無料で開設できるはずのネットショップでも、売り上げが増えていくにつれて手数料の負担が大きくなってしまうことがあります。ある程度の売り上げが見込めるのであれば、手数料を抑えて利益を最大化できるサービスを利用して、ネットショップを開設したいものです。
本記事では、ネットショップを構築・運営する際に必要な5つの手数料をご紹介します。加えて、手数料以外に比較すべきポイントや、手数料を抑えたい人におすすめのASPも紹介していますので、ぜひご一読ください。

目次
ネット販売の方法は2種類
ネット販売にかかる手数料は、販売方法によって大きく異なります。ここでは、ネット販売の手数料などの特徴を、方法ごとに見ていきましょう。
- 「自社ECサイト」はASPを使うのが一般的
- 「ECモール」は手数料が高額
1. 「自社ECサイト」はASPを使うのが一般的
自社ECサイトとは、自社で運営する独立したECサイト・ネットショップのことを指します。売上規模が大きい会社は自社でECカートなどのシステムを構築することもありますが、中小企業など売上規模が小さい会社は、ASPと契約して月額料金を支払いながらネットショップを運営することが多いです。
ネットショップを運営するためのASPには月額料金が無料と有料のサービスがあります。月額料金が高いASPは、販売手数料やクレジットカード手数料などの負担が少ないことが多いです。
自社ECはECモールと違って自社で宣伝活動を行う必要があります。デザインの自由度は高いですし、セールの時期などは自社の都合でできることなどが利点です。また、ECモールのような価格競争に巻き込まれません。
2. 「ECモール」は手数料が高額
ECモールとは、インターネット上にあるショッピングモールのことです。日本国内のECモールとしては、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングがよく知られています。
ECモールに出店すると初期費用や月額費用、システム利用料や決済手数料など多くの手数料がかかり、自社ECサイトに比べて費用負担は大きいです。しかしECモールに既存顧客が多いことで、多くの人の目に触れやすく、最初から売り上げを伸ばせるショップもあります。
ただしECモール内で似たような商品を扱っているショップと価格競争になりやすく、利益を確保するのに苦労する点もECモールの特徴です。
ASPで自社ECサイトを構築・運営にかかる5つの手数料
ASPで自社ECサイトを構築・運営にかかる5つの手数料
ネットショップの運営で手数料の負担をできるだけ抑えるなら、ECモールよりも自社ECサイトでの販売を選びましょう。自社ECサイトを構築するために必要となるASPには売り上げがなければ無料で利用できるものもあります。
しかし月額手数料が無料のASPは、商品の販売ごとにかかる手数料が高額になりますので、ある程度の売り上げが見込めるなら有料プランがおすすめです。
ここでは、ASPで自社ECサイトを構築・運営するのに必要となる手数料を紹介します。
- 初期費用
- 月額費用
- 決済手数料
- 振込手数料
- オプション・追加費用
1. 初期費用
ASPとの契約時に、事業者によっては初期費用が発生します。主要なASPの初期費用は下記の通りです。
ASP | 初期費用 |
Shopify | 0円 |
STORES | 0円 |
BASE | 0円 |
MakeShop | 11,000円(プレミアムプラン) 110,000円〜(MakeShopエンタープライズ) |
カラーミーショップ | 3,300円(レギュラー・ラージのみ) |
ShopifyやSTORESなど、初期費用無料のASPも多いです。
2. 月額費用
月額費用が無料のASPもいくつかあります。主要なASPの月額費用は下記の通りです。
ASP | 月額費用 |
Shopify | 29〜299ドル |
STORES | 0〜2,178円 |
BASE | 0円 |
MakeShop | 11,000〜55,000円 |
カラーミーショップ | 0〜7,945円 |
ASPやプランにもよりますが、月額費用は数千円程度までに抑えられるものが多いです。
3. 決済手数料
選択するASPによって、クレジットカード決済や売り上げなどにかかる手数料は異なります。主要なASPにおけるクレジットカード手数料は下記の通りです。
ASP | クレジットカード手数料 |
Shopify | 3.25〜4.15% |
STORES | 3.6〜5% |
BASE | 3.6%+40円(BASEかんたん決済手数料)+3%(サービス利用料) |
MakeShop | 3.19〜3.49%+1,100円(月額利用料) |
カラーミーショップ | 4.0%〜 (月額最低手数料あり、手数料率が下がる複数のキャンペーン開催) |
月額費用が定額なASPは、決済手数料が高額な傾向にあることがわかります。
4. 振込手数料
ASPの決済サービスを経由した売上金は、毎月決まった日にASPより振り込まれます。主要なASPで必要となる振込手数料は下記の通りです。
ASP | 振込手数料 |
