近年、手軽にECサイトを構築できるサービスが増えたことで、ネットショップを運営する企業も増えています。一方で、ECサイトの数が増加したことで競争も激しさを増しており、集客に頭を悩ませている担当者も少なくありません。
「自社のECサイトを立ち上げたものの、思うように集客できない」という方も多いのではないでしょうか。本記事では、ECサイトの集客方法や集客を成功させるポイントについて解説します。ECサイトの集客でお困りの方は、ぜひご覧ください。

目次
売れるECサイトの集客ルートを作る前に知っておきたい4つのポイント
商品やサービスがよく売れるECサイトを作るためには、理解しておくべきポイントがあります。ここでは、ECサイトの集客を成功させるために知っておきたい4つのポイントをご紹介します。
- 売上と集客の関係
- 費用対効果を考慮する
- 複数の集客方法を組み合わせる
- 集客した後が重要
1.売上と集客の関係
ECサイトの売上は、「集客×購入率×客単価」という数式で表されます。つまり、売上アップに集客は重要な要素を占めており、集客がうまくいかないとなかなか売上は伸びません。
会社やお店が運営しているECサイトの集客は、ECモール内の集客に比べると難しいです。例えばAmazonやYahoo!ショッピング、楽天市場などの大手ECモールには定期的にたくさんのユーザーが訪問します。
ECモール内で商品を販売していることで、訪問したユーザーの目に自然に留まることもあり、自然とアクセスが伸びやすいです。
個別にECサイトを立ち上げた場合、まずはECサイトがあるということを知ってもらわなければ集客できず、売上にもつながりません。ECサイトで売上を伸ばしていけるよう、集客を伸ばすための対策が必要です。
2. 費用対効果を考慮する
ECサイトの集客のために施策を打つ際は、費用対効果を考慮しましょう。施策に必要なコストに対して、どの程度の売上が見込めるのかを考慮し、費用対効果の高い施策から優先的に取り組むことが大切です。
例えば、Web広告を出稿する場合、コンバージョン単価が適切な範囲に収まっていなければ、赤字になってしまうことがあります。
ただし、リピート率の高い商品であれば、必ずしも広告のコンバージョン単価を重視する必要はありません。1回目の購入は広告費で赤字になったとしても、2回目以降のリピート購入によって十分な売上が見込めるケースがあるでしょう。
取引1回当たりでのパフォーマンスを把握することは重要ですが、最終的な顧客当たりの見込み購入額も考慮しましょう。
3. 複数の集客方法を組み合わせる
ECサイトで集客を伸ばしていくためには、複数の集客方法を組み合わせることが大切です。
集客方法には、それぞれにメリット・デメリットがあります。ターゲットに対して効果的にアプローチできる集客方法を選択しなければ、コストが無駄になってしまう恐れがあるからです。
例えばWeb広告で新規顧客を集めて、メールマガジンでリピーター化するといった風に、目的に合わせた集客方法を組み合わせることで効率的に売上を伸ばせます。
高額な商品を扱っている場合、比較・検討に時間がかかることがあります。検討に時間がかかる商品を購入してもらうためには、見込み客を育成するナーチャリングが不可欠です。
高額な商品は検討に時間がかかりがちですので、1度の訪問では購入に至らないケースも珍しくありません。
例えばオウンドメディアやSNSを活用して、ユーザーの役に立つ情報を提供しながら信頼を獲得しましょう。その上で、商品ページへの誘導やリマーケティング広告で接触機会を増やせば、購入される可能性も高まります。
それぞれの集客方法を独立したものとして捉えるのではなく、集客の手法同士をどのようにつなげて購入に結びつけるのかを考えることが重要です。
4. 集客した後が重要
ECサイトの新規顧客にリピーターになってもらうためには、サービスの質を高める必要があります。
例えば1度商品を購入した顧客に対してメールマガジンで定期的にアプローチすれば、リピーターになってもらえる可能性があります。しかし、初回の注文時にスムーズに取引できなければ、顧客がリピートで購入することはないでしょう。
ただしメールマガジンがリピーター化に有効なのは、あくまでも信頼を獲得できているケースに限られます。
顧客からの問い合わせへの対応はもちろん、商品の梱包や不具合への対応など、1つ1つの業務を完璧にこなさなければなりません。対応を間違えれば、ネガティブなレビューが投稿される可能性もあります。
最近では、SNSの普及によって情報の拡散も速いです。場合によっては、ECサイト自体のイメージの低下につながり、新規顧客の獲得に影響を及ぼす恐れもあります。
ECサイトを立ち上げたら、サポートを提供できる体制を整えておきましょう。
ECサイトの6つの集客方法
