ランサーズ全体の単価を上げたい|元新聞記者の願い

ランサーズ全体の単価を上げたい|元新聞記者の願い
新聞記者として歩んでいたジャーナリストの道。家族の看護、幼子の面倒を見るために、フリーランスという道を選んだベテラン記者に聞く、地方と東京の違い。いかにして仕事を得ていくのか。提案数が少ないから選ばれた!? そんな出会いもある、ベテランフリーランサーの奮闘記です。
LANCER SCORE
63

受注件数が少ないから選ばれた!?

先日、ランサーズでの御依頼主様から「受注件数が少ないから貴方を選んだ。安い仕事で数をこなして、手を荒らしていない」と言われ、目から鱗。そんな発想もあるのかぁと感心すると同時に、これまでやってきたことが無駄ではなかったとも感じました。

確かに、ライティングは一時期、素人の参入による単価下落が激しく、時給相応にとコピペも横行。発注側も対策でイタチゴッコだった感があります。そんななか筆者は、記者くずれの悪い癖で「ランサーズ全体の単価を上げたいなどと意味不明な供述」を始めました。

受注確率を度外視して「品質保持価格」で提案を続け、発注主が考え直すのか「筆者が提案したら募集中止」もたびたび。受注したら、リサーチ込みなら時間給に合わないオーバークオリティーで納品。また、デザインのコンペでは、流行りの「浮かぶ球体」は絶対に作らないことに決め、お客様ごとにロジックを伴う提案を続けて、連敗記録を大きく伸ばしました。

こうして、ランサーズでは「損」とされていた事ばかり、次々と試し続けました。関西では、商売は「損して得とれ」と言いますし。「地方・子供あり・所属なし」な筆者にとってランサーズは、遠距離営業の場、集金が確実な場として、非常に魅力的です。

高品質な仕事をしたい。もし、そういう案件が乏しければ、こちらから提案して、ランサーズで高単価・高品質の需要を作っていこう、と考えたわけです。

技術力で勝負するには

子連れ記者の子とペンギン

いまの中心は、プレスリリース・企業広報紙・技術解説と、選挙と、ネットメディアの要員育成ですが、これに至るまでには紆余曲折ありました。

ヤメ記者というと、支局長まで勤めあげて運が良ければ短大講師。白髪にループタイ、文化教室で奥様方に武勇談も悪くない。若くて名家なら立候補。一瞬でも社会部に在籍していれば、それをウリに本でも………全部ムリでした。家族の看護をして、赤ん坊のオムツ換えて、ミルク飲ませ、背中トントンしてゲップを出させている「ジャーナリスト」など、いません。在宅仕事をするしかない。

会社員時代、SEOが流行る以前に、主語述語の関連や、単語の使用頻度をコントロールして別表現の言い換えを多用、と新聞編集の技術をベースにしたアクセス向上策を自力で考案。実験で好成績をあげ、脱サラ後はこれで勝負するつもりでしたが……。

東京なら「大企業の1階でトイレを借りただけでも取引実績にしてしまう」フリーの世界、地方在住かつ肩書きを捨てたからには、技術の差がハッキリと結果に表れる仕事をしないといけません。

そこで、たどりついたのは選挙案件。やってみると、新住民の票を掘り起こし、新人でも野党でも上位当選。

地方版の経験から、地図や統計などを見れば、地域課題や情勢、所得階層は読み取れる。紙面デザインやポートレート写真も経験がある。「原稿・写真・デザイン」を1人でこなすことにより、一貫して候補者イメージを形成できます。さらに、プレスリリース代筆にも注力。毎回、取材を呼ぶことに成功しています。

筆者が書いたとも知らず、可愛がっていた後輩が1番に取材に来たのをお客様から知らされ「よしよし、良いセンスだ」と草葉の陰で喜んだこともあります。
 

「おとう、旅に出よ、旅いきたい」

子連れ記者の子
息子は物心ついた頃から、ずっと車中泊の撮影旅行に同行。母親も友達もおらず何かと我慢もさせていますが、好奇心旺盛には育っています。父親を友人扱いするのは困りものですが。

馴染みのお客様には「ほら京都の子連れ狼が来たぞ」と可愛がってもいただき、最近は撮影の真似事もしますし、写真選択の時に感想を聞くこともあります。

東京で会社員として多く稼ぎベビーシッターを付けるのと、地方のフリーで貧乏しながら長時間一緒にいるのと、どちらが子供にとって幸福だったか? 正解は分かりません。血縁者は他におらず、筆者が40すぎの子ですから一緒に暮らせる年月も短いでしょう。仕事があれば旅に出て、仕事がなければ、丹波篠山だの、琵琶湖だの、京都で動物園やSL見物、伊賀上野の忍者屋敷と、男2人のドライブ三昧な暮らし。

彼が成人した時に、どんな手に職をつけてやれるのか、彼が人の親になる時に、どんな親の記憶を遺してやれるのか。今は見当もつきませんし、年齢的に自分の目で確かめる事もないでしょう……実に無責任な親です。

来年はいよいよ小学校入学、少し子離れして、ガッツリ稼いでいきたいものです。

(おわり)

RECOMMEND
関連記事