ECサイトを運営するときに、楽天市場を活用すべきか悩む人は多いのではないでしょうか。集客や収益に関わる部分なので、最良の判断を行いたいものです。
本記事では、ECサイト運営に楽天市場を活用するメリットやデメリット、AmazonやYahooなどモール型ECサイトとの比較もまとめてご紹介します。最後まで読めば自社のECサイト運営に楽天市場を使うべきメリットを把握できるようになります。ぜひ参考にしてみてください。

目次
楽天市場でECサイトを始めるための基礎知識
楽天市場とは、インターネットを使い買い物が楽しめる総合ショッピングモールです。2021年第2四半期時点での出店数は5万5,232店舗で、非常に多くの店舗が集うモールに成長しています。
楽天市場は法人個人を問わず、ECサイト出店が可能です。実店舗に例えると百貨店内に店舗を持つイメージで、楽天市場内にECサイトをオープンできます。
楽天市場のECサイトには、下記の3つのプランが用意されています。
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
月額出店料 | 19,500円(税別) | 50,000円(税別) | 100,000円(税別) |
システム利用料 | 月間売上高の3.5~7.0% | 月間売上高の2.0~4.5% | 月間売上高の2.0~4.5% |
登録可能商品数 | 5,000商品 | 20,000商品 | 無制限 |
画像容量 | 500MBまで | 5GBまで | 無制限 |
向いているケース | 初めて運営するECサイト | ランニングコストを抑えたいECサイト | 商品数が多い本格的なECサイト |
「がんばれ!プラン」は月額出店料が安く、低コストでECサイト運営を始めたい人に向いています。「スタンダードプラン」は、月商140万円以上を目指すECサイト向けのプランです。
「がんばれ!プラン」よりもシステム利用料が安いため、ある程度の売上があればランニングコストを抑えた運営ができます。
「スタンダードプラン」では物足りない場合は、「メガショッププラン」がおすすめです。月額費が高い分商品数に制限がなく、ECサイトの収益性をより高められます。このように、楽天市場ではECサイトの規模に合わせたプランを活用し手軽にECサイトをオープンできます。
ECサイト運営に楽天市場を使用する4つのメリット
楽天市場をECサイト運営に活用する基本的な方法が把握できたところで、ECサイト運営に楽天市場使用するメリットを見てみましょう。知っておきたいメリットとしては、下記の4つが挙げられます。
- 楽天ID登録者数は1億人以上で集客力がある
- 商品の魅力が伝わるページが簡単に作れる
- 楽天市場が開催するキャンペーンを活用し売上を伸ばせる
- 売上アップにつながるサポートを用意している
それぞれどのような部分がメリットとなるのか、ぜひチェックしてみてください。
1. 楽天ID登録者数は1億人以上で集客力がある
楽天市場内のECサイトを利用するには、楽天IDの登録が必須です。2021年第2四半期時点で楽天ID登録者は、1億2,380万人です。
ID登録者の多くが楽天市場で買い物をしており、2020年の年間国内EC流通総額は4兆5,000億円でした。非常に多くの人が利用する大型モールであることが伝わります。
言い換えれば、既に多くの顧客が楽天市場を利用する環境が整っていることになるでしょう。ECサイトの新規オープンでは、集客が大きな課題となります。集客にかかる手間や労力を省いてECサイトをオープンできるのは、大きなメリットだと言えます。
2. 商品の魅力が伝わるページが簡単に作れる
ECサイトを発展させるには、ファンの獲得が必要です。楽天市場に出店すると利用できるサーバースペース「楽天GOLD」(無料)を使えば、自由度の高いおしゃれなECサイトが作れます。
HTMLファイルやJavaScriptなども保管できるため、専門的な技術を駆使すれば他のECサイトに差をつけるページとなるでしょう。
ショッピングモール内へのECサイト出店では、デザインやレイアウトに制限があるケースが見受けられます。楽天市場では自社サイトと同様の独自性のあるECサイトを作成し、戦略を立てられます。
3. 楽天市場が開催するキャンペーンを活用し売上を伸ばせる
楽天市場では、頻繫にキャンペーンやセールを開催しています。とくに人気があるキャンペーンは、下記の2つです。
楽天市場で頻繫に実施しているキャンペーン | |
楽天スーパーSALE | 商品の値引きやポイント〇倍など顧客がお得に感じる特典を用意 |
お買い物マラソン | 期間中に楽天市場内の店舗で買い物をすればするほどポイント還元率がアップする |
楽天スーパーSALEは、楽天市場最大のセールです。大々的に広告を出して行うため集客力があり、売上アップが見込めます。
