「ECサイトを運営しているが売上が思ったより上がらない」
「売上をアップするには何をすればよいのか分からない」
そうお悩みの方も少なくありません。しかし、ECサイトで売上を上げるなら3つのポイントに注力しましょう。その3つとは「集客力」「成約率」「リピーター獲得」です。
本記事では集客力増加、成約率改善、リピーター獲得の具体的な手法と、ECサイトの内製・外注のそれぞれに必要となる施策のメリット・デメリットを解説します。ぜひ参考にして売上アップにつなげてみてください。

目次
ECサイトの売上アップに必要な3つの施策
ECサイトの売上を増やす上で特に重要なポイントは以下の3つです。
- 集客力アップ
- 成約率アップ
- リピーター獲得
売上を増やす上で重要なポイントの詳細を解説します。
1. 集客力アップ
集客力が弱いと自社ECサイトにアクセスされずに、ユーザーに認知してもらえません。どんなに製品が魅力的で、ECサイトのデザインが美しくても、訪問してもらえなければ売上を上げることは不可能です。
2. 成約率アップ
集客ができても運営ECサイトの成約率が低ければ、やはり売上は上がりません。例えばユーザーが商品ページを見た時に「製品画像」や「製品の解説」がなかったらどうなるでしょうか。ユーザーに製品のメリットや使用前後のイメージが伝わらずに、購入には至らない可能性が高くなります。
3. リピーター獲得
一般的に既存顧客に商品を販売するよりも新規顧客を獲得するほうが難易度が高く、顧客の獲得コストが高いといわれます。具体的には新規顧客獲得には、既存顧客の維持に必要なコストよりも5倍かかるといわれています。
リピーター施策の効果が上げれば顧客離れを防ぐことができて、売上アップにつなげることが可能です。
ECの集客力アップの詳細と手法例
集客力アップには、以下の2つの数値を意識して実施することが成功のポイントです。
- 集客経路の増加
- 集客数の増加
集客経路の増加は新規販路を開拓することを意味します。具体的には新規にSNSやSEOメディアを運営したり、広告を出稿する方法があります。
同じく集客数増加も重要です。例えば「自社ECサイトのInstagramとTwitterはあるが更新頻度が低い」企業も多いです。「新たに別のSNSを始める」のも1つの手ではありますが、新規より既存のアカウントに力を入れるほうが基本的にはコストはかかりません。
自社で取り組んでいた集客媒体にコンテンツを追加することでアクセス数が増え、集客ができた結果、売上アップにつなげることができるのです。「集客経路の増加」「集客数の増加」を達成するには、以下の5つの施策が有効です。
- SNSの運用
- Web広告出稿
- リターゲティング広告の運用
- 自社メディアの運営
- アフィリエイト広告の活用
それぞれの施策について、詳細を確認してみましょう。
1. SNSの運用
SNS(InstagramとTwitter)は、若い世代への宣伝に効果的です。特に10~20代は、ネット上で文字をあまり見ない文字離れが広がっているといわれます。文字の代わりに見ているものは、初めて見てもイメージしやすい動画や画像です。
動画や画像はSNSと相性がよくて、少ない文字数と画像・動画の組み合わせでも大きな拡散を起こすことで広い認知や強い集客を期待できます。
一方、ECサイトで販売する製品の多くは自社ブランド製品であることが多いです。そのために、魅力的な製品画像を用意したり、インフルエンサーに依頼して使った動画を撮影したりする、といったプロモーションも比較的実現しやすい環境にあります。
自社でSNSを運用することはもちろん、インフルエンサーやSNS運用のプロの力を借りることが成功のポイントです。
2. Web広告出稿
ネットで運営するECはWebに出稿する広告と好相性です。Webで出稿できる広告は、例として検索連動型広告、ディスプレイ広告があります。
検索連動型広告 | ディスプレイ広告 | |
概要 | GoogleやYahoo!の検索結果画面に表示される広告 | Webサイトの広告枠に表示される広告 |
メリット | 検索を使うユーザーは商品やサービスの比較検討をする購買意欲の高い方が多く、成約率が高い | 自身の購買意欲に気づいていないユーザーへのアプローチが可能 |
デメリット | 比較検討段階のユーザーは、ライバルにとっても有望な顧客になるために、企業間で広告価格の競争になりやすい | 検索連動型広告よりも成約率が低い |
広告がおすすめの商材 | 痩せたい、お金がほしいといった悩みが深い商材 | 洋服やアクセサリーなど、関連性の高いページ内に広告として挿入されることで、購買意欲を掻き立てられる商材 |
検索連動型広告とディスプレイ広告の両方にメリットがあります。
検索連動型広告はユーザー自身がブラウザから言葉を検索するため痩せたい、お金がほしいといった悩みが深い商材に効果的です。
