非エンジニアのための、制作費を抑えてWebサイトを作成する方法

Webサイトを制作したいけど……いくらが妥当なの?
企業・個人を問わず、また業態や職種を問わず、自社(自身)のWebサイトを作成し、情報発信していくことが可能な世の中となって久しいですよね。とくにフリーランスであれば、自分を売り込むためにWebサイトの開設を検討している人も多いハズ。
あなたがエンジニアやWebデザイナーであれば、自分のスキルで望むままのWebサイトを作成することができるかもしれません。しかし非エンジニア、非Webデザイナーであれば、昨今の便利なツールやサービスを使えば簡単につくれる……とはいえ、そうは簡単にいかないもの。
少しでも見栄えの良いサイトを希望したり、便利な機能を追加したいと思ったら、そこはやはり専門家の出番でしょう。悩ましいのは、そのコスト。Web制作をお願いする身にとって、できる限り制作費を抑えたいと思うのは当然のことです。
「こちらの要望はしっかりとWebサイトに反映させたい、でも予算がないので出費は抑えたい」。こんなワガママをついつい言ってみたくなるものです。では、そんなわがままを叶えてくれる制作会社はあるでしょうか。答えはNO。
多くの機能を持ったサイトを作るにはコストがかかりますし、コストを削ればサイトの機能を絞らねばなりません。しかし、依頼者側でできる作業を巻き取ることで、コストを抑えることができるかもしれません。
そこで、今回はWeb制作において、費用がかかる部分をしっかりと把握して、お金をかけるべきところや制作依頼者側でしっかりと対応すべきところを押さえて、効率よくWebサイトを制作する方法を考えてみましょう。
Web制作にかかる費用一覧
Web制作において、まずコストに大きく影響するのがディレクター、デザイナー、エンジニアの人件費です。ディレクターは、Web制作におけるディレクションや進行管理、提案資料作成、プランニング、仕様策定、画面設計、サーバー設計が人日計算で算出されます。
デザイナーは、フロントエンドの開発として、デザイン制作費、HTMLやJavaScript、画面設計、ロゴ作成などが人日計算で算出されます。エンジニアでは、管理システムやサーバー設計、入稿システムなどの開発が人日で算出されます。
さらに、制作する上で依頼者側が求める機能をしっかりと選定しておかなければ、制作コストが高くなることは言うまでもありません。
例えば、フロントエンドではCSSやJavaScriptの実装でアニメーションにこだわる、バックエンド開発では、ワードプレスなどのCMSにプラグインをつける、指定日時を一括バルクで更新する、ブラウザをどこまで対応するかの検証作業などです。
Webサイト完成後の運用作業を軽減化すればするほど、さまざまな機能が必要となるためコストが高くなることがあります。
ほかにも、サイトの検証においても対応するデバイスやブラウザ、サポートするバージョンが増えれば増えるほど料金も高くなるので、ある程度の選定が必要でしょう。
- Web製作にかかる費用(主に人件費)
- ディレクション費(計算/人日)
- (デザインを含む)フロントエンド開発費(計算/人日)
- バックエンド開発費(計算/人日)
- 検証費(計算/人日)
人件費以外にかかる費用
ここまでは、Web制作でかかる人件費の内訳を紹介しました。では、人件費以外に必ずかかる費用にはどのようなものがあるのでしょうか。
そのひとつに、Webサーバー費があります。こちらはWebサイトを表示させる上でなくてはならないものですので、削ることはできません。Webサーバーを借りる場合と開発する場合でかなり大きく制作コストは違いますし、レンタルサーバーも容量によって大きく金額が変わりますので、しっかりとしたサーバー選定が必要となります。
次にドメイン費用です。新たにWebサイトを立ち上げる場合、希望するドメインを取得するのに必要な「ドメイン登録料」とそのドメインを更新する「更新料」がかかります。人気のドメイン以外はさほど金額は高くないですが、サーバー費と同様に必要なものなので固定費として考えてよいでしょう。
そして、SSLサーバー証明書です。SSLサーバー証明書は、個人情報などの情報漏えいを防ぐために情報が暗号化されます。これは第3者機関によって、このサイトは安心・安全ですという証明となります。この第3者機関の認証が信頼性の高いものであればあるほど、その金額は高くなります。金額は年間数千円のものから数十万円になるものまでさまざまです。
自社で選ぶのが心配な場合は、Web制作を依頼する制作会社にお願いするのが良いでしょう。SSLサーバー証明書の更新代行もやっている制作会社もありますので、まずは相談することをお勧めします。
- 人件費以外にかかる費用一覧
- Webサーバー費
- ドメイン取得費・更新費(年間更新)
- SSLサーバー証明書(個人情報などを取り扱う必要がある場合のみ)・更新費(年間更新)
Web制作費を抑えたいときは
Web制作において、固定でかかる費用/制作にかかる費用をご紹介してきました。いよいよ本題です。Web制作を発注する側として、きっと予算に限りがあることでしょう。「青天井の予算を用意できる」という人であれば、すぐに発注者を探してください。
多くの場合、費用の上限が決まっていて、できるだけ安く。しかも良いものを! と考えているはず。では、どのようにすれば費用を抑えられて、クオリティにも満足いくWebサイト作成を外部に依頼できるのでしょうか。
その答えのひとつめとして、「発注側で対応できる部分は対応する」ということが挙げられます。例えば、更新頻度が低いランディングページであれば、運用を軽減させる必要があるかどうかを検討する。CMSを入れる必要があるかないかなど判断するのもその一つです。
また、デザインを細部までこだわらない/特別なアニメーションなどを入れないなどの決断も重要な要素。その他、運用を自分たちで行なうのも金額を抑えるために必要なことです。要するに開発にかかる費用をおさえるために自分たちで対応できるところは対応するということになります。
ここで注意してほしいのは、Webサイトを作る上で、妥協するのではなく自分たちの求める機能を取捨選択しましょうということです。そのためには、発注側にもWebに対する知識が必要となります。
フリーランスへの発注も視野に入れる
コストを抑える上で、フリーランサーにお願いすることも一つの方法です。
Web制作会社に一括でお願いすることで情報の一元化を図ることができますが、会社として回すためある程度の人件費と会社運営を考慮せねばなりません。
フリーランサーであれば、Web制作(ディレクション、デザイン、開発)と分けてお願いすることができるためコストを抑えることができる場合があります。また法人ではなく個人に依頼するのであれば、企業であるがゆえに膨らむコスト(教育費や採用費などの労働費用や地代など)の分を圧縮できる可能性があるのです。
ただしこの場合も、発注側がWebに対する知識が不要になるわけではありません。依頼を適切に行なうための最低限のWebに関する知識、セキュリティや運用に対しても多角的な知識が必要です。
まとめ
いかがでしょうか。Web制作にかかる費用を把握することで、必要なものとそうでないものの取捨選択が見えてくるのではないでしょうか。
限りある予算の中で、自分たちの求めるWebサイトをつくるには、どの機能が必要で、どのページは不要なのかを見極めることが非常に重要になります。不要な機能にお金をかけてしまい、想定よりも費用がかかってしまったということもあるかもしれません。
そうならないためにも、Web制作会社に依頼するか、フリーランサーに依頼するかを考慮しながら、求めるWebサイトを効率良く低予算で作れるようしっかりとWebの知識を身につけることも大切です。