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ECサイトの構築にASPカートを利用するメリット・デメリット

自社ECサイトを構築する際は、最初に構築手法を選択する必要があります。費用や時間をかけずにECサイトを構築するなら、ASPカートを利用する会社が多いでしょう。しかし、これまでECサイトの運営経験がなければ、ASPカートの機能や利用事例、特徴などわからない点は多いのではないでしょうか。

本記事では、ECサイトの構築にASPカートを利用するメリット・デメリットの解説や、ASPカートのサービス比較を行います。これからECサイトを構築する方はぜひ参考にしてください。

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ネット販売を行うためのECサイトは2種類

デスクトップパソコン
EC経由で自社の商品やサービスを販売するECサイトは、大きく分けると2種類です。

種類特徴
自社型自社で単独のECサイトを構築して、商品を販売していく方法
モール型インターネット上のショッピングモールであるECモールに出店・出品して、商品を販売していく方法

モール型の代表例は、Amazonや楽天市場などです。集客力が強い反面手数料が高額になり、維持コストもかかります。自社ECサイトには複数の構築手法があり、構築手法によって特徴が異なります。

自社ECの構築手法は5種類

自社ECサイトの構築方法は大きく分けると5種類あり、予算や開発にかかる時間などが異なります。以下に5種類の構築方法の初期費用(構築費用)と月額費用(ランニングコスト)についてまとめました。

構築種別初期費用月額費用
ASP0〜数十万円0〜数万円
オープンソース数百万円〜数万〜数十万円
ECパッケージ数百万円〜数万〜数十万円
クラウドEC数百万円〜数十万円〜
フルスクラッチ数億円〜数十万円〜

高額な予算をかけられない中小企業は、ASPを利用してECサイトを構築することが多いです。

ECサイト構築にASPカートを利用する4つのメリット

ノートパソコンとコーヒー
ECサイト構築手法としてASPカートを選択するメリットは多数あります。ここでは、ASPカートを使ってECサイトを構築するメリットを4つ紹介します。

  1. 手軽に導入できる
  2. 費用を抑えられる
  3. 開発時間がかからない
  4. 保守運用・機能追加を自社で行う必要がない

1. 手軽に導入できる

ASPでECサイトを構築する際は、ASPのシステムをレンタルして使います。自社でシステムを構築する必要がない上、システムに関する専門知識がなくても手軽に導入可能です。わざわざ外注する必要がありません。

また、導入後のページデザインに関しても、管理画面から簡単に編集できるASPがあります。HTMLなどWebデザインに関する知識がなくても、ECサイトの更新をしやすい点が特長です。

2. 費用を抑えられる

中小企業や個人事業主など経営規模が小さいほど、ECサイトの構築に高額な予算をかけられません。しかし、ECサイト構築でオープンソースなどASP以外の構築方法を選ぶと、初期費用だけで数百万円以上かかってしまいます。

ASPなら初期費用が無料〜数十万円程度、毎月の費用も無料〜数万円程度です。月額の固定費が無料で、売れた分だけ手数料を支払うタイプのASPも登場しています。このため、自社ECサイトで商品を販売できるか不安がある会社でも、導入しやすい状況になっています。

初期費用・毎月の費用ともに抑えられる点が、ASPの魅力です。

3. 開発時間がかからない

ECサイトの構築方法のうち、自社でシステムを構築するタイプを選ぶと、構築に1年以上もの時間がかかってしまうこともあり、なかなか導入できません。

ASPなら、クレジットカード導入の審査に時間はかかるものの、おおむね1週間程度で導入可能です。BASEなど、登録するだけでその日のうちに始められるASPも登場しています。

開発に長い時間をかけずとも短期間で構築できる点は、ASPのメリットです。

4. 保守運用・機能追加を自社で行う必要がない

自社でシステム構築した場合は、ECサイトの定期的なメンテナンスやシステムのアップデートを自社で行う必要があります。自社ECサイトをアップデートするタイミングは自社で選べますが、システムに関する知識が必要です。外注すれば制作会社へ支払うコストもかかってしまいます。

