Shopifyは、全世界で170万以上のネットショップが導入していて、国内でも利用者が増えています。ECサイトの重要性が高まるなか導入を検討してはいるものの、Shopifyのメリットやデメリットが分からず決め手に欠けると感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Shopifyとはどのようなサービスなのか、Shopifyのメリットやデメリットをまとめてご紹介します。最後まで読めば、Shopifyを導入するべきか判断できるようになるはずです。ぜひ、ECサイトの構築においてShopifyの導入が最適なのかを確かめてみてください。

Shopify(ショッピファイ)とは
Shopify(ショッピファイ)とは国内外問わずオンライン販売を始められる、クラウド型のマルチチャネルコマースプラットフォームです。
従来はECサイトを構築をする場合、自社サーバーの用意、顧客が利用しやすいECサイトの構築、ECサイト運営のためのシステム導入など多大な費用と労力がかかりました。ECサイトを作りたいと思っても、断念してしまったというケースも多かったのではないでしょうか。
Shopifyならクラウド上でECサイトの構築、管理ができるため、EC構築に必要とされてきた手間の大部分を省くことができます。今までECサイト構築に携わったことがない場合でも手軽に構築ができ、クラウド上で売上や在庫管理が行えます。専門的な知識や設備投資がなくても、ECサイトを始められるようになったのです。
2022年2月現在では、世界175か国で170万を超えるショップがShopifyを利用しています。2020年の小売りのEC売上高シェアでみると、Amazonに続いて世界2位のシェアを誇っており、最も利用されているECサイト構築プラットフォームのひとつとなっています。
日本でも「土屋鞄製作所」や「文房具カキモリ」など、名だたる企業がShopifyを導入しオンラインショップを立ち上げています。
Shopifyの機能
Shopifyの基本機能としては、下記のようなものが備わっています。
Shopifyの機能分類 | 機能の概要 |
商品ページ | ・商品の一覧表示 ・商品の並べ替え ・商品のサムネイル表示 ・販売元表示 ・画像ズーム機能 ・SNS共有機能など |
カート機能 | ・ショッピングカート機能 ・ゲスト購入、会員登録機能 ・決済方法選択機能 ・自動メール送信機能など |
管理機能 | ・顧客情報登録 ・注文履歴表示 ・退会機能など |
その他機能 | ・おすすめ商品表示 ・新着情報表示 ・サイト内検索機能など |
Shopifyでは、カスタマイズしやすい商品ページやカート機能など、ECサイトに必要な機能が基本機能として備わっており、幅広いニーズに対応ができるようになっています。
後ほど詳しくご紹介しますが、アプリなどの拡張機能も使えるため、ECサイトの内容に応じて必要な機能を増やしながら使えるところも特徴です。
Shopifyの5つのメリット
Shopifyとはどのようなサービスなのか把握できたところで、Shopifyにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、Shopifyならではのメリットを5つご紹介します。
- 低コストで始められる
- 非エンジニアでも簡単に使える
- アプリによる拡張機能が豊富
- 国内だけでなく越境ECも可能
- SEO対策やSNSとの連携が標準装備されている
1. 低コストで始められる
ECサイトを立ち上げるときに、ネックとなるのが初期費用です。Shopifyは初期費用が無料なので、ECサイトの立ち上げ時に、膨大なコストをかける必要がありません。商品の撮影やECサイトの広告宣伝など、本当に必要なところにコストをかけられるようになります。
Shopifyの料金プランは以下の表のとおり3つあります。月額利用料はベーシックプランの場合、日本円で約3,200円となっており、毎月の負担も抑えながら運用できるようになっています。
Shopifyのプラン | 月額利用料 | (参考)月額利用料の日本円換算 (1ドル=110円と仮定) |
ベーシック | 29米ドル | 3,190円 |
スタンダード | 79米ドル | 8,690円 |
プレミアム | 299米ドル | 32,890円 |
