ECサイトの運営経験や知識が足りないと、どのようにして自社ECサイトを構築すればよいのかわからなくなる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ECサイトを構築する7つの方法について詳しく解説します。料金やメリット・デメリット、おすすめの人や企業などについても解説しますので、それぞれの特徴を押さえて自社に合った方法をみつけてください。

目次
ECサイトの構築ツールとは
ECサイトを構築するために、さまざまなツールが利用されています。それぞれのツールごとに費用や特徴、メリットやデメリットが異なります。ECサイトを構築する目的や重視したいポイントに合わせたツールや手法を選びましょう。
次にECサイトを構築するツールごとの特徴や費用について解説していきます。
ECサイトを構築する7つの方法
ECサイトを構築する方法として有名なのは、以下の7つです。
- フルスクラッチ
- パッケージ
- クラウドEC
- オープンソース
- ASP
- SNS
- ECモール
1. フルスクラッチ
フルスクラッチとはゼロから要件やサイト構成を設計し、ECサイトを構築する手法のことです。ベースからシステムを構築するため、最も自由度の高いECサイトを制作できます。自社でシステムを管理するため、必要に応じて機能を追加・削除することも可能です。サイト内に改善点が見つかってもすぐに対処できます。
ただしメンテナンスや保守点検などを自社で行うため、高い専門スキルと知識がないと満足に運用できません。また、サーバなどの各種インフラを自社で用意する必要があるため、初期投資として数千万円規模のお金が必要です。
2. パッケージ
パッケージは、ECサイトの構築や運営に必要な機能をパッケージ化した商品です。カスタマイズ機能が豊富で、ある程度大規模なECサイトでも問題なく構築できます。ECサイトの構築経験がない層にも需要が高く、事業としてサービスを提供しているベンダーも多くなっています。
ただし、ベンダーから直接製品を買い取る形になりますので、初期費用として最低でも500万円ほど必要になります。また、ある程度時間が経つとシステムが陳腐化するため、数年ごとに大規模なリニューアルが必要です。
費用の高さは機能性やカスタマーサポートなどに反映されていますので、パッケージ製品自体の費用対効果はそれほど低くありません。自社ECサイトに必要な機能やサポート対応が期待できるなら選択肢のひとつとして考えてもよいでしょう。
3. クラウドEC
クラウドECは、ベンダーのクラウド上でECサイトを構築する方法です。ASPよりもカスタマイズ性能が高く、外部ツールとの連携機能にも優れています。しっかりと整備された外部インフラを利用するため、アクセス増などによってサーバーダウンする心配もありません。
ただし、ベンダー側がソースコードを提供していないため、自社でシステム管理したい人には不向きです。また、構築費用として数百万円以上かかるため、導入コストもそれほど低くありません。以上の点から、クラウドECは、ある程度予算があり最新のセキュリティやサーバ環境でECサイトを運営したい人におすすめします。
4. オープンソース
オープンソースは、無料で提供されているソースコードを利用してECサイトを構築する方法です。ソースコードが公開されているためにカスタマイズしやすく、自社独自のECサイトを構築できます。システム管理を自前で行うため、外部企業とサイトのデータを共有する必要もありません。
ただし、ソースコードを改変するため、自社用にサイトをアレンジするのにある程度の専門知識やスキルが必要になります。技術的なトラブルなどにも自社で対応する必要があるため、高レベルのエンジニア人材がいる企業におすすめです。
5. ASP
ASPは、必要最低限の機能を備えたECサイトの構築プラットフォームです。ベンダー側が提供するクラウド上でECサイトを構築するため、自社でインフラを用意する必要がありません。初期費用や月額費用が安く、システムの自動アップデート機能も備えています。
ただし他の構築方法と比べてカスタマイズ性が低いため、独自性のあるECサイトを構築したい人には不向きです。売上が増大するにつれて、販売手数料も増えていきます。できるだけ迅速にECサイトを構築・運営したいという人におすすめです。
6. SNS
SNSは、Facebookに標準搭載されているショップ機能を利用して、ECサイトを構築する方法です。FacebookとInstagram上に自社商品やサービスを掲載できます。FacebookやInstagramで商品を販売したい人におすすめです。
7. ECモール
