EC事業者の皆様は、スマートフォンでのマーケティング・集客にどれほど力をいれていますでしょうか?2010年以降に徐々にスマホシフトが進んでいますが、
・なかなか自社のECサイトをスマホ化できていない or 踏ん切りがつかない
・PCでの広告やメルマガはなれているが、スマホに適したマーケティングはよくわからない
・実際に自社サイトにはパソコン(PC)経由でしか人が来ていないと思う
といった事業者様やマーケティングのご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、「スマートフォンによるEC市場の拡大」や、それに応じて「どう消費者の行動が変わっているのか」を6つのデータ(インフォグラフィック)でご紹介。さらには今後のECにおけるスマホマーケティングのヒントも一緒に考えます。

目次
1枚で学ぶ!ECのスマホ化を示す6つのデータ
日本のEC化率はまだ4%!食品・衣類・化粧品などは成長の期待大
最初の2つのデータは、日本のECの成長具合を全体・各分野毎に示したデータです。
- BtoCにおけるEC化率は2014年で4.4%
- BtoCのEC市場規模は12.7兆円
- 2013年比の成長率は13.5%(2014年)
と順調に成長している様子が伺えます。EC事業サイドにいるとECは一般的になった印象を持ちますが、全体から見るとまだまだ拡大の余地が大きく、実際に成長している様子が伺えます。
ファッションや化粧品、食品は潜在的なEC市場が大きい分野
また、物販系分野のBtoC EC化率ランキング(2014)では、「ファッション・化粧品・食料品」といった分野が、「EC化率は低いけど既存の市場規模が大きく、成長が期待できる分野」であることがわかります。
- ファッション | EC化率:8.1%、現在のEC市場規模:1.2兆円
- 化粧品 | EC化率:4.1%、現在のEC市場規模:0.4兆円
- 食料品 | EC化率:1.9%、現在のEC市場規模:1.1兆円
楽天やZOZOTOWNなどの大手ECでは、既にスマートフォン比率が50%以上
3つめのデータでは大手ECサイトにおけるスマートフォン比率をご紹介しています(各社IR資料参考)。楽天(54.2%、2015)やZOZOTOWN(68.2%、2015)は、50%以上がスマホによる購買になるなど、まさに「ECの主役はPCではなくスマートフォン」が現実となっています。
スマホによるECが急成長する背景には「消費者行動の変化」
スマートフォンによるインターネット利用者が4,800万人に達しPCに肉薄
このECのおけるスマホ化の背景には、「スマートフォンを中心とした生活」が消費者の中で一般化していることが大きく影響しています。
データにもあるように、2015年のインターネット利用者数はパソコン経由が5,100万人、スマートフォン経由が4,800万人とかなり肉薄しており、2016年には逆転が予想されています。
また、実数もそうですが、パソコン経由でのインターネット利用者は年々減少しているにも関わらず、スマホ経由の利用者は2,800万人(2013年)→4,800万人(2015年)と、急激に伸びていることは注目に値します。
メディアの接触時間では2015年にスマートフォンがパソコンを逆転
インターネット利用者数ではまだパソコンがスマートフォンを上回ってますが、1日あたりのメディア接触時間(各メディアを使用している時間)の割合ではスマートフォンが逆転しています。
スマートフォンが少しずつ普及しだした2010年はわずか7%でしたが、利用者数が増えるにしたがって、2015年には1日のメディア接触の21%をスマートフォンで行うようになっています。
特に5年ほど前は「スマホは遅い」などの問題があったため、家ではパソコン派という人が大多数でした。その後、LTEなどの高速回線が普及したこともあり、家にいながらパソコンは使わずにスマホでお買い物、というライフスタイルも定着してきたのではないかと予想できます。
スマホで買い物をするユーザーの情報収集ニーズに合わせたマーケティング
6つめのデータとしては、ネットでお買い物をするユーザーの行動に関するデータです。ネットで買物をする前にスマホで情報収集するユーザーは57%と過半数を超えています。特に子供のいる既婚女性は72%と多くなっているので、この層をターゲットにしているEC事業者にとっては見逃せない数字になっています。
この「買い物前にスマホで情報する」というユーザー行動がスマートフォン向けのマーケティングにとっては1つのキーポイントになります。
モバイル広告はもちろんですが、情報収集をしているユーザーに情報をきちんと提供する=情報収集している人がスマホでオウンドメディアにアクセスできる状態をつくることが、ユーザーの生活の中心にスマホが位置する現在に必要なマーケティングの考え方になります。
「そもそも自社にはスマホユーザーは少ない」というのは実は「そもそもスマホユーザーが情報収集過程でたどり着ける情報がない」ということも十分考えられます。
また、「スマホに向けた集客経路がわからない」といったマーケティング担当者の方は、消費者がスマホをどういう目的(ex. 情報収集)で、どう使っている(ex. 検索やSNS)を把握すると、スマホマーケティングに必要な施策が見えてきやすくなります。
