ECサイトを運営・構築できるサービスはさまざまあります。自サイトの事業内容や規模はもちろん、デザイン性や機能性、コストなど、ECサイトのサービスを選ぶためのポイントは多岐にわたり、自社で新しく構築するECサイトに最適のサービスが決められない方も多いのではないでしょうか。
本記事ではECサイトを運営したい、または現在のECサイトからより使い勝手の良いサービスに乗り換えしたい人のために、日本国内で代表的なECサイトサービスとなる「Shopify」と「カラーミーショップ」を基本情報・デザイン・機能・費用の4つの観点で比較しました。

目次
Shopifyとカラーミーショップの基本情報
ShopifyとカラーミーショップはいずれもECサイトを作成できるサービスです。
ほかのECサイトプラットフォームサービスにはBASEやSTORESがありますが、いずれも格安で利用できる分、機能や容量などが制限されています。個人経営の小規模ショップから年商数百万規模の中堅ECショップを目指す、またはステップアップしたいときにはShopifyまたはカラーミーショップが有力な選択肢となります。
まずはShopifyとカラーミーショップの基本情報をそれぞれ紹介します。
Shopifyの基本情報
Shopifyの基本情報は以下の通りです。
最短契約期間 | 1ヶ月 |
利用プラン | ・ベーシック … 29ドル/月 ・スタンダード … 79ドル/月 ・プレミアム … 299ドル/月 ・Shopify Plus … 2,000ドル~/月 ※大企業用プラン |
その他費用 | 初期費用無料 |
問い合わせ方法 | ・ログイン後サポートセンター ・日本語のメールサポートとSNSサポート |
Shopifyはカナダを本社に置くShopify Inc.が展開する世界有数のECサイトプラットフォームサービスです。2021年10月現在、世界175か国で1,700,000の企業がShopifyを使用し、流通総額は2,000億ドルを達成しています。
カラーミーショップの基本情報
カラーミーショップの基本情報は以下の通りです。
最短契約期間 | 3ヶ月 |
利用プラン | ・フリー … 0円/月 ・レギュラー … 3,300円/月 ・ラージ … 7,945円/月 |
その他費用 | 初期費用はプランによって異なる |
問い合わせ方法 | ・お問い合わせフォーム ・電話 ・メール |
カラーミーショップは日本の企業であるGMOペバポが展開するECサイトプラットフォームです。幅広い業種の日本企業や、個人経営店のECサイト構築に導入されています。
Shopifyとカラーミーショップのデザイン性
ECサイトを構築するときに「オリジナリティのあるデザインを選びたい」「かんたんにデザインしたい」など、デザイン性やカスタマイズ性を重視したいECサイト運営者も多いでしょう。
そこでShopifyとカラーミーショップのデザイン性の特徴を比較しました。
Shopifyのデザインの特徴
Shopifyのデザインには、以下3つの特徴があります。
- 無料・有料のデザインテーマ(Eコマーステーマ)あり
- テーマエディタからかんたんなカスタマイズ可能
- HTML/CSS編集可能
ページのデザインを決めるテーマは無料・有料のものがそれぞれ用意されています。テーマを選んでそのまま利用するだけでもハイセンスなページに仕上がりますが、カスタマイズも可能です。テーマエディタから色を変える、バナーを配置するなどのかんたんなカスタマイズもできます。
知識があるならHTMLやCSSによる細かなデザイン編集も可能です。
カラーミーショップのデザインの特徴
カラーミーショップのデザインには、以下5つの特徴があります。
- 無料47点・有料34点(無料~38,500円)のデザインテンプレートあり(2021年5月現在)
- フリーページの作成可能
- テンプレートプラス
- どこでもカラーミー
- HTML/CSS編集可能
選ぶだけでECサイトとしての機能とデザイン性を両立しているテンプレートは、無料から有料まで豊富に用意されています。
画像やテキストを自由に入れ、ECサイトのコンテンツページにもなるフリーページが作成可能、営業日カレンダーや新着情報などのプラグイン機能の追加や編集ができるテンプレートプラスなど、使いこなせるとオリジナリティを高められる機能がそろっています。
また、自社のサイトやブログ、SNSなどに購入ボタンを設置してECサイトへ誘導できるどこでもカラーミーの機能もあります。
