個人事業主必見! ホントに賢い節税対策とは?

個人事業主必見! ホントに賢い節税対策とは?
納税は義務とわかっていても、少しでも節税したいというのがみんなのホンネ。個人事業主は自分で経理も確定申告もするから大変だと言われますが、ちょっと待って。自分でするから節税ができるんです! 個人事業主必見の賢い節税対策をご紹介します。
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「個人事業主なら経費と控除を増やして節税」というのは本当?

確定申告のシーズンが近づくと個人事業主の節税対策にまつわる書籍やインターネット記事をたくさん見かけますね。その中で共通して言われているのは、「経費と控除を増やして節税しよう」ということ。

個人事業主が節税できるのは所得税です。所得とは、売り上げから経費を差し引いたもの。そして所得から各種控除を引き、所定の税率をかけて算出されるのが所得税となります。

所得税の算出方法を見れば、経費や控除が増えれば所得は減るので、その分、所得税が安くなって節税できるのは明らかですよね。節税するために「経費を増やす」「各種所得控除を増やす」。この2つが柱であることに間違いありません。

でも経費は出ていくお金。個人事業主として儲かっていなければ、経費を増やすことは赤字経営をするのも同然です。では皆、どうして「経費を増やそう」というのでしょう。それには2つの意味があると考えられます。

儲かっている人と儲かっていない人 | 経費を増やす方法は同じ?

一般に「経費を増やす = 物品を購入する」と思いがちですが、それができるのはあくまで事業で儲かっているときだけ。所得税の算出方法は、所得から各種控除を差し引いた「課税所得金額」に所定の税率をかけること。

しかし、税率は課税所得金額によって異なります。もちろん、課税所得金額が高くなればなるほど税率もアップします。具体的にあげると、課税所得金額が195万円以下の場合の税率は5%ですが、330万〜695万円の場合の税率は20%と4倍になります。

「課税所得金額アップ → 税率アップ → 経費を増やすことによる節税効果もアップ」となるわけです。では儲かってないときは経費をどうやって増やしたらよいでしょうか?

答えは、経費に計上できるものを増やせばよいのです。実際、何が経費になって何が経費にならないのか、結局のところ「ケースバイケース」だと税のプロも断言しています。

ということは、これまで経費として計上していなかったものも計上できる可能性があるということです。

見落としはない? 経費をチェックしてみよう!

儲かっていないときは経費を見直してみましょう。その場合、見落としがちな費目からチェックすることをおすすめします。あるサイトで税理士が紹介していた「よく見落とされている経費」の中から、私の独断で「確かに見落としがち!」と思った費目をリストアップしてみました。

(1)  事業税の納付額
(2) 固定資産税の納付額(事業に使っている面積分のみ)
(3) 社用車の自動車税(事業とプライベートの使用割合による)
(4) 印紙税
(5) 回収が不可能になった債権の貸倒れた金額
(6) 車の減価償却費(事業で使っている分のみ)
(7) 車検代(事業とプライベートの使用割合による)
(8) 無線LANのあるカフェで仕事をしたときのコーヒー代
(9)  神棚、笹代等の神社へのお布施等
(10)仕事関係の本を買いに行った際の交通費。

いかがですか? 「それも経費になるの?!」というものが1つでも見つかればラッキーです。ぜひチェックしてみてください。

儲かっている青色申告者におすすめ! 「減価償却の特例」とは?

年が明けて1年分の収支をチェックしていたら、去年は想像以上に儲かっていたと気づく。皆さんはこんな経験ありませんか? そして納税額を見て驚く。

それなら欲しかったタブレットや一眼レフカメラを買って経費で計上すればよかったと悔やみながら納税する……切ない話です。節税を考えるなら年末までに課税所得を確認しておきましょう。

一番手っ取り早い節税対策は、消耗品費を増やすこと。消耗品費とは10万円未満または使用可能期間が1年未満の備品。例えば10万円未満のタブレットの購入予定があるなら、前倒しで年内に購入すると節税になります。

また青色申告者におすすめしたいのが「減価償却の特例」。青色申告者は10万円以上30万円未満の資産を「少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例(措置法28の2)」により、その年に全額を経費として落とせるのです。

数年に分けて償却しても、1年で償却しても結局トータルの節税額は同じなのですが、収入が不安定になりがちな個人事業主の場合は、儲かった年に償却したほうが節税効果も高くなるので利用してみてはいかがでしょうか?

個人事業主が節税のために増やせる控除ってある?

最後に、節税のために増やせる控除について見てみましょう。個人事業主がよく勧められる控除が「小規模企業共済等掛金控除」です。

小規模企業共済とは、国がつくった経営者の退職金制度のこと。毎月の掛金は千円から7万円の間で、500円単位で選択できます。掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、全額が所得金額から控除されます。

例えば毎月の掛金を2万円とした場合、年24万円全額が所得金額から控除されます。また事業を辞めたときに共済金を一括で受け取ると退職所得となり、「退職所得控除」が受けられます。(分割で受け取る場合は年金と同様の控除が受けられます)

このように掛金をかけるときも、共済金を受け取るときも税的に優遇される点が、節税効果が高いといわれる理由です。またこうした節税面だけでなく、経済的に不安定になりがちな個人事業主にとっては、老後の生活資金の1つとして検討する価値も十分あるでしょう。

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