初めての「Hello World!」からわずか数年。彼女はフリーランスの道を選んだ

フリーランスにならないともったいない! いいことづくめの自由な生活
会社員を続けるか、フリーとして独立するか……足踏みされている方を後押しするのが、現在フリーのエンジニアとして活躍する川面 理絵さん。
しかし、数年前まではエンジニアリングを全く知らない文系大学生でした。ところが、ある事情のため大学を中退。バイト漬けの日々を経て、ITの世界へと入りました。
彼女の人生を変えた転機とはいったい何だったのでしょうか? 彼女の現在の仕事と生活、彼女が語るフリーランスの魅力についても合わせてお届けいたします。
これまでの生活を変えたかった! 初対面の男性の一言に乗り、六本木ヒルズへ
ー プログラミングとの出会いを教えてください
プログラミングの存在を知ったのは、主人に出会ってからです。それまでは、カスタマーサポートの仕事をしていたんです。そもそもITの世界に入ったのは、数奇な出来事があって……。
ー 数奇な出来事! 笑
もともと、私はエンジニアリングとは無縁の文系大学生でした。でも、大学生活にあまり意味を感じておらず、休みがちになり。もう大学に行かず、歌手にでもなろうかとも考えていました。
そんなとき、人生1度目の転機となる東日本大震災が起きたのです。父は運送会社を経営していたんですが、震災を機に事業がガクっと傾きました。
それで家にお金を入れなくてはならなくなって。大学に通っている場合ではなくなったので、中退を決意しました。
ー 大学を中退した後はどのような生活を送っていたのですか?
バイト漬けの日々でした。あとは友達と飲みに行くくらい。複数のバイトを掛け持ちして、いくらかのお金を家に入れる。そんな生活でした。
ー ここまで全くITの世界とのつながりが見えませんが…… 笑
人生2度目の転機は、バーでバイトをしていた時でした。ある男性のお客さんから、何の前置きもなく「お姉さん、うちの会社に来ない!?」って声掛けられたんです。
閉店間際で忙しく、気にかけていなかったのですが、2声目の「うちの会社、六本木ヒルズにあるIT起業だよ」という言葉に惹かれちゃったんです。
当時はもやもやと今の生活を変えたい! と感じていた頃だったので、男性の話に乗っかり、ITの世界に飛び込んだのです。
初めて「Hello World」と表示できた感動。私にもプログラミングはできると感じた
ー ITの会社に入ったからといって、すぐにエンジニアになれるわけではないですよね?
その会社に入ってからは、カスタマーサポートの仕事をしていました。電話やメールでお客様対応をする業務です。そして、程なくして人生3度目の転機が訪れたのです。
それが、エンジニアである主人との出会いです。当時、彼は同じ会社の技術統括部の責任者。付き合い始めると、お互いの仕事の話をする機会も増えますよね。それで彼の作業や話を聞いて、プログラミングに興味をもったのです。
今になれば根拠のない自信でしたが、「私にもできる!」と思ったんです。それで、HTMLの本を買って、書かれているタグそのままに「Hello World」と入力してみたのです。
正しく表示されたときは、本当に感動して。「プログラマー」になりたい」って、すぐ会社に辞表を提出したんです。
ー すごい行動力ですね。その後はどのように学習していったのですか?
いざ、プログラマーになるって宣言したものの、なかなか独学では難しくて……。そんな時に、コードキャンプ株式会社のCTOから声を掛けられたんです。最初は「プログラミングで苦戦しているなら、うちのサービス使いませんか」という営業でした。
それが、何度かやり取りしているうちに「うちも人数少ないし、一緒に働きませんか?」という流れになり、未経験でしたがエンジニアとして入社することにしました。
最初はコードキャンプのサービスで実際に学びながら、開発作業をアウトプットするというサイクルで仕事をしていました。
あとは、必死にCTOや主人のコードを追って、分からないとこを聞くみたいな感じで。約1年ほど在籍していましたが、後半では一人立ちして貢献できていたと思います。
ー エンジニアとして会社に貢献できるようになった矢先に、どうしてフリーランスになられたのですか?
