ECサイトから集客したいけど、具体的に何をすればよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。特に初めてWebサイトを運営する場合は、やることが多すぎてどこから手を付けるべきか迷うことも多いでしょう。SEOについての知識を踏まえて運営を行えば、ECサイトをより検索上位にあげられるようになります。
本記事では検索エンジンからの集客力をアップさせたい人向けに、SEOに強いECサイトの制作方法について解説します。キーワードリサーチの方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次
ECサイトのSEOは優れた集客手段のひとつ
ECサイトの集客にはCMや広告、SNSなどがありますが、中でも費用をかけずに多くのユーザーを集められるのが「SEO」です。
SEOとはWebサイトの検索上位を向上させる施策のことで、検索エンジン最適化とも呼ばれています。CMや広告のような即効性はないものの、長期的にきちんと取り組めばほぼ確実に効果がでます。
Webサイト運営で知っておくべきSEOの基本
Webサイト運営で知っておくべきSEOの基本についてご紹介します。
- ユーザーが検索しそうなキーワードを調べる
- タイトルにキーワードを盛り込む
- ディスクリプションでユーザーを引き付ける
- 適切なサイト名にする
- コンテンツの構造を分かりやすくする
- モバイル端末に対応させる
- 画像にalt属性を設定する
- Webサイトの表示速度を向上させる
- ユーザーニーズに合ったコンテンツを増やす
- 質の高い被リンクを獲得する
1. ユーザーが検索しそうなキーワードを調べる
ECサイトのSEOを強化するには、ユーザーが検索しそうなキーワードを用いてコンテンツを作成する必要があります。ロングキーワードで検索上位を取得しつつ、ビッグキーワードで検索1位を狙うのが基本です。メインキーワードと関連が深い「共起語」を含めるのも良いでしょう。
ロングテールキーワードとは一定の需要はあるものの、月間の検索数がそれほど大きくないキーワードのことです。月間検索数が大きいビッグキーワードとは異なり、1キーワードごとの集客力は低いものの、ユーザーニーズを細かく設定できます。
例えば「ec サイト」というキーワードは競合サイトが多く検索上位も取りにくいですが、「ec サイト seo」というより他のキーワードと組み合わせることで、検索上位をとりやすくなります。
2. タイトルにキーワードを盛り込む
タイトルはユーザーの目に触れやすく、検索エンジンの評価対象にもなりますので、狙いたいキーワードをしっかり盛り込みましょう。ユーザーが思わずクリックしたくなるような内容にすることも大切です。
タイトルは、32文字以上から検索結果に表示されなくなります。そこで、できるだけ前半にメインキーワードや共起語を配置しましょう。タイトルを変更するだけで検索順位が向上することもありますので、見出しなどよりも優先して対策することをおすすめします。
3. ディスクリプションでユーザーを引き付ける
ディスクリプションはタイトルの下に表示される部分のことです。タイトルと同様にユーザーの目に触れやすく、SEOの評価対象になります。商品の特徴やメリットなどを記載して、ユーザーの興味関心を引く内容にしましょう。検索結果では検索キーワードがハイライトで表示されますので、できるだけ前半部分にメインキーワードや共起語を入れます。
4. 適切なサイト名にする
サイト名はWebサイトの顔になりますので、扱う商材との関連が深く覚えやすいものを設定しましょう。分かりにくく覚えにくいサイト名では、ユーザーの記憶に残らず、検索エンジンからの評価も得られません。
メインの名前のほかにサブキャッチコピーなどを記載するのもおすすめです。一度決めたものを変更すると検索順位に影響を与える可能性があるため、最初の段階でしっかりと決めて、後から変えないようにしましょう。
5. コンテンツの構造を分かりやすくする
検索エンジンやユーザーに理解しやすいコンテンツ構造にしましょう。特にECサイトの場合は商品検索ページや決済ページなど、動的に振り分けられるページが多く存在します。
これはユーザーの利便性を確保するうえで不可欠な機能ですが、検索エンジン内の情報を集めるクローラーの回遊をやりにくくする原因にもなります。クローラビリティを向上させるためにも、Webサイトの基本的な構造は最初の段階でしっかり決めておきましょう。
特にカテゴリはビックキーワードの上位表示に大きく影響しますので、細かく分類して、競合サイトと差別化することをおすすめします。カテゴリが複雑になりすぎる場合は、Webサイトの構造ではなく、ユーザの利便性を優先しましょう。
6. モバイル端末に対応させる
最近はスマートフォンからのアクセスが多くなっていますので、ECサイトもモバイル端末に対応させましょう。Googleも公式ガイドラインにて、モバイルフレンドリーなWebサイトを高く評価すると明言しています。
Webサイトを作成した後は、以下のサイトでモバイルフレンドリーのテストを行いましょう。サイトのURLを入力するとモバイル端末に最適化しているかどうかが分かります。
7. 画像にalt属性を設定する
