「国内向けネットショップを運営しているが今後の成長が見込めない」「海外を視野に入れたビジネスがしたい」このような悩みをお持ちの方は、海外向けネットショップの開業を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、海外向けネットショップを開業するメリットや作り方、注意点などを解説します。おすすめの海外向けネットショップ構築サービスについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次
海外向けネットショップを開業するメリット
海外向けネットショップを開業する必要性について、気になっている人も多いのではないでしょうか。本項では、海外向けネットショップを開業するメリットについて、詳しく解説します。
販路を増やせる
海外向けネットショップを開業すると、国内より何倍もの規模のユーザーに向けて商品やサービスを販売できます。中国やアメリカなどの人口が多い地域や、東南アジアなど今後の成長が見込める地域で顧客を獲得できれば、海外向けネットショップ運営の大きなアドバンテージになるでしょう。
日本は今後少子高齢化により人口が減少していくと言われています。人口が減るとその分需要も減るため、海外向けネットショップを開業して販路を拡大させることは、効果的なリスクヘッジとなります。
海外で実店舗販売するよりもコストを抑えられる
海外向けネットショップはインターネット上で商品やサービスを販売できるため、実店舗販売よりもコストを抑えられます。比較的導入が簡単で、運営中も商品の売れ行きや顧客の需要などを適時確認でき、費用対効果も高い点が特長です。
通常実店舗で商品を販売する場合は、顧客がアクセスしやすい場所を選び、商品を販売する店舗を建設したり、賃貸契約を結んだりしなければなりません。商品の販売に適した土地を調査するための人的コストや、店舗を建築・借りるための費用も必要です。
海外向けのネットショップを開業する2つの方法
海外向けネットショップは、どのように開業すればよいのでしょうか。一般的によく使われている2つの方法について紹介します。
1. 海外のECモールに出店する
ECモールは、ネットショップの開業に必要な機能が豊富に用意されているため、最も簡単に海外出店できる方法のひとつです。モールの集客力を利用できるので、商品やサービスが認知されていない段階でも一定の売り上げが見込めます。
ECモールは自社商品がどれくらい売れるのかわからない場合や、とりあえず海外出店を経験してみたい場合におすすめです。ただし既存のテンプレートを利用するため、ECサイトの外観や個別ページのデザインなどを自由に決められるカスタマイズ性は期待できません。
2. 海外向けのネットショップを自社制作する
海外向けECサイト用のプラットフォームを利用し、自社専用のネットショップを構築する方法もあります。世界中で利用されているECサイト用のプラットフォームは数多く存在し、その国の言語や通貨に対応しているものも多く存在します。
海外向けの販売に対応しているものや、現地の運送会社と提携しているものもあるので、使い方次第でECモールよりも費用対効果を高くできる可能性があります。
海外向けネットショップを成功させる4つのポイント
海外向けネットショップを成功させるためのポイントを、4つご紹介します。
1. 海外販売に対応しているツールやプラットフォームを使う
ネットショップの運営ツールやプラットフォームは、海外の配送システムや決済システムなどに対応しているものを使いましょう。国内向けにしか対応していないものだと、物流の構築や顧客対応などでうまくいかなくなる可能性があります。
2. 現地に合わせた通貨・決済方法を使う
外国為替によって商品の価格や送料が変動すると、自国の通貨でどのくらいの料金を支払う必要があるのかが分かりづらくなります。商品の価格が曖昧だと顧客の購買意欲も低下するため、ネットショップを構築する際はその国の通貨に合わせた決済方法を設定しましょう。
クレジットカードやApple Pay、PayPalなど、国際的にもよく利用されている決済方法を導入するのがおすすめです。日本でよく利用されている代引き決済は、海外であまり利用されていないので避けた方がよいでしょう。
3. 現地の言語に対応させる
海外のネットショップを利用するユーザーにとって、自分が慣れ親しんでいる言語を使えるかどうかは重要な問題です。ECサイトの運営サポートが外国語しかないと、配送遅延や商品破損などのトラブルが発生したときに問題を解決できなくなります。