ECサイトページは、HTMLとCSSを編集できます。headタグには、外部ファイル読み込みやmetaタグの記述も可能です。
Shopifyとカラーミーショップの機能を比較
Shopifyとカラーミーショップの両サービスには、デザイン面以外にもいろいろな機能が搭載されています。それぞれの機能を比較しました。
Shopify | カラーミーショップ | |
プラットフォーム機能 | ・ブログ機能 ・無料SSL証明書 | ・ブログ機能 ・SSL証明書(独自ドメインは1,000円/月) |
ストアフロント | ・70種類以上のデザインテンプレート ・オンラインストアのブランディングとカスタマイズ ・モバイルコマース対応 ・エキスパートとの連携可能 | ・公式WordPressプラグイン ・名入れ機能 ・ショップ内検索 ・自動スマホ最適化 ・カラーミーショップAPI ・年齢確認 |
商品管理・商品登録 | ・在庫管理 ・デジタル商品 ・商品バリエーション ・インポート/エクスポート ・商品構成 ・複数の画像 ・SEO商品タグ | ・商品カテゴリー ・商品掲載期間の設定 ・デジタルコンテンツ販売 ・複数店舗の一元管理(Robot-in) ・多店舗在庫連動(zaiko Robot) ・複数店舗の一元管理(ネクストエンジン) |
ECモール在庫連携 | ・Amazon連携 ・楽天連携 ・Yahoo!連携 | ・Amazon連携 ・楽天連携 ・Yahoo!連携 |
ショッピングカート | ・カゴ落ちのリカバリー ・100種類の決済サービス ・自動課税 ・多言語対応機能 | ・カラーミーペイメント ・複数決済設定 ・カード決済お急ぎプラン |
配送設定 | ・配送料自動計算機能 ・送料無料を含む柔軟な配送料設定 ・海外配送業者(FedEx、UPS、DHLなど)提携 | ・ギフト設定 ・複数配送設定 ・梱包/配送代行 ・決済代行+配送 ・複数お届け先設定 |
販促 | ・割引管理 ・定期購入 ・ギフトカード ・Facebookで販売 ・商品レビュー | ・クーポン ・定期購入 ・おすすめ商品表示 ・ポイント ・商品レビュー ・メールマガジン ・フォローメール設定 |
ストアマネージメント | ・プロフィール機能 ・ドロップシッピング ・お客様アカウント機能 ・返金機能 ・顧客グループ機能 ・Shopifyアプリの連動による外出先からのマネージメント ・自動送信用メールのテンプレート ・フルフィルメント機能 ・クラウド確定申告 | ・CSVダウンロード ・CSVアップロード ・領収書印刷 ・請求書印刷 ・納品書印刷 ・副管理者設定 ・FTPオプション ・クラウド確定申告 |
マーケティング&SEO | ・検索エンジンの最適化 ・Google広告クレジット ・sitemap.xmlの自動生成 ・ソーシャルメディア統合 | ・カラーミーWPオプション ・SE Ranking ・かんたんリスティング ・かんたんリターゲティング ・Instagramショッピング連携 ・Google ショッピングPRO ・GMOポイント ・商品別お問い合わせ ・メールサーバー ・アフィリエイト |
ストア分析 | ・ダッシュボード ・ストア分析機能 ・Googleアナリティクス ・商品レポート ・トラフィック/流入レポート ・レポートのエクスポート | ・アクセスプラス(売上や客単価、アクセス数を総合的に分析) |
モバイルアプリ | ・注文のフルフィルメント ・モバイルダッシュボード ・在庫管理 ・お客様へのメールの送信・通話 | ・在庫管理 ・入金ステータス管理 ・商品発送管理 |
Shopifyは、GoogleやSNSとの連動など、マーケティング支援機能も豊富にそろっているのが特徴です。Shopifyペイメントを利用した100種類以上の決済方法や多言語に対応など、越境ECや外国人をターゲットにしたECサイト構築などにも向いている機能もそろっています。
カラーミーショップは、Amazonや楽天など日本国内のECサイトとの親和性が高い機能が豊富にそろっています。決済方法もクレジットカードをはじめ、口座振替、代金引換などにも対応しています。ターゲットや商材に応じた決済方法を選べるのも魅力です。
コスト面でのShopifyとカラーミーショップの比較
月々のプランと決済手数料を踏まえて、コスト面でのそれぞれの特徴を比較します。
Shopifyの月々のプランと決済コスト
Shopifyの月々のプランは以下の3プランです。
費用/手数料 | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
