売れるLINEスタンプの作り方 | あなたの経験からオリジナル作品が生まれる

売れるLINEスタンプの作り方 | あなたの経験からオリジナル作品が生まれる
今や日本最大のコミュニケーションツールとなったLINE。最大の特徴は、何といっても心情を簡潔に相手へと伝えることのできるスタンプでしょう。2014年5月には、『LINE Creators Market』がオープンし、誰もが自分で作ったスタンプを販売できるようになりました。宮城島 ひとみさんもLINEスタンプを自作・販売したひとり。制作のきっかけはお孫さんの誕生だったとか。Webデザイナーである宮城島さんにLINEスタンプの作り方を紹介してもらいました。
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孫の誕生がきっかけで、LINEスタンプを作ろうと決意。

すでに10万点以上も販売されているLINEスタンプ。あまりに多くて、欲しいものを探すのは困難な状況です。自分の心境を簡潔に伝えるのに大変便利なので、ピタッとあてはまるスタンプがが欲しいのです。でもなかなか探せない……探せないなら作ってしまおう!と考え、LINEスタンプの制作に挑戦してみました。

いざLINEスタンプを作ろうと思っても、どんなキャラクターを設定したらいいか、悩むところです。私の場合、2014年春に初孫が誕生。今年秋にも2人目の孫が生まれ2人の男の子のおばあちゃんに。この体験がキャラクター設定に大きなきっかけを与えました。

孫たちの誕生の記念になると思い、天使のように可愛い孫たちをイメージしたキャラクターでスタンプを作ることにしました。ただ可愛いだけでは面白くないので、もし赤ちゃんと話せたらどんなだろうと想像し、デザイン案を練り、描いていきました。一口にLINEスタンプの制作といってもいろんな作り方があると思いますが、今回は私のスタンプの作り方をご紹介します。

LINEスタンプの作り方1 | 準備する物、準備する事。

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まず、罫線のない白い紙と黒いやや細めのペンを用意します。次に、LINEで自分のひとりグループを作り、作業するPCにはLINEをインストールしておきます。スマホのLINEと連携しているので、描いたイラストをスマホで撮って、PCに保存するとき便利です。そして、Illustratorをインストール。LINEスタンプを1ファイルで管理するテンプレートが配布されているため、ぜひダウンロードしましょう。

いよいよキャラクターの設定。動物? 人間? 物? スタンプになったら面白いキャラクターを、何点か描きます。そしてキャラクターに言わせたい言葉を考えます。起きてから、寝るまでの日常生活、お仕事中、お友達との会話などだいたい40~50個は書き出しましょう。

キャラクターをブレストしたら、基本となるキャラクターを白紙に黒ペンで描きます。顔の表現力で勝負するなら、表情をセリフにあわせて作りこみます。私は記念の意味もこめて、全部手描きにこだわりました。ちなみに、イラストを描いた時に輪郭などの線は、ピッタリと閉じておくと色塗りの作業が楽です。最後に、描いた絵をスマホで、紙の真上から撮ります。その写真をLINEのひとりグループに送信します。PCに持ち替えPCのLINEから、ひとりグループに送信された写真をPC上に保存して一旦完了です。

LINEスタンプの作り方2 | Illustratorを起動!

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まずIllustratorを起動。保存したイラストの画像を、アートボードにドラッグ & ドロップ。画像をスケッチアートでトレースし、黒ペンの線だけを拾います。パスを整えながら、トレース作業を残り39回行ないます。

次に、色塗りです。色塗りにはライブペイント機能を使うと超速です。イラストを選択した状態でライブペイントツールを持ち、色を選びます。パスが閉じていないとライブペイントが使えないので、パスの隙間を自動的に検出して埋めてくれる機能を使って閉じてから塗り足すか、レイヤー管理をしながら塗り、ブラシツールでコツコツと色塗りします。ポイントは、細かいところの塗り残しがないようにする事。塗り残しは、リジェクトの元です。