お買い物マラソンは、楽天市場内で買い物をすればするほどポイント還元率がアップする仕組みです。楽天市場内での回遊率が上がり、新規顧客獲得やECサイトの周知につながります。このような大きなセールやキャンペーンは、ショッピングモールだからこそできることです。自社のECサイトのみでは、多くの顧客が集まるキャンペーンの用意は難しいでしょう。
楽天市場のイベントと連携しながらECサイト運営の計画を立てると、売上や認知症アップが見込めるのです。
4. 売上アップにつながるサポートを用意している
楽天市場では、初めてECサイト運営をする人やECサイト運営に悩みを抱える人のためのサポートを用意しています。無料で利用できるEラーニング講座「RUx(楽天大学エックス)」では、商品ページの改善例や商品写真の撮影方法などECサイト運営に役立つ知識を習得できます。
具体的な提案や相談が欲しいときは、楽天のECサイトコンサルタントを利用することも可能です。ネット販促のプロと二人三脚で戦略を練ることで、理想のECサイト運営を実現します。
ECサイト運営に楽天市場を使用するデメリット
楽天市場でECサイト運営をするメリットが分かったところで、気になるのはデメリットです。ECサイト運営に楽天市場を利用するデメリットとしてどのようなことが懸念されるのか、確認してみましょう。
1. 他社のサービスよりも出店料が高い
楽天市場は、他のショッピングモールやサービスよりも出店料が高いです。次の章で詳しく解説しますが、Yahoo!ショッピングは出店料やシステム利用料が無料です。
一方で、楽天市場はプランに応じて19,500円~100,000円の月額出店料がかかります。最も安価な「がんばれ!プランを」を利用しても、年間で最低234,000円が必要です。
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
月額出店料 | 19,500円(税別) | 50,000円(税別) | 100,000円(税別) |
システム利用料 | 月間売上高の3.5~7.0% | 月間売上高の2.0~4.5% | 月間売上高の2.0~4.5% |
月額出店料がかかるのは楽天市場ならではの手厚いサポートや集客力、キャンペーンなどのサービス実施が理由です。
あらかじめ楽天市場を利用するコストを把握し、一定以上の売上アップや一利益創出が見込めるのか検討することが大切です。
2. 一部の機能に利用制限がある
楽天市場では信頼度や安心感を高めるために、個人情報漏えいの防止に力を入れています。そのため、楽天市場内のECサイト利用者の顧客情報はショップ側が参照できないのです。
例えば、ECサイト利用者のメールアドレスや住所についてECサイト運営企業は利用できません。自社のECサイトであれば顧客情報を蓄積しDM送付やマーケティングに利用できますが、楽天市場内では活用できないことを把握しておきましょう。
楽天・Amazon・Yahoo!のECサイトプランを比較
楽天市場でのECサイト出店を検討するときに、気になるのがYahoo!ショッピングやAmazonへのECサイト出店ではないでしょうか。Yahoo!ショッピングやAmazonと比較は、下記のとおりです。
楽天市場 (スタンダードプラン) | Yahoo!ショッピング | Amazon 大口プラン | |
月額出店料 | 50,000円(税別) | 無料 | 4,900円(税込) |
システム利用料 | 月間売上高の2.0~4.5% | 無料 | 売上高の8~15% (カテゴリーにより変化) |
店舗数 | 5万5,232店舗 (2021年度第2四半期時点) | 約117万店舗 (2020年時点) | 約16万社 (2020年時点 中小企業事業のみの数値) |
会員登録者数 | 1億2,380万人 (2021年度第2四半期時点) | 2,762万人 (2019年6月末時点 Yahoo!プレミアムなどの月額会員ID数) | 2億人 (2021年春時点) |
向いているケース | 国内での集客力を重視したいECサイト | ランニングコストを抑えたいECサイト | 国内外での展開を考えているECサイト |
それぞれ強みが異なるため、知っておきたいポイントを解説していきます。
ランニングコストはYahoo!がお得
ECサイト運営のランニングコストを抑えたい場合は、Yahoo!ショッピングがおすすめです。Yahoo!ショッピングは、出店料と初期費用、システム利用料がすべて無料です(キャンペーン時など特別なケースを除く)。
初心者でも手軽にECサイトを持てるので、他のショッピングモールよりも店舗数が多くなっています。売上が発生しても販売手数料がないため、手元に残る利益が増えるところも特徴です。
会員数は楽天市場が多い
