プロダクトデザインを社内のデザイナーではなく、外部に依頼するということは少なくありません。外部に依頼する際、気になるのがやはり費用感。しかし、デザイナーから見積もりが上がってきても項目の見方が分からなければ料金の妥当性が判断できません。また、できるだけ正確な見積もりを取るために、発注側が提供すべき情報もあるのです。この記事では、プロダクトデザインを外注に依頼する際の見積もり項目の見方や、見積もりを依頼するときのポイントなどについてご紹介します。

目次
プロダクトデザインの制作フロー
まずは、プロダクトデザインの制作フローを簡単にご説明します。このフローを理解しておくことで、見積もり項目への理解も深まるはずです。
1.ヒアリング:デザインを検討するにあたり、デザイナーはディレクターなどの関係者から大まかなイメージのヒアリングをします。
2.市場調査:市場調査を行い、旧製品や競合の製品などに対する課題の声などから、購買ターゲットが求めるものを明らかにしていきます。
3.コンセプト提案:ヒアリングと市場調査で得た情報をもとに製品のコンセプトを考え、提案します。
4.アイデアスケッチ:コンセプトに従って、デザイナーが頭にあるイメージをラフなスケッチとして描いていきます。
5.レンダリング:アイデアスケッチをもとに、パソコン上で3D-CGなどを駆使して、完成イメージに近い画像を作成します。
6.ラフモデル制作:使いやすさなどを検証・確認するために、ラフモデルを実際に制作します。
7.意匠図面制作:技術担当者に引き継ぐための図面を制作します。
8.最終レンダリング:意匠図面をもとに、2Dモデリングや3Dモデリングにより仕上がりの形状確認を行います。
9.外観デザイン:カラーバリエーションや表面の仕上げなど、外観の細かなデザインの仕様を検討します。
10.最終デザイン:金型を制作する前に、機構などの最終的な確認をします。
プロダクトデザインの制作料金はピンきり!必ず見積もりを取ろう
プロダクトデザインの制作を外注する場合、気になるのはその料金。外注先を決める際にも、いくらかかるのかは決め手のひとつとなります。
プロダクトデザインの料金相場は、一概にいくらといいにくいもの。デザイナーの知名度や技術力、プロダクトの大きさや形、求めるクオリティのレベルなど、さまざまな要素で料金が変動しやすいからです。例えば規模が小さくシンプルなプロダクトデザインであれば、10万円までで引き受けてもらえることもあります。一方で、100万円を超える料金がかかることも珍しくありません。
このように、プロダクトデザインを外注する場合の料金は幅が広く、ピンキリといえます。だからこそ、料金が高いか低いかだかで判断するのではなく、その妥当性を検討することが大切です。料金が妥当であるかを判断するためにも、見積もりは必ずとり、その内容について確認しましょう。
プロダクトデザイン制作の主な見積もり項目
見積もり項目は会社やデザイナーによって異なるためあくまで目安ですが、基本的な項目として覚えておくことで、どんな見積もりを見るときも置き換えて確認することができるはずです。
企画料
情報収集や市場調査の結果分析、コンセプト立案、実行計画の作成など、デザインの前段階である企画に関する項目です。
技術費
デザイン作成やスケッチ、レンダリング、3DCADを使用したモデリングなど、プロダクトデザインを制作するうえでの技術的な費用に関する項目です。
諸経費
資料作成や、打ち合わせや調査などの移動にかかる交通費、試作品の製作などにかかる材料費、通信費、消耗品費など、細かい出費をまとめた項目です。
特別経費
リサーチ費用や出張費、モデル外注費など、プロジェクトの内容に応じて諸経費とは別で特別に発生する経費の項目です。
ライセンス料
特許出願手数料や知的財産権出願登録費用など、デザイナーが考案したデザインやノウハウ、情報に対してライセンス登録を行う際の費用です。
人件費
プロダクトデザインを制作するうえで稼働するデザイナーの人件費を示す項目です。基本的に、「1時間あたりいくら」と時給で換算されます。
プロダクトデザインの見積もりのポイント
プロダクトデザインの見積もりを取る際は、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
ライセンス料がかかる
プロダクトデザインには、「ライセンス料」がかかります。他のデザインにはかからない費用のため戸惑う方もいるかもしれませんが、プロダクトデザインには必ずかかる費用なので注意しておきましょう。
製品のマニュアルや説明書は別途必要
製品のマニュアルや取扱説明書などは、デザイン費(技術費など)とは別途になります。これをデザイン費に含めようとすると、見積もりが非常に高くなってしまいます。マニュアルや説明書の作成は、一般的に専門部署や編集事務所などに依頼するケースがほとんどのため、予め認識しておきましょう。
ロゴやマークのデザイン開発について
製品に付けるロゴやマークを「ロゴ・マークの開発料」として項目にあげるか、それともデザイン費(技術費など)の中に含めるかを予め決めておきましょう。開発料として項目にあげなければ、その分デザイン費が高くなります。
予算に合わせてプロダクトデザインの外注先を選ぶなら、クラウドソーシング
決められた予算に合わせてプロダクトデザインの外注先を選ぶなら、業者に直接依頼するのではなく、クラウドソーシングを利用するという選択肢もあります。
提示した予算で料金を決められる
クラウドソーシングを利用すると、予算に合わせて自由に料金を設定できます。そのため、見積もりを取ってから予算に近い業者を選んだり、そこからさらに料金の交渉をするのではなく、予算を提示したうえでそれに対応できるデザイナーを効率的に募ることができます。
基本的にデザイナーは提案をしてくる時点で料金については了承しているため、その後の話をスムーズに進めることができるのです。
条件や要項に応じたデザイナーが集まりやすい
クラウドソーシングでプロダクトデザイナーを募集する際、募集ページで制作を依頼するプロダクトデザインの概要や、必要なスキル、予算やスケジュールなど、大まかな内容を伝えることできます。そのため、条件に合った、プロジェクトに対して親和性の高いデザイナーが集まりやすいというのもメリットです。
選ぶ側の視野を広げられる
上述の通り、クラウドソーシングには多くのユーザーが登録しているため、募集をかければ個性豊かなデザイナーからさまざまな提案が寄せられることでしょう。これにより、外注先を選ぶ側の立場として、デザイナー個人がもつプロダクトデザインの新たな可能性に気づいたり、視野を広げるきっかけにもなります。
まとめ
プロダクトデザインの外注先を見つける際にクラウドソーシングを利用するなら、実績の豊富な日本最大級の仕事発注サイト「ランサーズ」がおすすめ。無料で登録できるので、ぜひ一度利用してみてはいかがでしょうか?
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