アルバイト契約と業務委託契約、異なる3つのポイント

アルバイト契約と業務委託契約、異なる3つのポイント
アルバイト契約と業務委託契約。実際の労働環境においてはあまり変わらない場合も多いですが、実態は大きく異なります。業務委託とアルバイトの違いについて、万が一のケースや契約終了後の扱いなど、具体例を交え知っておくべき3つのポイントを解説します。
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一見同じようで実は大きく違うアルバイト契約と業務委託契約

現在、日本においては様々な働き方が選択できます。正社員としての雇用契約をはじめとして、契約社員やパートアルバイト、あるいは請負契約や業務委託契約等、個人が働く上での契約は多種多様です。

この中で、アルバイト契約と業務委託契約は、求人誌などでの募集要項を見るとそれほど大きな違いを実感しないケースが多くあります。中には同じ業務を両方の契約形態で募集しており、業務委託契約のほうが若干高い報酬を提示している場合も見受けられます。

一見すると業務委託契約が魅力的に感じるのですが、そこには報酬額だけでは判断できない契約上の大きな相違が存在します。働く上で知っておきたいこの2つの契約形態の違い、重要なポイントを3つピックアップして解説します。

ポイント1 | アルバイト契約は雇用契約です

アルバイト契約と業務委託契約、最大の違いは労使間に雇用契約が存在するか否か、になります。雇用契約というのは、すなわちその企業で従業員として働くことを意味します。従って、アルバイト契約はその企業の従業員として働く契約ということです。

当然、いくつかの労働関連法の適用対象となります。一方の業務委託契約は企業から一定の「業務」を「個人(あるいは法人)」に委託する契約であり、商法をはじめとする商取引関連法律が適用対象となります。

働く側からの視点で言うと、アルバイト契約には社会保険や福利厚生、労災、その他労働者としての権利が付与されます。例えば業務中のケガに関しては労災適用となりますし、年1回の健康診断も会社側の負担で受診することができます。

ポイント2 | 業務委託契約は自己責任が伴います

一方の業務委託契約は、働く側は独立した個人(または法人)として扱われます。雇用されるわけではないので、社会保険は全額自己負担ですし、業務中にケガをしても自己責任です。雇用保険も適用対象外であるため、(次章で述べますが)契約終了後もデメリットがあります。

また、法律上は双方が対等であり指示命令系統も存在しないとなっていますが、実態は上下関係に置かれることが多いようです。近年では、アルバイト契約を嫌って業務委託契約を個人と交わし、あたかも労使関係にあるような扱いをする企業も増えてきています。

背景には日本の社会保険制度における企業負担の大きさが挙げられており、業務委託契約にすることで企業側が負担する保険料を削減できるという点が大きいといえます。また、業務委託契約は「成果物」に対する報酬を支払う契約であるため、成果が要求に達していなかった場合は報酬のダウンもありえるのです。

ポイント3 | 業務委託契約は契約終了後にご注意を

アルバイト契約も業務委託契約も、時期が来たら契約を終了することがあります。

前述の通り、アルバイト契約であれば雇用保険にも加入しているため、ハローワーク等に通い失業給付金を受給しながら少しの余裕を持って次の仕事探しを行なうことができます。しかし、業務委託契約は雇用保険未加入です。即ち、ハローワークでの失業給付金を受給する資格がないのです。

ということは、手持ちの貯金を切り崩しながら次の収入を得る努力をしなければなりません。失業中の職業訓練助成制度や再就職手当の受給等も対象外です。また、業務中のケガで契約終了した場合でも、その後の通院費用や治療代含めすべて自己負担です。雇用契約の有無は、契約中はもちろんのこと契約終了後にも様々な面で影響してくる要因なのです。

どちらの契約がよいかは自分で見極めて!

近年、非正規労働者の増加が社会問題となっており、それに伴いアルバイトや業務委託で働く人も増加傾向にあります。

そのような景況下において、正しく業務委託契約を運用している企業がある一方で、悪意を持って業務委託契約を導入している企業があるのも事実です。本来、業務委託契約は双方が対等であり定められた業務のみを行なう契約ですが、まるで労使関係があるかのように雑務を担当させたり契約時間を強制したりするケースがあるようです。

中には業務委託契約でありながら実態が労使関係にあると判断され、行政処分を受けた企業も存在します。本来、業務委託契約は個人にとって時間の制約や業務配分等の裁量が与えられるというメリットがある契約です。

このようなメリットを享受できる契約であるか、契約締結時にはしっかりと見極めた上でサインするように注意してください。

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