ネットショップを開設したいけれど、できるだけ時間や費用を抑えたいとお考えの方に最適なのが、Shopify Lite(ショッピファイ・ライト)です。ECサイトを作成する手間や費用を省いて、今すぐネットショップを始めることができます。
本記事では、Shopifyの他のプランや他のECプラットフォームとの比較も交えて、Shopify Liteの特徴や利用できる機能・サポート、導入手順などを具体的に紹介していきます。

目次
Shopify Liteの3つの特徴
Shopify Liteは、既存のウェブサイトやブログ、SNSにShopifyの基本機能を追加するプランです。新たにECサイトやネットショップを構築する手間と費用を省いて、手軽にECを始めたいと考えている事業者に最適だといえます。Shopify Liteの主な特徴は、次の3つです。
1. 既存のサイトやブログにショップ機能を追加
一般的なECプラットフォームでは、ECサイトを立ち上げたい場合いちから構築する必要があります。一方、Shopify Liteを利用すると、現在運営をしているWebサイトやブログ、SNSなどで商品の販売が可能になります。
2. 月額9ドルでShopifyの基本機能を利用できる
Shopify Liteの月額料金は9ドルで、ベーシック、スタンダード、プレミアムといったShopifyの主要プランと比べて安価に利用できるプランです。コストを最小限に抑え、Shopifyの提供する基本機能が使えます。
Shopify Liteで利用できる機能については、後ほど改めて詳しく紹介します。
3. 運用途中でShopifyの他のプランへ移行可能
Shopify Liteを使って既存のサイトやSNSでECへの挑戦を始め、期待通りの業績を収めることができたら、機能やサービスがより充実したShopifyの他のプランへの移行を検討もできます。Shopify Liteと他の主要プランの管理画面は共通で、データがそのまま引き継げます。ECプラットフォームを変更する移行とは違い、手間のかかる作業や設定変更は必要ありません。
Shopify Liteで利用できる機能
ネットショップ運営に必要な11種類の機能
Shopify Liteでは、他のプランと同様の管理画面にアクセスでき、既存のサイトやSNSに追加する購入ボタンやShopify POSが利用できます。
Shopify Liteで利用できる主な機能は次の11種類です。
1. ダッシュボード
販売、注文、トラフィックを表示する実用的なダッシュボードです。日々の運用状況を正確に把握できます。
2. 財務レポート
ビジネスに関する財務情報を表示する機能です。レポートページの財務セクションで財務サマリーページを開き、詳細レポートにアクセスできます。
3. 顧客プロフィール
顧客のショッピング傾向を把握するための機能です。顧客の連絡先と注文履歴が表示されます。
4. 注文管理
顧客の注文をShopifyの注文エリアに表示します。Shopify以外で行った注文の記録、請求書の送信も可能です。
5. 商品管理
在庫管理から商品バリエーション、商品のインポート/エクスポートが可能です。また、管理画面では商品構成の管理などを行います。
6. モバイル版POS
iOS・Android端末向けアプリを使って、実店舗とオンラインの販売業務を同じ画面で一元管理できます。
7. メールカート
Shopify POS用メールカートを使用してカートを作成します。顧客がオンラインでチェックアウトを完了できるようにメールを送信できます。メールにはカートのサマリーとオンラインチェックアウトのリンクが含まれます。
8. 商品詳細のQRコード
ShopifyのShopcodesアプリを使用し、ストアで購入ボタンのように動作可能なQRコードを生成できます。オンラインでQRコードを使用して、顧客を商品詳細やチェックアウトのページに誘導することも可能です。
9. 実店舗在庫
Shopify POSアプリを使って、実店舗での在庫管理が行えます。
10. ギフトカード
ストアでギフトカードが購入でき、ストアクレジットとして使用することも可能です。
11. ディスカウントとクーポンコード
特定のターゲットに向けたクーポンコードや割引などのプロモーションを管理画面で作成できます。
商品やショッピングカートの追加
Shopify Liteを利用すれば、販売する商品やサービスの情報と基本的な販売機能を搭載したショッピングカートを既存のWebサイトに追加できます。追加に必要な作業は、専用の埋め込みコードをサイトに貼り付けるだけのシンプルで簡単なものです。
Webサイトに限らず、ブログ、FacebookやInstagramといった各種SNSに販売機能を追加することもできます。Facebookを利用する際は「ショップ」のセクションを追加するだけで、オンラインでの販売を開始できます。Facebook Messenger機能を顧客からの問い合わせに対応するチャットとして活用することも可能です。
ECサイトやネットショップを構築するのではなく、すでに運用しているサイトにEC機能を追加するという点は、Shopify Liteの最大の魅力です。
