や配送などの情報をわかりやすく伝えることで、顧客は安心して商品を購入できます。
決済方法の表示利用できる決済方法を見やすく表示することで、商品に興味を持った顧客が購入を決めやすくなります。

購入しやすいショップ作り

商品を購入するプロセスを簡単でわかりやすくすることは、売上向上やリピーター獲得に直結する重要項目です。具体的には、目立つ色と大きさの買い物カゴボタンの設置、入力に迷わない決済ページの表示などに注意しましょう。

効果的な集客方法の実施

基本的な集客対策であるSEO対策やSNSの活用には、開業直後から取り組みましょう。ショップのターゲットを明確にし、検索上位表示に向けたSEO対策や、商品情報を伝えるSNS投稿を続けることが成功につながります。

コンセプトに合ったショップ作り

ネットショップのコンセプトは、そのサイトのデザインや提供する情報を決めるベースになるものです。サイト上で発信するメッセージやデザインに一貫性を持たせることで、競合との差別化が図りやすくなります。

リピーター獲得のための施策

数多くの競合ショップがある中で、一度購入した顧客に対して何もアクションを取らなければ、再購入をしないまま忘れられる結果になってしまいます。商品を購入した顧客にサンクスメールやメルマガなどでメッセージを送るといった、リピーター獲得のための施策を積極的に実施すべきです。

リピーターを増やすための取り組みは、売上や利益の向上につながる重要な活動です。

ネットショップ開業に関する悩みは専門の会社やフリーランスに相談

ネットショップ開業のための業務サポートを外部委託する際、重視すべきポイントを説明します。

ネットショップ開業で必要となる主なサポート

ネットショップ開業に際して、専門家への相談や委託がおすすめな項目は、主に下記の通りです。

  1. 販売する商品やショップのコンセプト決め
  2. 開業支援サービスの選定
  3. サイト構築
  4. 運用方法
  5. SEOやSNS活用などの集客対策

上記の項目の中に、自身で解決することが難しい課題がある場合は、ネットショップの構築・運用に精通したプロへの相談をおすすめします。

ネットショップ開業に関する悩みをフリーランスに相談するメリット

経験豊富なフリーランスにネットショップの開業について相談・依頼するメリットは、主に下記の3つです。

メリット詳細
課題に合ったプロに相談できるインターネット上で公開されている実績や経歴を比較した上で、自社の課題解消に適したプロを選ぶことができます。
判断や対応が迅速費用やスケジューリングを全てフリーランス自身が判断するために、担当者が上司などに確認して対応することの多い制作会社と比べ、迅速な対応が期待できます。
高いコストパフォーマンス直接フリーランスに直接発注できるために中間マージンが発生せず、コストパフォーマンスが高くなります。

ネットショップの開業に関する課題や疑問は、ぜひランサーズのフリーランスにご相談ください。

ネットショップ開業のポイントを理解し、スムーズに開業準備を進めましょう

この記事では、ネットショップ開業に関する下記の5つの重要点について解説しました。

  1. ネットショップは実店舗と比べて非常に低コストで開業できるなどの特徴がある
  2. 販売する商品決めは、開業作業の出発点であり最も重要な項目
  3. ネットショップ開業を支援するサービスには、主に3つの種類がある
  4. 信頼される情報提供や集客対策などが、ネットショップを成功させる条件
  5. ネットショップ開業に関する悩みや疑問は、ECサイトの専門家に相談すべき

ネットショップの特徴や開業までの手順、成功のための条件などを理解した上で、開業準備を進めることが大切です。

ご自身のビジョンや目標に即したショップ作りの参考として、本記事で取り上げた情報を活用していただければ幸いです。プロの支援が必要な課題が生じた際は、ECサイトの構築に精通したランサーズのフリーランスへの相談を検討しましょう。

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