ECサイトの構築費やサーバー代、管理システム運営費などを考えると、いかに低コストで始められるのかが分かるでしょう。
Shopifyのプランは、主にクレジットカード決済の手数料や管理できるスタッフアカウント数、海外ドメインの取得の有無で差がついているため、ECサイトの売上高や運営方法に合わせて選択できます。ベーシックプランでもECサイトが構築できるのはもちろんのこと、以下のような充実した機能が備わっています。
- 無制限の商品登録
- 複数の言語での販売
- 販売チャネルの追加
初期費用とランニングコストを抑えてECサイトを導入できるのは、Shopifyならではの強みだといえるでしょう。
2. 非エンジニアでも簡単に使える
Shopifyは感覚的に操作できる管理画面を採用しているため、非エンジニアや初めてECサイト導入に挑戦するケースでも扱いやすくなっています。管理画面では、確認したい管理項目をクリックするだけで以下のような内容の詳細が一度に確認可能です。
- 注文管理
- 商品管理
- 顧客管理
- ストア分析
スマートフォンやiPadからECサイトの管理画面にアクセスできるアプリもあるので、どこでも手軽に注文状況や在庫をチェックできるところもポイントです。
また、最初にShopifyのサイトを構築する際も、いちから全てをプログラムする必要はありません。各要素を指示に従い操作するだけでおしゃれで洗練されたECサイトに仕上がります。
従来までは顧客と管理者双方が扱いやすいECサイト構築には、専門知識が必要な分野でした。Shopifyを導入することで、非エンジニアでも手軽にブランドイメージに合うECサイトが構築できます。
3. アプリによる拡張機能が豊富
Shopifyはアプリを組み合わせることで、自由にカスタマイズができます。アプリとはWordPressのプラグインのようなもので、ダウンロードをすることで便利な機能を自由に追加可能です。
以下にアプリの一例をご紹介します。
- 在庫管理
- SNSマーケティング
- 発送手配
- 在庫管理
- テンプレート
アプリを導入すると、既存の機能では物足りない場合やもっと効率よくECサイトを運営したい場合に役立ちます。Shopifyで使えるアプリは無料と有料を含めて6,000種類以上もあるため、目的に合わせたアプリが見つかりやすいです。
ECサイト運営を継続していくと改善点や管理体制など、新たな悩みが生まれます。アプリが追加できることで、臨機応変に対応でき、長い間安心して利用できます。
4. 国内だけでなく越境ECも可能
Shopifyは多様な言語、通貨に対応しているため、インバウンドや海外進出など国際的な視野でビジネスができます。どのプランを選択しても、以下の機能は利用可能です。
- 133の通貨を選択して販売
- 最大5言語でのECサイト表示
- 海外クレジットカードでの決済
Shopifyを導入すれば、海外ビジネス向けシステムを導入しなくても、すぐに越境ECサイトを立ち上げることが可能です。加えて、スタンダードやプレミアムといったワンランク上のプランでは、以下のように本格的な海外進出にも対応できる機能が揃っています。
- 国際的なSEOを実現する海外ドメインの取得
- 国や地域に応じた国際価格の表示
このように、国内でのECサイト展開だけでなく海外を視野に入れたビジネス展開が手軽にできるのは、Shopifyならではの強みだと言えます。
5. SEO対策やSNSとの連携が標準装備されている
ECサイトを立ち上げるなら広く周知し、多くの人に利用してもらう必要があります。Shopifyは基本機能にSEO対策やSNSとの連携が装備されているため、コストをかけなくても集客がしやすいです。
SEO対策では検索結果のプレビューページを参考にしながら、商品ページのタイトルやディスクリプション、URLを自由に変更できます。他のECサイト構築では、なかなか無料で精度の高いSEO対策ができません。すべての商品においてSEO対策ができることは、Shopifyならではです。
また、Shopifyには基本機能にSNS共有ボタンが含まれているため、すぐに拡散されやすいページを作成できます。ECサイトを構築するだけなく、どのように周知していくかというところまでしっかりと考慮されていることが分かります。
Shopifyの3つのデメリット
Shopifyのメリットが把握できたところで、知っておきたいのはデメリットです。Shopifyには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?ここでは、Shopifyの3つのデメリットをご紹介します。
