ECサイトの売上が上がってくると、より多くの機能が充実した有料ECプラットフォームサービスに引越しを検討される方は多いのではないでしょうか。現在利用しているECサイトをより規模の大きなものへステップアップしたいとき、候補に挙がるのがShopifyとMakeShopです。
本記事では自ECサイトに適したプラットフォームを選びたい人のために、ShopifyとMakeShopの基本情報、メリット、費用を比較しました。ECサイト間のスムーズな乗り換え方法についても記載していますので、ぜひ参考にしてください。

目次
ShopifyとMakeShopの基本情報
ShopifyとMakeShopの基本情報の比較と、共通点を解説します。
ShopifyとMakeShopの比較
Shopify | MakeShop | |
運営会社 | Shopify Japan株式会社 | GMOメイクショップ株式会社 |
最短契約期間 | 1ヶ月 | 1ヶ月 |
費用 | ・初期費用無料 ・3つのプラン(Shopify plusも含めれば4つ) | ・初期費用はプランにより異なる ・2つのプランあり |
問い合わせ方法 | ・ログイン後サポートセンター ・日本語のメールサポートとSNSサポート | 電話、メール、掲示板、HTML |
Shopifyはカナダを本社に置くShopify Inc.が展開するECサイトプラットフォームサービスです。2021年10月現在、世界175か国で170万以上の使用実績があり、流通総額は2,000億ドルを達成しています。
MakeShopは日本の企業、GMOペバポが展開するECサイトプラットフォームサービスです。他ECサイトプラットフォームサービスと比較し、ショップ売上9年連続No.1の実績を誇ります。
ShopifyとMakeShopの共通点
ShopifyとMakeShopいずれも、以下の3つの機能はプラン共通で無料で利用できます。
- レビュー機能
- クーポン機能
- サイト全体の割引機能
また、ShopifyとMakeShopとも無料体験期間を設けています。無料体験期間はShopifyが14日間、MakeShopが15日間です。
ShopifyとMakeShopの機能から見たメリットを比較
ShopifyとMakeShopの機能を踏まえた上での、メリットを比較しました。
ShopifyとMakeShopの機能一覧
ShopifyとMakeShopのおもな機能は以下の通りです。
Shopify | MakeShop | |
プラットフォーム機能 | ・ブログ機能 ・無料SSL証明書など | ・決済ページデザイン編集 ・SSL(情報暗号化)対応 |
ショッピングカート | ・配送料自動計算機能 ・カゴ落ちのリカバリー ・100種類の決済サービス ・送料無料を含む柔軟な配送料設定 ・自働課税 ・多言語対応機能 | ・「あと○円で送料無料」表示機能 ・最近見た商品のレコメンド機能 ・Web接客型Amazon Pay ・商品ごとへの配送設定 ・複数の届け先への配送設定機能 ・配送希望日時設定 ・各種配送料の設定 ・海外配送可否 ・アンケート・注文備考の編集 ・ラッピング、のし、ギフト対応機能 ・クレジットカード情報保持機能 ・買い物と同時に簡単会員登録 ・注文完了画面バナー表示機能 |
ECサイトの管理機能 | ・プロフィール機能 ・ドロップシッピング ・お客様アカウント機能 ・返金機能 ・顧客グループ機能 ・Shopifyアプリの連動による外出先からのマネージメント ・自動送信用メールのテンプレート ・フルフィルメント機能 ・70種類以上のデザインテンプレート用意 ・オンラインストアのブランディングとカスタマイズ ・モバイルコマース対応 ・HTMLとCSSの編集可能 ・独自ドメイン利用可能 ・エキスパートとの連携可能 | ・オンラインマニュアル ・副管理者アカウント機能 ・IP制限機能 ・独自ドメイン設定機能 ・商品データのダウンロード、アップロード ・商品データ一括削除機能 ・個人情報ダウンロード時の通知機能 ・会員管理機能 ・会員ランクの自動振り分け機能 ・会員情報メモ機能 ・会員データのダウンロード、アップロード ・注文書ダウンロード機能 ・注文確認メール受け取り設定 ・在庫アラートメール機能 ・メールアドレス発行 ・メルマガ会員のインポート ・自動返信メール機能 ・メルマガ配信機能 ・【有料】注文データのインポート機能 ・【有料】注文データ一括削除機能 ・【有料】メール配信プラス ・【有料】ストレージPLUS(旧名称:ギガプラス10) ・【有料】常時SSL |
マーケティング&SEO | ・検索エンジンの最適化 ・Google広告クレジット ・sitemap.xmlの自動生成 ・商品レビュー ・割引管理 ・Facebookで販売する ・ギフトカード ・ソーシャルメディア統合 | ・アイテムポスト(外部サイトへの出品サービス) ・Yahoo!ショッピング連携 ・LINEショッピング連携 ・Instagramショッピング ・リターゲティング広告 ・Google商品リスト広告連携 ・アフィリエイト連携 ・Googleサーチコンソール登録機能 ・SEO設定機能 ・XMLサイトマップ出力 ・URL自由設定機能 ・RSS機能 ・会員紹介機能 ・【有料】MakeRepeater |
