自社ECサイトで使えるギフトカードを販売したくても、「仕組みやシステムを構築するのが難しそう」などのイメージを持っている経営者は多いでしょう。Shopifyなら契約プランを問わず、ギフトカードを簡単に作成して販売・配布できます。
本記事では、Shopifyのギフトカード作成・販売方法をご紹介します。加えて、意外な利用方法や利用時の注意点も紹介していますので、ぜひご一読ください。

目次
Shopifyのギフトカード機能とは
ギフトカードとは、貨幣価値を持った券の通称で、主に贈答用に利用されるものです。Shopifyにはギフトカードコード形式のギフトカードを発行できる機能が搭載されています。そのため、Shopifyで構築したECサイトでは、自社ECサイトや実店舗などで利用できるギフトカードを発行可能です。
ギフトカードの使い道
Shopifyで構築したECサイトでギフトカードを発行するなら、使い道を把握しておきましょう。ここでは、ショップ運営者・利用者別に、Shopifyギフトカードの使い道を解説します。
- ショップ運営者の活用シーン
- ショップ利用者の活用シーン
- Apple Payにも設定できる
ショップ運営者の活用シーン
Shopifyで構築したECサイトではギフトカードを発行して、一般的な商品券と同じように金券として販売できます。ただし、一般的な商品券のような物理カードの発行は、アメリカや欧州連合など欧米では対応していますが、日本は対象外です。
また、Shopifyのギフトカードは、無料発行してショップからユーザーへのノベルティなどに活用できます。
ギフトカードをメールで送信する
Shopifyのギフトカードは、日本では物理カードでの発行はできず、ギフトカードコードでの発行となります。ユーザーがギフトカードを購入し、支払いが完了すると、ギフトカードコードを含むメールが店舗からユーザー宛に送信される仕組みです。
ユーザーはメールで届いたギフトカードコードを使って支払います。
ショップは無料のギフトカードも発行できる
ギフトカードの販売価格は、額面通りでなくても構いません。割引率や割り引きした金額を指定しての販売もできます。例えば5,000円のギフトカードを4,000円や20%OFFで販売するような設定が可能です。
また、Shopifyのショップでは、プロモーションや謝礼などに使うために、無料ギフトカードの発行もできます。無料ギフトカードの配布はメールで送信するだけなのでコストがかかりません。例えば「一定額以上の買い物をした人が対象の、次の買い物で使えるギフトカード」など条件を指定して発行して、販売促進に活用してください。
ショップ利用者の活用シーン
ギフトカードを手に入れたユーザーは、下記のようなShopifyの販売チャネルを使った支払い時に、Shopifyのギフトカードを使えます。
- ECサイト内購入ボタン
- Facebook Shop
- Messenger(Facebook Messengerにおける販売チャネル)
- Shopify POS(実店舗のPOS)
ECサイトだけでなくSNSや実店舗でも使えるため、お店が持つ幅広い販売チャネルでギフトカードを活用できます。
Apple Payにも設定できる
ギフトカードを手に入れた人がApple Walletパスの設定を有効にすると、Apple Payでも使えるようになります。Apple Walletパスに掲載されているのは下記の情報です。
- ストア情報
- ギフトカードの有効残高
- 固有のQRコード
ユーザーはApple Payに設定したギフトカードコード残高をすぐに確認可能です。また、実店舗でShopify POSを使っているお店では、iPadなどお店の端末でQRコードを読み取ることで支払いにも使えます。
Shopifyでのギフトカード発行方法
外出自粛の影響で、小売業も大打撃を受けています。ECサイトでの販売を後押しすべく、Shopifyでは2020年ごろから一時的にすべてのプランでギフトカードを発行できるようになりました。
そこでECサイトの運営側がギフトカード機能を活用するために、Shopifyでのギフトカードの発行方法を解説します。
- 有料ギフトカードの発行・販売方法
- 無料ギフトカードの発行方法
- 画像のカスタマイズも可能
有料ギフトカードの発行・販売方法
Shopifyのギフトカードは、ECサイト内で販売する有料のギフトカードと、プロモーションなどに使う無料のギフトカードの2種類です。まずは有料ギフトカードの発行・販売方法を解説します。
ギフトカード機能を有効にする
まずはギフトカードを販売できるように、下記の手順でギフトカードの機能を有効にしましょう。
- 管理画面から「商品管理」「ギフトカード」の順に移動
- 「ギフトカード商品を追加」を選択
