楽天市場への出店に興味はあっても、手順がわからないため出店申し込みに時間がかかっている方も多いのではないでしょうか。
楽天市場の出店には2度の審査を通過する必要がありますので、開店の予定日に間に合うようなページ作成が必要です。また、楽天市場は複数の料金プランとオプションがあり、自社に合う内容を選択する必要もあります。
本記事では、楽天市場への出店手順をご紹介します。楽天市場の月額料金やオプション料金、ツールにかかる費用、メリット・デメリットなども紹介していますので、ぜひご一読ください。

目次
楽天市場への出店手順
楽天市場へ出店する際、いくつかの手続きや準備すべきことがあります。楽天市場への出店をスムーズに行うために、楽天市場の出店手順を見ていきましょう。
- 料金プランを検討する
- 出店を申し込む
- アカウントが開設されたら利用を始める
- 開店前審査を受ける
- 審査通過後に開店する
1. 料金プランを検討する
楽天市場に出店するなら、まずは料金プランを検討しましょう。楽天市場には3つの料金プランがあり、特徴は下記の通りです。
料金/手数料/主な機能 | プラン名 | がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン |
初期登録費用 | 60,000円 | ||
毎月の料金 | 19,500円 (年間一括払い) | 50,000円 (半年毎にまとめて支払い) | 100,000円 (半年毎にまとめて支払い) |
システム利用料(税別) | 3.5〜7.0% | 2.0〜4.5% | 2.0〜4.5% |
登録可能商品数 | 5,000商品 | 20,000商品 | 無制限 |
画像容量 | 500MBまで | 5GBまで | 無制限 |
選定の目安 | 割安な料金で出店したい事業者 | 目標月商が140万円以上の事業者 | 多くの商品数や画像が必要な事業者 |
毎月の料金はプランによって、半年または1年分をまとめて支払いますので、出店時にまとまった金額を準備しなければなりません。
自社の状況に合うプランを選定して、楽天市場への出店手続きに臨みましょう。
料金プランに含まれている料金以外にかかる利用料も確認する
楽天市場は、プランごとの月額利用料と売り上げにかかるシステム利用料の他に、さまざまな利用料が必要です。ここでは、楽天市場の店舗運営にかかる代表的な利用料について紹介します。
料金の種類 | 月額利用料・料率 | 必須・任意 |
システムサービス利用料 | ・楽天ポイント:購入代金の1% ・モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料:月間売上高の0.1% ・楽天スーパーアフィリエイト:商品ジャンルや適用料率などにより異なる | 必須 |
R-Messe利用料 | ・3,000円または5,000円 ・期間未定で無料 | 必須 |
楽天ペイ(楽天市場決済) | 国内:支払額の2.5〜3.5% (海外は0.4%加算) | 必須 (決済方法として楽天ペイ以外を選択する場合は、楽天ペイの導入後に別途申請が必要) |
R-SNS(複数のSNSでの情報発信ツール) | 3,000円 | 任意 |
R-Mail(メールマガジンの配信機能) | ・基本料金無料 ・メールマガジン1通1円 ・条件付きで週1回無料 | 任意 |
商品一括編集機能 | 10,000円 | 任意 |
RMS Service Square | サービス・ツールにより異なる | 任意 |
2. 出店を申し込む
毎月発生する料金を確認して料金プランを選択したら、出店を申し込みましょう。公式サイトの「出店申込」ボタンから申し込むのがスムーズです。
出店の申し込みにあたって、下記の情報を入力または選択します。
- 事業形態
- 会社名
- 本社所在地
- 代表電話番号
- 代表FAX番号
- 代表者名
- 店舗運営責任者
- 所属部署(任意)
- 郵送物等の送付先住所
- 連絡先電話番号
- 連絡先FAX番号
- 連絡先メールアドレス
- 取扱商材ジャンル
上記の内容を入力して申し込んだら、審査(申し込み内容確認お手続き)に入ります。書類の提出が求められることもありますので、遅滞なく提出してください。審査には、2週間〜1ヶ月かかります。
3. アカウントが開設されたら利用を始める
楽天市場の「申し込み内容確認お手続き」が問題なく進めば、RMSアカウントが開設されます。RMSとは「Rakuten Merchant Server」の省略形で、楽天市場の店舗運営システムのことです。RMSアカウントが開設された時点で、利用料が発生します。
RMSにログインできる状態になったら楽天市場の店舗ページや商品ページを登録可能です。また、RMSを通じて、支払方法や配送方法の設定など店舗運営に必要な設定もできます。
ページ作成や必要な設定を行って、楽天市場の店舗構築を進めていきましょう。
4. 開店前審査を受ける
楽天市場の店舗構築と同時に、下記のような必要な手続きが必要です。すみやかに進めてください。