alt属性とは、画像の内容を示す代替テキストのことです。検索エンジンに画像の内容を知らせる役割があるため、画像を使用する場合はかならず設定しましょう。何らかのトラブルで画像を表示できなくなった時の対処法にもなりますので、SEO関係なく設定することをおすすめします。
8. Webサイトの表示速度を向上させる
Webサイトの表示速度とは、検索結果でタイトルをクリックしたり、関連コンテンツをクリックしたりしたときの遷移速度のことです。Googleが重視している項目であり、ユーザーの利便性にも影響しますので積極的に向上させましょう。表示速度が遅いとユーザーのストレスが大きくなり、離脱率向上の要因にもなります。
ECサイトは多くの画像を使用しますので、ファイルサイズの大きさには特に注意しましょう。ファイルサイズの大きい画像は、Webサイトの表示速度を遅くする大きな要因です。極力使わないようにするのが望ましいですが、どうしても必要な場合は圧縮することをおすすめします。
9. ユーザーニーズに合ったコンテンツを増やす
キーワードからユーザーの検索意図を把握し、ニーズに合ったコンテンツを増やす必要があります。誰が読んでも理解しやすく、読みやすい内容にすることが大切です。コンテンツの内容だけでなく、Webサイトのデザインや構造を見直し、視認性や可読性を高めましょう。必要に応じて、太字や下線なども活用します。
特にECサイトは商品が主役となりますので、商品ページに力を入れる必要があります。商品の概要やスペック、価格など、ユーザーが知りたい情報を分かりやすく伝えましょう。
利用者の口コミやレビューなどを記載して、具体的なベネフィットを感じてもらうことも重要です。セールス色を強くするのではなく、あくまでユーザーに役立つコンテンツを目指してください。
10. 質の高い被リンクを獲得する
質の高い被リンクは、被リンクの重要性が少なくなった現在においても有効なSEOです。検索上位の競合サイトがどのような被リンクを獲得しているのか調べ、自サイトにも活かせる施策がないか確認しましょう。
ECサイトの運営で意識したいSEO
基本的なWebサイトとは別に、ECサイトで特に意識したいSEOについてご紹介します。
- 商品ごとに固有IDを設定する
- 商品ページを最適化する
- トップページからカテゴリページや商品ページに誘導する
- 販売終了した商品ページを増やさない
- コンテンツマーケティングを実施する
- 構造化データのマークアップを実施する
1. 商品ごとに固有IDを設定する
商品ごとに固有IDを設定することで、Googleに商品の内容が正確に伝わりSEOにも良い影響を与えます。固有IDとは、世界共通でつかえる商品番号のことです。扱う商材に、商品識別コードであるGTIN(Global Trade Item Number)が記載されている場合は、その番号を固有IDに設定しましょう。GTINが設定されていない場合は、製造番号を使います。
2. 商品ページを最適化する
商品ページは売上に直結しますので、ユーザーの利便性を考慮しつつ、コンバージョンに繋がるよう工夫しましょう。特にタイトルはクリック率に大きく影響しますので、「先着10名限定」「今だけ10割引」といった文言を使用するなどして、思わずクリックしてしまうような内容にします。
オリジナルコンテンツを作成し、自サイトにしかない価値を提供しましょう。
3. トップページからカテゴリページや商品ページに誘導する
トップページからカテゴリページや商品ページに誘導できるように、Webサイトの構造を設計します。ユーザーが興味のあるカテゴリやコンテンツにしっかりとたどり着けることが重要です。サイト上部やサイドバーなどにグローバルナビゲーションメニューを設置し、ジャンルごとに商品検索できるようにしましょう。
ただし売り込みたい商品がある場合は、あえてトップページのリンクを少なくし、ページに誘導する方法もあります。自サイトの目的に応じて、最適な戦略をとってください。
4. 販売終了した商品ページを増やさない
販売終了した商品ページは、コンバージョンに繋がりませんので増やさないようにしましょう。少しであれば問題ありませんが、多すぎるとユーザーを不快にさせる要因になります。
404エラーを表示させたり、関連ページへのリンクを張ったりするなどして、ユーザーにストレスを与えないようにしましょう。Webサイトの規模が大きすぎると細部まで気が回りにくいため、計画的にやることをおすすめします。
5. コンテンツマーケティングを実施する
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを通してユーザーとコミュニケーションをとり、コンバージョンにつなげる手法のことです。一度コンテンツを作成すれば半永久的に集客媒体として活用できるため、広告などよりも費用が安く済みます。
ECサイトでコンテンツマーケティングを行う際は、同一ドメイン下にコンテンツを配置しましょう。コンテンツマーケティング用に別ドメインを取得すると、効果がでるまで時間がかかります。同一ドメインを利用すれば、検索上位も獲得しやすいです。
6. 構造化データのマークアップを実施する
