ECサイトの運営中に過剰在庫や在庫切れを起こしてしまうことはないでしょうか。商品の管理コストや保管コスト、商品の配送遅延などにお悩みなら、在庫管理システムの導入を検討しましょう。
本記事では、ECサイトにおける在庫管理の重要性や意識したいポイント、在庫管理システムの選び方について解説します。おすすめの在庫管理システム10選も併せて紹介するので、ECサイトを効率的に運用する際の参考にしてください。

目次
ECサイトの在庫管理を効率化するなら在庫管理システムがおすすめ
在庫管理は、ECサイトの運営において非常に重要な業務です。在庫管理を適切に行うことで、必要なときに必要な商品を確保できるようになり、事業運営がスムーズに進みます。
顧客からの注文が入ったにも関わらず商品を用意できずキャンセルさせてしまうこともありません。また、商品の売り上げや利益額を正確に計算できるため、会計上の処理もスムーズに進みます。
在庫管理は、商品のラインナップや配送拠点数が多くなるほど、入力間違いなどのミスも増える業務です。そのためある一定の事業規模になると、在庫管理システムを導入して業務を効率化する必要があります。
在庫管理システムは、商品の在庫数や注文状況をシステム上で一括管理できるツールです。入荷から出荷までの業務フローを誰でも簡単に管理できるため、人的ミスを極力減らし担当者の負担も大幅に軽減できます。
ただし実際に運用するまでに業務フローの再構築などが必要になる場合もあるため、費用や機能面などを考慮して、自社に合った製品を導入することが大切です。
自社に合ったEC在庫管理システムを選ぶ5つのポイント
自社に合った在庫管理システムを導入するには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。在庫管理システムの選び方として以下の5つのポイントを紹介します。
- 自社の目的に合った機能があるか確認する
- 外部サービスとの連携機能を確認する
- 料金プランが自社に合ってるか確認する
- 保管場所を柔軟に変えられるか確認する
- サポート体制が充実しているか確認する
1. 自社の目的に合った機能があるか確認する
ほとんどの企業には、在庫管理システムを導入するにあたり「販売チャネルを統一したい」「販売ロスをなくしたい」といった目的があるはずです。そのため在庫管理システムを導入する際は、自社の目的を明確にしたうえで、必要な機能が搭載されている製品を選びましょう。
製品によってはおすすめの業種や業態などが決められている場合もあるので、機能の特徴やメリットまで確認することをおすすめします。たとえば食品を扱う場合は、通常の在庫管理機能に加え、温度や賞味期限などを管理できる機能が必要です。
2. 外部サービスとの連携機能を確認する
ほかの物流システムや受注管理システムなどとの連携機能があるかを確認しましょう。
他のシステムとの連携機能がないと、受発注ごとにそれぞれのシステムで在庫数や注文状況を把握する必要になり、かえって業務コストが増大します。特に複数のECモールで商品を出品している場合は、モール間で商品の在庫状況を共有できる方が便利です。
在庫管理システムの大きなメリットは、入荷から出荷業務までを一元管理できることです。導入前の段階で既にほかのシステムを利用している場合は、各システム間でデータ連携ができるかを確認しましょう。
3. 料金プランが自社に合ってるか確認する
在庫管理システムを導入するにあたり、どのくらいの費用がかかるのが気になる人も多いのではないでしょうか。
在庫管理システムの料金プランは、商品課金タイプや受注課金タイプが一般的です。製品によっては初期費用が不要な場合もあります。目的に応じて機能を追加できるプランもあるので、導入前からどのような機能が必要なのか把握しておきましょう。
在庫管理システムは、自社が求める機能性と料金プランのバランスが取れているかが重要です。
4. 保管場所を柔軟に変えられるか確認する
ロケーション管理によって保管場所を柔軟に変更できるか確認しましょう。ECサイトを運営する中で商品のラインナップが多様化してくると、倉庫内における在庫の置き場所も流動的に変える必要が出てきます。しかし倉庫内のスペースは有限なので、いつもの場所に在庫を保管できるとは限りません。
そのため在庫管理システムは固定ロケーションだけでなく、フリーロケーション管理に対応していることが重要です。在庫管理業務は、将来的に事業規模が大きくなり在庫数も増えることを考慮して、いつでも在庫の保管場所を変更できる体制にしておきましょう。
5. サポート体制が充実しているか確認する
導入前後で電話やメールなどのサポートを受けられるかを確認しましょう。
在庫管理システムは便利なサービスですが、自社用の運営体制を構築するまでには時間がかかります。特に導入直後はさまざまなトラブルに見舞われる可能性があるので、専門家のサポートを受けていつでも問題解決できるようにしておくことが大切です。
