フリーランス・フリーライターが世間に抱かれがちな幻想トップ5
フリーライターのイメージと現実のギャップは意外と大きい!?
フリーライターって憧れる! という人もいるでしょう。文章を書いてお金をもらえますから、何かを書きたい人、何かを伝えてたい人にとって魅力的な仕事です。
しかし、憧れだけでフリーライターの道を目指すのは危険! その憧れは、幻かもしれません……。
今回は、フリーライターになって実感した世間の「ライター」イメージと現実とのズレをご紹介します。
幻想その1:いつでも自由気まま
「フリーライターは自由でいいよねー」
フリーランスやライターになってから、とてもよく言われる言葉です。
たしかに、会社勤めの人に比べると仕事をする場所も時間も決まりはありませんので自由ですね。すべて自分のさじ加減で決められるので、自分の予定のために調整して長期休暇をとる人もいます。
ただし“気まま”というわけにはいきません。フリーランスの場合、予定をきっちりと立てていかないと仕事にならないからです。自分の能力と納期の兼ね合い、そして複数案件を掛け持ちの場合は調整をしなければなりません。
副業であれば、時間が空いたら仕事をする。というスタンスでも問題ないのですが、専業のフリーライターはスケジューリングの技術が収入に直結する場合も多いのです。
レギュラーの仕事と新規の仕事、営業に割く時間までを考慮して仕事を受注していかないと、
仕事を抱えすぎて休みどころじゃない!
という場合や、逆に
仕事が全然ない……
という事態も起こります。
すべてが予定通りには行きませんが、ある程度しっかりとしたプランを立てないと生活できないのがフリーランス、フリーライターです。
幻想その2:休みが多い
“自由気まま”とも通じるところがありますが、休みが多いと思われる場合も多いです。家で仕事をするフリーランスなら「あの人はいつも家にいる」「暇なのかな?」と思われるケースもよくあります。
フリーライターは、ある程度は自由に休みを決められるものの、休みばかりとっていては収入につながりません。有給もありませんから、休んだ分だけ報酬が減るのです。
とくにフリーランスの最初の頃や、レギュラーの仕事が少ない時期などには、 休み返上で働く という人も少なくないでしょう。
小さな子供がいる家庭のママさんフリーライターなどは、深夜や早朝に仕事をする人も多いです。人々が寝静まった頃に働き、見えるところでは家事などをしているので、休みが多いと思われてしまうようです。
幻想その3:人付き合いがいらない
会社のややこしい人間関係がなくて、いいなー。と思わている場合もありますが、これはまったくの誤解です。
フリーライターは、人とうまく付き合えない人には厳しい仕事なのです。ひとつのレギュラー仕事を受注し、専属で記事を納品していくようなスタイルならば、あまり多くの人と接する機会はありません。
しかしいくつかのクライアントとお仕事をするなら、人付き合い・コミュニケーションは必須能力。
会社員ならば一緒にいる時間も多く仕事以外の話もしますから、その人の性格や長所・短所もしっかり把握できます。多少ダメなところがあっても、「あの人はそういう人だから」で済んでしまうでしょう。
しかし、フリーランスの場合はそうはいきません。とくにWEBライティングの場合、お互い顔が見えないお付き合いになりますから、ライターの人柄を判断する材料はメールや電話のみ。
細心の注意を払っていないと、何で相手の気分を害すかわかりません。時には誤解から、契約をストップされてしまうことも……。
在宅仕事やフリーランスにとって、コミュニケーション能力は重要な能力です。
幻想その4:ストレスがない
フリーライターは、好きな仕事を選べます。そして、あらかじめ納期の交渉なども可能です。いざ作業に入る時には、上司も後輩もいないので集中しやすい環境ですね。
しかし人によって程度の差はあれど、フリーライターの仕事にもストレスはあります。
まず、仕事ひとつひとつへの緊張感がものすごいです。フリーランスにとって失敗は、仕事やクライアントを失うという意味。助けてくれる上司や同僚はいないのです。
「ほんの少し手抜きしよう」「これくらいでいいや」と妥協すればクオリティは下がり、次からの依頼はなくなります。
「忙しかったから」「子供が熱を出したから」と納期が延びてばかりいれば信頼されなくなり、これも次から依頼は来なくなるでしょう。
思わぬ時期に思わぬ依頼が入り、 納品できるかギリギリの綱渡り なんて状態のときには、正直胃がキリキリと痛み、とても焦ります。
フリーランスであろうが、会社員であろうが、フリーライターであろうが、仕事に責任がある以上はストレスを感じるのは当然なんですね。
幻想その5:勝手に仕事が舞い込んでくる
フリーライターというと、色んな人から依頼があってその中から好きな案件を選ぶ。と思っている人もいるようです。
実際、売れっ子ライターは引く手あまたで、仕事依頼が殺到する場合もあるでしょう。
しかし、よほど売れていない限り フリーライターは“営業ありき” の世界。
既に知っているクライアント、新規の案件へこまごまと営業をかえなければ、仕事が自然発生することはありません。
一度仕事をして評価され、レギュラーで契約する場合もあります。能力を認められて、さらに良い報酬の案件をもらえるときもあります。
けれどもそれ以外は、知人を通して紹介してもらったり、自分で仕事を探して営業をかけていくのが基本です。フリーライターにとって営業は重要な仕事のひとつなのです。
フリーライターが抱かれがちな幻想と現実の違い、なんとなくわかっていただけましたか?
どんな仕事にも良い面、悪い面はあるもの。当然フリーライターにも、楽しところとツライところがあるんです。両方が巧妙に混ざり合うからこそ、仕事は楽しいのかもしれませんね。