ShopifyとSTORESの内、どちらのECサービスを選ぶべきかお悩みではないでしょうか。近年のECサービスは、低コストで高機能なサービスも多く、ネットショップの運営に十分な機能を備えています。
しかし、ECサービスごとに特徴が異なるために、ニーズに合わせたサービスを選択することが重要です。本記事では、ShopifyとSTORESの料金や機能の違い、特徴をわかりやすくご紹介します。

目次
Shopify・STORESの比較
Shopifyは、カナダ企業Shopify.incが運営しているECプラットフォームです。日本国内だけではなく、世界170ヶ国以上で利用されています。一方、STORESはヘイ株式会社が運営している国産のECプラットフォームです。どちらのサービスも、低コストでECサイトを構築できます。各プラットフォームの違いを解説します。
初期費用と運用コストを比較
Shopify・STORESともに初期費用0円で利用できますが、プランによって月額料金が異なります。
料金/手数料 | Shopify | STORES |
初期費用 | 0円 | 0円 |
月額料金 | ベーシック:29ドル スタンダード:79ドル プレミアム:299ドル | フリープラン:0円 スタンダードプラン:2,178円(税込) |
決済手数料 | 日本のクレジットカード:3.25%~ 海外/Amexのクレジットカード:3.8%~ JCBのクレジットカード:4.05%~ | フリープラン:5% スタンダードプラン:3.6% |
Shopifyには、3種類のプランが用意されており、プランによって使用できる機能が異なります。ベーシックは、海外ドメインや国際価格表示に対応していません。
ショップで利用できるスタッフアカウント数も2つに制限されています。加えて、決済手数料は、上位のプランの方が低く設定されています。ショップの規模に合わせてプランを選択しましょう。
STORESには、フリープランとスタンダードプランの2種類が用意されており、フリープランを選べば初期費用・月額料金0円でECサイトを出店できます。ただし、フリープランは、スタンダードプランよりも決済手数料が高く設定されているため、売上によってはスタンダードプランの方がコストを節約できます。
対応可能な決済方法を比較
Shopify・STORESともに、主要なクレジットカードでの決済に対応しています。
決済方法 | Shopify | STORES |
クレジットカード (Shopifyペイメント利用時) | VISA、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discover | VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club |
その他の決済方法 | Apple Pay、Google Pay、Pay Pal、Amazon Pay、キャリア決済、Paidy、Bit Pay、銀行振込、代引き、など | ・全プラン共通:コンビニ決済、キャリア決済、銀行振込、PayPal、Paidy、楽天ペイ ・スタンダード:代引き、Amazon Pay |
Shopifyには、Shopifyペイメントというクレジット決済サービスが用意されています。Shopifyペイメントを有効にすると、Apple PayとGoogle Payも利用できます。
外部決済サービスとの連携にも対応しており、日本国内の事業者であれば、29種類の決済方法を利用できます。ただし、外部決済サービスを利用する場合は、別途取引手数料がかかるので注意しましょう。
STORESでは、代引きとAmazon Payがスタンダードプラン限定になっています。ほかの決済方法は、全プラン共通です。代引きが必須でなければ、どちらのプランを選んでも、ショップの運営に大きな支障はないでしょう。
SNS・SEO機能を比較
ShopifyとSTORESの集客関連の機能の違いは以下の通りです。
機能 | Shopify | STORES |
SNS | Twitter、Facebook、Instagram、Pinterest、Tumblr | Twitter、Facebook、Instagram |
Google Analytics | 対応 | 対応 |
SEO機能 | ページタイトル・ディスクリプション・ページヘッダーの設定、ブログ機能 | 非対応 |
その他の集客機能 | メールマガジン配信、レビュー機能 | メールマガジン配信、レビュー機能 |
Shopifyは、PinterestとTumblrとの連携にも対応しています。国内向けのECサイトであれば、STORESのSNS機能でも十分対応できるでしょう。SEO機能は、Shopifyの方が充実しています。ブログ機能も備わっているのでコンテンツSEOによる集客も可能です。
ショップ作成機能を比較
ShopifyとSTORESのショップ作成機能には、以下のような違いがあります。
機能 | Shopify | STORES |
独自ドメイン | 対応 | 対応 |
テンプレート | 無料:13種類 有料:71種類 | 無料:48種類 |