システムの使い方や料金プランなどで分からないことがあっても、親身になって相談に乗ってくれるサービスを選びましょう。
おすすめのEC在庫管理システム10選
本項では、おすすめのEC在庫管理システムを10種類ご紹介します。
1. CROSS MALL
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 5,000円~ |
無料トライアル | 要お問い合わせ |
外部連携 | POSシステム、ECモール、ECカート、送り状発行ソフト、物流サービス、WMS、メール管理ソフト、CRM、決済サービス、WEB領収書・納品書発行サービス |
提供形態 | ASP |
CROSS MALLは、商品登録から発注・仕入れまで一元管理できるツールです。ECモールの在庫情報をシステム上ですべて共有できるため、過剰在庫や在庫切れが発生しません。各モールにどれくらいの在庫数を保有するのか制限なく設定することも可能です。複数アカウントや複数拠点にも対応しています。
2. 速販シリーズ
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 30,000円 |
月額費用 | 8,000円~(在庫管理機能付きは42,000円) |
無料トライアル | 30日間 |
外部連携 | ECモール、ECカート、送り状発行ソフト、倉庫システム、メール共有ソフト、決済サービス |
提供形態 | SaaS |
速販シリーズは、商品ごとの受注管理を細かく設定できる在庫管理システムです。自動処理したくない注文がある場合は、別途特別のステータスで処理できます。イレギュラーな注文に対してもシステムが自動処理してくれるため、注文の対応漏れが発生しません。
専任アドバイザーが開発スタッフと連絡をとって、システム上のトラブルにも迅速に対応できます。
3. ネクストエンジン
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 10,000円+受注件数に応じた従量課金制 |
無料トライアル | 30日間 |
外部連携 | ECモール、ECカート、決済システム、送り状発行システム、POSシステム、倉庫・WMS、基幹システム |
提供形態 | ASP |
ネクストエンジンは、カスタマイズ性に優れた在庫管理システムです。リリースされているアプリをダウンロードすることで、ECサイトに必要な機能を自由に追加できます。APIが追加されているため、独自仕様のアプリを作成することも可能です。
在庫数の自動更新や在庫履歴の一元管理など、在庫管理に必要な機能も豊富に用意されています。
4. キャムマックス
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 月額費用の1ヶ月分 |
月額費用 | 基本料金(5万円)+ ID登録料(2万円)× ライセンス数 |
無料トライアル | 30日間 |
外部連携 | ECカート、POSシステム |
提供形態 | 要お問い合わせ |
キャムマックスは、バックオフィス業務を効率化するクラウドERPサービスです。卸や店舗、ECなどさまざまな販売チャネルに対応しています。Amazon Web Serviceを利用しているためセキュリティも万全です。専門のセキュリティ担当者を配置することなく安全に在庫管理できます。
5. まとまるEC店長
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 9,800円~ |
無料トライアル | 30日間 |
外部連携 | ECモール、ECカート、送り状発行ソフト、決済サービス |
提供形態 | 要お問い合わせ |
まとまるEC店長は、在庫自動更新や注文一括取込、メール送信管理などの機能を搭載した在庫管理システムです。無料トライアルが30日間設定されているため、事前に使いやすさや操作感などを確認できます。商品数のみで月額料金が決まるため、どれだけ売り上げが増大しても追加費用を支払う必要がありません。
6. アシスト店長
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 30,000円~ |
月額費用 | 20,000円~ |
無料トライアル | 15日間 |
外部連携 | ECモール、ECカート、送り状発行ソフト、倉庫システム、決済サービス、POSレジ、カスタマーサービスプラットフォーム、お問い合わせ管理ツール |
提供形態 | 要お問い合わせ |
アシスト店長は、CRM機能が搭載されているECプラットフォームです。システム画面からすべてのECモールの在庫情報を共有できます。%や数量などで在庫配分量を設定できるため、モールごとに在庫を振り分ける必要もありません。また、出荷伝票・受注伝票・納品書・後払い払込票がすべて1枚になったA4帳票を出力できます。
7. Aladdin office