ECモールは、Amazonや楽天などの大手ショッピングサイトを利用して、自社ECサイトを構築する方法です。大手ショッピングサイトのブランド力や知名度を利用できるために、自社でのマーケティングや集客は不要です。需要のある商品を出品すれば一定の売り上げが見込めるため、初めてECサイトを構築する人にもおすすめです。
ただし競合もすべて同じインフラを利用するため、サイトのデザインや機能などで差別化できません。サイトの独自性をアピールできないため、シンプルに価格や商品の人気度で売り上げが決まります。価格競争になりやすい点にも注意が必要です。
ECモールには「テナント型」「マーケットプレイス型」の2つがあります。
テナント型は、大手ショッピングサイト内に自社ECサイトを構築する方法です。実店舗におけるテナントと同じなので、ひとつのショッピングサイト内に多くのECサイトが乱立します。
マーケットプレイス型は、自社ECサイトを構築せずに、大手ECサイトに自社商品だけを出品する形態です。
方法別のECサイト構築費用・特徴一覧表
ECサイト構築の7つの方法ごとに、費用やメリットを比較表としてまとめました。
構築方法 | 費用 | メリット | デメリット | おすすめの人・企業 |
---|---|---|---|---|
フルスクラッチ | ・構築費用:数千万円~ ・月額費用:数十万円~ | ・カスタマイズ性が高い ・PDCAサイクルを回しやすい | ・大きなコストがかかる ・専門的なスキルが必要 ・数年ごとにアップデートが必要 | 資金と人材に余裕がある企業 |
パッケージ | ・構築費用:500万円~ ・月額費用:10万円~ | ・カスタマイズ性能が高い ・サポートが充実している | ・ある程度の初期費用がかかる ・数年ごとにアップデートが必要 | 資金に余裕があり自社でECサイトを運営したい企業 |
クラウドEC | ・構築費用:300万円~ ・月額費用:10万円~ | ・カスタマイズ性能が高い ・外部連携がしやすい | ・ある程度の初期費用が必要 ・自社で保守管理したい人には不向き | 最新の環境で EC サイトを構築したい企業 |
オープンソース | ・構築費用:無料 ・月額費用:10万円~ | ・導入コストが低い ・ソースコードを管理できる | ・高レベルな人材が必要 ・数年ごとにアップデートが必要 | 高レベルなエンジニア人材がいる企業 |
ASP | ・構築費用:~10万円 ・月額費用:~10万円 | ・導入コストが低い ・システムが自動でアップデートされる | ・大規模サイトには不向き ・カスタマイズ性能が低い | ECサイトをできるだけ早く構築したい人 |
SNS | ・構築費用:無料 ・月額費用:無料 | ・導入コストが低い ・SNSの利用者をターゲッティングできる | ・最近のサービスなため実績が乏しい ・カスタマイズ性能が低い | FacebookやInstagram内にECサイトを構築したい人 |
ECモール(テナント型) | 【楽天(テナント型)】 ・月額費用:19,500円~100,000円 ・システム利用料:2.0~7.0% ・決済サービス利用料金:月間決済高の2.5%~3.5% ・楽天ポイント:会員が購入した代金の1.0% ・取引の安全性などに関わるシステム利用料:月間売上高の0.1% ・楽天スーパーアフィリエイト負担分:売上の2.6%~ ・R-Messe(チャットツール):月額3,000円~ + 従量課金 | ・集客やマーケティングが必要ない ・ECサイトの構築が簡単 | ・サイトの差別化が難しい ・価格競争になりやすい | 集客やマーケティングが苦手な企業 |
ECモール(マーケットプレイス型) | 【Amazon(マーケットプレイス型)】 ・月額費用:4,900円 ・販売手数料8%~15% |
ECサイト作成のオススメ10の手順
ECサイトは、以下の手順に沿って構築していきます。
- コンセプト定義
- 予算やスケジュールの確認
- 要件定義
- ECプラットフォーム選定
- ワイヤーフレームとコンテンツマップの作成
- 決済手段の選定
- サイトデザイン制作
- 商品登録・諸設定
- テスト注文
- オープン
手順に沿ってECサイトの作り方を解説します。
コンセプト定義
ECサイトのコンセプトを決めておかないと、イメージしていたECサイトと異なるものができたり、その後の構築工程が遅れたりするリスクが生じます。以下のポイントをふまえて、ECサイトのコンセプトをまず明確にしておきましょう。
- ECサイトの目的(何のためにECサイトを作るか)
- ECサイトのテーマやデザイン、機能(どんなECサイトにしたいか)
- ECサイトで提供する価値
- ECサイトのターゲット(誰に向けてのECサイトか)
