Shopifyストアの売上が安定しない、リピート購入する顧客が増えないといった課題をお持ちではないでしょうか?こうした課題を解消するには、リピーターの獲得や購入促進につながる顧客管理を行う必要があります。自社のサイトの状況に即した顧客管理に取り組み、ストアの業績改善を実現させましょう。
本記事では、Shopifyでの顧客管理の概要やメリット、機能、手順、おすすめのShopifyアプリなど、顧客管理を行う際の重要なポイントを解説します。

目次
Shopifyの顧客管理の特徴とは?
顧客管理は、購入実績や住所、年齢、性別といった顧客の情報を収集して管理するだけではなく、ECサイトと顧客との関係を良好に保つための手法です。
Shopifyは、基本機能として豊富な顧客管理機能を備えています。顧客管理に役立つShopifyアプリも豊富に提供されています。基本機能とShopifyアプリを活用してストアの運用状況に合った顧客管理を実施できる点が、Shopifyの特徴です。
Shopifyで顧客管理を行う3つのメリット
Shopifyの基本機能やアプリを活用して顧客管理に取り組むことで、以下のようなメリットが期待できます。
- リピート客の増加が期待できる
- サイトの売上を安定させる
- 顧客データをマーケティング戦略立案に活用できる
1. リピート客の増加が期待できる
顧客管理を行い、顧客の購入傾向に合ったアプローチを続けることで、リピート購入する顧客の増加が期待できます。すでにリピーターとなっている顧客に対しても、商品情報の発信や特典の付与などを実施し、ストアからの離脱を防ぐことができます。
2. サイトの売上を安定させる
ECサイトではリピート客が増えることで、安定した売上が得られます。逆に新規顧客獲得のための集客や販売促進などのコストは下がるので、収益の向上も期待できます。
また、お客様の声や反応をもとに競争力のある商品を開発する余地が生まれるので、持続的なECサイトの発展の原動力になります。
3. 顧客データをマーケティング戦略立案に活用できる
顧客管理は、自社のマーケティング戦略にとっても非常に重要です。顧客に向けた情報発信やプロモーションを実施する際には、顧客の購入傾向や属性を分析する必要があります。顧客情報を分析したデータを蓄積していくことで、自社に合ったマーケティング戦略が立案しやすくなります。
Shopifyで利用できる8つの顧客管理機能
Shopifyの基本機能には、顧客管理のための各種機能が含まれています。管理画面で実施できる顧客管理機能は、以下の通りです。
1. 顧客の追加
Shopifyの顧客管理画面で「顧客を追加する」をクリックして新たな顧客を追加すると、その顧客のプロフィールが登録できます。
2. 顧客情報の変更・編集
顧客の名前をクリックし、登録された情報の変更や編集を行います。一括編集や削除などの機能もあり、顧客分析に役立つ情報の管理を効率よく実施できます。
3. 顧客のタグ付け
顧客にタグを付けて管理を容易化できます。Shopifyにある標準項目だけでなく、必要に応じてタグの項目が自由に設定できます。情報発信や販売促進に役立つ項目を選び、顧客へのタグ付け機能を活用しましょう。
4. 顧客へのメール送信
管理画面の「お客様の概要」をクリックし、その顧客がメール受信に同意していることを確認すれば、顧客にメールを送信できます。設定した条件に合う顧客グループへの一斉送信も可能です。
5. 顧客の絞り込み検索
メール購読状況や注文履歴、ロケーションといった複数の条件で、顧客を検索できます。プロモーション活動の対象とする顧客リストの作成などに役立つ機能です。
6. 顧客グループの作成
絞り込み検索の結果リストを保存すると、お客様リストに新しい絞り込みタブが作成され、独自のお客様グループを作成できます。お客様グループは、グループ作成時の検索条件に応じて自動更新されます。
7. 顧客アカウント
顧客自身が個人情報をShopifyストアに登録して、そのストアのアカウントを作成できます。アカウントを作成すれば、決済時に登録した顧客情報が自動入力されます。
8. 顧客情報の移行
作成済みの顧客リストをお客様CSVファイルに入力して、Shopifyの管理画面に移行できます。Shopifyが提供しているお客様CSVテンプレートを使用すれば、新しいお客様リストを簡単に作成できます。
顧客管理に役立つShopifyアプリ6選
顧客分析や顧客へのアプローチなど、顧客管理に活用できる6つのShopifyアプリを紹介します。
1. 訪問者が商品を購入しない理由を分析「ラッキーオレンジヒートマップ&リプレイ」
Shopifyストアにアクセスした利用者の行動を分析するアプリです。
訪問者が商品を購入しなかった理由を示す分析レポートやライブチャットによって、ストアの問題解決をサポートします。有料プランには7日間の無料体験があります。
各プランの料金と概要は以下の通りです。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
無料プラン | なし | ・分析サイト数:1 ・管理者数:2 ・分析アクセス数:500/月 |
有料プラン1 | 10ドル/月 | ・分析サイト数:1 ・管理者数:2 ・分析アクセス数:25,000/月 |
有料プラン2 | 20ドル/月 | ・分析サイト数:3 ・管理者数:4 ・分析アクセス数:60,000/月 |