ECサイトへ集客するには、オンライン上での5つの方法と、オフラインにおける1つの方法がありますので押さえておきましょう。ここでは、オフラインでの集客方法と合わせた6つの集客方法におけるメリットとデメリットを解説します。
- 「Web広告」でECサイトへの集客
- 「SEO対策」で検索サイトからECサイトへの自然流入を増やす
- 「SNS」で広い層から認知を得る
- 「メールマガジン」で興味がある人に訴求する
- 「インフルエンサー」に宣伝を依頼する
- 「オフラインでの集客」によってWebへの流入を狙う
1. 「Web広告」でECサイトへの集客
Web広告とは、ウェブサイトやメールなどに出稿する広告です。代表的なWeb広告には、下記のような種類があります。
Web広告の種類 | Web広告の概要 |
リスティング広告 | Googleをはじめとする検索結果ページに表示される広告のことです。広告を表示するキーワードを指定でき、クリックごとに課金されます。 2021年にはWeb広告全体の37.0%とトップを占めている、Web広告の主流です。 |
ディスプレイ広告(バナー広告) | 広告収入を得ているWebサイトやアプリ上の広告枠に、テキストやバナーを表示する広告です。視覚的な訴求効果が高く、潜在顧客へアプローチできます。 2021年にはWeb広告の31.8%と、リスティング広告に次いでニーズが高いです。 |
リマーケティング広告 | ECサイトを一度訪れたユーザーを追跡して表示する広告です。 自社の商品やサービスに興味を示したユーザーにアプローチできるため、ECサイトへの訪問や売上につな繋がりやすい傾向にあります。 |
SNS広告 | SNS上に表示する広告です。ターゲットの属性を細かく設定できるため、狙った客層にピンポイントでアプローチできます。 |
動画広告 | YouTubeやSNSなどの動画配信で活用される広告です。テキストや画像では伝えきれないような情報を伝えられます。規模が年々大きくなっていますが、単価も高いです。 2021年には全体のWeb広告のうち23.8%(3位)を占めており、今後も増加が期待できます。 |
アフィリエイト広告 | ブログやWebサイトを持っているアフィリエイターと契約して、自社商品やサービスを紹介してもらうタイプの広告です。自社ECサイトへの流入数に応じて報酬を支払います。 |
Web広告のメリットは、即効性の高さです。通常、新規のECサイトが、検索流入で集客できるようになるまでには、時間がかかります。しかし、Web広告を出稿すれば、立ち上げて間もないECサイトでもまとまったアクセスを集められます。
Web広告は即効性が高い点が最大のメリットです。通常は新たにECサイトを立ち上げても、集客できるようになるまでには時間がかかってしまいます。Web広告を活用することで、オープンしたばかりのECサイトでも、まとまったアクセス数を期待できます。
ただしWeb広告は、単価の低い商品にはあまり向きません。コンバージョン1件を獲得するのにかかったコスト(コンバージョン単価)が高くなると、利益が減ってしまうことになってしまいます。
単価の低い商品ほど、Web広告を打つと採算が取れなくなってしまう可能性も高いです。
Web広告のメリット | Web広告のデメリット |
・即効性がある ・広告費用をコントロールできる ・ターゲットに対してアプローチできる | ・単価が安い商品に不向き ・Web広告の種類選びを誤ると効果を得られないことがある ・継続しての集客が難しい |
2.「SEO対策」で検索サイトからECサイトへの自然流入を増やす
SEO対策とは、検索結果のなるべく上位に自社サイトのページを表示させて、アクセスを集める施策です。
代表的なものに、ECサイト内にブログやオウンドメディアなどのコンテンツを構築し、検索流入を増やしていく方法があります。検索エンジン上で上位表示される自社のブログやECサイトを増やすことで、自然に流入数を増やすのが狙いです。
SEO対策は、他の集客方法に比べてコストを抑えられる点が最大のメリットです。自社のサイトが上位に表示され続けると効果が持続するので、中長期的な集客効果も期待できます。費用対効果に優れており、他の方法と組み合わせながら取り入れたい集客方法です。
しかしSEO対策は、効果が出るまでに時間がかかってしまいます。SEO対策を行っても、作成したサイトがすぐに上位表示されるケースは珍しく、長期での対策が必要です。
自社サイトを検索結果で上位に表示させるためには、ユーザーの反応や実際の検索結果を確認しながら、定期的にコンテンツを作り込んでいきましょう。
ただしSEO対策で成果を出すためには、コンテンツの改善という地道な作業の繰り返しが必要です。即効性が求められるケースには向いていない点には気をつけてください。
