Shopifyで開業したネットショップの売上が順調な一方で、受注・発送などの物流業務の負担が高くなりお困りではありませんか。物流業務の負担を軽減するには、物流関連のシステムを導入するか、物流業務自体のアウトソーシングの導入検討が必要です。
本記事では、Shopifyの標準機能で可能な物流業務を整理した後、物流業務効率化の手段と、Shopifyとの連携可能な物流管理サービスをご紹介します。最後に、物流管理の効率化を相談できるフリーランスも紹介しますので、参考にしてください。

目次
Shopifyにおける物流管理の業務内容
Shopifyには、バックエンド業務となる物流管理業務に対応する機能は、標準では手薄な状態です。そのため、物流業務は自社で業務内容を整備する必要があります。
そこで、まずShopifyにおける物流管理業務を以下の3種類に分類して解説します。
- 商品情報の登録
- 受注管理
- 配送作業
それぞれの業務内容を確認し、自社の物流管理業務を整理してください。
1. 商品情報の登録
入荷した商品情報をShopifyに登録する作業は、物流管理でまず必要となる業務です。以下の表では、商品情報の登録をさらに細分化してそれぞれの作業内容をまとめます。
作業項目 | 作業内容 |
基本情報の登録 | 商品の基本情報(商品カテゴリ・商品名など)を登録します。 |
詳細情報の登録 | 商品の詳細情報(カラー・サイズ・価格など)を登録します。 |
商品画像の撮影 | 商品画像を撮影・加工して、商品情報として登録します。 |
商品の採寸 | 商品のサイズを計測し、採寸して商品の詳細情報として登録します。 |
商品説明の原稿作成 | どのような商品かを過不足なく説明します。 |
商品情報の登録業務は「撮影」「採寸」「原稿作成」の頭文字を取り、「ささげ業務」と呼ばれています。商品のバリエーションが多いと、ささげ業務の負担は高くなりがちです。
負担の大きい作業がある場合は、必要に応じて作業を外部委託することも検討します。年商規模が大きく社内に販売管理システムなど入荷した商品情報のマスタデータがある場合は、Shopifyに商品情報を連携するカスタマイズができると便利です。
2. 受注管理
受注管理業務は、お客様から注文を受けて顧客対応を行うまでの業務を指します。商品の在庫管理も、受注管理に含まれます。Shopifyでは、管理画面の「商品管理」で在庫を管理可能です。商品の受発注管理や顧客対応については、ECサイト担当者が行います。
3. 配送作業
商品の注文を受けて、お客様に商品を届けるまでの間に必要となる業務です。商品の取り揃え(ピッキング)・梱包・ラベル貼りを行い、商品を配送業者へ渡して出荷します。出荷後は、お客様に出荷の連絡を行い、受け取り完了を確認して終了です。
配送作業を丸ごと外部委託する場合は、商品の入荷時点で外部委託先に商品を送付し、出荷指示を出すだけで済みます。
Shopifyの物流管理を効率化する3つの方法とメリット・デメリット
Shopifyでのショップ運営が順調で出荷商品数が増加すると、物流管理業務の負荷は高まります。その場合は、物流管理業務の効率化を検討しましょう。物流業務を効率化する方法と、メリット・デメリットを比較表にまとめました。
方法 | メリット | デメリット |
負担の大きい物流業務を担当する人材を雇用 | ・物流管理のノウハウを自社に蓄積できます。 | ・人材を育成する時間とコストがかかります。 ・人的ミスが発生するリスクがあります。 |
Shopifyと連携可能な外部の物流管理システムを導入 | ・物流管理業務の自動化が進み、大幅な業務効率化が見込めます。 ・人的ミスのリスクを軽減できます。 | ・システムの導入・運用コストがかかります。 ・システムを使いこなすための従業員教育も必要です。 |
Shopifyと連携可能な外部物流管理サービスを利用してアウトソーシング | ・物流管理のノウハウがなくてもすぐに効率化が可能です。 | ・物流管理のノウハウを自社に蓄積できません。 |
1. 負担の大きい物流業務を担当する人材を雇用
物流管理業務に対応する専任者を雇用することで、経営者やShopifyサイト担当者の負荷を下げてサイト運営に集中できます。小規模なECサイトであれば、物流管理の専任者を1人配置するだけでも効果的です。
ただし、人件費がかかる点と、専任者に仕事を任せるまでの教育コストがかかる点はデメリットとなります。また、人手に頼る作業は、どうしても人的ミスが発生する可能性がある点も要注意です。
2. Shopifyと連携可能な外部の物流管理システムを導入
Shopifyには、連携可能な外部の物流管理システムがあります。年商規模が大きく、取り扱う商品数が大幅に増加している場合は、物流管理システムの導入が効果的です。
物流管理システムを導入することで、物流業務の最適化や商品情報、在庫情報などの一元管理ができます。また、自動化できる業務が増えるため、その分人的ミスが軽減可能です。
物流管理システムは、倉庫内の業務を効率化する倉庫管理システムと、倉庫外で発生する配送業務を効率化する配送管理システムに分類できます。自社の現状を確認して、必要に応じて物流管理システムを選択することが重要です。