有料プラン3 | 50ドル/月 | ・分析サイト数:8 ・管理者数:10 ・分析アクセス数:200,000/月 |
2. 顧客に合った商品サイズを表示「Kiwi Size Chart &Recommender」
商品のサイズガイドを簡単に作成できるアプリです。
商品サイズに関する情報をポップアップ表示し、サイズ選びの手間を低減します。購入促進に役立つアプリです。有料プランには14日間の無料体験があります。
各プランの料金と概要は以下の通りです。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
FREEプラン | なし | ・カスタマイズ機能 ・自動単位変換 ・製品マッチング機能 ・2種のサイズチャート |
PREMIUMプラン | 6.99ドル/月 | ・無制限のサイズチャート ・レイアウト機能 ・自動ユニット検出 ・Googleアナリティクスとの統合 |
ULTIMATEプラン | 12.49ドル/月 | ・PREMIUMプランの全機能 ・サイズレコメンダー ・レコメンダー入力データ分析 ・30日間のアプリ内分析 |
Kiwi Size Chart &Recommenderの公式サイト
3. カスタマーサポートを一元管理「Gorgias ‑ Live Chat &Helpdesk」
顧客満足度の向上に役立つカスタマーサポートアプリです。
メールや電話、SNS、ライブチャット、チャットボットでのユーザーからの各種問い合わせを一元管理し、ライブチャットによる迅速な対応を行います。7日間の無料体験があります。
各プランの料金と概要は以下の通りです。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
BASICプラン | 60ドル/月 | ・無制限カスタマーサポート代行 ・350枚/月のカスタマーチケット ・ライブチャット ・顧客サービス |
PROプラン | 300ドル/月 | ・無制限カスタマーサポート代行 ・2,000枚/月のカスタマーチケット ・ライブチャット ・顧客サービス |
ADVANCEDプラン | 750ドル/月 | ・無制限カスタマーサポート代行 ・5,000枚/月のカスタマーチケット ・ライブチャット ・顧客サービス |
Gorgias ‑ Live Chat &Helpdeskの公式サイト
4. リピート購入を促進「Yotpo ロイヤリティ&リワード」
口コミによる顧客の獲得をサポートするアプリです。
知り合いへの紹介や商品レビューの作成、購入額、購入回数などに応じて、設定した報酬を顧客に提供できます。
各プランの料金と概要は以下の通りです。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
ブロンズプラン | なし | ・注文数が100件を超えた場合シルバープランへの移行が必要 ・10以上の報酬キャンペーン ・リファラルプログラム ・メールキャプチャツール |
シルバープラン | 29ドル/月 | ・月間注文数が200件を超えると超過分1件ごとに0.35ドル加算 ・オムニチャネルプログラム ・カスタマイズオプション ・メールマガジン購読者の自動同期 |
ゴールドプラン | 249ドル/月 | ・月間注文数が800件を超えると超過分1件ごとに0.2ドル加算 ・報酬ページのテンプレート ・ReChargeとの連携 ・メールマーケティングサービスとの連携可能 |
5. ポップアップ表示で購入を促進「ポップアップ サポーター」
ポップアップ表示を簡単に設定できるアプリです。
おすすめ商品などをポップアップ表示させ、利用者がスムーズに商品にアクセスできるストア作りを実現します。
各プランの料金と概要は以下の通りです。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
無料プラン | なし | ・おすすめ商品のポップアップ表示 ・表示する場所・タイミング・製品の設定 |
6. 顧客や商品へのタグ付けを自動化「Easy Tagging」
顧客や注文、商品に自動でタグ付けできるアプリです。
事前に条件を設定するだけで顧客へのタグ付けを自動化でき、顧客管理の効率を向上させます。15日間の無料体験があります。
各プランの料金と概要は以下の通りです。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
BASICプラン | 4.99ドル/月 | ・月間2,000件までのタグ付け ・リアルタイムタグ付け機能 |
STANDARDプラン | 9.99ドル/月 | ・月間10,000件までのタグ付け ・リアルタイムタグ付け機能 |
ADVANCEDプラン | 19.99ドル/月 | ・月間50,000件までのタグ付け ・リアルタイムタグ付け機能 |
PROプラン | 49.99ドル/月 | ・月間200,000件までのタグ付け ・タグ付けの優先度設定 ・長期間実施するタグ付け設定 |
顧客管理を実践する4つの手順
顧客管理によってShopifyストアの運用改善を成功させるには、成果を出しやすい手順を踏むことが重要です。マーケティング戦略を立案する際に、国内外の多くの企業が用いているRFM分析という顧客分析方法に沿って、顧客管理を進める手順を説明します。
1. 顧客の現状把握
RFM分析は、下記の③つの資料で顧客をグループ分けする顧客分析法です。
- Recency(直近いつ)
- Frequency(頻度)
