フリーランスの職業病? 頸肩腕症候群で身体に負担をかけないためにやるべきこと

フリーランスの職業病? 頸肩腕症候群で身体に負担をかけないためにやるべきこと
フリーランスで仕事をしていると、クライアントとの打ち合わせや仕事、経理作業などのために長時間パソコンを使用することも多いと思います。「ちょっとしたコリや痛み」を我慢していると、発症する恐れがあるのが「頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」です。放っておくと、身体的症状だけでなく集中力の低下、情緒の不安定を招くことも。フリーランスにおきがちな頸肩腕症候群の症状・予防・改善方法をご紹介します
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頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)とは? 肩こりにご注意を

肩がこっている女性

首周りから肩、背中、腕や手などにコリや痛みなどの症状が現れたものをひとまとめにして頸肩腕症候群と呼びます。

医療機関で診察し画像診断などでなんらかの病気が判明した場合は、判明したその病型の診断がされますが、原因がわからない場合は頸肩腕症候群となります。

首肩腕症候群は神経や血管が圧迫され症状が現れます。首周りから肩のコリや痛みだけではなく、腕や手背中などに、しびれ、腕や手が冷たくなる、腕が鈍く重い、しびれる、脱力感、運動すると痛みを感じたりと症状は様々です。また普段よく使用する部位だけでなく、反対側にも症状が現れる事もあります。

現在は医療技術の発達で症状の背景にある他の病気(首の骨や軟骨の異常で起こる頸部椎間板ヘルニアや、頚椎の変形が元で起こる変形性頚椎症など)が判明する事も多いのですが、原因がわからないまま症状が治まらず悪化し、仕事だけでなく日常生活にまでも支障が出てしまう場合もあるので注意が必要です。

頸肩腕症候群の原因や、なりやすい環境とは

ベッドで寝る男性

頸肩腕症候群は首まわりや肩、背中などで筋肉の疲労により、筋肉の緊張状態が続き、筋肉の収縮や血管の圧迫から血行が悪くなることで、乳酸などの疲労物質が排出されずに蓄積されることが原因で起こります。

頸肩腕症候群になりやすいのは、デスクワークやパソコンでの作業などで腕や手を繰り返し同じように動かす動作、首や肩などの動きが少なく同じ姿勢が続く作業、正確で迅速な判断力を必要とし緊張を伴う動作、身体に適していない机や椅子、照度不足や寒冷負荷などがある作業環境などです。

また、こりや痛みを感じながらも、我慢をしながら作業を続けることで症状はさらに悪化します。なで肩や首が長く細い人は首まわりの筋肉が弱いことが多い為、同様の環境や作業でも、男性より筋力の少ない女性に負担が大きく発症率が高くなると言われています。

さらに精神的なストレスも筋肉を緊張させてしまうので症状悪化の要因となります。作業内容などで差がありますが、原因となる作業に従事し始めて、半年から3年ほどで症状が現れる人が多い傾向にあります。

頸・肩・腕だけじゃない! 悪化すると日曜生活に支障が出ることも……

肩こりだからと軽視し放置すると、仕事だけでなく食事や洗面、着替えなどの日常生活を営むことにも不自由を感じる症状が現れることもあります。

また、普段当たり前に出来ていたことができなくなることで、精神的な負担も大きくなってしまいます。頸肩腕症候群は筋肉の疲労・血行障害から痛みやしびれなどを起こしますが、放置するとその範囲は徐々に広くなります。

しびれを伴うような手の指の変色や筋力低下、首や肩・腕などの運動制限などが現れるようになります。また身体的な症状だけでなく、慢性的な痛みやこりにより、集中力の低下や情緒不安定、思考や判断力の低下、睡眠障害などがみられることもあります。

症状の範囲が広い人や、精神的な症状が目立つ人は回復までに時間がかかる傾向にあります。また症状の一部が治らずに障害として心身に残ってしまうこともあるため、症状がひどい場合は我慢しすぎずに早めに医療機関へ相談した方が良いでしょう。

頸肩腕症候群の自宅でもできる簡単な症状改善・予防法

マッサージ受ける女性

頸肩腕症候群には特効薬や治療法はありません。また画像診断での明らかな異常もないため、診断や治療は自覚症状を元に行なわれます。痛みが強い時には湿布や痛み止めの内服や注射を行ないますが、根本的な解決ではありません。

治療は理学・薬物・作業療法、温熱療法、マッサージ、ストレッチなどが行なわれます。症状が重い場合はストレッチや筋力アップトレーニングなどが逆効果となることもあるため、痛みやしびれが強い場合は注意が必要です。

自宅でもできる予防・改善法は、作業を行なっていても1時間おきに10分程度の休憩をとる。半身浴などで痛いところを温める。適度に肩回しや腕回しなどのストレッチを行なう。

ストレスをためないよう休日や趣味の時間を持つ。作業中の机や椅子の高さを自分に合わせる。室温や照明の明るさを調節するなどです。

仕事の休憩中に簡単にできるものとして、タオルでの温罨法があります。タオルを水で絞り、ビニール袋に入れてレンジで30秒から1分ほど温め、肩や首などにあてがいます。

たったこれだけで血管の拡張や血液やリンパ液の循環を促進し、細胞の新陳代謝を促すことができます。また知覚神経に作用し筋肉の緊張を和らげる効果もあります。疲れた時にはホットタオルを使って一休みしてみてはいかがでしょうか。

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