Shopify | 0円 |
STORES | 275円 |
BASE | 250円(2万円未満なら追加500円) |
MakeShop | 250円(最大4件無料) |
カラーミーショップ | 0円 |
数百円程度でも毎月のこととなると、意外と負担が大きくなってしまいます。できるだけ振込手数料が抑えられるASPを選ぶといいでしょう。
5. オプション・追加費用
ASPで追加機能やオプションを加えると、さらに費用が発生します。具体的には、Shopifyの有料アプリやBASEのロゴ非表示機能などです。
オプションの内容によっては毎月費用が発生することもありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
手数料以外に比較すべき5つのポイント
ネットショップ構築に使うASPを選ぶ時、安さばかり追求すると使い勝手に不満が出ることもあります。手数料以外に比較検討したいポイントは下記の通りです。
- 商品登録可能数
- 登録画像数
- テンプレートの種類
- サポートの有無
- ECモールとの連携
1. 商品登録可能数
ASPで構築したネットショップへ登録できる商品の数は、ASPやプランによって異なります。主要なASPで登録可能な商品数は下記の通りです。
ASP | 振込手数料 |
Shopify | 無制限 |
STORES | 無制限 |
BASE | 無制限 (1日あたり1,000商品まで) |
MakeShop | 10,000商品または50,000商品 (プランによって異なる) |
カラーミーショップ | 無制限 |
このように、商品登録数が制限されているASPもありますので、自社ECサイトで取り扱う商品数にあっているか契約前に確認してください。
2. 登録画像数
1つの商品に登録できる画像の数は、ASPやプランによって大きく異なります。主要なASPで登録可能な商品画像数は下記の通りです。
ASP | 商品画像数 |
Shopify | 枚数制限なし (容量制限あり) |
STORES | 15枚 |
BASE | 20枚 |
MakeShop | 通常4枚 (「100MBサーバー」「ギガプラス10」の契約で50枚) |
カラーミーショップ | 4枚または50枚 (プランによって異なる) |
自社の扱う商品の魅力を十分表現できる枚数の画像を掲載できる、ASPを選ぶといいでしょう。
3. テンプレートの種類
ASPでは、数十種類のテンプレートの中から自社のイメージにあうデザインを選んでネットショップを構築します。無料または有料のテンプレートの中に、自社のイメージにあうテンプレートがあるかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
種類が多くてもデザインが好みにあわないこともありますので、あらかじめ選択可能なテンプレートを確認してから契約するのがおすすめです。
4. サポートの有無
ネットショップの構築や運営に不慣れなら、サポートがあるASPを選ぶと安心です。ネットショップの構築でわからない点や、トラブルがあった時に対応してくれます。
ASPでは基本的にサポート窓口は設けられていますが、ASPによって対応内容や言語、時間が異なります。対応方法や時間が自社の稼働時間に合っているか、比較検討してください。
5. ECモールとの連携
すでにECモールへ出店しているか、これから出店を検討しているなら、ECモールと連携できるASPを選びましょう。商品登録や在庫管理、注文管理などを同時に行えて在庫管理やページ作成、注文管理などの手間を省略できます。
ShopifyならAmazonや楽天市場、MakeShopならAmazonやYahoo!ショッピングなどと連携可能です。
自社で出店するECモールと連携可能かをよく確認して、ASPを選びましょう。
手数料を抑えてネットショップを構築するのにおすすめのASP4選
ネットショップの運営にかかる手数料をできるだけ抑えるには、ASP選びは重要です。ここでは、手数料の負担が比較的抑えられる、おすすめのASPについて紹介します。
- Shopify
- STORES
- BASE
- カラーミーショップ
1. Shopify
越境販売に強いことで知られるShopifyは、売り上げ規模にあわせてプランを変えられるASPです。他社のような無料プランはありませんが、振込手数料無料など他の費用を抑えられます。Shopifyの手数料は下記の通りです。
費用・手数料 | ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
毎月の手数料 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
クレジットカード手数料(Shopifyペイメント) | 3.4〜4.15% | 3.3〜4.1% | 3.25〜4.05% |
Shopify ペイメントを利用していない場合の取引手数料 | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