40個すべての色塗りが完了したら、その中からメイン画像とトークタブ用の画像を選び、同ファイル内の適宜箇所にコピペして整えます。イラストが、すべてガイド線内に入っていることを確認してください。そして、42個のイラストを一気に、PNG画像で書き出します。作ったスタンプが、どのように表示されるか試せるサイト「LINEスタンプシュミレータ」で画像のチェックをしましょう。最後に、40個のスタンプ画像、メイン画像、タブ画像をzipフォルダに格納しておきます。これで申請への準備が、ほぼ整いました。

LINEクリエイターズマーケットで販売するまで

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まず『LINEクリエイターズマーケット』に、ご自分のLINEアカウントでマイページにログイン。新規登録ボタンから、スタンプの登録のための詳細を入力します。日本語でLINEスタンプのタイトルと、紹介文を指定の文字数で記述。海外での販売もできるので、英語の解釈も用意。必要事項を入力後保存し、あとは画像を登録します。

スタンプの登録画面から、用意しておいたzipフォルダをアップロードし、審査をお願いします。およそ1週間で承認メールがあります。(リジェクトがあるようなら、お知らせがあるのですぐ対応しましょう。再審査も、さほど時間はかかりません。)

マイページより販売ボタンを実行し、いよいよ世の中に放たれます。冒頭に書きましたが、10万点以上あるので欲しいと思ってくれる方の目に触れることは、まず不可能に近いことです。ご自分のタイムラインでLINEスタンプの販売先URLのリンクを貼って宣伝。加えてFacebook・Twitterで同様に宣伝。自分のスタンプを紹介できる「スタンパーズ」などもあるので、利用しましょう。そして自分も購入して、LINEスタンプを楽しく使いまくりましょう。

リジェクトにならないために、スタンプ制作で気をつけること

健全なセリフやイラストである事が、リジェクトを防ぐ当たり前のガイドラインです。”健全”だと思っていた私ですが、一度、LINEクリエイターズマーケットより全裸疑惑でリジェクトにあったことがあります。まさか私がペナルティーにあうとは思いませんでした。

リジェクトになったスタンプは、可愛い赤ちゃんのキャラクターで、白いロンバースを着ていました。しかし、メイン画像の背中を向けた天使ちゃんは、全裸に見えるようだ! というのです。

な~るほど。指摘を受け、早速、手直ししました。最終的に羽のついた天使ちゃんだけ、うっすら黄色のロンパースを着てもらいました (笑)。小さな塗りなおしでもリジェクトされてしまうので、事前のシュミレーターでのチェックが大切です。

まずは気軽に作りましょう | あなただけのLINEスタンプを

以上が、私のLINEスタンプの作り方のすべてです。簡単でしょ(笑)といいつつ、最初にキャラクターの設定を決めるのに、ダメ出しの連続で、半年近く悩みました。せっかく頭をひねって作った、愛着のあるキャラクターです。新しい表情を描き続けて、シリーズ化してもいいですね。もっとリアルにしてもいいし、路線をシュールにもっていくのも面白そうです。

また、同じ「ありがとう」という言葉でも、心の底から元気よく「ありがとう」と、落ち込んでいた私を励ましてくれて「ありがとう」では、表情は違うはずです。このように、同じ言葉でも、様々な感情に寄り添った表現のLINEスタンプ集があっても面白いと思います。使えそうなアイデアをイラストに落とし込んで、ご自身の活躍できる舞台を増やしていきましょう。

ちなみに、私は2つのLINEスタンプを販売しておりますが、売れ行きから言いますと、カラフルな色を使った『ほどほどゆる~い母さん』の方が未だにコツコツと売れています。ロンパースのかわいい『わたしの天使ちゃん』も、絶賛発売中です。絵が上手いとか下手ではなく、ウケるかウケないかがポイントです。あなたも人生の記念に、LINEスタンプを作ってみてはいかがでしょう。自分で作った作品が売れるって、楽しいですよ。

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