- 楽天銀行の口座開設
- 商材審査
- 楽天市場のルール検定
上記の手続きと並行して、開店前審査(オープン審査)に出す商品ページの登録も行いましょう。オープン審査の対象となる商品ページは1商品です。
開店前審査には2週間~1ヶ月かかりますので、できるだけ早く審査に出しましょう。審査中も商品登録できますので、審査通過後にすぐに開店できるよう、商品登録を進めてください。
5. 審査通過後に開店する
開店前審査に通過すると、楽天市場の店舗を開店できる状態になります。多くの注文を獲得できるよう、工夫して店舗運営を進めていきましょう。
楽天市場に出店する4つのメリット
楽天市場は日本を代表するECモールであり、出店するメリットは大きいです。楽天市場に出店する、下記のようなメリットを紹介します。
- 集客力が高い
- サポートやツールが充実している
- マニュアルがしっかりしている
- Webで一元管理できる
1. 集客力が高い
楽天市場は日本で最大規模を誇るECモールです。取り扱う商品ジャンルの豊富さや、楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどセール時の集客力の高さなどから、多くの人に利用されています。また、「楽天経済圏」という言葉があるように、楽天スーパーポイント獲得のために楽天で買い物したり複数の楽天サービスを使ったりする人は多いです。
全く知名度がない店舗でも、楽天市場の検索上位に表示されたことがきっかけで売り上げを伸ばすこともあります。集客力が高く、多くの人の目に触れやすいことは、楽天市場の魅力です。
2. サポートやツールが充実している
これまでECサイトを運営した経験がないと、商品が売れない場合の施策など、ちょっとしたことで困ってしまうことはよくあります。しかし、自社でECサイトを構築・運営する場合、基本的に自社で対応しなければなりません。
楽天市場に出店すれば、1店舗につき1人のECコンサルタントが担当します。ECサイトの情報や販売方法などに精通していますので、困ったことは相談しながら戦略を練ることも可能です。
さらに楽天市場では、画像加工やページデザイン、店舗管理、運営支援などに役立つツールを有料で利用できます。Webデザインの専門知識なしで使えるツールがたくさんありますので、楽天市場はEC初心者がショップ運営しやすいです。
3. マニュアルがしっかりしている
楽天市場は2022年の2月で創業25周年です。日本のインターネット通信販売として初期から運営していて長い歴史がありますので、積み重ねたノウハウやマニュアルが充実しています。
ネットショップの運営経験の少ない人が、出店手続きや店舗運営でわからないことがあっても対応方法は見つけやすいです。
もしマニュアルで対応方法がわからなくても、担当のECコンサルタントや年中無休のコールセンターが対応してくれるので、すぐに回答が得られます。
4. Webで一元管理できる
楽天市場の店舗管理は、店舗運営システムであるRMSにログインして行います。RMSの機能を大きく分けると下記の4機能です。
- 店舗構築(R-Storefront)
- 受注管理(R-Backoffice)
- メール配信(R-Mail)
- データ分析(R-Karte)
上記すべて、RMSにWebブラウザからアクセスすれば操作できます。専用のシステムを用意せずとも、一般的なPCやタブレットがあれば、Webブラウザ経由で店舗構築や管理が可能です。
楽天市場に出店する時に注意すべき6つのデメリット
楽天市場は抜群の集客力という大きなメリットがありますが、いくつかデメリットもありますので、理解して対策しましょう。楽天市場への出店時に注意すべきデメリットを紹介します。
- 競争が激しい
- 費用が高額になる
- 出店審査が厳しい
- 個人は出店できない
- 取扱禁止商材がある
- デザインに専門知識が必要
1. 競争が激しい
楽天市場に出店している店舗は多いので、自社が取り扱っている商品と似た商品を販売する競合店舗も多いです。他のショップとの価格競争や、検索上位争いが大変なことはよくあります。
キーワードや商品名に何の工夫もせず、広告などで対策を全くしていない状態だと、検索してもなかなか上位には表示されず、売り上げは伸びにくいです。
広告費をかけるといった対策を施すと検索上位に掲載されやすくなりますが、競合が多い商品ジャンルやキーワードへの広告は費用がかさみます。
楽天市場に出店している店舗数が多い分、熾烈な競争があり、何もせずに売り上げが伸びることはほとんどありません。
2. 費用が高額になる
楽天市場への出店は、競合他社に比べると高コストです。競合のAmazonやYahoo!ショッピングとのコストを比べると下記の通りです。
費用 | 楽天市場 | Amazon | Yahoo!ショッピング |
初期費用 | 60,000円 | 無料 | 無料 |
月額料金 | 19,500〜100,000円 | 4,900円 小口出品は無料 | 無料 |
売り上げに対してかかる手数料 | 2.0〜7.0% | 8.0〜15.0% 小口出品は売上ごとに100円加算 | 無料 |
