これまで、Shopifyでの自社ECサイトの管理と楽天市場の管理は、別の管理画面から行わなければならず大変でした。2021年にShopifyと楽天市場の連携が始まったため、現在はShopifyで注文や在庫管理の一元管理が可能です。しかし、どのように連携させればいいのかわからず、まだ着手できていないECサイト担当者は多いでしょう。
本記事では、Shopifyと楽天市場の連携方法をご紹介します。Shopifyと楽天市場連携時の注意点なども紹介していますので、Shopifyと楽天市場の連携に向けて必要なことを知りたい方は、ぜひご一読ください。

目次
Shopifyと楽天市場の連携手順【楽天市場への出店がまだ】
楽天市場にはまだ出店しておらず、これからShopifyと連携させて運営していきたい場合は、まず楽天市場への申し込みが必要です。楽天市場への申し込みはShopifyの画面からできます。
Shopifyから楽天市場へ申し込み、連携させる手順を見ていきましょう。
- 販売チャネルを追加
- 楽天市場への出店審査申し込み
- 審査に通過したら楽天市場のアカウント情報を入力
- 商品を登録
- オープン審査を通過したら稼働
1. 販売チャネルを追加
まずは下記のいずれかの方法で、Shopifyの販売チャネルに楽天市場を追加しましょう。
- 管理画面から追加する
- アプリを追加する
Shopifyの管理画面から追加する方法は、Shopifyの管理画面を開き、「販売チャネル」の隣にある「+」をクリックしてください。表示されるポップアップ画面で「Rakuten Ichiba (JP)」を選択すると、Shopifyへの販売チャネル追加ができます。
アプリを追加する方法は、Shopify app storeで「楽天市場販売チャネル」を検索し、「アプリを追加する」をクリックしてください。
2. 楽天市場への出店審査申し込み
Shopifyの販売チャネルに楽天市場を追加したら、管理画面から「出店申し込みをする」をクリックしましょう。
楽天市場のプランを選び、出店手続きを進めていきます。楽天市場には下記3種類のプランがありますので、自社の状況に合うプランを選んでいきましょう。
プラン名 | 月額出店料 |
がんばれ!プラン | 19,500円(税別) |
スタンダードプラン | 50,000円(税別) |
メガショッププラン | 100,000円(税別) |
楽天市場への申し込みには書類の提出が求められることもありますので、必要に応じて提出してください。楽天市場への出店手続きに必要な手続きを終えたら出店審査がありますので、結果が出るまで少し待ちましょう。
3. 審査に通過したら楽天市場のアカウント情報を入力
楽天市場の審査に通過したら、Shopifyと連携させていきましょう。Shopifyの管理画面で「楽天市場」を選択したら、「出店情報を入力する」を選択して、下記の情報を入力していきます。
- 開設した楽天市場の店舗URL
- RMS APIライセンスキー
- SMTPのID・パスワード
上記の情報を入力後「接続」をクリックすると、Shopifyと楽天市場が連携できるようになります。
4. 商品を登録
Shopifyと楽天市場の連携が終わったら、商品情報を登録していきます。商品登録はShopifyの管理画面から行ってください。
Shopifyの管理画面で楽天市場のアカウントを選択して、「商品の状態」の下にある「情報を追加する」をクリックし、商品登録していきます。
タイトル、説明、画像や動画、価格、バリエーションなど必要事項を追加して、商品登録してください。
4-1. Shopifyに登録している商品の楽天市場への登録方法
すでにShopifyに登録している商品も、下記の手順で楽天市場へ登録可能です。
- Shopifyの管理画面で楽天市場に登録したい商品を選択
- 「販売チャネル」の右側にある「管理」をクリック
- ポップアップメニュー「販売チャネルの表示/非表示を管理する」で「Rakuten Ichiba」にチェック
- 「完了」をクリック
上記の操作を行うと、Shopifyに登録している商品を楽天市場上でも販売可能になります。
5. オープン審査を通過したら稼働
楽天市場ではショップページの構築後に「店舗オープン審査」があります。一通り商品登録を行って、楽天市場でのトップページも構築し、楽天市場でショップをオープンできる状態になれば、店舗オープン審査に臨みましょう。
楽天市場でショップを公開しても問題ないと楽天市場に判断された場合は店舗オープン審査を通過でき、楽天市場で商品販売を始められます。
Shopifyと楽天市場の連携手順【楽天市場へ出店済み】
すでに楽天市場に出店しているなら、新規出店とは少し手続きが異なります。楽天市場にある商品データはShopifyには移せないなど注意すべき点もありますので、理解して登録に臨みましょう。
