低単価でも、優先して受けたくなる仕事。人生を変えたクライアントとの出会い。

低単価でも、優先して受けたくなる仕事。人生を変えたクライアントとの出会い。
「一期一会」という言葉があるように、1人の人間との出会いで人生が変わることがあります。それは仕事でも同じ。1人で仕事を獲得する必要のあるフリーランスにとって、クライアントとの出会いは人生を左右します。月45万円を稼ぐフリーライター・谷中崇晃さんも独立当初は案件獲得に苦戦。苦境を救ったのは、あるクライアントとの出会いがきっかけでした。【フリーランスが語る、思い出の仕事シリーズ】
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クライアントと仕事でライター人生が躍進することがある

フリーランスで活動している時、困るのは仕事の依頼が途切れることです。僕も活動を始めてもない頃は、当然依頼がたくさんあるわけもなく、ランサーズで募集されている案件に提案しても採用されない、もしくはそもそも魅力的な案件がないなどの理由で、仕事が途切れてしまうことがしばしばでした。

フリーランスとして活動当初から、ライター1本でやると決めていましたから、仕事が途切れることは死活問題です。目ぼしい案件があればとにかく提案していく中で、色々なクライアント様に出会ってきました。

中には、非常にお世話になったクライアント様もいます。そのクライアント様のおかげで、大型案件の受注が増え、仕事が途切れることはなくなり、ライター活動が躍進したと感じているのです。

ある日、突然依頼されたゴーストライターという仕事

ライターを始めて1年くらいが経過した頃でしょうか。1通のメールがありました。取引したことがない相手からのメールだったのですが、メールには「Aさんから紹介されてメールしました」とありました。Aさんとは、ランサーズで取引したことがあるクライアント様であり、Aさんと交流がある企業で文章が必要となったとき、僕を紹介してくれたのです。

依頼内容はゴーストライターでした。普段受注するサイトコンテンツなどもゴーストライターと言えなくもないのですが、この依頼は書籍のゴーストライターです。依頼の性質上ジャンルは書きませんが、あるジャンルの書籍を出版したいため、執筆してほしいという依頼でした。

10万文字以上の依頼でしたが、自分でも電子書籍の出版などは経験があり、もとより長文は得意とするところなので迷わず受注しました。文字単価5円の案件であり、書籍の著者となる人物へのインタビューを行なったり、セミナー動画を視聴したりして情報を収集し、執筆しました。資料は十分でしたから、執筆は2週間で終わり、非常に実入りの良い仕事となりました。

その後もゴーストライターの依頼がたまに来るように

ゴーストライター

それまでは電子書籍の執筆経験しかなく、「電子書籍程度の経験はあまり売りにはならない」と考えていたのですが、この依頼によって紙媒体の書籍執筆を経験し、自信と実績を得ることができました。

ランサーズのプロフィールにも、堂々と「書籍の執筆経験あり。10万文字以上の大量執筆にも対応可能」と書けるようになり、その結果、電子書籍・紙媒体の書籍を問わずゴーストライターの依頼を受けられるようになりました。

それ以外でも長文の依頼も増えましたし、1万文字以上の文章を受注することは格段に多くなりました。依頼は頻繁にあるものではないのですが、たまに依頼があったときにはボーナス的な案件と思ってありがたく受注しています。

作業量無制限、資料の豊富な提供によるライター活動の安定

次に紹介するクライアント様(以下、Bさん)は、僕のライター活動の中でも唯一無二の存在であり、「思う存分書いてください。報酬は文字数に応じて支払います」という条件の依頼を継続してくださっているクライアント様です。書くジャンルに応じた資料もたくさん送付してくれるため、知識に困ることもありません。

最初の依頼の際、「思う存分」と言われていたので、ゴーストライターなどで培った力を存分に発揮して約26,000文字の文章を書き上げました。Bさんはその文章にいたく感心され、継続での受注となりました。

継続での受注も、すべて文字数は無制限です。資料も豊富です。そして、事前にTさんが考えたタイトル案についても、「もし書きにくければ変更して構いません」という好条件です。

情報の少ないものは1,000文字程度の記事に仕上げることもありますが、1万文字以上の記事を数えきれないほど書きました。これによって、文章力はますます向上し、今では1万文字の記事を休むことなく、2~3時間で一気に書き上げる力を付けることができました。また、そのような長文でも、書き直しの必要がないように道のりとゴールを把握しながら書き上げることができるようになりました。

Bさんとの付き合いは、もう2年近くになります。その間いくら書き続けようとストップをかけられることはなく、これによって僕は仕事が途切れることがなくなりました。

私生活でのトラブルの時、ボーナスが支給される

ボーナス

また、Bさんには大変な恩があります。私事ですが、あるとき僕は私生活での人間関係が悪化し、引っ越しに踏み切ったことがありました。その時、引っ越しや弁護士とのやり取りのごたごたでBさんの仕事を1ヶ月以上進めることができなかったのですが、ふとしたことからBさんがそのトラブルを知ることとなりました。

急に納品がストップしてしまったし、もう継続依頼はなくなるかもしれないと覚悟していたのですが、Bさんは「大変でしたね。色々とお金も必要でしょうから、私からボーナスを差し上げます。谷中さんの文章は順調にマネタイズできていますので、遠慮なく受け取ってください」と、25万円のボーナスを支給してくれたのです。

そればかりか、「トラブルのことで悩みがあればいつでも相談してください」との言葉もかけてくれました。また、それ以降の数ヶ月間、再び仕事をバリバリやる態勢が整うまで、全く急かすことなく待っていてくれました。

これには本当に助かりました。Bさんには恩義を感じているため、案件が立て込んでいる時でも時間を作り、恩返しと思って文章を書き続けています。普段受注している案件よりも単価は落ちますが、お金の問題ではなく、ただただ恩に報いる気持ちで書いています。

クライアントや仕事との出会いで、ランサー人生が変わることは確かにあります。これからも、ご縁を大切に、誠実に付き合っていきます。

(おわり)

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