SEO対策のメリット | SEO対策のデメリット |
・低コストで集客できる ・長期の集客が見込める | ・効果が出るまでに時間がかかる ・手間がかかる ・アルゴリズムへの理解が必須 |
3. 「SNS」で広い層から認知を得る
SNSとは、TwitterやInstagram、LINEなど、ユーザー同士がインターネット上で交流するコミュニティサイトのことです。SNSをECサイトの集客に利用する企業は増えています。
SNS集客の最大のメリットは、ユーザーとコミュニケーションを図りつつ、集客につなげられる点です。自社アカウントのフォロワーに対して有益な情報を発信することで、自社のファンを増やし、集客につなげられることもあります。
SNSでは双方向のコミュニケーションが可能なため、投稿に対するユーザーの反応をリアルタイムで確認が可能です。また、多くのユーザーに注目される、「バズる」情報を発信できれば、投稿が多くの人にシェアされ、フォロワー以外の人へ情報を届けられる可能性もあります。
ただしSNSを活用した集客には、炎上のリスクも伴いますので気をつけましょう。発信した情報が、意図しない意味で捉えられてしまい、自社のイメージを傷つけてしまう恐れもあります。炎上を予防するために、複数のスタッフが内容を確認してから投稿しましょう。
SNS集客のメリット | SNS集客のデメリット |
・ユーザーとコミュニケーションを図れる ・反応をリアルタイムで確認できる ・情報の拡散力がある | ・炎上リスクがある ・継続して投稿が必要 |
4. 「メールマガジン」で興味がある人に訴求する
メールマガジンとは、登録した人に対して定期的にメールで情報を発信することです。LINEなどのSNSを通じての情報発信も可能です。
ECサイトでメールマガジンを受け取る人は、商品やサービスに興味を持っている人が多くを占めており、すでに買い物をしたことがある人も含まれています。
メールマガジンはターゲットを絞っての送信が可能です。買い物したことがあるユーザーに絞って送ることでリピートを促せます。年齢層や性別などに絞って送信もできますので、ターゲットユーザーに特化した内容で訴求可能です。
例えば消耗品を取り扱うECサイトなら、顧客のストックが少なくなりそうなタイミングでメールマガジンを配信することで、商品の購入を促せるでしょう。
新規ユーザーに商品を購入してもらおうとしてもなかなか購入に至らないことが多いです。しかし1度でも商品を購入したことがある人なら、コンバージョンへつながりやすい傾向にあります。
ただしメールマガジンは、迷惑メールとみなされることもあります。コンテンツを配信しても、必ず全員が興味を持つわけではありません。読んでもらえない可能性もありますし、配信の頻度が高すぎると不快感を与えてしまうことも少なくありません。
メールマガジンは、追加購入のタイミングやセール前など、適切なタイミングで配信しましょう。
メールマガジン集客のメリット | メールマガジン集客のデメリット |
・リピートを促せる ・中長期的な効果が期待できる ・ターゲットユーザーに特化した内容で訴求可能 | ・全員が読んでくれるわけではない ・不快感を与えてしまうことがある ・コンテンツ作りに手間がかかる |
5. 「インフルエンサー」に宣伝を依頼する
インフルエンサーとは、世間や一定のユーザー層などに対して大きな影響力を持つ人物のことで、芸能人やスポーツ選手、YouTuberやインスタグラマーなどのことです。InstagramやYouTubeなど、インフルエンサーが活躍する媒体によってPR方法は異なります。
インフルエンサーによって集客することで、ユーザーの共感を得やすくなります。さらには広告などのプッシュ型の広告を嫌うユーザーにもアプローチしやすいです。フォロワーが投稿をシェアしてくれると、さらに多くのユーザーに情報を届けられるでしょう。
しかしインフルエンサーによる集客は、ステルスマーケティングと誤解されることもあります。ステルスマーケティングとは、宣伝であることをユーザーに隠して商品やサービスを宣伝する手法です。
ステルスマーケティングは規制されており、発覚すると企業イメージの低下につながり、炎上することもあります。炎上を避けるためにも、ECサイトの集客にインフルエンサーを起用するなら、投稿に宣伝であると言及してください。
インフルエンサー集客のメリット | インフルエンサー集客のデメリット |
・広告を嫌うユーザーにもアプローチしやすい ・自然なアプローチができる | ・ステルスマーケティングと誤解されると企業イメージの低下につながる ・インフルエンサーのスキャンダルに影響を受ける |
6. 「オフラインでの集客」によってWebへの流入を狙う
実店舗がある企業や自社で製造している企業なら、オフラインでもECサイトへの集客ができます。
