未経験からPRの世界へ! フリーランスとして、私らしく生きていく

働き方はもっとフレキシブルに、人それぞれ、自由でよいはず!
六本木ヒルズすぐそばの喫茶店が本日の取材場所です。少し遅れ気味に店内に入ると、1人だけ雰囲気の違うオシャレな女性がいました。声をかけてみると、その方が本日の主役。フリーランスPRの大村 香織さんでした。
彼女は現在、フリーのPRとして4〜5社ほどと契約し、新商品や新サービスのプレスリリース原稿の作成、取材対応、企業ブランディングなどに携わっています。
一見、華やかな世界で活躍されているように見える彼女ですが、フリーとして活躍するまでには人知れない苦労がありました。大村さんのこれまでの歩み、現在の生活についてお話を伺いました。
商品を発信する側に立ちたいと思う | 未経験ながら上京し、PRの世界へ
- フリーのPRになる前はどのような仕事をしていたのですか?
数年前まで奈良県でアパレルのショップ店員をしていたんです。私が就職した当時は店頭販売が主流。でも年を経るにつれて、通信販売や雑誌の影響が大きくなっていきました。「◯◯ちゃんが雑誌で着ていたブラウスありますか?」とか「◯◯の番組で見たワンピースが欲しい!」みたいな感じで。
潮流の変化を目の当たりにして、私も店頭で商品を”提供する側”ではなく、商品を”発信する側”にまわりたいと思うようになったんです。これが、PRを目指すようになったきっかけです。
- PR未経験の状態から、まずどのようなアクションを起こしたのですか?
東京へ飛んだんです! やるなら東京がいいなって思いまして。ただ、就職活動は苦戦しました。当時はリーマンショックの前で求人は少なくなかったのですが、未経験となるとなかなか雇ってくれる企業はありませんでした。
いくつかの面接を受け決まった会社は、自社ブランドをもつアパレルの会社。ただ……、先輩のPRがいなかったんです。
- 未経験で飛び込んだのに、先輩がいない……。そんな状況で、どうやってスキルを身につけていったのですか?
会社からは「思いつくことは全部やってください!」って言われていました。なので、旅行バックに荷物をいっぱい詰めて、自分でキャラバンにまわったり。雑誌の編集社に鬼のように電話をかけたりと何でもやりました。
また、幸いなことにPR系の友達が何人かいたので「わかんないから教えて!」とランチタイムに交流し、PRの勉強をしていました。年下とか関係なく、アドバイスを求めたのが良かったんだと思います。
働き方はもっと自由でいいのではないかと、時間に縛られる会社員生活に疑問を感じた
- なぜ、フリーランスとして独立しようと思われたのですか?
PRとして2社目の会社で働いていた時、とにかく多忙だったんです。平日はいつも終電で帰る日々。土日も地方出張とかで、友達ともランチも行けない。夜遅くまで仕事しているのに、朝は定時に出社しなければならない。当時はお肌も荒れていましたね……。
多忙な日々の中で「会社で働く」ということに疑問を持つようになりました。別に定時に出社しなくても大きな影響はないですし。勤務時間はもっとフレキシブルでいいはずだと。また、会社で一生懸命働いたとしても、友人と良好な関係を保ってくれたり、恋人を紹介してくれるわけでもない。あくまでお金がもらえるだけなんです。
自分の将来のことを考えたら、会社に所属するのではなく、フリーランスになるという選択のほうが賢明なのではないかと考えるようになりました。それで、独立に踏み切ったんです。
- 現状の働き方に疑問をもったからとはいえ、独立に不安はありませんでしたか?
もちろん、不安はありました。でも、それほど大きなものでもなかった。当時からフリーランスや個人事業主として活躍している友人が多く「私もそっちの世界に行くよ!」っていう感じで、割と安心して飛び込むことができました。
ホテルのプールで仕事したり、仕事の合間でネイルに行けたり……フリーランスの特権です!
- フリーランスになった今の生活を教えてください。
実は意外と会社員の方々と同じような生活を送っているんです。「送っている」というより「送るようにしている」。やっぱり、ある程度の生活リズムを守らないと怠けてしまうので、毎朝8時ごろには起床するようにしています。また、仕事相手は一般の企業なので、そのほうが仕事しやすいですしね。
ただ、日中ずっと会社にいることはないので、喫茶店で仕事したり、ホテルのプールで仕事したり、場所は割と自由に選ぶことができています。また、仕事と仕事の合間に美容室に行ったり、ネイルやジムに行ったりできることはフリーランスの特権。時間を有効に使えていると感じますね。
フリーランスの友達が、困ったときの助け舟になる
- 大村さんのようにフリーランスとして独立したいという方にアドバイスはありますか?
自分より一歩先を行く、フリーランスの友達を作ることが重要だと思います。私も友人にフリーランスがいたから、恐れることなく、新しい世界に飛び込むことができた。いなかったら、足踏みしていたと思います。
また、フリーランスって一人であらゆる問題を抱えなければならない。当然ながら、煮詰まってしまって、「これ以上考えられません……」という状態になることもあります。そんな時、同じ分野ではなくてもフリーランスの友達がいることで、違った視点からアドバイスをもらえたりするんです。新鮮な目線が、問題解決の大きなきっかけになったりします。そのため、友人の存在は大きいのではないかと思いますね。
あとはいろいろな人と食事をすることでしょうか。先ほども言いましたがフリーランスは自分1人で活動しなければならない。そのため、自分から積極的に人と交流を図り、情報収集・コネクション作りをしなければ、誰もやってくれない。案外、食事の場所から仕事が生まれることも多いので、意識してするべきことだと思います。
- 最後に大村さんの今後の夢・展望をお聞かせください。
一時は法人化しようかとも考えたんです。でも、友人に「香織は何のためにフリーランスになったのか忘れちゃダメだよ!」とアドバイスされて気づきました。私は時間や場所にとらわれない仕事・生活を手にいれるために独立したのだということを。
そのため、もっと自由な時間を増やしていきたい。理想としては週3日の仕事で、今と同水準の収入を得ることができればと考えています。世の中にはこのような働き方を実現している人もいるわけで、決して夢物語ではない。今後もより”フリー”なPRを目指して進んでいきたいと思います。
(おわり)