また、自社ECサイトに新しい機能を追加する際にも、同じように手間やコストがかかり、必要となるコストは高額です。

ASPを選択した時は、メンテナンスは基本的にASP側で行います。メンテナンスのタイミングに自社の都合は考慮されませんが、コストや手間がかからない点は魅力です。

ECサイト構築にASPカートを利用する3つのデメリット

パソコンとコーヒー
ここまでECサイト構築にASPカートを選ぶメリットをご紹介しましたが、いくつかデメリットもありますので、申し込む前に理解しておきましょう。

ここでは、ASPカートを使ってECサイトを構築する際に避けられないデメリットを、3つ紹介します。

  1. 機能・システムが限定されている
  2. カスタマイズ性が低い
  3. 外部システムと連携しにくい

1. 機能・システムが限定されている

ASPでは、あらかじめ準備されているシステムを使って、自社ECサイトを構築します。ASP側でシステムやサービスをアップデートすることはありますが、タイミングや内容を自社の都合に合わせてはくれません。

つまりASPだと、フルスクラッチなど他のECサイト構築方法のように自社の使い勝手に合わせて管理画面を変更することはできません。ASPによっては登録商品数が限られているなど、機能が制限されていることもあります。

ASPはあくまで与えられたシステムの中で自由に使えるものであり、機能やシステムのカスタマイズには対応していません。

2. カスタマイズ性が低い

ASPでECサイトを構築すると、デザインは数十種類のテンプレートの中から選択することになります。そのため、希望するECサイトのデザインによっては、思い通りにカスタマイズすることが難しいのが実状です。

ただし、ASPによってはテンプレートが豊富にあるサービスや、料金を追加することでテンプレートの選択肢を増やせるサービスもあります。

3. 外部システムと連携しにくい

ECサイトの売り上げを伸ばしていくためには、Web広告やSEO対策など、アクセス数を伸ばすための対策が必要です。アクセス数を伸ばすには顧客の行動パターンを分析して、それに合う施策を実施します。

効率よく顧客の行動パターンを分析するには、外部システム・データベースなどと連携するのがおすすめです。しかしASPカートは外部システムと連携しにくいものも多く、基本的にはあらかじめ搭載されているシステムを利用して分析します。

ECサイトの売り上げが伸びて規模が大きくなると、他の構築手法への移行が必要となることもあるでしょう。

ASPカートを比較する際の4つのポイント

デスクトップパソコン
ASPカートでのECサイト構築を決定した後は、ASPカートごとのサービスを比較する選定作業に移りましょう。ここでは、ASPカートを選ぶ際のポイントを紹介します。

  1. 初期費用
  2. 料金体系
  3. オプション費用
  4. 管理画面の使い勝手

1. 初期費用

ECサイトを構築する際はさまざまな費用が発生しますので、できるだけ初期費用を抑えたいものです。ASPカートの種類によって、必要となる初期費用が異なりますので、よく比較して選びましょう。中にはShopifyのように、初期費用無料で申し込めるASPもあります。

ASPを始める際の初期費用がかからない分、ページの構築やPRなどへの予算分配が可能です。

2. 料金体系

ECサイトを継続して運営していくなら、毎月かかるコストも気になるものです。ASPは複数のプランを用意している場合もあり、プランによって売り上げごとにかかる手数料やサービス内容などが異なります。

ASPでECサイトを構築する時、月額の決まった料金は高くても数万円程度です。中にはBASEやSTORESなどのように、月額料金が無料というASPもあります。

ただし月額料金が安くても売り上げが伸びると、売上にかかる手数料の負担によって割高になることもある点も考慮して選びましょう。

3. オプション機能

ASPにおける低料金のプランは機能が少ないこともあるため、必要な機能が搭載されているかどうかをよく確認して選びましょう。拡張機能や定期販売機能、越境販売、SNS連携など、ASPや料金プランによっては搭載されていない機能もあります。

また、ASPの中には、機能は追加できてもオプション料金が発生することもありますので、オプション料金も合わせたコストを確認しましょう。

4. 管理画面の使い勝手

クラウドECなどASP以外の方法でECサイトを構築すると、自社に合わせたECサイトの構築が可能です。ASPは、あらかじめ準備されたWeb上の管理画面でショップ管理を行います。

管理画面の表示を、公式サイトに掲載しているASPもあります。自社にとって扱いやすいか、同業他社に選ばれているかなどを参考にしてASPを選びましょう。

ASPカートのおすすめサービス5選

ASPカートには10種類以上のサービスがありますが、どのサービスが自社に適しているのか判断しきれないこともあります。そこで、おすすめのASPカートとその特徴を紹介します。

  1. Shopify
  2. STORES
  3. BASE
  4. MakeShop
  5. カラーミーショップ

1. Shopify

Shopifyは、越境ECに強いことで知られるASPで、初期費用はかかりません。133の通貨で販売でき、販売チャンネルを最大20言語設定できます。

Shopifyの料金プランは月額29ドルの「ベーシック」、月額79ドルの「スタンダード」、月額299ドルの「プレミアム」の3種類です。料金が上がるごとに決済にかかる手数料率が低くなり、機能は充実します。