物流管理システムの導入には導入・運用コストがかかる点や、システムを使いこなすための従業員教育が必要となる点は、デメリットと言えます。
3. Shopifyと連携可能な外部物流管理サービスを利用してアウトソーシング
Shopifyと連携可能な外部物流管理サービスの中には、物流管理全般をアウトソーシングできるサービスがあります。月額料金または配送数などの従量課金制で、荷物の数が少なくても利用できるサービスがあるため、あらゆる規模のECサイトに対応可能です。
物流業務のアウトソーシングにより、自社リソースをその他のECサイト運営に集中できる点は、外部物流管理サービスを利用する大きなメリットです。ただし、自社に物流業務のノウハウは蓄積できない点はデメリットとなります。
Shopifyと連携可能な物流管理システム・サービスの選び方
Shopifyと連携可能な物流管理システムや物流管理サービスは、物流業務を効率化するために有効な手段です。いくつかある物流管理システム・サービスの中から、自社に合ったものを選ぶためのポイントについて解説します。
- BtoC取引の対応有無
- 多品種・少量の商品管理などの対応
- 対応業務の範囲
- 費用対効果の確認
1. BtoC取引の対応有無
物流管理システム・サービスの中には、BtoB取引のみに対応しているものもあります。ShopifyサイトをBtoC取引に利用している場合は、BtoC取引に対応しているかどうかをご確認ください。
システム・サービスの公式サイトに明記されていない場合は、念のため問いあわせておくと安心です。
2. 多品種・少量の商品管理などの対応
自社の取り扱っている商品を扱えるかどうかの確認も重要です。
アパレル系のように、多品種の商品展開がある場合にも対応できるかどうかをご確認ください。食品のように、消費期限があり冷蔵・冷凍設備が必要なケースも要確認です。また、小規模なオンラインショップの場合、商品数や配送数が少量でも利用可能かどうかもチェックします。
3. 対応業務の範囲
どこまでの物流業務を効率化したいかにより、選択するシステム・サービスは異なります。受注管理を自動化できれば良いか、配送作業も外部委託したいかなど、自社が直面している課題を解決できるシステム・サービスなのかを検討し、導入するシステム・サービスを選択してください。
場合によっては、複数のシステムやサービスを組みあわせて利用すると効果的かもしれません。
4. 費用対効果の確認
高機能な物流管理システムや、物流業務全般をアウトソーシングできるサービスは、便利ですが導入・運用コストがかかります。
自社の年商規模や効率化することで節約できる経費とのバランスが取れているかどうかの確認も重要です。比較対象の物流管理システム・サービスの総コストおよび導入後に節約できる経費を算出し、より費用対効果が高いものを選びます。
Shopifyと連携可能なおすすめの物流管理システム・サービス3選
ここからは、Shopifyと連携可能なおすすめの物流管理システム・サービスを3製品ご紹介します。ご紹介するサービスは、いずれも倉庫管理と配送管理を兼ねており、物流業務全般のアウトソーシングが可能です。各製品の特徴を比較して、自社に合った製品をご検討ください。
- 国際配送にも対応!商品数が少なくても利用できる「オープンロジ」
- 受注から出荷・発送まで自動化できる「Anylogi」
- 複数モールの在庫を一元管理できる「ロジレス」
1. 国際配送にも対応!商品数が少なくても利用できる「オープンロジ」
「オープンロジ」は、初期費用無料で、従量課金制で利用できる物流管理業務のアウトソーシングサービスです。Shopifyから利用するには、オープンロジのアカウントを作成した後、Shopifyアプリ「OPENLOGI」をダウンロードします。国内配送だけでなく国際配送にも対応している点が大きな特徴です。
料金体系は、倉庫利用料金+配送料金+オプション料金となっており、選択によっては物流業務のすべてを委託可能です。商品数の下限もなく、月間1,000件以上の出荷がある場合は、ボリュームディスカウントの相談もできるため、あらゆる規模のネットショップに対応しています。
比較項目 | 対応内容 |
委託可能な業務内容 | ・受注管理 ・出荷作業 ・在庫管理 ・入出荷管理(商品情報の登録) |
特徴的な機能 | ・セット組(オプション) ・食品対応 ・返品対応 ・海外発送対応 |
料金体系 | ・初期費用:無料 ・倉庫利用料金:商品1点あたりSSサイズ0.2円~140サイズ10円 ・配送料金:ポスト便370円、宅配便700円~、国際便にも対応 ・オプション:配送オプション、出庫作業オプションなど |
2. 受注から出荷・発送まで自動化できる「Anylogi」
Shopifyと連携して、荷物を提携倉庫業者に配送するだけで利用できる、物流管理サービスです。越境ECにも対応しています。物流業務のほぼすべてをアウトソーシングでき、料金体系も従量課金制とシンプルな点が特徴です。入庫量は1商品あたりで課金されますが、倉庫保管料は専有面積により決まります。
