副業は社会の歪みを再構築する手段。独自の考えで働き方をハックするエンジニア

副業は社会の歪みを再構築する手段。独自の考えで働き方をハックするエンジニア
CMS運用やデジタルメディアプロダクツなどを提供する企業に勤める林孝さん。会社員として働いていますが、もとはフリーのエンジニアでした。現在の副業年収はMAX130万ほど。しかし「報酬は気にしない」と語る林さんに副業をする目的を問いました。
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元フリーランスが会社員になって感じること


埼玉県在住の林孝さん(35歳)は、都内のWebコンテンツ制作を中心におこなう企業に勤めるエンジニアです。以前はエンジニアとしてフリーで活動し、同社にはスカウトされ入社したとか。

専門はバックエンドの開発でしたが、現在の会社に入り、フロントエンドも任されるようになったといいます。サーバサイド開発やDBの保守・運用だけでなく、JavaScriptも操るフルスタックエンジニアです。

ある時、Webディレクション業務が続き、開発から少し離れたため、技術力を保つために副業をスタート。フリーランス経験も相まって、早々に年収は100万円に達したと語ります。

副収入としては十分とも言えますが、本人は「報酬はあまり気にしていない」と飄々とした語り口で話されます。報酬よりも「本業では得られないお客様との繋がり」に価値を感じているとか。

元フリーランスの会社員・林さんに、副業を実践する魅力についてお話をお伺いしました。

自分用に会社のカギを作るほど、根っからの仕事人間


ーー 本業ではどんな仕事をされているのですか?

弊社はエンタメソフトの企画制作から事業を開始し、現在はCMS開発やサーバホスティングクラウドサービス、プロモーションサービス、映像や音楽などのデジタルメディアプロダクツの提供をおこなっています。

私はもともとバックエンドのエンジニアだったのですが、現在はWebディレクションやフロントエンドの開発を中心に取り組んでいます。

ーー 会社では副業は容認されているんですか?

正式には、まだ容認されていません。ですが、社長の考えとしては、将来的に副業を解禁したいらしく、比較的寛容な空気があります。なので、私の場合はすでに副業を行なっていることを会社に伝えています。

現在は働き方を調整中なのですが、近いうちに就業規則に正式に「副業容認」の内容が記載されることと思います。

ーー そもそも、副業をはじめられたきっかけは何だったんですか?

私は元来エンジニアなのですが、施策の都合上、Webディレクションを中心におこなっている時期がありました。その時に、開発力が落ちるのは避けたいと思い、ランサーズで副業をはじめたのがきっかけです。

あと、技術力って所属している会社で重宝されることはあっても、一歩外に出たら、全然価値がない……みたいなことが往々にしてあります。だから、エンジニアとして成長するために、社外の環境で揉まれることが重要だと考えたのも1つの理由です。

ーー 本業と並行して、副業を行なうのは大変ではないですか?

休日にも仕事しなければならないほど作業量が多かった時、許可を得た上で自分用のオフィスのカギを作ってしまうような、根っからの仕事人間なので、両立で苦しんだということは、あまり感じたことがありません(笑)。

もちろん、パンクしないように要件定義を細かくおこない、受注先を絞ることは意識しています。その分、密なコミュニケーションを意識して、関係性を強くするよう心がけています。

本業一本では社会は機能しなくなる。第三の働き方を選択できる、社会の柔軟性が必要


ーー 副業していて苦労を感じる瞬間は?

苦労するのは、お客様とのはじめのコンタクトですかね。私はいかに仕事をスムースに進めるかを重視しているのですが、その点でもたつくともどかしく感じます。

Web技術に知見のないクライアント様でもわかりやすく丁寧にコミュニケーションを取れることが、自分の強みだと思うのですが、円滑にやりとりが進まない時は頭を悩ませます。

ーー 逆に副業で達成感や喜びを感じる瞬間は?

苦労と裏表ですが、クライアント様が困っている部分を手助けして、喜ばれる瞬間ですかね。私の業務は、異業種の方からすると理解が難しい仕事だと思っていて、本業では決して繋がることができないクライアント様と良好な関係が築けた時は嬉しいです。

人と仕事の融合ではないですが、クライアント様との距離感ってとても重要だと思うんです。親身になろうと無理に距離感を縮めても敬遠されますし、距離感が離れていると課題を深堀りできない。適度な距離感で「お客様の人柄」が垣間見えたとき、報酬では得られない喜びを感じます。

ーー 将来はまたフリーランスに戻りたいと思いますか?

視野には入れていますが、従来の「会社員や独立か」という二者択一で考えてはいません。アメーバのように、プロジェクト(施策)単位でチームが構成され、アウトプットしてまた解散して……という働き方に憧れています。

ーー 最後に、林さんにとって『副業』とはどんな存在ですか?

私は副業を『歪みが生まれた就労システムを再構築する解決策』だと考えています。そもそも、本業1本で人生が問題ないならばそれでいいんですよ。でも、これだけ「副業解禁」が叫ばれているということは、そうではないという証拠。

これまである種の”つぎはぎ”で構築してきた日本社会が、再構築を必要としているのだと思います。そういった視点からも、副業は個人がより安全に生きていくための一助になるのではないでしょうか。

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