- 全ての機能が日本語に対応しているわけではない
- 日本語でのサポート体制がないケースがある
- HTMLの知識が必要になることがある
1. 全ての機能が日本語に対応しているわけではない
Shopifyはカナダで誕生し、北米を中心に発展してきたサービスなので、現段階ではすべての機能が日本語で使えるわけではありません。また、価格表示で税込み、税抜き表示など日本の販売形態に対応できるかもテーマにより異なります。
とくに、アプリやテーマでは複数の言語に対応しているものを選択しないと、日本語だけで使用するのが難しい状態です。英語のみで利用できるアプリやテーマを用いる際には、翻訳で意味を調べながら使わなければなりません。アプリやテーマが対応する言語によっては、使い方や設定でつまづくこともあるでしょう。
2. 日本語でのサポート体制がないケースがある
機能と同様に、サポートについても言葉の壁が完全には解消できていません。現在、日本でのShopifyヘルプセンターはベータ版の状態です。Shopifyでは日本語のヘルプセンターやサポートチームがありますが、メールやTwitterなどの問い合わせが中心のため、不明点について即回答が得られるわけではありません。
また、海外で開発されたアプリやテーマについては、そもそも日本語のサポートを考慮していないものがあります。越境ECや便利な機能を拡充するなかで、日本語以外で対応する可能性を考慮しておきましょう。
3. HTMLの知識が必要になることがある
Shopifyは、基本的に専門的な知識がなくてもECサイト構築ができます。しかし、より商品や企業に合うECサイトにしたいと考えたときには、CSSやHTMLの知識が必要になることがあります。
例えば、Shopifyのテーマ自体をアレンジしてより好みの雰囲気にしたい場合には、CSSやHTMLを使って編集することが可能です。CSSやHTMLを使えば細かな変更やアレンジができて他社と被らないデザインにできますが、知識がないとコーティングが崩れてしまい上手く表示されなくなります。
Shopifyに高度な編集を加えたい場合は、CSSやHTMLなどの知識が必要であることを把握しておきましょう。
ECサイトの構築にShopifyが最適なケース
最後に、ECサイトの構築にShopifyが最適なケースを3つご紹介します。どのようなケースでShopifyが選ばれているのか、ぜひ参考にしてみてください。
- ECサイト構築の初期費用を抑えたい場合
- 初めてECサイトを作る場合
- 同じECサイトを長く運用したい場合
1. ECサイト構築の初期費用を抑えたい場合
Shopifyのメリットで紹介したとおり、Shopifyは初期費用がかからないだけでなく、月額利用料が約3,200円~と低コストなので、最低限の維持費用でECサイトが運営できます。
商品ページの設定から顧客、在庫管理、売上状況などが一元管理できるため、他の管理システムを導入する必要がありません。
2. 初めてECサイトを作る場合
ShopifyはプログラミングやWebの専門知識がなくても、ECサイトが構築できます。運営時も商品登録や在庫管理や顧客管理がまとめて行えるため、初めてのEサイト運営でも漏れがなく管理可能です。
また、アプリを活用すればスマートフォンやタブレットからも販売状況が確認できるため、運営の利便性が高いでしょう。
3. 同じECサイトを長く運用したい場合
Shopifyはカスタマイズ性に優れているため、売上や認知度アップに向けて改良する余地があります。
ECサイト運営に慣れてきたところでアプリを導入したり、デザインの変更をしたりとトレンドを取り入れながら長く利用可能です。いずれ海外に向けて販売していきたい場合にも向いています。
ShopifyでECサイトを構築してみましょう
Shopifyには低コストで導入、運用ができるほか、カスタマイズしやすく使いやすいプラットフォームです。また、133の通貨で支払いができ、国内外で利用できる越境ECサイトを構築できるところも大きなメリットでしょう。
Shopifyを導入すれば、従来のECサイト構築でネックとなっていた構築の難しさや運営のしにくさ、高コストという問題を解決できます。ECサイトの構築を検討している場合は、ぜひShopifyを検討してみてください。