構造化データのマークアップとは、検索エンジンに分かりやすく伝わるように、HTMLの内容をタグ付けすることです。検索エンジンがよりコンテンツの内容を評価しやすくなりますので、設定することをおすすめします。
検索結果に目立つように配置される「リッチスニペット」を表示する効果もありますので、集客力アップにも効果的です。多少の専門知識を必要としますが、習得難易度はそれほど高くありませんのでぜひチャレンジしてみてください。
SEOを意識したキーワードリサーチの方法
SEOを意識したキーワードリサーチの方法についてご紹介します。
- 競合サイトから使用頻度の高いキーワードを調べる
- Amazonのサジェストキーワードをリサーチする
- 「商品・サービス名 おすすめ」というキーワードで狙いをつける
1. 競合サイトから使用頻度の高いキーワードを調べる
検索上位のWebサイトで使用されているキーワードは、Googleから高い評価を受けていますのでキーワードリサーチに役立ちます。どのようなキーワードが多く利用されているか調べ、ユーザーニーズの把握や自サイトのリライトなどに活用しましょう。
2. Amazonのサジェストキーワードをリサーチする
Amazonは非常に強力な競合サイトですので、参考にできる情報も多いです。検索バーにキーワードを入力すると出てくるサジェストキーワードを確認して、ユーザーニーズを正確に把握しましょう。既に実績のある競合サイトを活用することで、本当に力を入れるべきキーワードを理解できます。
3. 「商品・サービス名 おすすめ」というキーワードで狙いをつける
ECサイトであれば「商品・サービス名 おすすめ」というキーワードで狙いをつけるのも良いでしょう。「おすすめ」「評判」といったキーワードを使用するユーザーは、購買意欲が高く、コンバージョンに繋がりやすい傾向があります。
SEOを実施する際のポイント
SEOを実施する際のポイントや注意点をご紹介します。
- ユーザーが思わずクリックしてしまうような工夫が大切
- 通信を暗号化してセキュリティを高める
- URLをシンプルで分かりやすいものにする
- SNSと連携させてコンテンツの拡散を狙う
- コンテンツがインデックスされているか確認する
- 重複コンテンツを作らない
1. ユーザーが思わずクリックしてしまうような工夫が大切
タイトルやディスクリプション、商品ページへのボタンなどは、コンバージョンに直結するためユーザーが思わずクリックしたくなる内容にしましょう。特にボタンはCSSで自由にカスタマイズできますので、いろいろ試してみて一番反応率の良いものを選んでください。
2. 通信を暗号化してセキュリティを高める
ECサイトはクレジットカード番号や銀行口座などの個人情報を扱うため、通信を暗号化してセキュリティを高める必要があります。暗号化通信の規格としては、SSL(Secure Sockets Layer)が一般的です。
SSLはGoogleが推奨している暗号方式でもあるため、かならず設定しましょう。SSLを採用しているECサイトは、URLの最初に「https」と表示されます。
3. URLをシンプルで分かりやすいものにする
URLは長いものより、シンプルで短いものの方がクリック率が高いといわれています。商品名やカテゴリなどを含めると長くなりやすいですが、できるだけ英語表記にするなどして、記憶に残りやすくしましょう。
4. SNSと連携させてコンテンツの拡散を狙う
コンテンツ内にSNSのシェアボタンを設置すれば、ユーザーに記事を拡散してもらい、Webサイトを無料で宣伝してもらえる可能性があります。
優れた商品を販売すれば、インターネットの力で爆発的に口コミが広がっていくでしょう。「SNSに投稿すれば15%割引!」といったキャッチコピーを併記すれば、よりSNSで拡散しやすくなります。
5. コンテンツがインデックスされているか確認する
どれだけ優れたコンテンツであっても、Googleにインデックスされなければ意味がありません。コンテンツを作成した場合は、かならずGoogle にインデックスされているか確認しましょう。
商品ページを大量に作成している場合は、重複コンテンツがないかもチェックします。重複コンテンツがある場合は、リンクタグの「canonical属性」やメタタグの「noindex」などを設定してください。
6. 重複コンテンツを作らない
重複コンテンツはSEOの評価を下げる可能性がありますので、できるだけ作成しないことをおすすめします。特に色やサイズごとにページを作成しているECサイトは、知らないうちに重複コンテンツを作成する可能性が高いです。
運営側に悪意がなくてもSEOの評価を下げられる可能性がありますので、色やサイズ違いの商品は同一ページ内で作成しましょう。
ECサイトのSEOに強いフリーランス
ランサーズでは、ECサイトのSEOに強いフリーランスが多数在籍しています。ECサイトの運営に必要な人材が揃っていますので、キーワードの選定やサイト設計、コンテンツ作成などで効果を出したい方はぜひご相談ください。
ECサイトのSEOではユーザー満足度を高めることが大切
ECサイトは、他のWebサイトと同じくユーザー満足度を高めることが大切です。商品ごとの固有IDを設定したり、商品ページを最適化したりして、ユーザの利便性向上を目指しましょう。適切なSEOを実施して、ECサイトの運営を効率化させてください。