楽天市場の既存アカウントをShopifyに連携させる手順を紹介します。
- 販売チャネルを追加
- アカウントの連動
- Shopifyを通じて登録した商品に関する情報のみ連動可能
- RMS商品一括編集機能を追加
- メールアドレスの設定
- 必要事項を入力
1. 販売チャネルの追加
まずは下記いずれかの方法でShopifyの販売チャネルに楽天市場を追加しましょう。
追加方法 | 追加手順 |
管理画面から追加する | Shopifyの管理画面を開き、「販売チャネル」の隣にある「+」をクリック後、ポップアップ画面で「Rakuten Ichiba (JP)」を選択します。 |
アプリを追加する | Shopify app storeで「楽天市場販売チャネル」を検索し、「アプリを追加する」をクリックします。 |
いずれかの手順を踏むことで、Shopifyに楽天市場販売チャネルを追加できます。
2. アカウントの連動
問題なく販売チャネルを追加できたら、「出店情報を入力する」をクリックして、下記の情報を入力していきましょう。
- 開設した楽天市場の店舗URL
- RMS APIライセンスキー(RMS Service Squareのページから申請)
- SMTPのID・パスワード
上記の情報を入力して「接続」をクリックすると、Shopifyと楽天市場が連携できます。
3. Shopifyを通じて登録した商品に関する情報のみ連動可能
Shopifyの管理画面から商品登録することで、楽天市場・Shopify同時に登録可能です。
しかし、すでに楽天市場に登録している商品に関わる情報は、商品登録・受注管理・在庫連動ともにShopifyでの操作はできません。
4. RMS商品一括編集機能を追加
Shopifyと楽天市場を連携させるには、RMS商品一括編集機能を追加しなければなりません。楽天市場での月額料金とは別に、毎月10,000円(税別)の料金が発生します。
Shopifyとの連携には必須の機能ですので、まだ使っていないなら新たに申し込んでください。
5. メールアドレスの設定
Shopifyと既存の楽天市場のRMSアカウントを連携させるのに必要な手続きとして、メールアドレスの設定があります。Shopify Dashboardに設定済みのメールアドレスを、下記手順でRMSにも設定してください。
- Shopify管理画面で設定・一般・ストアの詳細・Customer emailの順に選択してメールアドレスを確認
- RMS管理画面ページにログインして店舗連絡先メールアドレスに登録
登録したメールアドレスは、店舗概要ページに表示されるメールアドレスや、顧客へ配信されるメールの送信元アドレスとして使われます。
6. 必要事項を入力
既存の楽天市場ショップとShopifyを連携させるなら、追加で下記の設定も必要です。
入力項目 | 入力内容 |
配送方法 | RMSの配送方法一覧から配送方法を設定 |
リードタイム | 注文から出荷までのリードタイムを設定(RMSで納期管理番号1に設定した文言がShopifyに反映されます) |
あんしんメルアドのSMTP AUTH ID・パスワード、 APIライセンスキー | RMSで確認後Shopify appのCredential Informationの画面に設定 |
設定すべき項目はいくつかありますが、スムーズに店舗運営を行うために、間違えないように入力していきましょう。
Shopifyと楽天市場連携時の5つの注意点
Shopifyと楽天市場を連携させると便利な面が多くなります。しかし、連携時に気をつけたい点がありますので、あらかじめ把握しておきましょう。
ここでは、Shopifyと楽天市場を連携させる際の注意点を見ていきます。
- 連携できるRMSアカウントは1つだけ
- 連動できるのはShopifyを通して登録した商品に関する情報だけ
- RMS商品一括編集機能の追加が必須
- オープン審査に時間がかかる
- Shopify経由で操作できない作業もある
1. 連携できるRMSアカウントは1つだけ
Shopifyアカウント1つにつき、連携させられるRMSアカウントは1つだけです。楽天市場上に複数のショップを持っていても、同時には連動させられない点に注意してください。
2. 連動できるのはShopifyを通して登録した商品に関する情報だけ
Shopifyと楽天市場のショップを連携させても、連携前に楽天市場に登録済みの商品情報は連携させられません。商品登録・受注管理・在庫情報ともに連携できず、ショップの運営がスムーズに進まない原因になることもあります。
既存商品を連動させたければ、新たに登録し直す必要がありますので、情報をコピペすると便利です。ただし楽天市場に登録していた既存商品についていたレビューなどは反映させられない点には注意してください。
