知ることで変わる? フリーデザイナーの相場

知ることで変わる? フリーデザイナーの相場
フリーのデザイナーが最初にぶつかる壁が料金の設定。相場がわからなければ自分に値段をつけるのは案外難しいもの。一般的なフリーデザイナーの相場より安い金額にして損をしたくないし、高くしすぎてリピートがなくなるのも怖い。そんなフリーデザイナーが知りたい報酬の相場について調べてみました。
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フリーデザイナーが相場を知りたくなる理由は?

フリーになって大変なことといえば、本業以外の雑務が意外と多いということ。フリーデザイナーの皆さんも、もしかしたらデザイナーとしての業務より、見積書の作成など事務業務の方が大変と感じているのではないでしょうか?

特にフリーになりたての頃は、クライアントと直接金額の交渉をしたり見積書を提出するとき、「この案件ってどれくらいの金額が妥当なんだろう? 」とか「相場とあまりかけ離れた金額を出して仕事の依頼がなくなったら!?」など、つい弱気になったりいらぬ心配をしてしまうものです。

クラウドソーシングでのコンペや受注案件で価格が決まっている場合でも、その案件報酬が作業工程に対して妥当な金額かわからないときってありますよね。

そんなとき「相場がわかれば判断する目安になるのに」と思うこともあるでしょう。そこで実際、フリーデザイナーのデザイン料金はどれくらいが妥当な金額なのか、そもそも相場というものをどう解釈したらいいのか、私なりに調べてみました。

フリーデザイナーの相場はどうやって調べたらいいの?

自分の業務の相場を知りたいと思ったとき、まず思いつくのがインターネットの検索ではないでしょうか? 実際「フリーデザイナー 相場」と検索すると、デザイン料金の見積もり金額のまとめ記事や、知恵袋のような質問サイトがたくさんヒットします。

見積もり金額を公開しているのはほとんどがWeb制作会社やデザイン会社ですし、当然ながら会社や案件の規模、内容によって金額もマチマチ。「見積もり金額にはこれくらいの幅があるんだなあ」という参考になる程度です。

一方、質問サイトに寄せられる「この金額をどう思います?」といった相談に対する「安い」「高い」の応酬は、個人的な経験に基づく意見がほとんど。

発注側と受注側のそれぞれの状況や関係性の説明がなければ、他人が判断できるはずもなく、これはもはや、評価の値すらありません。

自分の実績やスキルと同等のフリーランスのデザイン料が公開されていれば、それが自分にとっての相場といえるかもしれませんが、そうした情報を探すことは現実的とは言えないでしょう。

結局、デザイナーの相場ってどのくらいなの?

デザイン案件の相場を算定するのはとても難しいとされています。なぜなら案件の規模によってはもちろん、デザイナーのスキルや実績などにより大きく変動するためです。

例えば、案件紹介サイトで紹介されている案件の相場と、知名度のあるデザイナーやデザイン事務所に直接依頼があるような案件の相場では、数10万円以上の差があることもざらです。

またデザインが一つの媒体に留まることなくクロスメディア展開されれば、一つの案件だけで大きな収入につながります。それらをひとくくりにして考えることは到底無理であり、意味がありません。ではデザイナーは自分のデザイナー料をどんなことを目安に考えたらよいか、次に考えてみたいと思います。

相場なんて関係ない! 自分の金額は自分で決めよう

相場の基準についてわかりやすい例で考えてみましょう。もしあなたが「こんな金額じゃやってられない! 」と感じる案件に出会ってしまったとしたら、それはあなたの“相場観”の中でありえない金額だということです。

あなたの“相場観”は、その案件で得られる報酬と作業にかかるコストの割合によります。当然、報酬の割合が高ければ満足度も高く、作業にかかるコストの割合が高ければ「やってられない! 」となります。

この場合の作業にかかるコストとは、仕事のたびに発生する時間コスト(時給)と、専門知識や技術の習得にかかったコストの2種類。先に報酬が決まっている場合、その案件にたくさんの時間がかかればかかるほど、報酬は少なくなります。

またデザイナーの技術習得にかかったコストに見合う報酬を得ようとすれば、このコストを報酬に上乗せしないといけませんが、それができずに時間コストしか請求できなければ、それも報酬が少ないということになるでしょう。

自分の相場勘の中で納得のいく報酬を得るためには、まずは基準となる自分の価格 = デザイン料を決めること。そのデザイン料にかかるコストをプラスすればあなたの相場観に見合う見積書を作成できるはずです。

売れっ子フリーデザイナーは相場のあるところに近づかない!?

最後に、売れているフリーデザイナーについて興味深い共通点があることをお伝えしましょう。それは「交渉の余地を作らない」「相場のあるところに近づかない」ということ。

報酬金額がある程度決まっている = 相場があると、よほど名声のあるデザイナーでない限り、それより高い金額では発注してもらえません。当然、付加価値をつけるか、相場の金額に近づける、といった対応が必要になりますよね。

このように相場があるところでは、常に相場の金額と比較しながらの対応を迫られるため、必然的に報酬金額は下がり気味になります。

逆に、こういった比較・交渉が不要ならば、こちらの希望する金額で発注してもらえるということになります。つまり、自分のデザインの価値あるいは提供の仕方を「比較されないもの」にすることが、相場のある所に近づかなくても済む秘訣ということです。フリーランスは、常に人より一歩先を読む力も求められているといえるでしょう。

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