ノマドとビジネスの関係性? 稼ぐと仕事の違いとは?

現代に生まれた「ノマド」という生き方
現代では、ノートパソコンさえあれば仕事ができることが現実となっています。そのような、パソコン1つで仕事をする人を「ノマド」という言い方をします。ノマドとは、遊牧民という意味があるように1つの場所に留まらず、自由に仕事をすることを指します。
昨今の不況も相まって、会社勤めに不安を覚える人も増えています。そのため、自営業やフリーランスというノマド的な仕事を選ぶ人も多くいます。しかし、そのような生き方を選ぶ人に対し、批判が生じることもあります。筆者としては、それはノマドに対する批判というよりも、「ビジネス」という観点から批判されているように感じます。
ノマドを「生き方」で語るのではなくてビジネスとして語る
ノマドという単語を聞けば「自由」や「開放的」などという単語を連想する人も多いかと思います。ですが、現実問題として「これがしたい」、「あれがしたい」という“願望”だけではビジネスになりません。
ノマドを目指す人の中には、自分の「やりたいこと」だけで動く人がいます。もちろん、「やりたい」という気持ちは行動する上で大事な原動力となります。ですが、気持ちだけが先行すると「お金」の部分で壁にぶち当たります。自分の実現したいことを、しっかりと「ビジネス」として成立させることが非常に重要です。
ノマドとして生活するのであれば、社会から「求められていること」と「自分にできること」のバランスを考えることが大事です。好きなことばかりしていると、ノマドとしてではなくて「仕事ができない人」と批判されることにつながり兼ねません。
「仕事をする」と「稼ぐこと」は違う
ノマドを「生き方」ではなくて「ビジネス」として考える。そのように考えることができれば、おそらく自然と「稼ぐこと」につながると思います。
「生き方」というのは、自分がどのように生活したいのか考えることです。具体的に「自分がどのように稼げば生きていけるのか」を考え始めると、自然とビジネスの骨格を構築することにつながります。
このように、言葉1つの考え方・視点を変えれば「ノマド」という見方も変わってくるかと思います。そして、ノマドに対する考え方が変われば「ビジネス」として捉える重要性を自然と感じるかと思います。
ノマドは自分のスキルを「価値」として売る
では、具体的に「生き方」と「ビジネス」を住み分けていることでどのように生活が変わるのでしょうか。たとえば、Aさんはライターとして生活しています。彼はインターネットメディアや出版社から来る記事制作の仕事だけをこなしています。これに対してライターのBさんは、記事制作よりもブログやSNSで集客の仕組みを作りました。それだけでなく、地元でのさまざまなイベントに参加して地道に自分の顔を売りました。では、3年後にどちらが楽な生活をしているのか。答えは明白です。
記事制作だけをこなしていたAさんは、言ってしまえば会社で発生する雑務をこなしているに過ぎません。しかし、Bさんは文章教室を開催したり、記事作成能力を上げるため自己投資を行ったりして「ブランド」を磨き上げました。
せっかくノマドとして自由なのであれば、ひとつの仕事だけに捕らわれずアンテナを張っておくのは重要だと思います。拾った情報ひとつが、自分の人生を分ける分岐点となるのです。
ノマドとして生きるなら「ビジネス」を作ることを意識する
ノマドという生き方には、何かと批判が起こることもあります。しかし、批判の大半は「やっていけない」や「危険」という感情論からくるものです。ノマドという生き方で重要なのは「既存の仕事で稼ぐ」ではなくて、自分で「ビジネス」を作り上げるかどうか。この一点に集約するのだと思います。
ノマドとは、言ってしまえば自分の中にあるスキルを磨きあげて「ブランド」にできるかどうかに掛かっていると思います。そのためには、ただ「自由」や「自己実現」という言葉に執着せずにビジネスを考える必要があります。別にノマドという生き方を否定するつもりは全くありません。個人事業主としてビジネスへの転換ができないと、厳しいノマドライフになるばかりです。新しいビジネスを生み出す職業。それこそが「ノマド」のあるべき姿ではないでしょうか。