ECサイトのコンセプトを明確にするために有効なのが、競合の分析と事業計画の立案です。ECサイトは場所を選ばず開業できる一方で、ライバルが増えます。あらかじめ競合の分析を行うと、自社ならではの魅力やセールスポイントなどが把握でき、コンセプト定義に役立つでしょう。
事業計画は、ECサイトやEC事業をどのように成長させたいかを踏まえて中長期的な計画を立てることが重要です。
予算やスケジュールの確認
ECサイトを構築するために必要な工程、タスクを洗い出しして予算感やスケジュールなどの条件を確認しておきます。ECサイトの運用開始時期から逆算してスケジュールを立てますが、最低でも3か月は見積もっておきましょう。
要件定義
ECサイトのコンセプトを実現するために必要な機能およびシステムなどを洗い出し、選定します。機能やシステムの設計漏れを防ぐために、以下のポイントをふまえて洗い出しや選定を行いましょう。
- ECサイトの業務フローをこまかくイメージする
- 競合サイトを分析して機能やシステムを参考にする
- 事業計画と同じく中長期的に考える
あらかじめ確認しておいた予算感やスケジュールを元に、ECサイト構築に必要な要件定義を行います。
ECプラットフォーム選定
機能やシステムの洗い出しや選定が完了したら、以下の手順でECプラットフォームやツールを選定します。
- 自社ECかECモールにするかを決める
- 自社ECの場合は何のプラットフォームにするかを決める
- サービスやツールの選定をする
最初に、 ECサイトを自社で構築する自社ECにするか、ECモールにするか決めます。自社ECの場合は前述の6つの方法のうちいずれか(フルスクラッチ、パッケージ、クラウドEC、オープンソース、SNS、ASP)を選びましょう。その後利用するサービスやツールを選定し、具体的なECプラットフォームを決めます。サービスやツールを選ぶときのポイントは以下の通りです。
- 機能の充実度
- カスタマイズ性
- 拡張性
- コスト
- サポート体制
複数のサービスやツールを比較して選ぶために、相見積もりをするとよいでしょう。
ワイヤーフレームとコンテンツマップの作成
ECプラットフォームが決まったら、ワイヤーフレームを作成します。ワイヤーフレームには、ECサイトの各ページに入れる機能や要素、配置を入れていきます。さらにECサイト全体で必要なコンテンツを整理し、コンテンツマップを同時に作成しましょう。
決済手段の選定
ECサイトで利用できる決済手段を決めます。自社の商材とコンセプト設計で明確にした、ECサイトのターゲットに合わせた決済手段を選定しましょう。ターゲットがよく利用する決済手段がないと、かご落ちやECサイト離脱の原因となります。
おもなECサイトの決済手段は以下の通りです。
決済手段の種類 | 特徴 |
---|---|
クレジットカード決済 | ・ECサイトでもっとも利用されている決済方法 ・即時決済のため未払いなどのトラブルが起きにくい ・不正利用が発生するリスクがある |
コンビニ決済 | ・郵送で届く払込票、または通知される払込番号をもとに、コンビニで支払いを行う ・クレジットカードを利用しない層や、利用できない未成年なども利用できる ・払込遅れや払込忘れによるキャンセルが発生することがある |
キャリア決済 | ・キャリア(NTT docomo、au、ソフトバンク)の携帯電話料金とECサイトでの購入代金を一緒に支払う方法 ・決済操作がかんたんなため、かご落ちリスクを防ぎやすい ・クレジットカード決済よりも手数料が高い |
代金引換 | ・品物を受け取ったときに代金を支払う ・商品と引き換えに代金を回収できるので未払いリスクがない ・手数料が高い |
後払い決済 | ・商品受け取り後、金融機関やコンビニで支払いを行う ・後払い決済事業者が代金回収を行うため、未払いリスクがない ・商品を確認してから支払いをしたい商材向き ・決済事業者との契約や手数料の支払いが発生する |
銀行振込 | ・購入後、指定の銀行口座へ代金を振り込む方法 ・即時決済、振込確認後商品発送のため未払いリスクがない ・決済手段としての歴史が長いため、クレジットカードのない層や、ネットリテラシーの低い層にも向いている ・消込作業の手間がかかる |
電子マネー決済 | ・交通系(SuicaやICOCAなど)、小売系(WAONやnanacoなど)で展開している電子マネーによる決済 ・プリペイド式、ポイント還元があるなどで電子マネーを選びたい層向け ・最大チャージ額(2万円までなど)が設定されているため、高額商材には向いていない |
多通貨決済 | ・クレジットカードを使って海外の通貨価値を基準に決済できる ・海外ユーザー向け ・1ドルのまま決済されるため、為替の変動によるリスクあり |
