個人事業主と会社員の社会保険制度のちがいって何?

個人事業主になったら社会保険はどうしたらいいの?
今まで会社勤めをしていた人が、会社を辞めて個人事業主となった場合には、会社で加入していた健康保険が、国民健康保険に変更になります。
また、厚生年金から国民年金に変更になるので、それに伴って手続きなども必要になります。個人事業主としての仕事が波に乗り、人を雇うようになると、従業員の社会保険を一部負担しなければならなくなります。
個人事業主になると、何かと社会保険について理解しておく必要があります。そこで個人事業主になった時の手続きや従業員を雇った場合など社会保険にまつわる事項を見ていきたいと思います。
社会保険ってそもそも何のこと?
社会保険って何気なく使っているけれど、ちゃんと中身を知っていますか? 会社勤めをしている知人数名に「社会保険って具体的に何のことか知ってる?」と聞いてみると、「雇用保険とか健康保険とか、そういう諸々の保険のこと?」「いつもまとめて天引きされているものだから、あまり気にかけたことがない」という答えがほとんどでした。
私も会社に所属しているときは、勝手に引かれていたものだったので、右に同じく特に気にかけたことはありませんでした。改めて社会保険とは何のことかというと……
1、健康保険
2、年金保険
3、労災保険
4、雇用保険
この4つのことです。この中で、個人事業主が任意で加入することができる保険は、健康保険と、年金保険と、労災保険になります。
会社員と個人事業主では「保険と年金」はどう違うのか?
では、具体的に年金が会社員と個人事業主ではどう違うのかを見ていきたいと思います。まずは「健康保険」。会社員の場合、健康保険に加入すると、本人と被扶養者の医療費負担が3割になります。
また、一般的には月々納める保険料が会社と折半となるかたちが多いです。そして、個人事業主の場合の「国民健康保険」は被用者保険に加入していない人が対象となります。
個人事業主の場合は、「国民健康保険」に加入するケースが大半。世帯主と家族の医療費の負担が3割。そして、保険料は会社員と違って全額自己負担になります。
医療費の負担は義務教育就学から69歳までは3割となり、保険料は会社員時代と違い、全額自己負担となります。
次に年金について説明したいと思います。会社員の多くが加入するのが「厚生年金」。民間企業の労働者が加入する年金で、毎月納める保険料は会社と折半となります。
納付額は割高となりますが、将来の受給額も大きくなるというメリットがあります。対して、会社員ではない人(20〜60歳未満の全ての人)が加入する年金が「国民年金」。
こちらは「厚生年金」とは違い、全額負担となります。納付額は「厚生年金」と比べると少額ですが、将来の受給額も少ないという特徴があります。
いかがでしょうか? 会社員時代に内容を知らずに支払っていた年金も、このような違いがあることが分かります。
個人事業主が誰かを雇いたくなった時はどうするの?
仕事が一人では手に負えなくなってきて、アルバイトやパートを雇うとなれば、労災保険の対象となるということを頭に置いておきましょう。
労災保険は、勤務中に起きた事故を少ない保険料で補償することができるので、何かあったとき事業主であるあなた自身を守ってくれます。
労災保険に加入していないと、もし従業員が事故に巻き込まれた場合、支払うべき給付額を全額負担しなければなりません。人を雇いたいときは、十分に気をつけてくださいね。
そして、従業員の雇用保険は、日雇いは要件に満たないパートやアルバイトに対しては加入義務はなし。ですが、31日以上の雇用の見込みが1週間の労働時間が20時間以上ある場合には加入が必要になります。
個人事業主の場合、人を雇えば社会保険を負担しなければならいので、資金は大丈夫かどうかをよく検討してみてください。
社会保険で自分の首を締めることがないようにしましょう
個人事業主になったなら、まずは社会保険についてよく勉強しておきましょう。前項でも書きましたが、よく知らずに人を雇うと、負担しなければならない金額が膨大になったり、払わなくていいと思っていたものをさかのぼって支払わなければならないという事態が起こりかねません。
また、社会保険の手続きなどの事務仕事が増えるので、事務仕事も自分でやっている人にとっては色々な仕事がストップする可能性もあります。
個人事業主にとって、社会保険に加入することのメリットとデメリットをしっかり勉強して、把握しておく必要があります。仕事がうまくいき、会社にしてビジネスを大きくしていこうと思えば、雇用することは必要になります。そうすると社会保険も必要になります。今から勉強しておいて損することはありません。