- Monetary(購入金額)
それぞれの指標には以下の値を用います。
指標 | 指標に用いる値 |
Recency | 最新の購入日 |
Frequency | 購入頻度 |
Monetary | 購入金額 |
Recency
Recencyでは、顧客の最新購買日が新しい顧客ほど高いスコアが高いです。以前は頻繁に購入していた顧客であっても、最近の購入がない顧客はスコアの低いグループに分類されます。
Frequency
Frequencyでは、購入頻度の高さによって顧客のスコアが決まります。同一期間の購入回数をリスト化し、回数の多さで顧客のスコアを決めます。この指標が低い顧客が多いストアは、リピート率や顧客満足度が低いと考えられ、サイトの運用や販売する商品に問題がないかを検討すべきです。
Monetary
Monetaryでは、顧客の累計購入金額を計算し、金額の高い顧客ほど高いスコアになります。
2. 顧客のグループ分け
3つの指標別に顧客のスコアを出し、適切なアプローチを行うためのグループに分けます。取り扱う商品によってグループの数や分類する基準値は異なるので、自社のサイトに適したグループの分け方を定める必要があります。
3つの指標のスコアから、4つのグループに分けたケースを以下に示しますので、参考にしてください。
3つの指標の高低 | グループの特徴 |
最近購入、累計購入金額が多い、購入頻度が低い | ・購入する理由が少ない |
最近購入、累計購入金額が少ない、購入頻度が高い | ・満足している ・多くの金額を払う理由が少ない |
最近の購入なし、累計購入金額が多い、購入頻度が高い | ・不満が生じた ・顧客の状況に変化があった |
最近購入、累計購入金額が多い、購入頻度が高い | ・サイトや商品のファン |
3. 顧客へのアプローチ方法の策定
3つの指標によって分けたそれぞれのグループの特徴や傾向に合った、アプローチ方法を検討します。
累計購入金額が多く、購入頻度が低いグループの場合
例えば累計購入金額が多く、購入頻度が低いグループには、新商品や以前に購入した商品との関連性の高い商品の情報を提供することで、再購入が期待できます。
購入頻度が高く、累計金額が少ないグループの場合
購入頻度が高く、累計金額が少ないグループには、過去に購入した商品よりも高額な商品の魅力を伝えるアプローチが効果的です。ということから自社の商品には満足しているがより多くの金額を出す理由がないという仮説が考えられます。
3つの指標全てのスコアが高いグループの場合
3つの指標全てのスコアが高いグループに対しては、特典の付与やポイント還元率を高くするなどのアプローチを継続して行い、離脱を防ぐことが重要です。
4. アプローチの実践
グループ別に考えたシナリオを実行に移します。効果測定を行い、仮説で考えたシナリオ通りの反応と違う場合はすぐに修正して対応していきます。
Shopifyでの顧客管理に関する疑問や悩みはShopifyのプロに相談
Shopifyストアでの顧客管理など、ECサイトの運用に課題が生じた際は、Shopifyの構築・運用に精通したプロへの相談をおすすめします。
顧客管理などのサイト運用を外部に依頼する際の留意点
Shopifyストアの構築や顧客管理などの運用改善を社外に相談する際には、以下の3つの点を十分に確認し、依頼先の選定作業を進めましょう。
- Shopifyに関する専門知識やスキル、豊富な実績を有している
- 費用やスケジュールなどの条件が、自社の希望と合致している
- 販売する商品や業界に関する知識や支援実績を備えている
複数の制作会社やフリーランスの特徴を比較した上で、自社の希望や条件に合ったプロを選定してください。
Shopifyストアの運用支援をフリーランスに依頼する主なメリット
Shopifyストアの構築・運用に豊富な実績を持つフリーランスに、相談対応や運用支援をするメリットは主に以下の3つです。
メリット | 概要 |
課題に適したプロに相談できる | Web上で公開されている実績や保有スキルを比較した上で、自社の課題解消に適したプロに相談できます。 |
迅速な対応 | 社内確認などを経て対応するケースの多い制作会社に比べ、スケジュールや作業内容、費用などをフリーランス自身が判断するため、迅速な対応が期待できます。 |
コストパフォーマンスの高さ | フリーランスに直接発注するので中間マージン不要で、コストパフォーマンスの向上が見込めます。 |
Shopifyストアに関する課題や疑問は、ぜひランサーズで活動するフリーランスにご相談ください。
Shopifyで有効な顧客管理を行いサイトの運用改善を実現しましょう
本記事では、Shopifyの顧客管理について、以下の4つのポイントに沿って解説しました。
- 適切な顧客管理を実施することで、リピーターの増加や売上の安定化が期待できる
- Shopifyは基本機能として、顧客管理用の機能を多数提供している
- 自社に合ったShopifyアプリの利用は、顧客管理の品質向上につながる
- 顧客管理によって得た情報は、顧客への各種アプローチに活用できる
顧客との円滑なコミュニケーションを図り、効果的なアプローチを実践するには、サイトの集客状況やコンセプトに合った顧客管理が不可欠です。目的に沿った顧客管理を継続すれば、サイトの運用改善につながります。本記事で取り上げた顧客管理の重要点を参考にして、Shopifyストアのリピーター獲得や業績の向上に役立ててください。