クレジットカード決済手数料(楽天ペイ利用料) | 2.5〜3.5% | 設定なし (売上に対してかかる手数料に含まれる) | 3.24% |
その他システム手数料 | ・楽天ポイント原資1% ・モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料0.1% ・楽天スーパーアフィリエイト ・広告 ・オプション料金 | ・配送料 ・長期保管料金 ・広告オプション | ・ポイント原資1~15% ・キャンペーン原資1.5% ・アフィリエイトパートナー報酬原資1~50% ・アフィリエイト手数料:報酬原資の30% |
楽天市場は競合他社と比べると最低料金が高額ですので、売り上げが伸び悩むショップは赤字になることもあります。
3. 出店審査が厳しい
楽天市場は他のECモールに比べて、審査が厳しいと言われています。楽天市場から「不安要素のあるショップ」と判断されてしまうと、出店を申し込んでも審査で落とされ、出店できません。
例えば、知名度のないブランドや販売実績が全くないショップですと、楽天市場の出店審査に落ちることもあります。
これまでの実績が全くない店舗は、最初に審査の緩いECモールへ出店したり自社ECサイトで販売したりするなど実績を積んでから、審査に臨むといいでしょう。
4. 個人は出店できない
楽天市場へ出店できるのは、法人または個人事業主です。出店審査には法人または個人事業主であることの証明書を提出しなければなりません。
個人事業主でない個人は、楽天市場への出店資格はありませんので注意してください。
5. 取扱禁止商材がある
楽天市場では、取扱可能な商材が限られています。下記のような、公序良俗に反する商品は取扱対象外です。
商品のジャンル | 取扱禁止商材の具体例 |
販売・所持が法規制されているもの | ・銃 ・剣 ・違法薬物 ・不正改造者 |
モラルに反するもの | ・使用済み下着や制服 ・盗撮画像・機器 ・犯罪を誘発するおそれがある製品 |
譲渡・転売禁止商品 | ・口座やキャッシュカードやクレジットカード ・開通済みの電話機器 |
悪用の可能性があるもの | ・身分証明書 ・印影から印章・印鑑を作成するサービス |
青少年の保護育成上好ましくないもの | ・アダルト製品 ・児童ポルノ |
危険物 | ・爆発物 ・毒物 ・武器 |
他人の権利・利益を侵害する可能性があるもの | ・偽ブランド品 ・違法コピーされたソフトやデータ |
楽天市場が不適切と判断したもの | ・宗教色の強い商品 ・期限切れ商品 ・クジラやイルカの部位を用いた商品 ・精力剤 |
取扱禁止されている商材での出店申込は、審査落ちの原因になることもあります。自社で扱う商材が禁止商材に該当しないか、楽天市場へ申し込む前に確認しておきましょう。
6. デザインに専門知識が必要
楽天市場へ商品登録する際、「商品ページ情報」の入力でHTMLを使える項目がいくつかあります。文字だけでも構いませんが、文字だけの商品ページは魅力的ではありません。
画像を配置して商品説明文などを作成していくには、HTMLの知識が必要です。また、TOPページや特集ページの作成にも、HTMLなどWebデザインの知識が求められます。
楽天市場で初心者でも使える有料ツールはありますが、毎月料金が発生し、さらにコストがかかってしまいます。
Webデザインの知識がなくても楽天市場へ出店する方法
楽天市場で商品を販売するためのページを構築するには、専門知識が必要です。具体的には商品ページ内の商品説明文や、TOPページや特集ページの作成にHTMLやCSS、JavaScriptなどの知識が求められます。
楽天市場の有料ツールを使えば自社で対応できるかもしれませんが、ECサイトの制作に不慣れな方は思うようなデザインに仕上げられないことが多いです。
デザインをフリーランスなどの専門家へ依頼するのもおすすめ
自社で思うような商品ページを作成できないなら、フリーランスとして活躍している専門家へ依頼する方法もあります。中間業者を挟みませんので、コストを抑えての依頼が可能です。
ランサーズなら、楽天市場のショップ作成経験が豊富なフリーランスが多数在籍しています。主力商品の商品ページ作成など、部分的な依頼もできますので、自社の状況に合わせて検討してみてください。
楽天市場は料金が高いが集客力も高いECモール
今回の記事では楽天市場への出店方法や手数料、メリット・デメリットなどについてお話ししました。再度、ポイントをまとめます。
- 楽天市場への出店には審査が2回ある
- オープン審査では商品ページも1ページ審査の対象となる
- 3種類の料金プランから選択する
- 他のECモールに比べて毎月の料金が高額
- 商品ページ作成にはWebデザインの知識が必要
圧倒的な集客力はあっても競争が激しい楽天市場で顧客から選ばれるには、魅力的なページ作成が必要です。必要に応じてフリーランスへ店舗ページの作成依頼を検討しながら、ユーザーに選んでもらえるページを作っていきましょう。
