個人事業主が加入すべき保険、フリーランスのリスクに備える!

個人事業主が加入すべき保険、フリーランスのリスクに備える!
フリーランス(個人事業主)は会社員に比べ自由な働き方ができる反面、社会保険が異なることで、保障が薄くなってリスクが高まります。しかしいたずらに不安がらず、補完する民間保険・年金制度を知り、これから創設される保険にも注目していきたいものです。
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個人事業主と会社員の違いは?

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個人事業主はフリーランサーとも呼ばれるように、自分のペースで仕事ができるという強みがあります。反面、もしものための保障が社会保険完備の会社員ほど手厚くないというデメリットもあります。

従来の考え方では、労働者は福利厚生含めて手厚く保護されるべきとされていますが、自己責任を求められる事業主はそうなっていないからです。

例えば仕事上で負傷した会社員に対しては企業が補償する責任を負います(実際は労災保険が肩代わり)が、フリーランスは補償されません。

強制加入の保険だけでは保障が不十分であれば、任意で加入する民間保険などを活用することになります。強制加入の公的保険にはどのようなものがあるかを踏まえたうえで、任意加入でどう補っていくかを理解していくことが重要です。

またフリーランスも保護すべきという国の方針で、新たな民間保険も創設される予定です。

改めておさらい!個人事業主が選べる保険の種類と違いとは?

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個人事業主が加入しなければならない保険は、下記のものになります。

・国民健康保険(国保)
・国民年金

なお、例外もあります。

 - 会社員を退職後任意継続の手続きをとっていれば、2年間は国民健康保険に替えて任意継続保険に加入することもできます。

 - 配偶者が会社員として社会保険に加入しており、所得が130万円を下回っているなどの要件を満たせば、扶養扱いとなり上記保険の保険料は払わなくてもよくなります。

 - 配偶者でなくても3親等内の親族であれば、国民年金保険料は支払うことになりますが、健康保険においては扶養となることもできます。

これらは、会社員が加入しなければならない健康保険や厚生年金とは異なります。介護保険に関しては、いずれも40歳以上で加入となります。

また個人事業主は雇用保険に加入できず、労災保険に関しても建設業者(一人親方)などの限られた危険業種を営んでいる場合のみ特別加入できます。

では、会社員の社会保険と具体的にどんな点が違うのでしょうか?

保険料の違い

会社員の負担する社会保険料は給与に比例する形になりますが、国民年金の保険料は定額(平成29年度は月額16,490円)です。

一方、国民健康保険は保険料率が市区町村毎に異なります。固定資産税額を元に保険料をかける自治体もありますが、所得による部分が大きいです。

個人事業主の場合は青色申告を行って10万円もしくは65万円の特別控除を活用すると保険料引き下げに役立ちます。

保障内容の違い

保障の上での大きな違いとしては、下記4点が考えられます。

1.国民健康保険加入者では、病気やケガの際に傷病手当金や労災給付がもらえません。労災では全額補償される医療費も、国民健康保険で自己負担することになります。

2.老後・死亡・障害の際にもらえる年金には基礎年金と厚生年金があり、加入期間(納付月数)に比例して年金額が変わります。

会社員として厚生年金に加入していた期間に対しては両方がもらえますが、個人事業主の期間は厚生年金未加入期間となり、定年まで会社員として働いたケースと比べ厚生年金が減ります。

3.国民健康保険加入者では出産育児・介護の際に、出産手当金・育児休業給付金・介護休業給付金がもらえません。

4.失業(厳密には廃業)した際にも、個人事業主は雇用保険に加入できないため、失業給付がもらえません。

上記の手当金・給付金・厚生年金は、在職中の給与に応じてもらえるようになっていますが、個人事業主が得ているのは給与ではなく事業所得のためにもらえないのです。

個人事業主のリスクに備えるための保険とは?

1.の問題点をカバーする保険

・医療保険やがん保険
シンプルに考えれば医療保険、もしくはがんだけに備えたいのであればがん保険も考えられます。

入院給付日額(5,000円~10,000円が一般的)や手術給付金を決めて契約することになります。一生涯保障する終身型もあれば、期間を決めて契約するものもあります。

・傷害保険
ケガなど不慮の事故によって生ずる医療費に対して備える保険です。労災補償がされないので検討の余地があります。

事故以外の病気は医療保険と異なり対象外ですが、一方で入院以外に通院給付金が保障され、保険料は年齢や健康状態にも左右されません。

・所得補償保険・就業不能保険
病気やケガなどにより、事業ができなくなった場合に給付される保険になります。所得をベースに月20万円などと定額でもらえるように契約します。

中には給付要件が障害状態に等しい保険もありますが、フリーランスは障害年金の支給額や支給要件が会社員に比べて厳しいので、障害年金をカバーするものとして考えられます。

2.の問題点をカバーする保険

民間保険であれば、生命保険会社の個人年金保険があります。将来受け取る金額や支給期間を決めて契約します。

年金には自身の死亡後に遺族がもらえるものもありますが、フリーランスが死亡した場合、遺族は厚生年金がもらえませんし、高校生以下の子供がいなければ遺族基礎年金ももらえません。これを補うのが死亡保険になります。

死亡保険は通常一時金として一括でもらいますが、年金形式でもらえる収入保障保険もあります。

また老後の年金に関しては、保険会社の保険でなくても、国の制度で下記のものがあります。

・付加年金
国民年金に月400円上乗せすれば、老後にもらえる年間の基礎年金が200円×納付月数だけプラスされます。

・国民年金基金
個人年金保険のように将来もらえる年金額や給付期間を決めますが、個人年金保険と違い、全額所得控除となるため税金対策では有利になります。

・個人型確定拠出年金
将来もらえる年金額を決めるのではなく、払う掛金のほうを決めます。掛金を自身で考えて投資するので、成果に応じて将来の年金額は変わりますが、国民年金基金と同様全額所得控除になります。

3・4の問題点をカバーする保険

現状ではないのですが、対応できる保険が販売される予定です。強いて挙げれば4に対しては小規模企業共済ですが、本来の目的は個人事業主が引退する場合の退職金です。

政府がフリーランス保険整備の動きも

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ここでは、平成29年4月現在において任意で活用できる保険について解説してきました。強制加入の保険は、現在においても将来においても最低限の保障しかされていません。

またここで触れてきた中でもなお不十分な保障が、失業や出産の際の手当です。実はフリーランスでも会社設立して社長になれば、会社員と同じような形の保障を受けられますが、それでも雇用保険に入ることはできず失業時の保障はありません。

平成29年3月に、政府は来年度からの(失業や出産の保障をする)フリーランスの団体保険創設を提言すると報道されました。

具体的には損害保険会社が販売をすることになり、失業・出産の際に所得補償するという所得補償保険の拡充版が予定されています。フリーランス協会を通じて加入すれば、最大5割保険料が割引になる団体保険となる予定です。

個人事業主の保険については、今後の動きにも注目していきましょう。

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