ネットショップを構築する際は、言葉が通じないことで顧客に無用な心配を与えないように、現地の言葉に合わせたサイト構成にしましょう。海外向けネットショップ構築サービスの中には、ボタンひとつで日本語から英語に翻訳できるものもあります。
4. 現地のトレンドや需要をしっかりと理解する
海外向けネットショップを開業する前に、現地でどのような商品が人気なのかしっかりと確認する必要があります。現地のテレビやラジオなどで情報収集したり、SNSをリサーチしたりするなどして、開業前にしっかりと顧客ニーズを把握しておきましょう。
国によっては、日本で人気の商品がまったく売れなくなる可能性もあります。
おすすめの海外ECモール4選
海外向けネットショップの成功ポイントがわかったところで、初心者におすすめの海外ECモールを4種類ご紹介します。
1. eBay
料金項目 | 料金詳細 |
出品手数料 | 1品販売するごとに5~35セント |
落札手数料 | 11.5~15% |
eBayは、世界各地で利用されているオークションサイトです。2億人近くのアクティブユーザーがいるため、認知度が低くても商品やサービスが売れるようになっています。
アメリカやヨーロッパ、東南アジアなどから世界各地のユーザーが集まるため、海外向けネットショップの出店先としておすすめです。ただしeBayは英語圏のサービスなので、基本的に英語で顧客対応する必要があります。
2. Amazon.com
料金項目 | 料金詳細 |
月額費用 | 39.99ドル |
システム手数料 | 要お問い合わせ |
日本でも人気のAmazonは、アメリカで多くのシェアを誇るECモールとして知られています。アメリカ人の2人に1人は有料プランを利用していると言われているため、海外市場を視野に入れている場合はぜひ活用しましょう。
アカウントの登録や商品の出品方法などは、日本のAmazonと変わりません。ただし商品を販売する場合は海外の法人口座が必要になるため、ある程度の手間と時間がかかります。
3. Tmall(天猫)
料金項目 | 料金詳細 |
出店保証金 | 25,000ドル |
年間利用料 | 要お問い合わせ |
技術サービス料 | 要お問い合わせ |
販売手数料 | 要お問い合わせ |
Tmall(天猫)は、中国人消費者をターゲットとしたBtoC向けのECモールです。日本製品も活発に取引されており、中国におけるECシェアの半数以上を獲得しています。日本製の家電や食料品などを扱うネットショップであれば効率的に販路を拡大できます。中国人向けのネットショップを開業する場合におすすめです。
Tmall(天猫)では偽ブランドなどを厳しく取り締まっており、新規ネットショップを出店するのも簡単ではありません。そのため利用にはある程度手間と時間がかかるでしょう。
4. Lazada
料金項目 | 料金詳細 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 無料 |
販売手数料 | 2% |
Lazadaは、インドネシアやマレーシア、フィリピンなどの東南アジアに展開しているECモールです。越境EC用のマーケットプレイスがあるため、1つの契約ですべての地域に自社商品やサービスを販売できます。
主要6カ国を合わせると世界第3位の人口規模を誇るため、魅力的な海外市場として注目する人もいます。Tmall(天猫)を手がけるアリババグループが出資していることから見ても、今後大きな市場となる可能性があります。
おすすめの海外向けネットショップ制作サービス3選
海外向けネットショップを開業するには、ECモールだけでなく自社でネットショップを構築する方法もあります。本項では、おすすめの海外向けネットショップ制作サービスを3つご紹介します。
1. Shopify
料金項目 | 料金詳細 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 29ドル~ |
取引手数料 (Shopify ペイメントを利用していない場合) | 0.5%~ |
Shopifyは、世界各国の言語や通貨に対応したECプラットフォームです。175カ国に展開されているため、誰でも簡単に海外向けネットショップを開業できます。100種類以上のテンプレートが用意されているため、デザインの知識がない人でも問題ありません。専門的なスキルがなくても直感的な操作だけで見栄えのよいサイトができあがります。
