LINEが実践している、クリエイターの能力を100%発揮させるコツがあると聞きました。元代表取締役社長 森川亮氏の著書『シンプルに考える』より、企業で働くマネジメント層がマネしたい、クリエイターを100%活用する方法についてご紹介します。

クリエイターに能力を100%発揮してもらうために
個性的なクリエイターと一緒に仕事をする人は、現場の士気を高めながら、彼らの能力を十分に発揮させるようにプロジェクトを進行させます。しかし、なかには空回りしてしまう人も多いのではないでしょうか?
今や世界で大人気となったアプリを手掛けるLINE株式会社では、優秀なクリエイターたちが、能力を100%発揮できる環境にするために、不要なことをすべて捨て続けているといいます。その数々の取り組みは、ビジネスの世界でいうと、型破りなことばかり。
今回は、LINE株式会社の元代表取締役社長、森川亮氏の著書、『シンプルに考える』から、優秀なクリエイターと仕事をする上で、リーダーが気をつけるべきポイントを紹介します。
空気を読まない
上司の目指す方向性が間違っていると思えば、臆せず意見を述べることが大切です。
周囲に気を遣ってばかりの人は、そこそこの仕事はできても、ずば抜けた結果は出せないと、森川氏は言います。多くの人たちの意見を取り入れた結果、複雑で使いづらいものを生み出してしまうのは、日本企業でありがちなこと。
優秀なクリエイターは、誰よりもシビアな目線で市場を眺め、ユーザーが面白いと思うものを作り出そうと努力をしているので、市場を理解していない人から微妙な意見を言われ、指図されると途端にやる気を失ってしまいます。部下が本音で意見を言わなくならないように、リーダーは率先して話しやすい場づくりをするように心がることが大事なのです。
会議はしない
ダメな会社ほど会議が多いといいます。LINE株式会社では、プロジェクトやサービスに関する現場のミーティングは頻繁に行われていますが、ムダな会議、形式的な会議はないといいます。全社のリーダーを集めて情報共有をする会議も、ただの伝達と報告に時間を費やすだけで、ユーザーの価値に結びつくものは何も生み出していないことに気づき、すべてやめてしまったそうです。
会議をやめて、会社や部門ごとの重点課題、目標や実績などは社内のデータベースで公開して、職責のレイヤーごとに閲覧可能な情報に制限をかけているとのこと。
森川氏が考える、会議を減らすための方法は2つ。
(1)会議を増やそうとする人を排除すること
会議好きな人は現場の第一線でユーザーと向き合っていない人が多く、余計な会議を設定してそれを運営することを仕事にし始めるからです。
(2)権限移譲をすること
昇格すればするほど、意思決定に関わる機会が増えるため、出席する会議が増えるもの。会議だけで一日が終わってしまうことがないように、信頼できる部下に権限移譲していけば、自分しかできない重要な意思決定に集中できるようになります。ムダな会議をなくせるように環境を整えることが、リーダーには必要なのです。
計画書はいらない
インターネットの業界は変化のスピードが速いため、プログラムの仕様書などを作っていると、膨大な時間のロスを生み出してしまいます。LINE株式会社では、「野球型」ではなく、「サッカー型」のマネジメントを採用し、商品コンセプトにエンジニアやデザイナーが共感すれば、わざわざ仕様書を作らなくても、すぐにプロダクト開発に着手できるようにしているといいます。権限移譲もしているため、現場リーダーがその場でやると判断して圧倒的なスピードで作り上げることができるのです。
ムダをとことん省き、メンバーに決定権を与えることで、ビジネススピードを最大化します。メンバーと信頼関係を築き、権限移譲をしていくために、リーダーは日頃からメンバーをよく観察して、その人の能力に応じて相手に仕事を全面的に任せていくことが大切なのです。
さいごに
LINE株式会社の実践する、斬新な取り組みの数々、いかがでしたか?
本書では、変化の速いネット業界の最先端を駆け抜けるために実践してきたことや、森川氏が経営者として学んだことが惜しげもなく書かれています。この機会にぜひ学んでみてくださいね。