ディスプレイ広告はユーザーがニュースサイトなどを見ている際に挿入される広告のために、目を引きやすいアパレル、アクセサリーなどイメージがしやすい、魅力的な商材を扱っているジャンルで効果的です。
3. リターゲティング広告の運用
リターゲティング広告とは、過去にサイトを訪れたもののサービスや商品の成約に至らなかったユーザーのみに表示できる広告です。
商品ページを見て離脱したユーザーに、お客様の声のページを案内することで再度興味を持たせられます。リターゲティング広告は、成約に至らなかった商品の情報は提供せずに、ユーザーが興味を持つ情報を提示できます。
4. 自社メディアの運営
自社メディア(オウンドメディア)とは、自社で保有・運営する情報発信サイトのことです。自社メディアに掲載するコンテンツ例としては、以下のような情報があります。
- 最新の商品情報
- 商品の活用術
- 悩み系ジャンルの解決方法
自社メディアの運営をすることで、検索エンジンからの流入を期待できます。自社メディアの運営時に重要なのがSEO(検索エンジン最適化)対策です。SEO対策は、ユーザーが検索エンジンに入力するキーワードの検索結果一覧画面で、自社メディアのコンテンツページを上位表示させる施策を意味します。
SEOは、広告出稿やSNSと違い集客に時間がかかる施策です。なぜなら、コンテンツページを上位表示させるか判断するのは検索エンジンのアルゴリズム(Google検索ならGoogleのアルゴリズム)であり、評価に時間がかかるからです。
ただし、一度コンテンツページが評価されて特定の検索キーワードで上位表示させれば、追加で広告費をかけることなく集客し続けられるメリットがあります。自社メディアは、短期で集客できる広告出稿やSNS運用と組み合わせるのがポイントです。
5. アフィリエイト広告の活用
アフィリエイトとは自社で集客を行わずに、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)を通じて「Webサイト運営者(アフィリエイター)」「Webサイト運営企業」に集客してもらう仕組みです。
SEO対策やSNS運用に比べて、自社で集客を行う必要がないために、集客以外の業務に集中することができるメリットがあります。ただし、Webサイト運営者やWebサイト運営企業は、訴求する商品/サービスや報酬が魅力的な広告でなければ、集客を手伝ってくれない点には注意が必要です。
ECサイトの成約率アップの施策4選
集客数が多くても成約率が低ければ、売上よりも経費が上回るために、利益を上げることは難しくなります。ECサイトの成約率を上げるには以下の方法があります。
- Web接客ツール
- カゴ落ちメールの送信
- 決済方法の追加
- レビューの充実
それぞれのECサイトの成約率を上げるための施策の詳細を確認してみましょう。
1. Web接客ツール
ECサイトにWeb接客ツール(チャットやポップアップなど)を設置することで「購入意欲はあるが悩んでいる」ユーザーの商品購入を後押しすることができます。
例えば、食品系のECサイトで「自分はアレルギーがあるから、原材料や成分表示を確認したい」と感じているユーザーに、1クリックでチャットを開始できれば相談してもらえる可能性があります。丁寧にユーザーの悩みや不安を解消してあげれば成約につなげやすくなります。
2. カゴ落ちメールの送信
カゴ落ちメールとは、購買途中で離脱したユーザーに送信するメールのことです。
例えば、ECサイトにアクセスして、カートに商品を追加したままで離脱したユーザーがいたとします。「カートに商品を入れた」ということは、購買意欲は高いはずです。カゴ落ちしたユーザーにフォローメールやクーポン付きのメールを送ることで、成約につなげられる可能性があります。
3. 決済方法の追加
意外な話ですが決済方法を追加することで、ユーザーの成約率を上げることができます。
ひと目で利用できる決済手段(クレジットカード・銀行振込・代引き・コンビニ決済など)の種類が分かりづらいECサイトも少なくありません。
ユーザーは、商品をカートに入れて、支払画面まで進んだタイミングで初めて希望の決済方法が利用できないことに気づくと、商品が購入されないままでECサイトから離脱してしまいます。商品のジャンルによってユーザーに人気の決済方法も異なりますが、銀行振込やコンビニ決済などの決済手段を追加することで成約率を上げることができます。
また「Amazon Pay」などユーザーの入力の手間を省ける決済手段導入も効果的です。Amazon Pay決済をECに追加すると、決済方法に「Amazon Pay」が選択された際に、ユーザーのAmazonアカウント情報と連携して名前や住所を自動入力することが可能です。
