クライアントとのお付き合いのコツ

クライアントとのお付き合いのコツ
フリーランスはクライアントとのお付き合いがあって初めて成り立つものです。そのため、先方のニーズを理解し、良好な関係を維持することが常に求められます。ニーズの把握や信頼関係の構築はどのように行なっていくものなのでしょうか。
LANCER SCORE
5

お付き合いも、まず新規開拓から始まる

フリーランスの仕事を始めるにあたり「多くのクライアントに持ちつつ、豊富な実績と名声を持ってデビューできること」は、あまりないのではないでしょうか。まずは営業活動を行い、全部ではないにせよ「新規開拓」に励むことになるかと思います。

会社の後ろ盾がなく、実績の少ないフリーランスがゼロから顧客を獲得していくためには、一例として「こういった仕事が出来ます!」というアピールを具現化させた「サンプル(営業ツール)」をご用意されることをお勧め致します。

例えば、その他大勢と分けて考えてもらうために、きらりと光って印象に残るような特製の名刺や、顧客ニーズに刺さるホームページといったものです。また、クリエイティブ関連の方々であれば、ご自身の強みを最大限表現したポートフォリオ等を保有することは非常に有効になります。

そして、前段として、「自分のスキル/強みは何なのか?」、「そんな自分を必要としているのはどのような人々なのか?」「その人々の発注に至る意思決定フローはどのようなものか?」といった営業戦略上の命題をクリアにし、ツールに反映させることで、より良い営業効果が見込めるはずです。

フリーランスはどうしても初期段階での信頼度/認知度が低く、「現場の営業トークのみ」で受注まで到達するのは大変なことです。こうした状況において、上述のとおり、ご自身のスキルを代弁してくれる「各種サンプル」の準備等、営業手法の改善/高度化を狙うことが1つのポイントになります。

継続的なお付き合いをするコツ

全てのベースとして、対企業にではなく対フリーランスに仕事を依頼するメリットがあるなかで、「クライアントが自分に何を期待しているのか?」を見極め、期待値を上回り続けることこそが、お付き合いを長いものにしていくのではないでしょうか。

では、クライアントと長くお付き合いをするのには具体的に何が必要なのでしょう。
例えば、

  • (最終的に) クライアントが希望する成果物を高い品質で納期内におさめる
  • (必要に応じ) こまめな経過報告によって進捗状況を伝える

これらは当たり前とおっしゃるかもしれませんが、相手が求める当たり前なことを「徹底的に」かつ「丁寧に」こなすことはなかなか大変なことです。

その「当たり前」が一瞬でも崩れた瞬間にはクライアントが不安ですし、何より納得の出来ない成果物に対しての支払いはしたくないと思うこともあるかもしれません。手抜き感や品質の低さが露呈してしまった瞬間にクライアントとの信頼関係が壊れることもあります。どんなに小さな1つの仕事をとっても誠心誠意おこなっていくべきです。

また、中長期的に顧客要望に沿った成果物をあげていくためには、初期の要件定義の安定感と品質がキーポイントです。クライアントの希望と異なる方向性で全力を出しても、顧客満足度は一向に上がらないでしょうし、リピート率や評判も高まるとは考えにくくあります。

初期段階で方向性が見えない/見誤ったままで走りだすことは当然リスクです。必要十分な要件を聞き出すためにヒアリングを徹底し、クライアントとベクトルを高い精度で揃えられる技術は、フリーランスの中長期的な安定性に必須といえるでしょう。

積み重ねた信頼を失わないためには

ビジネス上で、「信頼」を積み立てることは一苦労で時間もかかりますが、失う時はあっという間の一瞬ではないでしょうか。

フリーランスにとって「ミス」は致命的であり、生活の危機に繋がることもあります。たった1つのミスによってクライアントとのお付き合いが終わることもあるのです。納期ギリギリの提出の中、「大きなミス」が発見された場合には、ビジネスとして非常に厳しい状態になってしまいます。

あくまでも一例ですが、このような未納品リスクを回避するには、クライアントへの納期とは別に、自主目標としての納期設定を行うことも一手です。「20%程度先」に納品できるようなスケジュールを組むといったことです。30日かかるところを6日繰り上げて24日で納品できるようにするというような例えになります。

これで、訂正・ブラッシュアップの時間を残しながら、クライアントが納得/満足できる成果物に近付けていけるため、クライアントとの関係がより良いものにしていける確率が向上します。

一方、ミスやトラブルを未然に防ぐリスク管理術も大事ですが、ミスをしてしまった後の振る舞い方もフリーランスとして非常に重要です。起きてしまったことを現実として受け止め、どうすればクライアントをより良い方向へ導けるかを考える真摯さをお持ちいただけると良いでしょう。

Win-Win関係の構築に向けて

クライアントもフリーランス側も双方が良い結果を得るには、クライアントのニーズに応えるだけではなく、「プラスアルファ」が必要になります。ご依頼のカテゴリに関して、有用な情報の提供をしていくことも、その1つです。役に立つかどうかわからないことが、意外にもアイディアを生んでビジネスチャンスとなって行くこともありえるのです。

ビジネスパートナーとして、お互いにアウトプットし合っていくというのは非常に大事なことです。情報には「価値」があるものですので、そのやり取りを惜しまずに出来る関係性を構築することが双方ともに利益を得ることにも繋がっていくのではないでしょうか。

そして、真に信頼されるフリーランスに目指して、コミュニケーションに行き詰まったときにも、クライアント側に問題があると考えるのではなく、まず自分の中に問題点がないのかを模索する姿勢は大切でしょう。どんな場合においても、ビジネスパートナーとして欠けていることや相応しくない部分が潜んでいるかもしれません。

RECOMMEND
関連記事