フリーランスはクレジットカードを使うべき? 経費支払いのポイントを紹介

フリーランスはクレジットカードを使うべき? 経費支払いのポイントを紹介
フリーランスの経費に関する支払いや計算を楽にしてくれるのがクレジットカード。フリーランスが経費支払いにクレジットカードを使うことで得られるメリットや、クレジットカード使用時の注意点、記帳方法といった、経費支払いのポイントを紹介します。
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フリーランスがクレジットカードを使うことで得られるメリットとは

経費を正しく管理することは、確定申告後に税務署から厳しい指摘を受けないためだけでなく、節税効果を得るためにも重要です。

しかし、フリーランスとして一人で事業を切り盛りしている人の中には、経費の管理をわずらわしく感じている人も多いのではないでしょうか。そんなフリーランスの経費に関する支払いや計算を楽にしてくれるのがクレジットカードです。

この記事では、税理士紹介25年の株式会社ビスカスが運営する税金情報サイト『マネーイズム』の編集部が、フリーランスが経費支払いにクレジットカードを使うことで得られるメリットや、クレジットカード使用時の注意点、記帳方法といった、経費支払いのポイントを紹介します。

クレジットカードを使うメリット

経費支払いにクレジットカードを取り入れると、便利になる部分が多数ありますが、具体的にはどのような点が変わるのでしょうか。ここではクレジットカードを使うメリットを、大きく3つに分けて説明します。

効率的な経費管理ができる

ひとつ目は、経費管理の効率を上げられる点です。クレジットカードを使うと、支払い自体を素早くおこなえるようになり、現金の管理も不要になります。

それだけでなく、会計ソフトと連動させることで明細を自動で取り込めるため、いつどのような経費を支払ったのかを手入力する必要がなくなります。

会計ソフトの種類によっては、クレジットカードの明細から勘定科目などの情報を読み取り自動で仕訳が終わる場合もあり、手間を大幅に削減できるでしょう。

また、経費の支払いをクレジットカードひとつでまとめておこなうことで経費全体の動きが可視化され、支払い状況も容易に把握できるようになります。

資金繰りがしやすい

ふたつ目は、資金繰りを有利におこなえる点です。クレジットカードで支払うと、購入してから実際に支払いをおこなうまでに1~2ヶ月の余裕を作れます。

また、ビジネスカードは個人のカードに比べ、利用限度額が高く設定されているため、一時的な高額の支払いにも対応しやすいでしょう。

ポイントが貯まる

三つ目は、ポイントを貯められる点です。支払いをクレジットカードでおこなうだけで、支払った経費の数%のポイントが貯まるのでお得です。

クレジットカードで支払える経費には、事務用品や書籍といった少額のものだけでなく、水道光熱費や家賃といった高額のものもありますので、ポイントを積み重ねることで一定のまとまった金額の還元が期待できます。

さらに、ビジネスカードを使う場合、空港ラウンジの利用や損害保険、会計ソフトの優待など、各種特典を受けられることもあります。

クレジットカード使用時の注意点

フリーランスにとって多くのメリットのあるクレジットカードですが、使い方を間違えると税務対応や仕訳の作成で戸惑ってしまうこともあります。ここでは、クレジットカードを経費支払いに使用する際の注意点を紹介します。

利用明細は領収書の代わりにならない

確定申告で経費を計上する際、領収書が必要になります。しかし、クレジットカードの利用明細は、本来領収書の代わりにはなりません。

税務上、領収書は商品やサービスの提供を行った事業者が発行するものである一方で、利用明細はクレジットカード会社が発行するものだからです。

たしかに利用明細には、受け取った商品やサービスの内容や支払った日、金額などの情報が書かれていることが多いですが、税務調査が行われた場合、利用明細だけでは経費として認められるとはいいきれません。

たとえ利用明細だけで経費として認められたとしても、正式な領収書を持っていないよりは持っている方が、税務署から余計な疑いをかけられる可能性も低くなるでしょう。

個人用の支払いとの区別が必要

事業用の経費を正しく算出・申請するためには、個人用の支払いとの区別を正確におこなう必要があります。そのため、基本的には事業用と個人用の支払いでカードを分けるのが望ましいでしょう。

どうしても事業用と個人用で同じカードを使わなければならない場合、また事業用と個人用の支払いが混同してしまった場合は、両者を区別した仕訳を作成する必要があります。この場合の仕訳方法は、後ほどご紹介します。