振込手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
Shopifyは無料プランがなくても、他の手数料を抑えられます。24時間のチャット対応などサポートが充実しており、EC初心者でも使いやすいASPです。
2. STORES
STORESは月額無料から始められるASPです。1ヶ月に10万円分の商品を販売した際の手数料を比較すると他社に比べて手数料を低く抑えられます。また、STORESなら無料プランでも商品登録数に制限はありません。
STORESはキャリア決済やコンビニ決済などにも対応していて、クレジットカードを使えない若年層を含めた、幅広い層に対応できるASPです。
スタンダードプランになるとアクセス解析に対応していたり、支払い方法の選択肢がさらに増えたりなど、使える機能がフリープランに比べて増えます。
STORESの手数料は下記の通りです。
費用・手数料 | フリープラン | スタンダードプラン |
初期費用 | 0円 | 0円 |
毎月の手数料 | 0円 | 2,178円(クレジットカード払いで初月無料) |
決済手数料 | 5% | 3.6% |
振込手数料 | 275円 |
3. BASE
BASEは月額無料から始められることでよく知られている、日本のASPです。専門知識不要で始められることから、EC初心者や小規模なネットショップによく選ばれています。
月額料金は無料ですので、最初は売れる自信がないネットショップでも使いやすいです。商品を販売する月とそうでない月があるネットショップなどでも、手数料を気にせずに済みます。
BASEの手数料は、下記の通りです。
費用・手数料 | 通常プラン |
初期費用 | 0円 |
毎月の手数料 | 0円 |
BASEかんたん決済手数料 | 注文ごとに3.6%+40円 |
サービス利用料 | 注文ごとに3.0% |
振込手数料 | 250円(振込額20,000円未満の事務手数料500円) |
4. カラーミーショップ
カラーミーショップは、国内の老舗ASPです。無料体験期間が1ヶ月と長く、気軽に始められます。
カラーミーショップには自動でスマホ最適化される機能が搭載されており、スマホからのアクセスを重視したいネットショップの構築にもおすすめです。Instagramショッピングとの連携やGoogleとの連携(有料)機能など、外部との連携機能も充実しています。
費用・手数料 | フリープラン | レギュラープラン | ラージプラン |
初期費用 | 0円 | 3,300円 | 3,300円 |
毎月の手数料 | 0円 | 3,300円 (30日間無料) | 7,945円 (30日間無料) |
クレジットカード手数料 | 6.6%+30円 | 4.0%〜 | 4.0%〜 |
振込手数料 | 無料 |
ネットショップの構築は大変?
専門的な知識がなくてもネットショップを構築できるASPは増えています。しかし、結果的に専門家に依頼することもよくあります。
ここでは、ネットショップの構築を専門家に頼む理由やおすすめの依頼先を紹介します。
- 不慣れだと商品登録に時間がかかる
- ネットショップの構築を外部へ依頼するならフリーランスも選択肢に入れよう
不慣れだと商品登録に時間がかかる
ネットショップの構築において、一番時間がかかるのが商品登録です。ネットショップで販売する商品ごとに、商品の写真を撮影して、商品情報を登録していかなければなりません。
取り扱う商品の数が多いほど登録に時間がかかってしまいますが、登録が遅れれば遅れるほど販売の機会を損失してしまいます。
CSV登録などスピーディーに登録する方法はありますが、この方法も慣れるまでは大変です。
できるだけ早く販売を始めるために、外部へ制作を依頼するネットショップもよくあります。
ネットショップの構築を外部へ依頼するならフリーランスも選択肢に入れよう
ネットショップの構築やページの作成を専門家へ依頼するなら、フリーランスへの依頼も検討してみましょう。オンラインで問いあわせすれば、最短即日対応で依頼できます。
また、手数料が気になるかもしれませんが、中間業者を挟みませんのでコストパフォーマンスが高いです。
ランサーズにはネットショップの構築経験が豊富なフリーランスが多数在籍しています。ぜひ問い合わせてみてください。
ネットショップの手数料は月額料金以外にもかかる!他の手数料も考慮して選ぼう
今回の記事ではネットショップの手数料についてお話ししました。再度、ポイントをまとめます。
- ネット販売の方法には自社ECサイトとECモール型がある
- 自社ECサイトの構築にかかる手数料は初期費用・月額費用・決済手数料・振込手数料・オプション料金
- 月額費用が無料でも決済手数料が高額だと負担が重くなることもある
- 商品登録可能数など手数料以外の機能も確認して選ぶ
できるだけ手数料を抑えようと自社でネットショップを構築していると、意外と時間がかかることもあります。とくに商品登録に時間がかかりすぎると販売機会を損失することにもなります。フリーランスなどの専門家へ依頼することも検討してみてください。