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 要お問い合わせ |
月額費用 | 要お問い合わせ |
無料トライアル | 要お問い合わせ |
外部連携 | ECモール、ECカート、送り状発行ソフト、倉庫システム、メール共有ソフト、CRM、伝票発行システムなど多数 |
提供形態 | ASP |
Aladdin office(アラジンオフィス)は、幅広い業態に対応している業務管理システムです。商品別の在庫数はもちろんのこと、適正在庫割れ数を確認できます。在庫を物流系と資産系に分類管理することも可能です。入出庫入力機能によって、倉庫間移動での在庫の増減にも柔軟に対応できます。
8. 助ネコ
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 30,000円 |
月額費用 | 20,000円 |
無料トライアル | 30日間 |
外部連携 | ECモール、ECカート、倉庫システム、決済サービス、顧客対応ツール |
提供形態 | ASP |
助ネコは、ECサイトの受発注業務を総合的に管理できるEC管理システムです。複数のECモールやネットショップの在庫情報を一元管理できます。ベストのタイミングで発注お知らせメールを送信できるため、在庫切れを起こす心配もありません。また、通常販売用の商品とセット商品の在庫数を連携できます。
9. TEMPOSTAR
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 10,000円~ |
無料トライアル | 30日間 |
外部連携 | ECモール、ECカート、ヤフオク、決済サービス、物流システム、伝票発行ソフト |
提供形態 | ASP |
TEMPOSTARは、受注業務の自動化できるECサイト一元管理システムです。実店舗とECサイト間で在庫情報を共有できます。システム上で在庫の変更情報を反映できるため、個別にセット商品の在庫数を変更する必要もありません。
10. BCPOS ECサイト在庫管理システム
費用・機能 | 詳細 |
初期費用 | 30,000 円(サイトやツールの種類によって無料あり) |
月額費用 | ネクストエンジン:10,000円、ZAIKO ROBOT:1,500円~ |
無料トライアル | 要お問い合わせ |
外部連携 | ECモール、ECカート、BtoB用卸サイト |
提供形態 | ASP |
BCPOS ECサイト在庫管理システムは、クラウド連動型のPOSシステムです。管理用デバイスにZAIKO ROBOTやネクストエンジンを設定するだけで、 ECサイトの在庫管理業務を効率化できます。在庫の一元管理や自動更新など、在庫管理業務に必要な機能も豊富です。
ECサイトの在庫管理で意識したい3つのポイント
在庫管理システムを使って在庫管理する際に、意識したい以下のポイントを解説します。
- 需要を正確に予測して最小限の在庫量に抑える
- 回転率を上げて長期在庫商品を減らす
- 人的ミスを極力減らす
1. 需要を正確に予測して最小限の在庫量に抑える
在庫は保管するだけで倉庫代や人件費が必要になるため、需要を正確に予測して適正値を維持する必要があります。顧客ニーズを把握していないと、適切な在庫量を維持できなくなり、過剰在庫によって維持費が増加したり、在庫切れによって機会損失が発生したりするためです。
需要予測の方法としては、移動平均法や指数平滑法、加重移動平均法などさまざまなモデルがあります。それぞれ考え方や計算式が異なるため、いろいろ試してみて自社に合ったものを採用しましょう。
2. 回転率を上げて長期在庫商品を減らす
在庫は保管したままだと維持費がかかるため、回転率を上げて定期的に解消しなければなりません。回転率を意識することで、売れる商品とそうでない商品もわかるようになります。
まずは、過去の購買データなどから在庫回転率の目標値を決めましょう。目標値が決まったら、部門間で情報を共有し社内一丸となって目標の達成に邁進します。施策実施後は、予測値とのズレの原因を明らかにしたうえで、適切な目標値に修正することが大切です。
3. 人的ミスを極力減らす
受注管理システムや物流システムなど複数のツールを利用している場合は、各ツールの連携がうまくいかず、出荷忘れや数字の入力間違いなどの人的ミスに繋がる可能性があります。既にほかのツールを利用している場合は、連携機能をしっかりと確認しておきましょう。
部門ごとに作業内容がバラバラにならないように、在庫管理業務に関するルールを社内で統一することも大切です。
在庫管理を適切に行なって利便性の高いECサイトを構築しよう
ECサイトの効率的な運営には、適切な在庫管理が欠かせません。在庫切れや過剰在庫が発生しないように、システムを使って受発注業務を一元管理しましょう。在庫管理を適切に行って、利便性の高いECサイトを構築してください。