ID決済 | ・外部で登録されている会員情報と連携して決済する方法。Amazon Pay、d払い、楽天ペイ、PayPayオンライン決済などがある ・面倒な情報入力がないためかご落ちや離脱を防げる ・ターゲットに合うID決済を選ぶ必要がある |
PayPal | ・あらかじめクレジットカード情報や銀行口座を登録したPayPalのアカウントを利用した決済方法 ・海外ユーザーを取り込みやすい ・日本では一般的ではない |
決済方法が多ければ多いほど多くのユーザーを取り込める一方、手数料の発生や契約などの手間がかかります。商材やサービス、ターゲットに合わせて複数の決済方法を選定しましょう。
サイトデザイン制作
ECサイトのデザインを制作します。サイトデザインで踏まえておきたいポイントは以下の通りです。
- サイトのコンセプトに沿っているか
- ユーザーが使いやすい・見やすいか
おしゃれなサイトデザインでも、商品の場所が分からない、重いなど使い勝手の悪いサイトではユーザーは離脱してしまいます。デザイン性と利便性両方をふまえてサイトデザインを制作するのが重要です。
サイトデザインを設計するページや項目は以下の通りです。
- TOPページ
- 商品の詳細ページ
- カテゴリ一覧
- 問い合わせページ
- ショッピングカート
- PC向けおよびスマートフォン向け
ECサイトでデザインできる機能や範囲は、選定したプラットフォームによって異なります。カスタマイズ性が低ければサイトデザインにオリジナリティが出せません。カスタマイズ性が高いとサイトデザインの自由度は高くなりますが、デザインを自分で構築するか、外部のデザイナーに依頼する必要があります。プラットフォームのデザインのカスタマイズ性や拡張性も確認しておきましょう。
商品登録・諸設定
サイトデザインが完成したら、ECサイトで実際に販売する商品を登録していきます。事前に商品画像や説明文をSCVデータなどでまとめておくと、一括登録できるため便利です。価格や説明文、画像など商品登録情報に誤りがあると、クレームやトラブルの原因となるので、正確かつ慎重に登録しましょう。管理画面で商品登録や設定がわからないときは、サポートが受けられるかどうかもチェックしておきます。
テスト注文
商品登録やいろいろな設定が完了したら、ECサイト上での購入や注文が完了できるか、テスト注文を行います。以下のポイントを踏まえて、ECサイト上でユーザーがたどる導線に沿ってテスト注文を実行しましょう。
- 商品購入までスムーズか
- 受注、決済、配送などのデータ処理は適正か
- 受注から発送までの業務をスタッフはスムーズに行えるか
- 決済会社、倉庫、コールセンターなどと連携は取れているか
テスト注文前に、スタッフのオペレーショントレーニングもあらかじめ完了しておきます。
オープン
テスト注文まで完了したら、ECサイトをオープンします。ECサイトのオープンとともに以下を行なっておきましょう。
- 集客のための施策
- トラブル対策
- リニューアル体制を整えておく
ECサイトはオープンしただけでは集客が見込めません。SNSやメール、プレスリリースでのオープンの告知や、SEO対策やWeb広告の出稿などのマーケティング施策など、集客のための施策を行っておきましょう。
ECサイトをオープンさせると、配送ミス、返品交換、クレームなどいろいろなトラブルが発生する可能性も高いです。トラブル発生時は適切な対処ができるように、マニュアル整備や過去に起きたトラブルの共有などの対策をしておきましょう。
ECサイトを成長させるためには、運用にあたって改善点を洗い出し、サイトのリニューアルも必要となります。リニューアルができる体制もあらかじめ整えておきましょう。
ECサイトを構築する際に意識したい5つのポイント
ECサイトを構築する際は、どのような点に注意すればよいのでしょうか。意識したい5つのポイントは下記のとおりです。
- ECサイトを構築するのにどのくらいのコストがかかるか
- 自社が求める機能を実装できるか
- 高度なセキュリティのもと運用できるか
- ベンダーから十分なサポートを受けられるか
- しっかりとした制作スケジュールを組んでいるか
それぞれのポイントを詳しく解説します。
1. ECサイトを構築するのにどのくらいのコストがかかるか
ECサイトを構築するのにどのくらいの費用が必要になるのか、事前によく確認しましょう。フルスクラッチやパッケージ、クラウドECだと、ECサイトを構築するだけで数百万円以上かかることも珍しくありません。無料で提供されているサービスでも、販売手数料などが別途かかります。
年商が1億~数十億円以上あるECサイトでは、フルスクラッチやパーケージ、クライドECを利用しても特に問題ありません。一方、年商1億円に満たないECサイトはそれほどコストをかけられないため、SNSやASP、オープンソースなどが現実的な選択肢になるでしょう。