商品管理 | ・在庫管理 ・デジタル商品 ・商品バリエーション ・インポート/エクスポート ・商品構成 ・複数の画像 ・SEO商品タグ ・定期購入(サブスクリプション) | ・販売予告機能 ・まとめ買い割引機能 ・クーポン機能 ・再入荷お知らせメール機能 ・名入れ機能 ・商品コピー機能 ・配送完了ステップメール ・割引(セール)期間設定 ・商品表示期間設定 ・0円決済機能 ・税率の0%設定機能 ・商品レビュー機能 ・在庫マトリクス表示機能 ・人気ランキング機能 ・商品グループ設定機能 ・商品オプション機能 ・複数商品画像機能 ・価格・ポイントの一括修正機能 ・最近見た商品のレコメンド機能 ・【有料】レコメンド機能 ・見積書の発行機能 ・注文可能最小金額設定 ・購入履歴表示機能 ・一発購入機能 ・各種コンバージョンタグ対応 |
ストア分析 | ・ダッシュボード ・Googleアナリティクス ・商品レポート ・トラフィック/流入レポート ・レポートのエクスポート | ・GoogleアナリティクスEコマース対応 ・各種成果タグ対応 ・売上分析機能 |
ShopifyとMakeShopのメリット比較
ShopifyとMakeShopのメリットを以下で比較しました。
Shopify | MakeShop |
1. SSL対応 2. 海外通貨に対応 3. 複数言語に対応 4. 100種類の決済サービス 5. 国に応じた課税機能 6. アプリで拡張できる 7. テンプレートの種類が豊富 8. HTMLやCSSによるカスタマイズができる 9. 商品登録数が無制限 10. Googleと連携したマーケティング機能が豊富 | 1. 651種類と機能が豊富 2. 無料で利用できる機能も豊富 3. 定期購入機能に対応 4. ギフト対応できる 5. クレジットカード決済手数料が安い 6. サポートが手厚い 7. 国内サービスとの親和性が高い |
メリットを踏まえて、シーン別にShopifyとMakeShopどちらが向いているかを次に解説していきます。
海外や越境ECならShopify、日本国内向けならMakeShop
Shopifyは外国人のお客様の販売や越境ECに特化した機能が豊富にそろっているのが特徴です。海外の通貨や複数の言語に対応しているため、お客様の住んでいる国の通貨や言語に対応したECサイトの環境を提供できます。日本国外で多くもちいられているPaypalをはじめ、対応している決済サービスの種類も豊富です。
一方MakeShopは定期購入、ギフトなど日本国内販売向けの機能が豊富にそろっています。MakeShopは日本国内で多くのユーザーが使っている各種サービスと連携しています。
たとえばECサイトならYahooショッピングや価格.com、電子マネー決済ならアマゾンペイ、楽天ペイと連携しています。いろいろな日本国内での顧客ニーズに対応できるため、利用するサービスや決済方法によって異なるターゲットをつかみやすいでしょう。
カスタマイズ性重視の中級者はShopify、運営初心者はMakeShop
Shopifyでは日本向けは海外向けに比べて少ないものの、アプリの導入も可能です。さらにShopifyはデザインテンプレートの種類が豊富で、公式のものだけでも70種類以上そろっています。デザインテンプレートはHTMLやCSSでデザインのカスタマイズも可能です。Shopifyは自分でECサイトのカスタマイズをしたい人にも向いています。
MakeShopはSEO設定機能、カレンダー表示、在庫アラートなど、14種類の基本機能を無料で利用できるメリットがあります。MakeShopは全部で651種類の機能があり、必要に応じてオプションにしたりすでにプランに含まれていたりもします。
MakeShopはShopifyと比較するとカスタマイズ性は低いものの、基本的な機能がそろった状態でECサイトを構築できるのがメリットです。MakeShopは日本語のプラットフォームであり、サポートが手厚いのでECサイト構築初心者にも使いやすいでしょう。
事業拡大重視ならShopify、コスト重視ならMakeShop
Shopifyは商品登録数がプランに関係なく無制限となっています。また、Googleと連携した検索エンジンの最適化やGoogle広告クレジット機能もそろっています。Shopifyにはsitemap.xmlの自動生成や商品レビュー、Facebookでの販売などマーケティングに関する機能が豊富にあるため、事業を拡大したい、売上アップを重視したい人の選択肢になるでしょう。
MakeShopはクレジットカード決済手数料が3.19%~と安いメリットがあります。MakeShopではShopifyには設置時不要の初期費用がかかるものの、オプションをつけるShopifyに比べるとコストを大きく抑えられる可能性が高いです。できるだけ運営コストをおさえたいときには、MakeShopが向いています。
ShopifyとMakeShopの費用を比較
ShopifyとMakeShopの各プランやクレジットカード決済手数料など、費用面を比較します。
ShopifyとMakeShopの費用比較表
Shopify | MakeShop | |
初期費用 | いずれのプランも0円 | ・プレミアムショッププラン 11,000円(税抜10,000円) ・MakeShopエンタープライズ 110,000円(税抜100,000円)~ |