3. RMS商品一括編集機能の追加が必須
Shopifyと楽天市場を連携させる条件として、楽天市場でRMS商品一括編集機能を追加することがあります。毎月10,000円(税別)の料金が発生し、コストがかかりますが、Shopifyと楽天市場の連携には必須の機能です。
Shopifyと楽天市場を連携させたいなら、必ずRMS商品一括編集機能に申し込んでください。
4. オープン審査に時間がかかる
楽天市場にまだ出店しておらずこれから申し込むなら、審査があります。申し込み時の出店審査、店舗ページ構築後に行う店舗オープン審査に通過した店舗だけが、販売開始可能です。
出店審査には2週間〜1ヶ月、店舗オープン審査には2週間〜1ヶ月程度はかかり、すぐには開店できません。商品登録やページ構築期間を加味すると、販売開始できるまで3ヶ月程度は見ておきましょう。
5. Shopify経由で操作できない作業もある
Shopifyと楽天市場の連携をしても、全ての機能を連携させられるわけではありません。Shopifyと楽天市場で連携できるのは商品登録や注文管理など、一部の機能です。下記のような機能は、Shopifyと楽天市場で連動させられません。
- 商品ページ以外のページ構築(トップページやランディングページなど)
- R-Mail(メールマガジン配信機能)
- R-Karte(データ分析機能)
連動させられない機能は、RMS上で操作してください。
Shopifyと楽天市場を連携させる3つのメリット
Shopifyで自社ECサイトを構築すると、ECモールへの出店に比べてコストを抑えられブランディングしやすいですが、集客には少々難があります。楽天市場の特徴はその逆です。また、Shopifyと楽天市場を別々に運営するのは手間がかかります。
そこで、Shopifyと楽天市場を連携させることで生まれる3つのメリットを見ていきましょう。
- 情報の一元管理ができる
- それぞれのデメリットを補完しあえる
- たくさんの顧客にアプローチできる
1. 情報の一元管理ができる
複数の販売チャネルを持っていると、別々に注文管理や在庫管理を行わなければなりません。Shopifyと楽天市場を連携させることで、注文や在庫情報をShopify上で一元管理できます。
注文情報や商品情報を別々に運用せずに済むため、効率的な運用が可能です。
2. それぞれのデメリットを補完しあえる
楽天市場やShopifyを使って構築した自社ECサイトには、それぞれ異なる特徴があります。楽天市場は既存顧客が多く集客しやすいですが、競合は多いですし、手数料や月額料金も高額です。
Shopifyを使って構築した自社ECサイトは、集客における努力は必要ですが楽天市場などのECモールに比べると手数料が抑えられます。また、価格競争になりにくく、ブランディングしやすい点も長所です。
楽天市場やShopifyには異なるメリット・デメリットがあります。連携させることで、双方のメリット・デメリットを補完しあうことが可能です。
3. たくさんの顧客にアプローチできる
Shopifyと楽天市場は、強みがあるユーザー層が異なりますので、両方を活用すると異なる客層へアプローチできます。
Shopifyは国内の顧客を対象に使われることもありますが、越境ECにも強い点が特長です。楽天市場は日本国内で高い知名度があり、高い集客力があります。
国内向けの集客は楽天市場を中心に、海外向けの集客はShopifyで行うといった使い方も可能です。Shopifyと楽天市場双方の長所を知り、幅広く新規顧客を獲得することに役立てられます。
売り上げを伸ばすためにShopifyと楽天市場を連携させて運用しましょう
今回の記事ではShopifyと楽天市場の連携についてお話ししました。再度、ポイントをまとめます。
- Shopifyと楽天市場の連携手順は楽天市場に出店済みかどうかで少し異なる
- 楽天市場への出店には審査があり3ヶ月程度はかかる
- すでに楽天市場に登録している商品を後からShopifyと連携させることはできない
- すでにShopifyに登録している商品は後から楽天市場に連携させられる
- Shopifyと楽天市場を連携させるには楽天市場にRMS商品一括編集機能を追加する必要がある
- Shopifyと連携できる楽天市場の機能は商品登録・注文管理・在庫管理
Shopifyと楽天市場にはそれぞれ異なる特徴があり、連携させることでデメリットを補完しあえ、売上増加につなげやすくなります。
また、楽天市場にはトップページの作成などShopifyの画面で操作できない機能も多数あります。自社での構築が難しければ、ランサーズなどを経由してフリーランスへ依頼することも検討してみてください。