オンラインとオフラインの販売を一元管理
オンラインだけでなくオフラインでの販売にも対応できるShopify POS機能もShopify Liteで利用できます。Shopify POSはiOS・Android端末向けのアプリで、注文処理、商品検索、支払い回収、レシート発行、在庫連携など、実店舗での各種業務をタブレットやモバイル端末で行うことができます。
オフラインでの販売業務は、オンラインと同じ管理画面で一元管理します。 オンラインとオフラインの販売活動を並行して進めたいと考えている事業者にとって、大きなメリットを生む機能です。
Shopify LiteとShopifyの他プラン、他の主要ECプラットフォームを比較
Shopify Liteの特徴と機能を確認した上で、Shopifyの他のプランや他のECプラットフォームとの相違点をチェックしてみましょう。
月額料金と手数料の違い
Shopify liteと他の4種類のプラン、それぞれの月額料金と取引・決済手数料は下記の通りです。
Lite | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Plus | |
月額料金 ※1ドル=113.6円で計算 | 9ドル (約1,022円) | 29ドル (約3,294円) | 79ドル (約8,974円) | 299ドル (約33,966円) | 2,000ドル (約227,200円) |
取引手数料 ※Shopify Payment利用では無料 | 2% | 2% | 1% | 0.5% | 0.15% |
国内発行クレジットカード決済手数料 | 3.4% | 3.4% | 3.3% | 3.25% | 3.15% |
海外発行クレジットカード&American Express決済手数料 | 3.9% | 3.9% | 3.95% | 3.8% | 3.75% |
機能とサポート体制の違い
Shopify liteと他のプランの機能やサポートの主な相違点は下記の通りです。
- 商品販売機能、Shopify POSはどのプランでも利用可
- Shopify liteではネットショップの構築ができない
- Shopify liteで利用可能なアカウント数は、オーナーアカウントとスタッフアカウントの2つまで
- Shopify liteで利用できるレポート機能は、ダッシュボード、財務レポート、製品分析のみ
- Shopify liteでは一部のShopifyアプリが利用不可
- Shopify liteではリアルタイムアクティブユーザーの表示機能は利用不可
主要プランと比較すると、Shopify liteの機能やサービスは基本的なものだけに限られています。しかし、月額料金の安さを考えれば、事業者の利用目的や使い方次第で非常にコストパフォーマンスの高い魅力的なプランになるものです。
他の主要ECプラットフォームとの費用・機能比較
Shopify liteの費用や機能を他の主要ECプラットフォームと比較してみましょう。
1. Shopify liteとBASEの比較
Shopify Lite | BASE | |
費用 ※1ドル=113.6円で計算 | 月額9ドル(約1,022円) | ・基本無料 ・1回の買い物につき3.6%+40円 ・売上を引き出す際に手数料500円(2万円以上で無料) ・振込手数料250円 |
決済方法 | ・クレジットカード、Amazon Pay、BitPay、KOMOJU、PayPal、Shopifyペイメント ・ほか100種類以上 | ・クレジットカード、キャリア決済、コンビニ、銀行振込、後払い(審査あり) |
SNS連携 | Pinterest、Instagram、Facebook、Twitter、LinkedIn | Twitter、Facebook、Ameba、Instagram |
サポート体制 | メール(24時間)、チャット、電話対応(英語) | メール(平日:10時~19時) チャット(平日:13時〜18時) |
BASEの特徴は、利用料金が無料で、1回の注文ごとに決済手数料とサービス手数料が発生するという点です。売上が2万円以下の場合は、売上残高引き出しの際に500円の手数料が発生します。
決済方法とサポート体制では、Shopifyが充実しています。
2. Shopify LiteとSTORESの比較
Shopify Lite | STORES | |
費用 | 月額 9ドル(約1,022円) ※1ドル=113.6円で計算 | 無料と月額2,178円の2種類のプラン |
決済方法 | ・クレジットカード、Amazon Pay / BitPay、KOMOJU、PayPal、Shopify Payments ・ほか100種類以上 | クレジットカード、コンビニ、銀行振込、後払い、PayPal、キャリア決済、楽天ペイ、代金引換(月額プランのみ)、Amazon Pay(月額プランのみ) |
SNS連携 | Pinterest、Instagram、Facebook、Twitter、LinkedIn | LINE(運営専用)、Instagram |
