働き方はフリーでも髪の毛まではフリーにさせない! ハゲが未来から消えるiPS細胞の最新情報
ハゲについての話……
突然ですが、筆者はハゲです。正確言うと薄毛なんですが、それを誤魔化すためにハゲ頭に剃っています。そんな筆者も喜ぶようなニュースが2016年4月に飛び込んできました! 米科学誌で、iPS細胞から皮膚器官系を再生する技術の開発が報じられたのです!
この研究は、毛の無いマウス(ヌードマウス)に再生した毛包を移植し経過を観察するものだったのですが、その結果再生した毛がマウスの皮膚から生え、天然のものと同様に成長したのです!
皮膚は汗腺や皮脂腺、毛包など様々な器官が複雑に配置されていて、iPS細胞による再生が難しいと言われてきました。
しかしこの技術が確立したことにより、毛髪の再生医療は数段進歩したと言えるでしょう! “ハゲのいない未来”が到来する日もくるかもしれません!
そんなハゲを救う奇跡の細胞、iPS細胞とは一体なんなのでしょうか。人体には多能性幹細胞というものが存在します。臓器や皮膚、筋肉など、様々な組織に分化することができる、いわば体内組織の種のような細胞です。
人体が、器官を作り出そうとするとき、まずは多能性幹細胞を生産します。それが成長すると、臓器にもなれるし皮膚や筋肉にも成長できるため、多能性と呼ばれているのです。そんな多能性幹細胞を人工的に作り出したのがiPS細胞というわけです。
とはいえ、iPS細胞は全能性ではありません。と言うのも、胎盤を作ることができないからです。そのため、クローンを作ることは不可能と言えます。
iPS細胞が創造する未来
iPS細胞やES細胞の様な人工多様性幹細胞が実用化されれば、再生医療の分野が飛躍的に進歩します。例えば、事故などで手足を失った方に、iPS細胞によって再生された腕を移植してあげれば元の状態に戻すことができます。
臓器移植にしてもそうです。現在、移植は自分に適した臓器を持ったドナー待ちの状態になっています。さらに、例え移植できたとしても、他人の臓器を使うため拒絶反応の心配もしなくてはいけません。
しかし再生臓器を使えば自分の臓器を使うわけですから、ドナーを待つこともなく拒絶反応の心配もなくなります。
ただし倫理的な問題もあります。クローン技術は、人間を作り出すということが問題視されているし、ES細胞は人間になるはずだった受精卵を利用する点が指摘されています。
一方iPS細胞は、すでに身体の一部として分化した細胞を利用しています。つまり、あなたの身体の一部を利用してあなたの身体の一部を作り出す技術です。倫理的にも何も気にすることがないのです。
2018年、ハゲが歴史を変える!
資生堂は、2018年度を目途に毛髪再生の事業化を目指していると発表しました。世界からハゲがいなくなる日が、もうすぐそこまで来ているのです!
これが実現すれば、ヒトにiPS細胞を適用した貴重な事例となります。再生医療は、これをきっかけにさらなる成長を遂げるでしょう。
今まで自信をもって堂々と街を闊歩できなかったハゲの皆さんが、全ての人類の未来を照らす、希望の光となるなんて! その日が来るまで、ヘアカタログを読んで、未来の自分をイメージしておきましょう!