ショッピングモールが抱える会員数は、楽天市場が多いです。Yahoo!ショッピングは2,762万人の会員数に対し、楽天市場は1億2,380万人も会員を抱えています。
会員数が多ければ多いほど、そのショッピングモールを利用する顧客も増えます。集客力のあるショッピングモールへのECサイト出店を検討する場合は、楽天市場が向いているでしょう。
Amazonは1商品から販売できる
Amazonは、1商品から販売できる独自のプランを用意しています。
プラン名 | 小口プラン | 大口プラン |
月額出店料 | 1商品100円 | 月額4,900円 |
システム利用料 | 売上高の8~15% (カテゴリーにより異なる) | |
概要 | 1商品~49商品の販売に対応 | 49商品以上の販売に対応 |
小口プランは、1商品だけをAmazon内で販売することが可能です。ECサイトを設ける前に商品自体の価値やニーズを試すことができるでしょう。
ただし、手数料や出店料を考慮すると利益が少額になってしまうケースがあるため、事前に利益率を確認する必要があります。
楽天市場でのECサイト運営が向いているケース
楽天市場にECサイトを出店するメリットやデメリットが把握できたところで、気になるのは楽天市場の利用が向いているケースです。
楽天市場でのECサイト運営が向いているケースとしては、下記の3つが挙げられます。
- 集客力のあるECサイトモールを利用したい場合
- コストよりも機能を重視したい場合
- 初めてECサイトを運営する場合
自社に当てはまる部分はないかチェックをしてみてください。
1. 集客力のあるECサイトモールを利用したい場合
先ほども解説しましたが、楽天市場は1億2,380万人のID登録者を保有している大型ショッピングモールです。株式会社ヴァリューズが調査した年間Webサイト訪問者ランキングでは、3位にランクインしています。
2021年Webサイト訪問者数ランキング (2021年1月~10月のネット行動ログを基に調査) | |
1位 | |
2位 | Amazon.co.jp |
3位 | 楽天市場 |
参考:PRTIMES「【調査リリース】Webサイト&アプリ市場のユーザー数ランキング2021を発表!」
検索エンジンや全世界展開しているショッピングモールに次いで、3位にランクインしているのは非常に多くの顧客が利用していることがわかります。
下記のような場合にも、楽天市場を活用してみる価値があるでしょう。
- 自社の商品やサービスをより多くの顧客に周知させたい
- 自社のECサイトの集客力だけでは集客に不安がある
2. コストよりも機能を重視したい場合
楽天市場は確かにランニングコストがかかりますが、長期的にECサイトを運用しやすい機能を揃えています。
楽天市場でECサイトを作成すると使える主な機能 | |
R-Storefront(店舗構築) | 店内レイアウトや商品配置、値札貼りなどの作業をWeb上で完結できる |
R-Backoffice(受注・決済管理 ) | 注文管理や決済管理がまとめてでき、バックオフィス業務の効率化ができる |
R-Mail(メール機能) | 顧客に対してメールが配信でき、リピーター獲得や再来店に活用できる |
R-Karte(データ分析) | ECサイトの状態を可視化でき、戦略的な運営ができる |
ECサイトの構築から運営、分析までの作業をすべて楽天市場内の機能で補うことが可能です。これらの機能を一から構築するには時間や労力がかかりますが、既に準備されているためスムーズなECサイト運営が叶います。
下記のような場合にも、楽天市場でのECサイト運営が向いています。
- ECサイト運営にかかる手間を最小限にしたい
- 他のシステムやサービスを使用しなくてもECサイト運営ができるようにしたい
3. 初めてECサイトを運営する場合
楽天市場のECサイトは、初心者でも扱いやすいところが特徴です。先ほどもご紹介したように外部サービスを使用しなくても、ECサイトの構築から分析までが完結できます。
また、ECサイト運営の知識を学べるEラーニング講座「RUx」も用意されているので、ECサイトを運営しながら知識を増やすことも可能です。
これからECサイト運営を始めたい人にとっても、最適な環境となっているのでぜひ検討してみてください。
ECサイト運営に楽天市場を活用しよう
楽天市場内にECサイトをオープンすると、楽天市場が持っている集客力やブランド力を最大限に活用できます。
それだけでなく、長期的にECサイト運営ができる機能やサポートも用意されているので、売上アップを目指しながら戦略的なECサイト運営が実現するでしょう。
ランサーズには、ECサイト構築や運営経験が豊富なランサーが多数登録しています。楽天市場でのECサイト運営についてサポートを受けたい方は、お気軽にお問い合わせください。