サポート体制 | メール(24時間)、チャット、電話対応(英語) | お問い合わせフォーム、電話対応(平日10:00~18:00) |
STORESの無料プランは、利用できる機能や決済方法が有料プランよりも少なくなりますが、基本的な機能・サービスは同一です。
Shopify Liteの導入・設定方法
次にShopify Liteの利用開始手順と各種設定方法を説明します。
利用開始方法
Shopify Liteの利用開始は、以下の5つの手順で行います。
手順1. Shopifyアカウント作成
Shopifyの公式サイトにある「無料体験をはじめる」ボタンをタップ・クリックし、表示されたShopifyアカウント作成フォームにメールアドレス、パスワード、ストア名を入力すると無料体験が開始されます。
手順2. アンケートへの回答
簡単なアンケートに回答します。
手順3. 住所などを入力
Shopify利用を開始するために必要な住所などの情報を入力します。
手順4. 管理画面を確認
管理画面と「トライアル期間が始まりました」のメッセージが表示されます。
手順5. プランを選択
管理画面上の「プランを選択する」ボタンをタップ・クリックしてShopify Liteします。プランの選択は14日間の無料体験の期間中であればいつでも行うことができます。
商品の追加方法
無料体験開始の手続きを完了させると、ホーム画面に各種設定用のボタンが表示されます。「商品を追加する」ボタンをタップ・クリックし、商品名や商品説明、商品の画像、販売価格などを入力します。商品の詳細がまだ決まっていなければ、いったんスキップすることも可能です。
送料などの配送設定
続いて「配送設定を行う」ボタンをタップ・クリックし、配送料、地域限定で顧客の自宅に商品を配送するローカルデリバリー、店舗受取などを設定します。
税の設定
「税を確定する」をタップ・クリックし、税金の発生する地域や税金の表示方法などを設定します。
決済方法の選択
「決済方法の設定」をタップ・クリックし、ショップの決済方法を選択します。
以上で初期設定が完了します。無料体験期間中に各種管理や設定ページの項目を確認し、Shopify Liteを使ってショップを開設するために必要となる設定を行っていきましょう。
Shopify Liteの導入・運用に関する問題は信頼できるプロに相談
Shopify Marketsを活用した越境ECへの取り組みに関して、問題点や課題が生じた際は、Shopifyのストア構築や運用に精通し、越境ECに関する専門スキルやノウハウを持ったエキスパートへの相談を検討しましょう。
Shopifyの導入・運用に精通した専門家を探す方法
Shopify Liteの導入や運用に関して、自力での解決が難しい課題が生じた際は、Shopifyに関する専門知識やノウハウを持った制作会社に相談してみましょう。
Shopifyの構築・運営実績が豊富な制作会社やフリーランスのエンジニア、クリエイターであれば、課題解決に有効なアドバイスやサポートを提供してくれるでしょう。
ShopifyエキスパートやShopifyパートナーは、Shopifyの構築・運用実績を持ったプロの呼称です。Shopify パートナーはShopifyのパートナー制度に登録している事業者で、そのうち一定以上の実績があり、厳しい審査を通過した事業者がShopifyエキスパートに認定されます。
ランサーズで活動するShopifyエキスパート・Shopifyパートナー
ランサーズではShopify Japan社が提供する、Shopifyに関する専門技術とノウハウを学ぶ6週間のプログラム「Shopify Partner Boot Camp: Japan」を修了し、Shopifyの豊富な構築・運用実績を持つフリーランスが100名以上活動しています。
日本国内では5名のみが認定されている個人のShopifyエキスパートのうち、3名がランサーズの登録者です。
Shopifyに精通したフリーランスのエンジニアやクリエイターは、ECの導入や運用改善に役立つソリューションを提供してくれるはずです。ECやShopifyに関する相談対応やサポートが必要な際に、フリーランスの活用をぜひご検討ください。
Shopify Lite導入を検討する際に重視すべきポイント
この記事では、既存のウェブサイトやSNSなどにShopifyの商品販売機能を追加してECを開始できるShopify Liteについて、下記の5つのポイントを中心にご説明しました。
- 既存のサイトやSNS上で手軽にECを始めることができるShopify Liteの3つの特徴
- Shopify Liteで利用できる商品販売機能やPOS機能
- Shopify LiteとShopifyの他のプラン、他のECプラットフォームの主な相違点
- Shopify Liteの導入手順と各種設定
- Shopify Liteの導入や運用はShopifyに精通したプロに相談すべき
Shopifyの提供するプランの中でもユニークなShopify Liteの特徴を生かし、ECを成功へと導くための判断材料として本記事を活用していただければ幸いです。