エンジニアとして成長してくると、同時にプログラミングと自分のスキルを通して、何ができるかが見えてきます。すると、形にしたいWebサービスのアイデアが次々に浮かんできて。
でも、会社にいると自分の作りたい開発を行なうわけにはいきません。私が器用でないだけかもしれませんが、サービスを開発し運営していくには、会社にいては不可能だと思いました。それで退職したのです。
でも、サービスを立ち上げるまで自分の開発一本に絞っていては、仕事の勘が鈍るし、起業するなら資金を貯めなくてはいけない。
かといって、時間に縛られたくはない。これらを満たす働き方は何か、考えた末に辿りついたのがフリーランスという道でした。
仕事時間は自分次第! 朝を気にせず没頭して作業ができる
ー フリーランスのメリットを教えてください
なんといっても、仕事の時間、場所を自分次第で決めることができる点だと思います。私はエンジニアだから、特にそうなのかもしれませんが、これは大きな利点です。
受注のペースも時期によって調整できますし、深夜まで技術の勉強をしても朝早くに起きる必要はない。
私は元々、夢中になったら寝食を忘れて勉強するタイプなので、気づくと早朝まで没頭していることがよくあります。そんな私でも、時間を調整し、例えばお昼寝をできるのもフリーランスならではのことです。
ー 未経験からエンジニアに転身した川面さんですが、非エンジニアがプログラミングを勉強するとなると、どのような学習方法を取るべきだと思いますか?
何から始めるかについてですが、やはりHTML /CSS から学んだほうがいいですね。もちろん、極めるのは難しいですが、簡単な静的サイトであれば、初心者でも書籍通りやれば作れると思います。
そこから、「こんなことできないかな」「こんなことしたいな」を拾い上げ、実現する方法を探るんです。その解決策を探す過程でPHPやRuby触れ、結果として学習に繋がります。
今はWeb上でプログラミングを学ぶことのできるツールが多数存在します。最初は無料から利用してみるのもよいかもしれません。
他には、近くにアドバイザーとなるエンジニアを見つけることも重要。私の場合は主人でした。開発で躓いたとき、初心者が毎度、自力で解決方法を探るのは難しい。解決に多くのリソースを割くのであれば、熟練者にサクっと質問したほうがいいでしょう。
若い女性にとって、フリーランスはいいことしかないと思う
ー 働き方が多様化したとはいえ、まだまだフリーランスの人口は少ないといえます。独立しようか足踏みされている方に何かアドバイスはありますか?
今、独立を迷われているのであれば、フリーランスに転身するべきだと思います。特に若い女性には強くオススメします。女性は独身時代、結婚、出産、子育てと経るにつれ、仕事に費やせる時間も変化していきますよね。
仕事への時間配分を迫られるなかで、フリーランスという働き方は大きなメリットがあると思うのです。私の周りにも多くのママさんフリーランスがいますが、皆さん、全然問題なく、両立することができていますよ。
子育ても仕事も、空いた時間で買い物もできますし、会社員時代より子育ては楽になるようです。私の人生は自由だ! と感じれるのではないでしょうか。
ー 将来の夢をお聞かせください
今は目標に向かう第1歩として、サービスを立ち上げ、起業に向け進んでいます。そのために、フリーランスとして仕事をしながら、開業のための資金集めをしています。
私は人生をロールプレイングゲームのように考えているんです。未経験から始めたエンジニア、そして起業の夢を持って活動開始したフリーランス。
どちらも最初は先行き不安な面もありましたが、正しい勉強や努力を続けていくと、スキルは着実に身についてきます。今は力がついていく感覚が楽しくてたまりません。
一見、難しいと思えた挑戦も飛び込んでみれば出来たりするものです。フリーランスを志している方は、ぜひ私のように挑戦してみてください。