クレジットカード使用時の記帳方法

クレジットカードを使うと、取引が成立するタイミングと実際に代金を支払うタイミングが異なります。

また、個人用と事業用の支払いが混同したときや、年会費の支払いやポイントの獲得があったときなど、クレジットカード支払いにおける特殊なケースもあります。こうした特殊なケースに対応する、注意が必要な記帳方法を以下で確認しましょう。

費用計上のタイミング

クレジットカードで経費を支払った場合、原則的には商品の購入などの取引が行われた日に費用計上します。ここではまだ代金が引き落とされてはいないため未払金を計上し、後日、代金の引き落としがあった日に未払金の取り崩しを行います。仕訳は次の2段階で作成しましょう。

購入日

勘定科目 金額 勘定科目 金額
消耗品費または
旅費交通費など
xxx 未払金 xxx

代金引落し日

勘定科目 金額 勘定科目 金額
未払金 xxx 普通預金 xxx

なお、代金の引き落としがあった日にはじめて費用として計上する簡易的な仕訳方法もありますが、青色申告特別控除の適用を受けている事業主は、2段階で仕訳をおこなうのが基本です。

個人用と事業用の分け直し方

個人用と事業用の支払いを分けると理解していても、混同してしまうこともあるでしょう。その場合は、事業主貸(資産)を使って分け直しを行います。たとえば会社のクレジットカードで個人用の支払いを行った場合、以下の仕訳を行います。

購入日

勘定科目 金額 勘定科目 金額
事業主貸 xxx 未払金 xxx

代金引落し日

勘定科目 金額 勘定科目 金額
未払金 xxx 普通預金 xxx

当然、事業に関係がないため、事業主貸は経費には含まれません。
一方で、個人のクレジットカードや現預金で事業用の支払いを行った場合は、事業主借(負債)を使って以下の仕訳を行います。

購入日

勘定科目 金額 勘定科目 金額
消耗品費 xxx 事業手借 xxx

代金引落し日
仕訳なし(お金の動きがないため)

事業主貸と事業主借は、期末に相殺し、元入金のプラスまたはマイナスに計上することで残高がゼロとなります。

年会費や獲得ポイントの扱い

クレジットカードを使い始めると、年会費の支払いや獲得ポイントの使用といった、クレジットカードならではのお金の動きがあったときの会計処理の仕方にも迷うことがあるでしょう。ここでは年会費の支払いやポイントの獲得・使用のあったときの勘定科目の選び方や仕訳のタイミングについて解説します。

まず年会費の扱いについて説明します。年会費を支払ったときは、支払手数料や諸会費の勘定科目を使い、支払ったタイミングで仕訳をするのが一般的です。年会費は、クレジットカード会社のサービスの対価の支払いであることから、消費税の課税対象となることに注意しましょう。

なお年会費は、事業をおこなうための費用である以上、経費に計上できます。つまり、事業専用に使っているクレジットカードの場合は全額を経費に計上できますが、個人用と兼用しているクレジットカードの場合は、利用金額のうち事業用に使用している金額の割合の分のみ、年会費を経費に計上できます。

たとえばクレジットカードの利用総額のうち、7割が事業用、3割が個人用の支払いである場合、年会費の3割は経費から除かなければなりません。

次に獲得ポイントの扱いについて説明します。ポイントは、獲得した時点ではまだ使用することが確定しておらず、有効期限が切れてポイントを使えなくなる可能性も残っているため、通常は仕訳をしません。ポイントを使用したときにはじめて仕訳します。

仕訳の仕方には法的な規定はありませんが、一般に以下の2つの方法が使われています。

ひとつ目は、ポイントを雑収入と考える方法です。たとえば8,000円の事務用品の購入にあたり、2,000円分をポイントで支払った場合、以下の仕訳をします。

購入日

勘定科目 金額 勘定科目 金額
消耗品費 8,000 未払金
雑収入
6,000
2,000

ふたつ目は、ポイント使用分だけ値引きを受けたと考える方法です。先ほどと同じ例で考えると、ポイントで支払った2,000円分だけ商品の値段が安くなったとみなして処理します。

購入日

勘定科目 金額 勘定科目 金額
消耗品費 6,000 未払金 6,000

ここで、獲得したポイントは個人のものではなく事業の所得とみなされることに注意しましょう。もし事業用のクレジットカードで獲得したポイントを個人用に使用した場合は、事業主貸などの勘定科目を使って区別する必要があります。

まとめ

今回は、フリーランスが経費支払いにクレジットカードを使う場合のメリットや注意点、記帳の際のポイントについて解説してきました。注意点を事前に十分把握したうえで、クレジットカードのメリットを最大限に活用しましょう。

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