「Amazon Pay」の決済方法を導入することで、入力が面倒でECサイトを離脱するユーザーを減らして、成約率アップにつなげることができます。
4. レビューの充実
レビュー機能を追加したり、商品に対するレビュー数を増やしたりすることで、成約率を上げることができます。
総務省が公表している「情報通信白書平成28年版:ネットショッピングにおける購入品目、利用理由」によると、ユーザーがネットショッピングを利用しない理由として以下の悩みがあることがわかります。
- ネットショッピング事業者への信頼性は低い
- 商品や販売者が多すぎでどれを選んでいいか分からない
- 実店舗で商品を直接見たり触ったりして購入したい
つまり、商品の魅力はECサイト事業者が掲載する情報だけでは伝わりにくいということです。それを補うのが他のユーザーが行ったレビュー投稿です。レビューには購入後の感想として購入して「良かった点」も「悪かった点」も書かれています。
そのため、レビューを読んだユーザーは疑似体験や購入メリットの把握につながり、商品購入の後押しを行うことができます。
ECのリピーター獲得の施策3選
リピーター施策を実施することで、売上アップだけでなく、ECサイト全体の顧客獲得コストの軽減も期待できます。
マーケティングには、1:5の法則があり「新規顧客獲得には、既存顧客維持の5倍のコストがかかる」といわれています。同じコストをかけるなら、新規顧客の獲得よりもリピーター定着の施策のほうが高いコストパフォーマンスを期待できます。
リピーター施策には以下の3つの施策があります。
- メールマーケティングの実施
- 同梱物の充実
- 定期購入やサブスクリプションの導入
それぞれの施策について、詳細を確認してみましょう。
1. メールマーケティングの実施
メールマーケティングとは、適切なユーザなタイミングで適切な内容のメールを送る施策です。
例えば購入直後のユーザがいた場合には、各々の状況に合わせた以下のような運用が考えられます。
- 購入内容確認と購入のお礼メールを送信
- その3日後には製品を使うポイントを送信
- さらに3日後に製品到着の確認メールと次回使えるクーポンを送る
また、商品を購入してくれたユーザーについては、以下のように内容を変えたメールマーケティングが有効です。
- 女性には、化粧品のサンプル案内のメールを送信
- 男性には、育毛剤の案内のメールを送信
もし男性に化粧品サンプルの案内を送ってしまったらどうでしょうか。
「この会社からのメールは自分には不要」と配信拒否される可能性まであります。逆に適切なユーザーに欲しいタイミングで情報を伝えることで、再購買につなげやすくなります。
2. 同梱物の充実
同梱物を充実させてユーザーの満足度を上げることで、既存顧客の定着率を上げることができます。例えば購入商品に「手書きのお礼の手紙や次回使えるクーポンを同封する」「アップグレード商品や関連商品のカタログを同封する」といった案があります。
3. 定期購入やサブスクリプションの導入
ユーザーにメリットのある定期購入(サブスクリプション)を導入することで、既存顧客の継続率を上げることができて、売上アップにつなげられます。
例えば、単品購入より10%オフの定期購入を導入したとします。ユーザー側からすれば「安く買える」、企業側からすれば「一定の間隔で商品を購入してもらえる」といったWin-Winの関係を築くことができます。
ECサイトの売上アップ施策は外注化もおすすめ
ここまで解説したとおり、ECサイトの売上アップは「集客力アップ」「成約率アップ」「リピーター獲得」の施策をバランスよく行うことが重要です。もちろん全ての施策を自社で行うことが難しいこともあるでしょう。
例えば、SEO対策なら以下のように膨大な作業が必要です。
- サイト設計
- 記事構成作成
- 記事執筆
- 掲載内容チェック
- 入稿作業
- アクセス解析
- メンテナンス
すべてを自社で運用できれば、内製できない作業を切り出して外注化を行いましょう。自社の人的リソースを分析や新製品開発など、より重要な作業に集中することで、効率的な売上アップや社内のノウハウの蓄積につなげられます。
もし経験者への依頼を検討するのであれば、ランサーズにご相談ください。ランサーズではECサイトの構築・移行・運用支援のプロが多く在籍しております。
ECサイトの売り上げをアップさせよう
「集客力アップ」「成約率アップ」「リピーター獲得」の各施策の精度を上げることが、ECサイトの売上アップにつながります。
まずは自社で行える施策から取り組んでみましょう。ランサーズにはECサイトの構築や運用支援の専門知識を持ったフリーランスが多数在籍しています。
もし「一部の作業だけを外部に任せてコア業務に集中したい」「効果的な施策を行えていることを確認してほしい」といったご要望があれば、ぜひランサーズに登録しているフリーランスにご相談をよろしくお願い致します。