この手順を終えると最初のギフトカードがすぐに作成されますが、下書きとして保存される仕様になっています。
ギフトカード商品を追加する
ギフトカード機能が有効になったら、下記の手順でギフトカード商品を追加しましょう。
- 管理画面から「商品管理」「ギフトカード」の順に移動
- 「ギフトカード商品」を選択
- 新しいギフトカード商品を追加、または既存のギフトカード商品を選択
- ギフトカードに必要な情報を入力(タイトル・説明・画像・額面・販売チャネルやアプリ・公開日・分類など)
必要な情報を入力して「保存」を選択すると、ギフトカード商品を追加できます。後から有効期限の追加も可能です。
額面のバリエーションを追加する
登録したギフトカード商品を複数の額面で販売したい場合は、下記の手順で額面を追加しましょう。
- 管理画面から「商品管理」「ギフトカード」の順に移動
- 「ギフトカード商品を表示」を選択
- 編集するギフトカードを選択
- 「バリエーション」から「バリエーションを追加」を選択
- 新しいバリエーションにタイトル・価格・画像を指定
最後に「保存」を選択すると、複数の金額で販売できるようになります。追加した額面を削除したければ、削除したいバリエーションの横にあるごみ箱アイコンをクリックしてください。
商品を公開する
Shopifyでギフトカードへの額面のバリエーションを追加しても、商品カタログに掲載されるだけでアクティブな販売チャネルに表示されません。ギフトカードの販売を始めるには、下記の手順で販売チャネルに公開しましょう。
- 管理画面から「商品管理」「ギフトカード」の順に移動
- 「ギフトカード商品を表示」を選択
- 公開したいギフトカードを選択
- 販売チャネルセクションに表示されている販売チャネルでギフトカードを利用できるようにする
上記の手順を終えたら「保存」を選択すると公開されます。公開して初めて販売開始できるため、忘れずに設定してください。
売れた後はギフトカードをメール送信する必要がある
Shopifyで構築したECサイトでギフトカードが売れたら、購入者へギフトコードをメールで送る必要があります。顧客は届いたコードを支払い時に入力して、支払いに使用可能です。
デフォルトではギフトコードは手動で送る設定になっていますが、下記の手順で自動化できます。
- 「設定」から「チェックアウト」を選択
- 「注文処理」「注文の支払い後」から「注文のギフトカードのみを自動で発送する」を選択
ギフトコードの発送もれをなくすためにはこの手順で、ギフトコードを自動送信設定しておくとよいでしょう。ギフトコードを掲載したメールがうまく届かなかったと顧客から連絡があれば再送信してください。
無料ギフトカードの発行方法
ここからは、プロモーションでの配布などに使える、無料ギフトカードの発行方法を紹介します。
ギフトカードを発行する
Shopifyで無料のギフトカードを発行するには、下記の手順で行います。
- 管理画面から「商品管理」「ギフトカード」の順に移動
- 「ギフトカードを発行する」を選択
- 「初期値」に金額を入力
- 「お客様を見つける、または作成する」の下にある検索ボックスに、ユーザーの名前またはメールアドレスを入力して検索する(省略可能)
- 「有効期限を設定する」を選択して有効期限を設定(省略可能)
- 参照用のメモを入力(店舗のみ閲覧可能)
上記の手順を終えて「保存」を選択すると、無料ギフトカードを発行できます。
顧客を関連付けせずに発行できる
Shopifyでは無料のギフトカードを、該当する顧客を指定せずに発行できます。
ひとまず無料のギフトカードを発行しておき、後から編集して、対象となる顧客を追加設定してください。
画像のカスタマイズも可能
Shopifyのギフトカードは、下記の手順で画像をカスタマイズしてオリジナル画像を設定できます。
- 管理画面で「オンラインストア」「テーマ」を選択
- 編集するテーマを見つけて「アクション」「コードを編集」を選択
- 「アセットディレクトリ」で「新しいアセットを追加する」を選択
- 「ファイルを選択」を選び、画像をアップロードする(.jpgまたは.png形式)
その後、「アセットをアップロードする」を選択すると、設定した画像が「アセット」に表示されます。
発行したギフトカードを取り扱う際の2つの注意点
Shopifyでのギフトカードの発行はそう難しくはありません。しかし、Shopifyでのギフトカードは取り扱う際に注意すべき点があります。それぞれを確認していきましょう。
- ギフトカードを無効化すると元に戻せない
- 返金時の扱いに注意
1. ギフトカードを無効化すると元に戻せない
Shopifyで発行したギフトカードには、無効化する機能がありますが、一時的な無効化ではありません。一度無効にすると永久に無効になり、元に戻せませんので注意してください。