例えば商品にURLやQRコードを記載しておくと、商品販売時に自然とECサイトへのアクセスが見込めます。
また、実店舗を運営しているなら、包装資材やストアカードなどにサイトの案内を記載すれば、ECサイトの集客につながるでしょう。
ただしECサイトに顧客が集まると、実店舗の売上が減ることもあります。重要なのは企業全体で売上が増えることです。そこで顧客の利便性を向上させて、購入率を高めることを重視するのがポイントです。
オフライン集客のメリット | オフライン集客のデメリット |
・実店舗があると簡単にPRできる ・興味を持ってくれているユーザーに働きかけられる | ・実店舗の売上減少につながることがある ・かけられる予算によって訴求できるユーザー数の振れ幅が大きくなる |
ECサイトの短期的な集客方法
ECサイトを立ち上げた直後は、検索流入はほとんど見込めません。そのため、ECサイトの集客では、短期的な集客と長期的な集客の両方を同時に進める必要があります。
短期的な集客には、即効性の高いWeb広告やインフルエンサーの起用が有効です。自社のECサイトや商品の知名度が低くても、アクセスを集められるでしょう。
しかし、Web広告やインフルエンサーによる集客には、コストがかかります。また、集客の効果が持続する期間も短いです。特に広告で集客する場合は、コストを払い続けなければなりません。
短期的な集客方法に依存するのではなく、徐々にコストのかからない方法にシフトすることが大切です。
ECサイトの長期的な集客方法
長期的な集客方法には、SEO対策やSNSの運用が該当します。どちらの方法も、アクセスを集められるようになるまでに時間がかかります。
しかしSEO対策によってページが上位表示されると、コストをかけなくてもユーザーを集められます。定期的にコンテンツを見直す必要はありますが、Web広告のように広告費を払い続ける必要もありません。
SNSに関してもフォロワーが増えれば、インフルエンサーに頼らずに情報を発信できます。長期的に見れば、費用対効果の高い集客方法です。
ただし、SEO対策やSNSの運用には、知識と経験が求められます。社内にノウハウを持つ人材が在籍していない場合は、外注も視野に入れておくと良いでしょう。
売上の向上にはリピーター化が不可欠
ECサイトの売上を向上させるには、新規顧客のリピーター化が不可欠です。
見込み客から顧客になってもらうためには、購入までの不安を取り除く必要があります。見込み客が自身のニーズや課題に気付いていないケースも少なくありません。ニーズを顕在化し、見込み客が知りたい情報を発信して、購入意欲を高めることではじめて顧客になります。新規顧客の獲得には、コストや労力がかかるのです。
一方、新規獲得と比較すると、リピート購入を促すことはさほど難しくありません。1度自社のECサイトで商品を購入したユーザーであれば、信頼関係を構築できているためです。メールマガジンやSNSを活用して、定期的にセールなどのお得な情報を発信することで既存顧客を集められます。
もちろん、すべてのECサイトに有効な方法というわけではありません。しかし、定期的に購入する必要がある商品を取り扱っている場合、リピート率の向上によって売上を高められる上、収益も安定します。ECサイトを立ち上げたらポイントを付与するなど、新規顧客をリピーター化する仕組みも用意しておきましょう。
ECサイトの集客は難しい?まずはプロに相談がおすすめ
ECサイトの集客は複数の方法を組み合わせると効果的ですが、専門的な知識や時間が必要になる方法も多いです。何から始めればいいのかよくわからない会社も多いでしょう。
ランサーズでは、ECサイトの集客対策の経験豊富なフリーランスを紹介しており、全国各地のプロに直接相談できます。
オンライン経由で最短即日でお仕事を依頼できますので、いきなり手をつける前に、プロであるフリーランスにまずは相談してみましょう。
自社のECサイトへの集客には短期・長期両方の視点が求められる
ECサイトの5つの集客方法のメリットとデメリットについて解説しました。
ECサイトを立ち上げた直後は、短期的・中長期的な集客方法の両方に取り組む必要があります。短期的な施策では、広告を出稿して新規顧客を集め、メールマガジンなどを活用してリピーターを増やしましょう。
検索流入が増えれば広告への依存度が下がり、長期的な集客のコストを抑えられます。時間はかかりますが、SEO対策にも取り組みましょう。
しかし、「ECサイトの運営に人員を割けない」「集客のノウハウを持った人材が在籍していない」というケースも少なくありません。ランサーズでは、ECサイトの運営・集客のアウトソーシングが可能です。
ECサイトの集客や運営でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