月額費用 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
スタッフアカウント数 | 2 | 5 | 15 |
在庫ロケーションの最大数 | 4 | 5 | 8 |
利用できる付与機能 | ー | ・レポート ・国際価格 ・海外ドメイン | ・レポート ・国際価格 ・海外ドメイン ・外部サービスの計算済み配送料機能 ・国際価格のバリエーション設定可能 |
日本のオンラインクレジットカード手数料 | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
海外/AMEXのオンラインクレジットカード手数料 | 3.9% | 3.85% | 3.8% |
JCBのオンラインクレジットカード手数料 | 4.15% | 4.1% | 4.05% |
取引手数料(Shopify ペイメントを利用していない場合) | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
カラーミーショップの月々のプランと決済コスト
カラーミーショップの月々のプランは以下の3プランです。
費用/手数料 | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
月額費用 | 0円 | 3,300円 | 7,945円 |
デザインテンプレート数 | 5 | 10 | 10 |
ディスク容量 | 200KB | 5GB | 100GB |
フリーページ数 | 10ページ | 10,000ページ | 10,000ページ |
1商品あたりの登録画像数 | 4 | 10 | 10 |
決済方法・決済手数料 | ・クレジットカード ・コンビニ払い ・GMO後払い ・Amazon Pay(法人のみ)上記4つの全決済 6.6% + 30円 | ・クレジットカード 4.0%~ ・後払い 4.0%~ ・コンビニ払い 130円~ ・代引き決済 280円~ ・Amazon Pay月額 2,000円 + 3.9% ・楽天ペイ月額 2,000円 + 4% ・LINE Pay月額 2,000円 + 3.45% ・PayPay月額 2,000円 + 3.45% | |
その他の特徴 | ・テンプレートプラス、FTPアップロード利用の場合有料(月550円) ・アクセス解析有料(月550円) | ・名入れ機能 ・都道府県別配送日設定 ・商品情報・顧客情報 CSV一括登録 ・商品レビュー ・クーポン発行 ・フォローメール ・Google Analytics ・eコマース機能 ・定期購入で銀行払いと代引き決済機能 | ・名入れ機能 ・都道府県別配送日設定 ・商品情報・顧客情報 CSV一括登録 ・商品レビュー ・クーポン発行 ・フォローメール ・Google Analytics ・eコマース機能 ・定期購入で銀行払いと代引き決済機能、クレジットカード決済 |
Shopifyとカラーミーショップのコスト比較
Shopifyのプランはいずれも初期費用は無料で、利用できる機能や取引手数料に応じたプランを選べます。手数料を除きプラン費用以外はかかりません。
有料のオプションが豊富にあるため、機能面とコスト面のバランスを考えながらカスタマイズしたい人に向いています。クレジットカード決済手数料はカラーミーショップに比べてShopifyの方が低いことも魅力ですね。
カラーミーショップは月額0円のフリープランが選べるのが魅力です。ただし、フリープランを選ぶことでテンプレートプラスやFTPアップロード利用の費用が発生します。プラン費用のみではカラーミーショップの方が安いので、できるだけ運営コストをおさえたい人にも向いています。
Shopifyとカラーミーショップを比較して、ECサイト運営に役立てよう
Shopifyとカラーミーショップの基本情報・デザイン・機能・費用の4つのポイントで比較しました。Shopifyとカラーミーショップそれぞれで特徴も異なります。日本国内か、海外向けか、カスタマイズとコストどちらを重視するかで、自サイトにふさわしいサービスを選びましょう。
現在使用しているECサイトプラットフォームから乗り換える場合、元データをCSVファイルに変換した上でアップロードする、ほかの設定や商品登録をし直すなどの手間がかかります。ECサイトの構築のほか、乗り換え作業もフリーランスへ依頼可能です。コスト面、効率面などを踏まえてフリーランスの利用も検討してみましょう。