月間出荷件数が500件以上の場合は、ボリュームディスカウントの相談が可能です。また、月間出荷件数1,000件以上の場合は、オリジナル梱包資材の設計およびプレゼントを行うキャンペーンを実施しています。
比較項目 | 対応内容 |
委託可能な業務内容 | ・受注管理 ・出荷作業 ・在庫管理 ・入出荷管理(商品情報の登録) |
特徴的な機能 | ・ロット別/賞味期限別の在庫管理 ・返品対応 ・越境対応 |
料金体系 | ・初期費用:無料 ・入庫料:商品1点あたり15円 ・保管料:1坪あたり7,600円 ・出庫料:1個口あたり370円~(資材費・ピッキング費・梱包費・配送料込み) ・オプション:複数ピッキング料20円、同梱品ピッキング料8円、返品対応作業料350円〜、沖縄・離島配送など |
3. 複数モールの在庫を一元管理できる「ロジレス」
EC専門の物流自動化システムで、倉庫を営む企業とは別途直接契約する点が特徴です。依頼する倉庫事業者を組みあわせて利用できる柔軟性があるとも言えます。また複数モールの在庫を一元管理できるために、Shopify以外にもECサイトがある場合に便利です。
料金体系は、システム利用料金が月額でかかりますが、月間出荷量500件以内のシステム利用料金も含んだ料金です。月間出荷量500件を超える分は従量課金制となります。オプションでは、POS連携や庫内デバイス利用などが用意されているため、倉庫内の業務を自動化したい場合は、費用対効果を考えてオプションを選択します。
また、複数の注文状況にあわせたマーケティング施策が可能な点も大きな特徴です。例えば、一定金額以上購入したお客様におまけをつけたり、初回購入者にカタログを同梱したりといった対応を自動化できます。
比較項目 | 対応内容 |
委託可能な業務内容 | ・受注管理 ・出荷管理 ・在庫管理 ・入出荷管理(商品情報の登録) |
特徴的な機能 | ・ロット管理 ・賞味期限管理 ・APIによる自動取込および自動処理 ・複数倉庫の管理 ・複数モールの在庫一元管理 |
料金体系 | ・初期費用:無料 ・月額費用:システム利用料金20,000円 ・従量課金:月間出荷数501件以上から発生、1件あたり20円~ ・オプション:出荷可能倉庫の追加、POS連携、庫内デバイス利用など |
Shopifyの物流業務効率化について相談できるランサーズの出品サービス3選
Shopifyの物流業務を効率化する方法やシステム・サービスを選択する前には、自社の課題整理が必要です。しかし、ECサイトの運営経験が浅い場合、自社の課題を的確に把握するのは難しいこともあります。
Shopifyの物流業務効率化は、Shopifyに詳しいエンジニアやコンサルタントに相談するのもおすすめの方法です。相談することで自社の課題を明確化し、物流業務を効率化する方法やシステム・サービスをより適切に選択できます。
ランサーズには、Shopifyに詳しいエンジニアやコンサルタントが数多く在籍しており、さまざまな出品サービスを提供しています。Shopifyの物流業務効率化について相談できるランサーズのおすすめ出品サービスをご紹介しますので、ぜひご活用ください。
1. ECサイト運営のバックオフィスを自動化
ShopifyなどECサイト運営で発生するバックオフィス業務全般を自動化するサービスです。物流業務全般の自動化にも対応できます。料金体系は、対応工数により5万円~20万円の3段階となっているため、事前相談でどの程度の対応が可能かを確認し、自社に合った物流業務全般の効率化を実現してください。
「ECサイト運営のバックオフィスを自動化」の出品パッケージの詳細を確認する
2. ストアづくりのお悩み解決サポート
Shopifyのストアづくりについての質問を5つまでメッセージで送信し、回答を受けるサービスです。約1週間で回答が得られます。自社の現状を整理して、物流業務の効率化について相談したい場合に利用しやすいのではないでしょうか。物流業務の効率化以外にも、Shopifyで困っていることがあれば気軽にご活用ください。
「ストアづくりのお悩み解決サポート」の出品パッケージの詳細を確認する
3. Shopifyのカスタマイズ・オリジナルセクションの作成
すでに運用しているShopifyシステムのカスタマイズを依頼できるサービスです。事前に物流業務の自動化や効率化を相談しながら、必要なカスタマイズ内容を決定できます。対応者はWebサイトやECサイトの構築経験も豊富であり、依頼者の困りごと把握・解決に貢献する実力者です。
「Shopifyのカスタマイズ・オリジナルセクションの作成」の出品パッケージの詳細を確認する
Shopifyの物流業務を効率化するには自社に適した外部サービス利用の検討を
Shopifyの標準機能は、自社倉庫で商品を管理する、シンプルな物流業務に適しています。取扱数が増加するなどの理由で物流業務が負担になってきた場合は、何らかの手段で物流業務の効率化をご検討ください。
Shopifyと連携可能な物流管理システム・サービスを導入する場合は、費用対効果と対応業務の範囲を確認することが重要です。
物流業務の効率化をどこからどのような手段で対処すればよいのかの検討に手間取る場合は、Shopifyに詳しいフリーランスに相談して、自社の物流業務が抱えている課題の整理から始めてみてはいかがでしょうか。