サイト運営に足りない要素があれば、アプリを導入して必要な機能をカスタマイズすることも可能です。外部ツール連携や在庫管理など、海外販売に役立つ便利なアプリが2,000種類以上もリリースされています。
日本でよく使われるクレジットカードや代引き決済などにも対応しているため、自社で海外向けネットショップを構築する場合はぜひご検討ください。
2. BASE
料金項目 | 料金詳細 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 無料 |
決済手数料 | 3.6%+40円 |
サービス利用料 | 3% |
BASEは、無料でネットショップを開業できるECプラットフォームです。QRコード決済や商品検索、ユーザーレビューなど、ネットショップの運営に役立つ機能が無料で提供されています。全機能の8割を無料で利用できるため、できるだけ導入コストを抑えたい人におすすめです。
サイトのページを英語対応にできるので、海外向けネットショップ運営にも活用できます。PayPalや銀行振込の導入も可能です。ほとんどの国や地域で商品を販売できるでしょう。
3. STORES
料金項目 | 料金詳細 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 無料、有料プラン2,178円 |
決済手数料 | 3.6~5% |
STORESは、初期費用や月額費用がかからないECプラットフォームです。英語表記やPayPal対応など海外販売を想定した設計になっているため、誰でも簡単に海外向けネットショップを開業できます。
48種類のテンプレートが用意されているので、専門的なスキルも必要ありません。ただし価格をドルなどの外貨表示にできないため、一部のユーザーに不安を与える可能性があります。
海外向けネットショップを運営するうえで意識したい5つの注意点
海外向けネットショップを運営する上で注意したいポイントを5つご紹介します。
1. 国内販売よりも送料が高くなる
国際送料は、国内送料よりも高くなるので、海外向けネットショップを運営する際に注意する必要があります。国内送料と同じように考えていると、思ったより利益額が少なくなるので注意しましょう。
できるだけ送料を抑えたい場合は、国際郵便の利用がおすすめです。特に日本郵便が手がけるEMSなら、アジア地域に500gの小包を1,400円で発送できます。
2. 国内販売よりも配送日数が多くなる
海外販売は、国内販売よりも配送日数が多くなります。国によっては商品の到着まで20日前後かかることも珍しくありません。
海外向けネットショップを開業する際は、商品ごとにどのくらいの配送日数がかかるのか確認しましょう。配送日数がかかりすぎるとクレームにつながるので、商品ごとに最適な配送手段を見つけることが大切です。
3. 関税が請求される可能性について明記する
海外から商品を購入する場合は、関税がかかります。突然関税を請求されると購入者も驚きますので、あらかじめ決済ページなどに関税が請求される可能性について明記してあげましょう。
どのような条件で関税がかかるかは国によって異なるため、事前によく確認してください。
4. 海外の言語をある程度習得しておく
ネットショップを運営する際は、顧客からの問い合わせに対応できるよう、ある程度現地の言葉を理解しておく必要があります。誤発送などのトラブルがあっても、しっかりとコミュニケーションをとって顧客を不安にさせないようにしましょう。
現地の言葉でのコミュニケーションといっても、日本語のような習熟度は必要ありません。商品に対する問い合わせ程度であれば、Google翻訳だけで十分対応できます。
5. 法律によって禁止されている商品などがないか確認する
海外のネットショップで販売できない商品は、国によって異なります。日本国内では問題ないような商品でも、現地で禁止されている場合もあるので注意しましょう。
現地で禁止されている商品を販売すると、税関で商品を没収されるだけでなく、法的な罰則を受けるケースもあります。
海外向けのネットショップ運営を成功させよう
海外向けネットショップは、国内向けネットショップの販路を増やせる可能性があります。実店舗で商品を販売するよりもはるかにコストを抑えられるため積極的に活用しましょう。
ECモールやECプラットフォームをうまく活用して、ネットショップの運営を成功させてください。