Shopifyには他にも簡易的なプランや、大企業向けのプランもあり、事業規模に合わせたプランを選択可能です。

越境販売を検討している人や、売り上げに合わせて料金プランを変えていくことを視野に入れているなら、Shopifyを検討してみてください。

Shopifyの公式サイト

2. STORES

STORESは、初期費用無料で始められるASPです。

月額料金無料の「フリープラン」と、月額料金2,178円(税込)の「スタンダードプラン」があります。スタンダードプランの方が、決済手数料率は低く設定されています。どちらのプランでも販売手数料はかかりません。

他社に比べ決済手数料が低く設定されていて、10万円売れた時の手数料は5,000円です。

フリープランでも商品登録数は無制限なため、多くの商品を取り扱えます。ASP導入時のコストを抑えたい人には、STORESがおすすめです。

STORESの公式サイト

3. BASE

無料でECサイトを始められることで知られているBASEは、初期費用・月額費用ともに0円です。商品が売れた時や売上金の入金時、オプションの追加などには手数料や費用が発生します。

他のASPのようにクレジットカード審査がありませんので、必要なページの準備や商品登録さえ終われば、最短で即日ECサイトを開設可能です。

また、HTMLなどWebデザインの知識がなくてもカスタマイズできますので、Webに関する知見が乏しいという場合でも気軽に始められます。

BASEの公式サイト

4. MakeShop

MakeShopは、IT大手のGMOグループ傘下にあるASPで、11,000店舗超の店舗に利用されています。

料金プランは月額11,000円(税込)の「プレミアムプラン」、55,000円(税込)の「MakeShopエンタープライズ」の2種類と、他社に比べると高額ですが、売上手数料はかかりません。また、プランごとに初期費用も必要です。

AmazonやYahoo!ショッピングとの連携機能、まとめ買い機能やSNS連携、サポートなど、他のASPに比べて機能は充実しています。商品登録数の上限が10,000と限りはありますが、ほとんどのショップにとって十分な商品数と言えるでしょう。

高額な売り上げを期待できるECサイトや、充実した機能を求めるなら、ASPはMakeShopを検討してみてください。

MakeShopの公式サイト

5. カラーミーショップ

カラーミーショップは、月額費用が比較的低価格であることで知られるASPです。日本でインターネットが普及し始めた2005年頃にサービスを開始しています。

カラーミーショップのプランは、月額費用が無料の「フリー」、月額3,300円の「レギュラー」、月額7,945円の「ラージ」の3種類です。販売手数料はかかりませんが決済数料が必要で、フリーは手数料率が高く設定されています。

販売手数料を抑えて利益率を上げたいなら、カラーミーショップもおすすめです。

カラーミーショップの公式サイト

ASPカートを使ったECサイト構築にお困りならフリーランスに依頼しよう

ASPカートを使ってECサイトを構築するなら、ほとんどのASPでHTMLなどWebデザインに関する知識が必要です。しかし、自社にWebデザインの知識がある人材がいない場合や、知識はあっても本業が忙しく時間を割けないことも多くあります。

ASPカートでのECサイト構築になかなか着手できない時は、外部への依頼を検討してみましょう。

ランサーズでは、日本全国のECサイト構築の経験豊富なフリーランスに直接相談できます。オンライン経由で、最短即日でお仕事を相談・依頼できますので、ぜひ検討してみてください。

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費用や機能を考慮して自社に合うASPカートを選びましょう

本記事では、ASPカートでのECサイト構築についてお話ししました。再度、ポイントをまとめます。

  • 中小企業が自社ECサイトを構築するなら費用や時間を抑えられるASPがおすすめ
  • ASPによってはWebデザインの知識が不要
  • ASPは他の構築方法に比べると機能は限られている
  • ASPは機能や費用・使い勝手などを比較して選ぶ
  • 月額・初期費用無料のASPもある

費用や導入にかかる時間を抑えて手軽に自社ECサイトを構築するなら、ASPの利用がおすすめです。それぞれの特徴を比較検討して、自社に合うASPを選びましょう。

また、自社ECサイトの構築にWebデザインの知識が必要なASPも多数あります。必要に応じてフリーランスへの依頼も検討しながら、ECサイトの構築をスムーズに進めていきましょう。

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