HTML・CSSカスタマイズ | 対応 | 非対応 |
STORESのテンプレートは、すべて無料で利用できるのでコストを削減できます。一方で、STORESはHTML・CSSカスタマイズに対応していないので、拡張性を重視するのであれば、Shopifyを選んだ方がよいでしょう。
越境ECへの対応状況を比較
ShopifyとSTORESの外国語への対応状況は以下の通りです。
Shopify | STORES |
中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、チェコ語、ノルウェー語、ポーランド語、デンマーク語、ポルトガル語(ポルトガル・ブラジル)、英語、スペイン語、フィンランド語、スウェーデン語、フランス語、タイ語、ドイツ語、トルコ語、イタリア語、ベトナム語 | 英語 |
STORESは英語のみの対応です。Shopifyは英語をはじめ、アジアやヨーロッパの言語にも対応しています。Shopifyの方が対応言語は豊富ですが、英語を使用するECサイトを出店するのであれば、どちらのECサービスを選んでも運営に支障はないでしょう。
受注・顧客管理機能を比較
Shopify・STORESともにECサイト運営に十分な受注・顧客管理機能を備えています。Shopifyの顧客管理機能では、顧客の注文履歴などをもとに、顧客のグループ化も可能です。コレクション機能を活用すれば、商品を用途や価格ごとに分類したコレクションページも作成できます。
STORESの顧客管理機能では、問い合わせ履歴の確認や顧客ごとにメモが残せます。ネットショップに年齢制限をかける機能も備わっているので、酒類などの成人向け商品の販売も可能です。1人あたりの購入可能数の制限にも対応しているので、転売目的の買い占めなども防止できます。
振込み手数料・入金サイクルを比較
ShopifyとSTORESの振込み手数料・入金サイクルは以下の通りです。
Shopify | STORES | |
入金サイクル | 翌週金曜振込み(Shopifyペイメント利用時) | 月末締め・翌月末振込み |
振込み手数料 | 0円 | 10万円未満:200円 10万円以上:0円 |
Shopifyは、週1回の振込みに対応しており、Shopifyペイメント利用時の振込手数料は0円です。一方の、STORESの入金サイクルは月に1回で、10万円未満の振込手数料は200円です。10万円以上の振込手数料は無料になるので、売上が10万円を超える見込みがある方は、どちらのECサービスを選んでも振込手数料に差はありません。
セキュリティ機能を比較
ShopifyとSTORESは、SSLに対応しています。SSLは、インターネット上での通信を暗号化する仕組みです。ECサイトでは、顧客の個人情報やクレジットカード情報など、機密性の高い情報を扱わなければなりません。SSLを利用することで、第三者による通信の傍受やデータを改ざんされるリスクが抑えられます。
加えて、ShopifyとSTORESでは、情報セキュリティ規格であるISMSの認定も受けています。Shopifでは、2段階認証や不審なアクセスを管理者に通知する機能も備わっているので、不正なアクセスが予防できるでしょう。STORESでは、定期的に外部機関による脆弱性のチェックなども実施しています。
いずれのサービスにも強固なセキュリティ対策が施されているので、セキュリティに関してはどちらを選んでも安心でしょう。
商品登録数を比較
ShopifyとSTORESの商品登録数は、どちらも無制限です。どちらを選んでも商品の種類が多いECサイトの構築に対応できます。ただし、登録できる商品画像数は異なります。
商品ページに登録できる画像は、Shopifyが1アイテムにつき250枚、STORESが15枚までです。Shopifyの方が登録できる画像数は多いものの、15枚でも十分実用的といえるでしょう。
ECサイトの規模を拡大したい方におすすめのShopify
Shopifyには以下のような特徴があります。
- 充実した分析機能
- アプリでショップ機能を拡張できる
- 越境ECに対応できる
- 幅広い決済方法に対応できる
ECサイトの規模を、事業の成長に合わせて拡張できる点がShopifyのメリットです。それぞれの特徴について詳しく解説しましょう。
1. 充実した分析機能
Shopifyには、高度な分析機能が備わっています。売れ行きの良い商品と悪い商品を確認できるので、効率的に在庫を管理できます。加えて、顧客が自社のショップにアクセスしたルートなども確認できます。データの出力にも対応しているので、外部ツールを活用して詳細に分析することも可能です。
Google Analyticsとの連携にも対応しているので、ユーザーの動向を詳細に分析できます。離脱の多いページや購入につながりやすいユーザーの行動パターンなども分析できます。
2. アプリでショップ機能を拡張できる
Shopifyでは、Shopifyアプリストアを運営しています。アプリを追加すれば、ECサイトに機能を追加できます。たとえば、「Yahoo!広告連携」アプリをインストールすると、Shopify上でYahoo!広告を管理できます。
