翻訳家だけじゃない!語学を生かして稼げる副業ライター

翻訳家だけじゃない!語学を生かして稼げる副業ライター
語学力の使いみちは、翻訳だけにとどまりません。人工知能、IoT、ロボット、Industry 4.0など、欧米が先端をいく現代において、海外の情報ソースにアクセスできることが大きな武器。海外の情報をローカライズして日本語の記事を作成することができれば、多くの企業から重宝されるライターとしての働き方がみえてきます。
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語学スキルでお金がもらえる仕事は翻訳だけではない

たくさんの時間をつかって磨いた語学力、ビジネスの現場で生かせていますか?

「語学力を生かした仕事」と聞いて、最もよく想像される翻訳業界の需要は伸びているといわれます。

矢野経済研究所は、2015年の調査結果で業界の市場規模とあわせて「ビジネスのグローバル化により翻訳ニーズは拡大」という発表をしました。国際化が進み、ビジネスや民間での異文化が複雑に絡み合う時代では、相手の立場を理解し配慮できる翻訳はますます必要とされてくるでしょう。

人工知能やビッグデータの活用で機械翻訳の精度は高まりましたが、人間らしい翻訳の需要はいつまでも消えることがないといわれています。

ですが、翻訳家として生き残れる人はわずかともいわれています。このことについて翻訳家として25年以上活躍している実川元子さんは著書『翻訳というおしごと』の中で

儲けることだけを追求する人も翻訳者を目指さないほうがいい。翻訳者になる動機は人それぞれだろうが、何らかの意義をみつけなくては翻訳という仕事は続けていくのが難しい
(実川元子著 2016年 アルク刊)

と述べています。

では、語学力をつかってお金を稼ぐ仕事をするには翻訳家以外の道はないのでしょうか?

そんなことはありません。語学力を生かし、それを本業や副業として充実させる方法はほかにもあります。

とくに近年、注目されているのがライターとしての働き方です。

海外情報をベースに付加価値のある記事を書く方法

海外から情報を持ってきて日本語で執筆するだけのライターは翻訳家と変わりません。高く評価されるライターは日本人が必要としている情報を海外から仕入れ、日本人に最適化した文章が書けます。

語学力を生かせば学術系の執筆で海外資料をリファレンスとして引用できるのはもちろん、ちょっとしたネタでもオリジナル性がある記事を書くことができますよ。

たとえば、こんな執筆依頼があったとしましょう。

「第四次産業革命にそなえて人工知能の学習をはじめたいビジネスパーソンのために記事を執筆してください」

こんな依頼があったときに、ほとんどの人は本を読んだりインターネットで検索したりして人工知能を調べて記事を書きます。ただ、日本語の資料をベースにしていると、人工知能の情報は少なく、ありきたりな情報しかみつかりません。

ですが、海外の資料を調べるとより多くの情報が出てくることも珍しくありません。なぜなら、日本では予算が少ない研究分野でも、海外では積極的に研究されていることがあるからです。

海外では研究されているけど、日本では一般的に知られていない情報を紹介するだけで喜んでもらえることは珍しくありません。Google Scholarで”industry 4.0”と検索するだけでも海外の最新研究結果は簡単にみつけられます。

日本人が求めている情報の探し方

あわせて、日本人が知って喜ぶ情報を把握するための調査も必要です。海外で最新の情報であれば何でも喜ばれるわけではありません。

SNSなどで「人工知能」関連のキーワードで検索をすると、記事の対象となる人がどんなことで困っているのか、どう解決しようとしているか見えてきます。

「一般的な感覚の日本人が集まっているSNSってどこだろう?」と疑問に感じるかもしれませんね。はじめて使うときにオススメなのがTwitterです。

Twitter Japanが2016年2月に発表したデータによると、世界では3億2000万のTwitterアカウントがあり、そのうちの1割が日本からのアクセスとされています。ユーザー増加率も世界トップとされており、多くの日本人の声が集まっているSNSといえるでしょう。

キーワードの選び方

SNSの選び方がわかったら、次に注意することは検索するキーワードです。テーマに直結するキーワードを調べていきましょう。今回の依頼例であれば「人工知能 難しい」というキーワードをTwitterの検索窓へ打ち込みます。

すると、人工知能の理解が難しいと考えている人の原因が見えてきます。たとえば「人工知能を勉強したいけどどんな基礎知識が必要か判断するのが難しい」「人工知能を理解するための基礎になる数学が難しい」などのつぶやきが出てくるので、全体的に眺めてどのような情報が役に立つかざっくりと把握しましょう。

Twitterを眺めた結果、誰に役立つ内容を書くか決めて執筆をはじめます。誰のために役立つ情報にするべきか正解はありませんが、オススメは多数決です。より多くの人が悩んでいることであれば、たくさんの人に役立つ情報が提供できます。ライターとして記事を書く目的はさまざまですが、たくさんの人の悩みを解決する手助けができたらすてきですよね。

今回の例では「人工知能の知識がなくて学習をはじめられない」という悩みが多かったとしましょう。読み手の困っていることが明確になったので、あとは解決策を提示するだけです。

「人工知能の学習をはじめる前に押さえておくべき基礎知識」を紹介することが価値になります。大切なことは記事を執筆するにあたり、読み手が何を悩んでいるか明確にすることです。クライアントの依頼内容からはまだ見えていない、読み手の具体的な悩みをみつけるためにSNSを活用しましょう。

海外の検索エンジンの使い方

そこでGoogle Scholarや海外の検索エンジンで記事のテーマ(今回の場合は人工知能)に関する最新情報を調べます。いきなり海外の情報に触れるのはハードルが高すぎることもあるかもしれません。その場合は日本で話題になっている海外情報をみつけて、その情報元を英語でチェックするとよいです。まだ日本で話題になる前の情報は翻訳が簡易なもので説明が詳しくされていないこともあります。

ただし、情報の横流しや機械的な翻訳になってはいけないので、あくまでも情報を把握するために調査するということを忘れないでください。資料が見つかったらその情報をメモとして使いながら記事を書いていきます。ここで忘れないでほしいことはあくまでも記事に付加価値をつけるのはライターの役目であることです。

読み手の困っている情報をSNSでみつけ、解決策を海外の情報をもとに提案することで、ライターとしての価値を発揮しましょう。

読み手が満足する記事を書ければ、SNSで拡散するなど依頼主の目標は達成され、ライターとして高い評価を得ることもできます。

今だからチャンス!語学力を生かして副業しよう

語学力を生かして副業でライターをはじめるなら今がチャンスですよ。競合するライバルが少なく、高い報酬を期待できるからです。

Webメディアを取り巻く環境は毎年、拡充していますから、業界の発展と一緒に副業ライターとして成長することができます。ライターの仕事は企業サイトに直接申し込みしたり、ライター募集をしているメディアに応募したりすることなどで手に入ります。

仕事が見つかればあとは執筆するだけです。

語学力が生かせない現状にくすぶるのは今日までにして、語学力がいきる副業ライターを今日からはじめてみましょう。

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