2. 自社が求める機能を実装できるか
自社が求める機能をどれだけ提供できるか、という点も重要です。プラットフォーム内に自社ECサイトの目的に合った機能がすべて搭載されているか確認しましょう。
一般的に、導入コストが高い方法ほど高機能なECサイトを作成できるといわれています。そのためコストを抑えたい人は、オープンソースなどのカスタマイズ性能が高いプラットフォームを利用して、後から必要な機能を追加していく方法もおすすめです。
3. 高度なセキュリティのもと運用できるか
ECサイトは顧客の住所やクレジットカード番号などを扱うため、高レベルなセキュリティのもと運営しなければなりません。セキュリティ不足だと顧客の個人情報が漏えいし、事業活動が困難になるほどの問題に発展する可能性もあります。
ECサイトの構築プラットフォームは、ベンダーごとにセキュリティのレベルが異なるため、システム面や企業としての取り組み方などをもとに導入の可否を決めましょう。
4. ベンダーから十分なサポートを受けられるか
ベンダーが具体的にどのようなサポートを実施してくれるのか、確認しましょう。ECサイトの構築だけでなく、デザインの作成や広告運用など、ECサイトの運営に役立つサポートを行ってくれるところがおすすめです。
どのくらいの人数でサポートを実施してくれるのかも確認しましょう。ベンダー側の人材が不足していると、必要なときに満足のいくサポートを受けられなくなる可能性があります。ECサイトの構築から運営まで、同じスタッフにサポートしてもらうのが理想的です。
5. しっかりとした制作スケジュールを組んでいるか
ECサイトを構築する際は、しっかりとしたスケジュール表を制作しましょう。「1年後に月商300万円を達成する」といった目標を決めて、必要な日数や工程、機能などを決めてください。売り上げだけでなく月額のランニングコストを概算することも大切です。
既存のECサイトをリニューアルする際に注意したい4つのポイント
既存のECサイトを再構築したい人向けの注意点は以下の4つです。
- 事前にリニューアルすることを通知する
- リダイレクトの設定を行う
- 乗り換え前のベンダーとも良好な関係を築く
- 既存ECサイトのバックアップを取っておく
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
1. 事前にリニューアルすることを通知する
ブラウザにパスワードやIDを記憶させているユーザーは、再構築後に既存のログイン情報が使えなくなる場合があります。そのためECサイトを構築する際は、事前にリニューアルすることをユーザーに通知しておきましょう。
また、再構築後にログイン認証が変わると既存ユーザーの離脱につながる可能性があるため、リニューアル後は再登録キャンペーンなどを実施するのがよいでしょう。
2. リダイレクトの設定を行う
リダイレクト設定とは、検索エンジンのクローラーにURLが変更したことを永続的に伝えることです。既存URLのSEOを新規URLに引き継がせるために必要なので必ず設定しましょう。
特にアクセス数やコンバージョン率の高いページは、ECサイトの売り上げに直結する重要なページです。ページのURLが変わってSEOが無効化すると損失につながるため、かならずリダイレクト設定しましょう。
URLの変更がない場合は、リダイレクトの設定も不要です。
3. 乗り換え前のベンダーとも良好な関係を築く
ECサイトをリニューアルする際は、既存サイトのデータを引き継いだり、URLを変更したりする必要があるため、乗り換え前のベンダーと良好な関係を築く必要があります。特にシステム変更も伴うような大幅なリニューアルは、フルスクラッチで制作していない限り、自社だけでは対応できません。
4. 既存ECサイトのバックアップを取っておく
サイトのリニューアルは、大掛かりになるほど意図しない動作やトラブルを招きます。最悪の場合、ECサイトシステムを止めてしまう可能性があるため、いつでも既存のECサイトに戻せるようバックアップを取っておきましょう。
既存のシステムに戻せない場合は、リニューアル後のトラブルを想定して、事前に対応マニュアルや運用体制を構築しておくことが大切です。
プラットフォームごとの特徴を理解して自社に合ったやり方でECサイトを構築しよう
ECサイトの構築方法は、以下の7つです。
- フルスクラッチ
- パッケージ
- クラウドEC
- オープンソース
- ASP
- SNS
- ECモール
それぞれ、料金やメリット・デメリットなどが異なるため、プラットフォームごとの特徴を理解して、自社に合ったやり方でECサイトを構築してください。