Shopifyアプリストアでは、有料・無料を問わず、さまざまなアプリが配布されており、種類も豊富です。ランディングページの作成が簡単にできるアプリや顧客管理が効率化するアプリなど、目的に合わせたアプリをカテゴリー別に検索できます。拡張性の高さは、Shopifyの大きな魅力といえるでしょう。
3. 越境ECに対応できる
越境ECに強い点もShopifyの特徴です。Shopifyでは、10種類以上の通貨に対応しています。通貨ごとに価格を増減させる機能も備わっています。ただし、価格調整機能を利用するには、スタンダード以上のプランを選択する必要があるので注意しましょう。
さらにShopifyは、20種類以上の言語での販売にも対応しているので、複数の国をターゲットにしたECサイトの構築も可能です。
4. 幅広い決済方法に対応できる
決済方法が豊富な点もShopifyを利用する利点です。先に解説したようにShopifyでは、Shopifyペイメントと呼ばれる決済サービスを提供しています。
Shopifyペイメントを利用すると、STORESは対応していないApple Payなどの決済方法が利用可能です。加えて、外部決済サービスとの連携にも対応しているため、幅広い決済方法に対応できます。
気軽にECサイトを作成したい方におすすめのSTORES
STORESの特徴として以下の3つが挙げられます。
- 有料プランを選ぶと決済手数料がお得
- 発送業務の代行に対応
- 電子チケット・定期購入商品の販売にも対応している
STORESの魅力は、気軽にECサイトを出店できる点です。STORESの特徴をご紹介しましょう。
1. 有料プランを選ぶと決済手数料がお得
STORESは、プランによって決済手数料が異なります。フリープランでは決済手数料が5%ですが、スタンダードプランを選択すると3.6%で利用できます。売上が少ない期間はフリープランを利用し、売上がある程度増えた段階でスタンダードプランに変更すれば決済手数料を削減できます。
売上が20万円の状態でスタンダードプランに切り替えると、フリープランで利用した場合と比較して、決済手数料を7,000円以上削減できます。売上が20万円に近づいたら、スタンダードプランへの切り替えを検討した方がよいでしょう。
2. 発送業務の代行に対応
STORESでは、商品の発送業務を代行する「倉庫サービス」を提供しています。商品の保管から梱包、発送まで代行してもらえます。荷物を倉庫に預けて、STORES上から発送を依頼するだけで商品の発送が完了します。
倉庫サービスを利用すれば、ECサイト管理者は販売やマーケティングに専念できるでしょう。少人数でECサイトを運営する予定の方には、倉庫サービスの利用をおすすめします。
3. 電子チケット・定期購入商品の販売も可能
STORESは物販だけではなく、電子チケットの販売にも対応しています。STORES上で、電子チケットのアドオンを有効にするだけで利用できます。
加えて、定期販売にも対応しており、商品登録の際に購入期間を設定するだけで商品を定期販売できます。消耗品の販売や雑誌の定期購読はもちろん、ファンクラブの会費徴収などに活用されています。
ECサイトを出店する際は、自社のニーズに合わせたサービスを選ぶことが重要です。販売する商品やターゲットによっては、ショップのカスタマイズが必要になる場合も少なくありません。
本格的なカスタマイズには、専門的な知識が求められます。加えて、ECサービスによって、カスタマイズできる範囲も異なるので、ECサイトを出店する際は、機能をしっかり確認しておきましょう。
ECサイトの出店をプロにサポートしてもらおう!
ネットショップを出店するにあたって、ECサイトのカスタマイズが必要になるケースも少なくありません。ECサービスによって、カスタマイズできる範囲に違いがあります。本格的なECサイトのカスタマイズには、プログラミングやデザインの知識・スキルが必要です。
Webエンジニアが自社に在籍していなければ、サイトのカスタマイズは難しいでしょう。ネットショップの出店・構築に不安がある方は、プロに相談することをおすすめします。
ランサーズには、ECサイトの構築経験が豊富なランサーが多数登録しています。ECサイトの構築でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
自社に最適なECサービスを選びましょう
ECサービスにはそれぞれ特徴があるために、違いを理解した上でサービスを選ぶ必要があります。気軽にECサイトを構築したい方はSTORES、本格的にEC事業をはじめたい方は、Shopifyを選ぶとよいでしょう。一方で、はじめてECサイトを出店する方にとって、ECサービス選びやショップの構築は難しい作業でもあります。
自社のオペレーションに合わないサービスを選んでしまうと、作業効率を低下させてしまいかねません。配送ミスが発生すれば、顧客からの信頼を失ってしまう可能性もあります。ECサービスを比較する際は、自社の作業手順に対応できるかどうかチェックしましょう。
