コラボ・仲介時のリスクマネジメント

コラボ・仲介時のリスクマネジメント
フリーランスは、単独で仕事をするだけではありません。時には、数名のフリーランスと共同でひとつの仕事を仕上げたり(コラボレーション)、自分ではできない業務を知り合いのフリーランスへ仲介(紹介)したりするケースも存在します。その際に注意すべきリスクを紹介します。
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コラボレーション(共同作業)におけるリスクマネジメント

コラボ時の管理リスクとは?

ひとつの仕事を、複数のフリーランスとのコラボレーション(以下、コラボ)で進める場合には、様々なリスクをマネジメントする必要があります。

その中で最たるものが「管理リスク」です。管理リスクとは、複数のフリーランス・メンバーのうち、そのプロジェクト(仕事)の「リーダー」が背負うリスクのことを指します。

リーダーとなったフリーランスは、プロジェクトの進捗管理や各々の成果物の取りまとめ等を行い、クライアントへの報告や最終的な納品などを行わなければなりません。つまり、クライアントとの窓口の役割を担っているわけです。

もしクライアントがメンバーを招集している場合、リーダーとなってとりまとめをしてくれますが、ひとりのフリーランスがメンバーを招集し、コラボでの作業を提案した場合、招集を行ったフリーランスが自然とリーダーになると思われます。

リーダー(管理者)の立場になったらどうするか?

そうして、リーダーとなった際に直面する管理リスクとは、自分の作業に加えて、進捗管理と作業の取りまとめに時間を要するという点にあります。つまり、自分の作業はもちろんのこと、メンバーの作業も念頭に置いて、納期に間に合わせることを考えなければならないのです。

ですから、自分の作業だけでなく、他のフリーランスの進捗を管理しつつ、全員の成果物を連結させ、ひとつの納品物とする時間を確保することが求められます。後になって時間が足りない…と言うことにならないためにも、しっかりとした進捗管理は大切です。

マネジメント手法は様々ですが、基本例としてお勧めするのが、作業時間を積み上げて進捗を管理するのではなく、納期から逆算して作業時間を割り当てていくと言う管理方式です。プロジェクト開始の段階で、この方式を用いてスケジュールを組んでおけば、どのくらい遅れが出ているかということを明確に把握し、対応することが容易となります。

フリーランスにおいて、納期は絶対です。クライアントの信頼を損ねないためにも、厳密な管理を行わなくてはなりません。プロジェクトの最初はもちろん、途中途中で、他のメンバーと出来る限り密な連絡を取ることが成功の秘訣だと言えます。

仲介(案件紹介)におけるリスクマネジメント

仲介のリスクとはなにか?

ここで言う「仲介」とは、あるフリーランスが、クライアントから受けた仕事を、他のフリーランスへ紹介することを指します。仲介は、専門分野が異なる等の理由でそのフリーランスでは仕事を遂行できないことから、他のフリーランスの紹介をクライアントから依頼される…というケースが多いようです。

しかし、この仲介にもリスクが存在することに注意しなければなりません。

例えば、あなたが、あるクライアントから請けた仕事を、別のフリーランスへと仲介した場合を考えてみましょう。もし、紹介したフリーランスのスキルや成果物が、クライアントの要求と大きくかけ離れていたり、信用を失うような対応をしてしまった場合、紹介したフリーランスはもちろんのこと、あなた自身の信頼にも大きな影響を与える可能性があるのです。

つまり「あのフリーランスは信頼できなかったから、それを仲介した人間も信頼できない」という構図になりかねないということです。仲介した後の仕事の責任はそのフリーランスにもちろんあるわけですが、仲介した人間としての責任もゼロではない、というのが一般的な考え方です。

ですから、本来、仲介と言う行為は、極めて慎重に行わなければならないものだということを覚えておいてください。

では、どのように仲介すべきか?

こうしたリスクを回避するためには、ヒアリングが効果的です。まず、クライアントが求めるフリーランスのスキルや人物像といった条件をヒアリングし、その条件に適合しそうなフリーランスを選別します。

そして、選別したフリーランスとも面談・ヒアリングを行い、十分に検討した上でクライアントの要求とマッチングするかどうかを判断し、実際に仲介を行うべきです。

さらに、クライアント・仲介者・フリーランスの三者で面談(顔合わせ)をセッティングできれば、よりスムースな仲介を行える筈です。安易な仲介は、あなたの信頼を損ねるリスクになりかねません。安請け合いをせずに、仲介するならば、時間をかけて判断をすることをお勧めします。

「曖昧にしない」ことが最大のリスクマネジメント

コラボと仲介に共通する最大のリスクは、従来の「クライアントと1対1」の仕事ではなく、別のフリーランスもメンバーになる(もしくは入れ替わる)という点にあります。このリスクを管理する上で何よりも大切なことは、「あらゆる物事を曖昧にしない」という点に尽きます。

そのためには「連絡・確認・打ち合わせ等の手間暇を惜しまない」ことが重要です。

自分1人であれば、自分をコントロールして、本来の仕事に集中することができます。しかし、他のフリーランスも関与する場合、クライアント・自分・他人に注意して仕事を進めなければなりません。そうなると、どうしても本来の仕事以外の部分がおろそかになりがちです。

もし進捗管理で納品が遅れてしまえば、遅れは遅れ、正当な理由とはなりません。また、結果としてクライアントの満足が得られなければ、信頼を損ねるのは、その仕事に関わったフリーランス全員です。

だからこそ、コラボであればミーティング、仲介であればマッチングのための手間暇を惜しまないことです。曖昧な要素を全て排除した上で仕事を進めることが、最大のリスクマネジメントと言えるでしょう。

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