2. 返金時の扱いに注意
ギフトカードの購入をキャンセルしても、一度発行の手続きをしたギフトカードそのものは利用可能な状態のままです。
ギフトカードの注文がキャンセルされて購入者に代金を返金するなら、まずは手動でギフトカードを使えない状態にしてから、返金手続きを行ってください。
Shopifyギフトカードの意外な3つの利用方法
顧客が獲得したShopifyのギフトカードには、意外な活用方法があります。ギフトカードの利用促進を進めていくためにも、利用方法を確認していきましょう。
- クーポンコードと併用できる
- 複数の注文に使える
- 実店舗でも使える
1. クーポンコードと併用できる
Shopifyのギフトカードは、クレジットカードでの支払いなど、他の支払い方法と同じように支払いに使えます。店舗が発行したクーポンと併用しても問題ありません。
2. 複数の注文に使える
金券の中には、クレジットカード会社が発行する商品券のように、お釣りが出ないものも多いです。Shopifyのギフトカードは額面未満の買い物をすると残高が残ります。一度にギフトカードの額面の満額を使う必要がありません。
プリペイドカードと同じように、残高の範囲内で支払いに使えます。
3. 実店舗でも使える
「Shopify POS」とは、対面販売に必要な機能を備えたShopifyのシステムです。実店舗でShopify POSを使っているなら、Shopifyで構築したECサイトで発行したギフトカードを、実店舗での支払いに使用できます。
ただし実店舗でShopifyのギフトカードを使うには、お店側に読み取りに対応している2次元バーコードスキャナーかiPadが必要です。
Shopifyのギフトカードを利用する際の4つの注意点
ユーザーがShopifyのギフトカードを手に入れても、クレジットカードやID決済とは使い方が少し異なります。ECサイトでShopifyのギフトカードを使うとき、注意すべきポイントを見ていきましょう。
- コードを入力する必要がある
- 有効期限に注意
- サブスクリプションの支払いには使えない
- 別のギフトカード購入には使えない
1. コードを入力する必要がある
Shopifyで構築したECサイトで発行したギフトカードを手に入れた顧客でも、ECサイトでの買い物をするときにギフトコードが自動的に入力されるわけではありません。ギフトコードをコピペして、支払いのときに入力する必要があります。
ギフトカードを発行するなら、顧客がスムーズに買い物できるよう案内することが必要です。メールや購入時の説明などで、ギフトカードで支払うときにギフトコードの入力が必要であることを顧客に伝えてください。
2. 有効期限に注意
Shopifyのギフトカードには、有効期限が設定されているものがあります。有効期限が切れるとギフトカードが使えなくなりますので、注意してください。
発行したギフトカードは管理画面から状況を確認できます。有効期限の到来が近いギフトカードの持ち主に通知メールを送るなどの方法で、販売促進に役立てましょう。
3. サブスクリプションの支払いには使えない
Shopifyのギフトカードはクレジットカードなど他の支払い方法と同じように使えます。ただし、サブスクリプションの支払いには、ギフトカードは使えません。
Shopifyでギフトカードを発行するなら、定期購入の支払いにはギフトカードは使えない点を、ユーザーにお知らせしてください。
4. 別のギフトカード購入には使えない
Shopifyのギフトカードは、サブスクリプションを除く商品代金・消費税・送料の支払いが対象です。ただしShopifyのギフトカードは、同じギフトカードの購入には使えません。
Shopifyのギフトカードは、ギフトカード以外の商品を購入するときに使いましょう。
Shopifyのギフトカード発行は難しくない!実店舗・ネットショップで活用しましょう
今回の記事ではShopifyのギフトカード発行についてお話ししました。再度、ポイントをまとめます。
- Shopifyで構築したECサイトではギフトカードを発行できる
- ギフトカードは有料と無料のカードがある
- ギフトカードを発行したらギフトコードをメールで送信する
- ギフトカードでギフトカードは購入できない
- ギフトカードはサブスクリプションの支払いには使えない
- 実店舗でShopify POSを採用しているなら実店舗でもギフトカードを使える
Shopifyのギフトカード発行は簡単な操作ででき、販売するのも難しくありません。自店舗のみで使える金券ですので、販売促進にもつながります。
ShopifyでECサイトを発行したら、ギフトカードを発行して、売り上げを伸ばしていきましょう。