月々のプラン | ・ベーシック 月29ドル ・スタンダード 月79ドル ・プレミアム 月299ドル | ・プレミアムショッププラン 11,000円(税抜10,000円)※長期契約なら最大30%OFF ・MakeShopエンタープライズ 55,000円(税抜50,000円)~ |
クレジットカード決済手数料 | ・日本のオンラインクレジットカード手数料3.25~3.4% ・海外/AMEXのオンラインクレジットカード手数料3.8~3.9% ・JCBのオンラインクレジットカード手数料4.05~4.15% | ・JCB/American Express/Diners 3.49% ・VISA/Mastercard:3.14~3.39% |
取引手数料 | 0.5~2.0% (Shopify ペイメントを利用していない場合) | 0円 |
純粋な初期費用はShopifyの方が安い
Shopifyは初期費用0円です。1ドル=114円と換算してShopifyとMakeShopの初期費用を比較すると、Shopifyの方がMakeShopよりも初期費用が安いです。
ただしShopifyは設定されている機能が最小限で、必要に応じてオプションで機能を追加する必要があります。オプションごとに費用が発生するため、月々のコストを比較するとShopifyよりMakeShopの方が安くなる場合もあります。
クレジットカード手数料はMakeShopの方が安い
ShopifyとMakeShopのクレジットカード手数料を比較すると、MakeShopの方が安いです。ただし入金サイクルはShopifyは週払いで、MakeShopは月払いです。手数料は高いもののキャッシュフローを考えると、Shopifyの方がメリットが大きいと言えます。
ShopifyやMakeShopへスムーズに乗り換える方法
現在利用しているECサイトプラットフォームよりも多くの機能を利用したい、越境ECの運営や事業拡大を目指したい、より使い勝手のよいプラットフォームを選びたいなどの理由でShopifyやMakeShopへの乗り換えを検討する人も多いでしょう。ShopifyやMakeShopへ乗り換える手順や、スムーズな乗り換え方法を解説します。
Shopifyへの乗り換え手順
Shopifyへの乗り換え手順は以下の通りです。
- ECサイトの移行に関する検討事項を確認
- 個人情報を確認
- アカウント請求情報を確認
- 運営スタッフがいる場合はログインアカウントの付与と確認
- 既存サイトのデータをShopifyに移行する
- 商品やデザインを調整する
- ドメインを設定する
- 配送の設定をする
- 税率を設定する
- 決済方法を設定する
- テストを行って問題なければ完了
MakeShopへの乗り換え手順
MakeShopへの乗り換え手順は以下の通りです。
- 基本設定を行う
- カテゴリーデータを移行する
- 商品データを移行する
- 決済関連を設定する
- 配送を設定する
- 会員データを移行する
- ショップデザインを整える
- テストを行う
- 独自ドメインの取得および設定をする
MakeShopへの乗り換えは「らくらく引越しサービス」利用も可能
MakeShopへ乗り換えする場合、有料の乗り換え代行サービスである「らくらく引越しサービス」を利用する方法もあります。
サービス | 内容 | 料金 |
商品データ移行 | 既存ECサイトの商品データをMakeShopへ移行 | ・商品データ1,000点まで132,000円(税抜120,000円) ・商品データ1,000点以上の場合100点追加ごとに+4,400円(税抜4,000円) |
会員データ移行 | 既存ECサイトの会員データをMakeShopへ移行 | ・会員データ1,000件まで33,000円 (税抜30,000円)・会員データ1,000件以上の場合 100件追加ごとに+1,650円(税抜1,500円) |
おてがるリニューアルサービス | バナー1個から発注できるリニューアルサービス | 5,500円(税抜5,000円)~ |
集客設定代行サービス | ・SEOの最適化 ・効果検証できるツールの提供 | 応相談 |
乗り換えをスムーズにするならフリーランスへの依頼も
ShopifyやMakeShopへの乗り換えは、自力でもできますが移行作業などの手間がかかります。移行作業の時間がかかればかかるほど、ECサイトの閉店時間も長くなり顧客が離れていくリスクが発生します。
ECサイトを乗り換える際にはできるだけスピーディに、かつ顧客が離れないようにキャンペーンやプロモーションをするなどの工夫が必要です。
手間を省き、顧客を逃さないためにECサイトの乗り換えをするなら、乗り換え作業をフリーランスに依頼するのも有効です。
ShopifyやMakeShopをECサイト運営に利用しよう
ShopifyとMakeShopの基本情報、メリット、費用での比較と乗り換え手順について解説しました。ECサイトのターゲット層や商材、重視したいポイントによってShopifyとMakeShopどちらを選ぶかが異なります。ECサイトに合ったプラットフォームサービスを選べば、よりECサイトの利益をあげたり、事業を拡大したりも可能です。
現在のECサイトの機能面や使い勝手に不満がある場合も、プラットフォームサービスとECサイトが合っていない可能性があります。フリーランスへ依頼するなどして、スピーディなECサイトの乗り換えを行えば顧客離れを防ぎつつ、よりECサイトの運営を効率化できます。
